SamuKata
opq

opq

fanbox


opq posts

英雄の像

「な……なんか照れますね」 「む。確かに」 ユーミは静かに同意した。私たちの前で、今まさに二体の石像がお披露目されたところだ。横長の台座の上に並び立つ石像たちは、細かいところまで作りこまれた素晴らしい出来栄えだった。右には弓使いのユーミ...

View Post

鎖の向こう

私は自分がわからない。なんで私は高校から帰ると、鉄格子の中に入り込み、鎖で自分を繋いでしまうのだろう。ここは家の近くにある林の中。昔におじいちゃんが建てたらしい小屋があり、私はここを小さい頃から遊び場にしてきた。昔はもう少し可愛らし...

View Post

スパイドール

(調子はどう?)

部長の声が頭の中に直接響く。当初は自らの精神という不可侵の地を破られたことへの本能的恐怖を超克できず悩まされたが、最近はあまり気にならなくなってきた。人間とは慣れの生き物なのだな、と改めて思い知る。

(大丈夫...

View Post

キャラクター設定

ある日、スマホに見慣れないアプリがインストールされていた。 (こんなアプリ入れたっけ?) 覚えがない。無色のアイコンに「設定」というアプリ名。聞いたこともない。調べても出てこない。 (こわっ……) ウイルスか何か? この間変な広告タップし...

View Post

フィギュアの旅②

(ん? あれ……) (ここは……?) 私は両手でハートマークを作ったまま、どこかに立っていた。どうも寝てしまったらしい。世界が揺れていない。もう電車内じゃない。 (あっ、ばっ、バレなかった!? ……よね!?) もしもバレていたら、死ぬほど...

View Post

フィギュアの旅①

「いい湯だね~」 「ね~」 私たちは池のように広い温泉に浸かりながら、旅の成功と病気の寛解を祝した。人形温泉と呼ばれるここの湯は、まるで人形のように肌が綺麗になるというのが宣伝文句で、うっすらとした肌色の湯は見た目からして人の肌と親和性...

View Post

人形化のある日常

「咲村くん、人間を人形にできるって本当?」 隣のクラスから、高身長の女子がやってきて、俺に言った。 「ちょっとやって見せてよ」 「いいけど。小百合ー」 「何?」 「見たいんだって。人形化」 「おっけー。いいよー」 俺は小百合の肩に手をかけて、...

View Post

小児科クリニックのドールペット

「じゃあ、私は一生このままなんですか?」 「うーん、そいつらに元に戻す手段がなかったんなら、まあ……多分、その可能性が高いだろうねえ……」 私はうなだれた。やっぱり、駄目なんだ。私は一生、こんな小さな体で、小人として生きていかなくてはな...

View Post

小姑人形

「あはっ、可愛いお姉さんですね~。初めましてぇ~」 「どうも……。姉のクルミです」 私は自分を見下ろす巨人に頭を下げた。弟の彼女……ではまだないが、上手くいけばそうなるであろう相手。好印象でありたい。が、いつもと違って友好的なので私は面...

View Post

メイドロボの憂鬱②

「えっ……ちょ、嘘でしょ先輩、マジ……? あはははは!」 私は床に座り込み、真っ赤になって後輩の嘲笑に耐えなければならなかった。月夜ちゃんは高校大学の後輩で、かなりのお金持ちだ。事情が事情だけに、一人で病院に特攻する勇気が出ず、強い味...

View Post

メイドロボの憂鬱①

一発当てた。副業のつもりで始めた投資が波に乗り、あれよあれよという間に私は生涯年収分を稼ぎ切った。もっといけるんじゃないかという誘惑も頭にありはしたが、私は即座に手を引いて、アーリーリタイアすることにした。仕事も辞めたし投資も止めた...

View Post

ハロウィンの魔女

「トリックオアトリート!」 「……ちょっと待ってて」 私は急いでリビングに駆け込み、何かお菓子がないか探した。だがこんな時に限って何もない。お母さんに訊いても「そういえば何もないわねー、明日買ってくるわねー」という最悪の返事。今、ここに...

View Post

コスプレ人形

「やだぁ~、やっぱ可愛いー。改めてよろしくねー、花咲さーん」 「……よろしくお願いします」 私は目の前で顔をにやけさせている巨人に向かって、頭を下げた。不安だ。ペット感覚、流行りのアクセサリー感覚で引き取ったようにしか見えない。でもまだ...

View Post

退魔師フィギュア

「許してくだせぇ、もう悪いことはいたしませんからぁ……だも」 顔を腫らしてみっともなく泣き叫ぶ狸。決着は早かった。私と春香はごく基本的な術だけでこの化け狸をやっつけることができた。手先は器用なようだけど、ドつき合いは苦手だったようだ。...

View Post

ドールハウスの虜

「花咲さんは引き取り先決まってるの?」 病院で同じベッドになった「同期」の子。彼女は退院後、両親に面倒を見てもらうらしい。しかし私の場合はそういうわけにもいかない。既に家族は鬼籍入りで、頼れる親戚もない。 「うん……。まだ決まってないん...

