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薄汚いモブ獣人の催眠調教で陥落しただ一人の弟を捧げてしまうナサスくん③

※挿絵の修正を忘れてて記事が削除されてしまったので、修正を施した上で上げ直しました。


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前々回

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前回

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 ぴちゃり、ぴちゃり。温かな舌で、眉間から鼻先までを撫でられる。長く平たい舌先が、レネクトンの鼻面にぶちまけられた腸液と精液の混ざりものを掬い上げて、口へと運んでいた。

「やめ、ろ……」

 床に伏したまま、レネクトンは震える声で懇願するが、聞こえるのは鱗の隆起に溜まる淫液の一滴までをも舐め取られてゆく水音と、盛りのついた犬を思わせる熱く早い呼吸音ばかりだった。

「は、はぁ……ん、ちゅる……っ」

 変わり果てた兄は、うつ伏せのまま身動きの取れぬレネクトンへと背後から四つん這いで覆いかぶさり、自分の尻からぶちまけたばかりの淫らな混合液を夢中で貪っている。

 二度の絶頂を経てもなお熱く猛り続ける剛直が、先端のピアスを揺らしながらレネクトンの腰に押し付けられ、尻尾の付け根の辺りで前後に動く続けていた。

 生温かい先走りが背に滴るのを感じる。汗ばんだ体の火照りが伝わってくる。顔中に塗りたくられた唾液が顎へと滴る。

「子種なら幾度でも注いでやるというのに、まったく卑しい妻だ」

「お、仰るとおりにございます。しかし、はしたない妻とのそしりを受けようとも、最愛の夫に注いでいただいた子種を、どうして無駄にできましょうか……?」

 蔑むような笑いの混じる言葉に狼狽えながら、ナサスは熱を帯びて震える声で弁明した。

「……この胸を焦がす愛が、妻たればこそと我に命じるのでございます」

 レネクトンもよく知る低く穏やかな声を、悦びと興奮の入り交じる甘い色に染め上げながら、しかし乙女のような恥じらいの色を微かに含んで、ナサスが愛の言葉を囁く。

 数秒の沈黙があった。ナサスの上気した息遣いばかりが頭上から聞こえ続ける。

 きつく閉じた瞼の裏に、よく躾けられた犬のように四つん這いで主人を見上げその指示を待つナサスの姿が、ありありと浮かびあがる。

 やがてナサスの火照った息遣いに交えて、ぐふぐふと下品に喉を鳴らす笑い声が、寝台の上からこぼれ落ちてくるのが聞こえた。

 小男は抑えきれぬ笑い声を一頻り発散した末に、絡みつくようないやらしさを感じさせる濁った声で、ナサスへと問いかける。

「そうか。ならこちらも、無駄にはするなよ?」

「御意のままに……っ」

 返事をするナサスの声は、期待に満ちて上ずっていた。腰に乗せられたままの剛直がビクビクと、喜ぶように震えるのが伝わってくる。

「ん、あぁ……」

 ナサスが大きく顎を開き、舌を突き出しながら、欠伸にも似た間の抜けた声を漏らした。そして、そこから数瞬の間を置いて、男が深く息を吐く。

「はあぁ……ッ」

 ――じょぼおぉぉぉ。

 異臭を伴う生温かい液体が、ナサスの突き出した舌へと向けて弧を描く。舌の上で受け止められたそれが飛沫となって飛び散り、あるいは開いた顎からこぼれ落ちて、レネクトンの顔へと降り注いでいた。




 響く水音の中に、ナサスが喉を鳴らしそれを嚥下する音が混じっていた。

 厠の臭いが立ち昇り、上顎を伝って口腔へと滴る液体の塩気と生臭さが、じわりと舌の上に広がってゆく。

「……っ!」

 こみ上げる吐き気に背筋が震え、屈辱にうめき声が漏れる。

 頭上から聞こえる水音が弱まってゆくのに合わせてナサスが身を乗り出し、屈強な膝の重みがレネクトンの背にのしかかった。

「む、ん……っ」

 水音が途絶える。ごくり、ごくり、と喉を鳴らす嚥下の音のみが生々しく響き、やがてそれすらも頻度を落としてゆく。

 替わりに、柔らかく萎んだ魔羅へと吸い付く汚らしい音が聞こえた。じゅるううう、と、尿道に残った黄色い液体を、唇を震わせながら啜り上げる、下品で卑しい音が。

「……ッ、けふ……っ」

 ナサスは、ちゅぱ、と舌を鳴らしながら口を離し、小水もろともに吸い込んだ空気を吐きこぼしながら、小さく身震いする。

 その顔に、屈強な肩に、逞しい胸板に滴る液体が再び飛沫となって跳ね、床に出来た黄色い水たまりに無数の波紋が浮かんだ。

「っ、ぁ……」

 背に乗せられた膝が重みを増す。小さく呻くレネクトンの顔へと、小刻みな呼吸音が近づいて、湯気を上げる水溜まりと同じ臭いをした吐息が顔にかかる。

 ――ぴちゃ。

「……ッ」

 顔のすぐ横から響く水音に、レネクトンは息を呑んだ。きつく閉じた瞼の裏に、兄が決して行うはずのない痴態が浮かび上がる。

 ――じゅる、じゅぞぞ。

 耳を塞ぐこともできず、間近から発せられる水音を聞かされながら、レネクトンはより一層に強く瞼を閉じた。

 兄が今なにをしているのか、見たくない。その顔にどのような表情を浮かんでいるのか、それが己の想像してしまったものと同じなのか、確かめたくない。

「ふっ、ふぅぅ……!」

 ナサスの荒い鼻息が水溜まりを波打たせる。熱を帯びた吐息が、鼻腔を満たす小便の臭いをより一層に際立たせる。

 失望、困惑、喪失感。胸に重たく沈む負の感情が怒りさえも押し潰し、脳髄が冷たく麻痺してゆくような虚脱感があった。

 凪のような静けさの中で、ただナサスの息遣いと液体を啜り上げる