View Post

ハイスクールフェアリー2

「お母さーん、ドア開けてー」 「はいはい」 「いってきまーす」 「いってらっしゃーい」 私は背中から生える羽をパタパタと動かし、静かに前へ進んだ。透き通るような色の蝶型の羽。私はこれをちょっと動かすだけで前後左右に自在に飛べる。物理的にあ...

View Post

フィギュア遺伝子②

あの重役はもうじき誕生日らしい。彼女の立てた潜入計画は、そのプレゼントの中に私を混ぜ込むというもの。それもなんと、フィギュアとしてだ。 (ええーっ!?) 私は驚き、全力で首を横に振った。冗談じゃない。あいつのフィギュアになるだなんて! ...

View Post

フィギュア遺伝子①

「説明は以上ですが、こちらにサインしていただいた段階で、今お話ししたこと全てについて了承し、ご納得していただけたということになります、よろしいですか?」 「……はい」 屈辱に唇をかみしめながら、私は答えた。震える手でペンをとり、ミミズの...

View Post

ハイスクールフェアリー

第一印象はドン引きだった。制服の上から真っ黒なローブを羽織り、黒いとんがり帽子をかぶったその子は、羽竜レベッカと名乗り、趣味は黒魔術ですと自己紹介した。 (うわぁ……) せっかくいい高校に入れたのに、同じクラスにこんなのがいるとは。が、...

View Post

人形市場 イラスト添付バージョン

「人形市場」の挿絵付きバージョンです。 内容は他サイトで販売しているものと同一なので、支援者の方は購入の必要はありません。

View Post

ヒーローショーのお姉さん③

いつの間にか五分過ぎ、私たちは同時に自由になった。タイマーは信頼できそうだ。 「ふふっ、これで私たち、一緒にステージに立てるね!」 いや、これまでも立ってましたけど……。ひょっとして、青葉さんは本気でプリガーになりたいタイプの人だったん...

View Post

ヒーローショーのお姉さん②

「あ、あの? 髪このままでいいんですか? ネットとか、まとめたりとかは……」 ひんやりと冷たく硬い、座り心地の悪い椅子。私はそこに腰掛けながら、糊でベトベトになった私の頭に、そのままピンクのウィッグを被せようとした青葉さんを止めた。私...

View Post

ヒーローショーのお姉さん①

「みんな~、今日はプリガーショーに来てくれてありがとー!」 ステージの上から、青葉さんのよく通る声が会場に響き渡った。進行に合わせて舞台袖から悪役ロボットが、そしてプリガーロボットが続々とステージに飛びだしていく。おかしいところはない...

View Post

魔法少女ミュージアム

小さい子供の頃、家近くの溝の中から、悪臭漂う、薄汚れたお爺さん人形を拾った。しょんぼりとしたその顔がとても可哀想に思えて、持ち帰って入念に洗い、綺麗にしてあげた。翌日、その人形は独りでに動き出し、自らは神様だと名乗り、優しい心を持っ...

View Post

永遠の張り込み

一見すると、その依頼はとても簡単そうな内容だった。地元の有力一家の娘が、悪霊に悩まされているという相談。二人組の退魔師を営んでいた私と里奈は、二つ返事で引き受けた。簡単そうだったし、恩を売るには最高の相手だったからだ。 庶民のリビング...

View Post

美貯金

「無駄な時間は貯金して、明日に若さを引き出そう」 たまたまつけっぱなしにしていたテレビから流れたこのキャッチフレーズを、私はスマホでも同時に目にした。最近よくみるなこれ。会社でも始めたって人がいたっけ。 化石処理というのを全身に施して、...

View Post

人形ペット イチゴちゃん②

アロマが切れても、私は中々27歳相応の言動を取り戻すことができなかった。私が元に戻るより先に、姪っ子優美ちゃんの誕生日が近づいた。 「で、イチゴは何をあげる予定?」 「イチゴ、お人形だしぃ、プレゼントなんて無理だよぉ」 この体じゃ買い物なん...

View Post

人形ペット イチゴちゃん①

私の居所は子供部屋の隅っこに決まった。姪っ子の強い要望によるものだ。私としてはまだまだ分別もつかないような年齢の子供と一緒にいるのは怖いんだけど、居候として面倒を見てもらう手前、あまり文句を言える立場にない。 「よろしくねー、イチゴち...

View Post

お礼と方針

今月末でFANBOX開設から2年となりました。これまでにご支援してくださった全ての方々にこの場を借りてお礼申し上げます。 本FANBOXではこれまで月1回の更新を慣例としてきました。がしかし、先月と今月に関しましては、非常に多くの方からご支援を受け賜わ...

View Post

人形温泉街

「あったー!」 私は思わず声を上げた。登山道から離れた木々の奥に隠された秘湯、人形温泉の隠し湯。私はそれを無事探し当てたのだ。 この町には古くから人形温泉の異名をとる温泉旅館がある。肌がまるで人形のようにツルツルになるというのが由来らし...

View Post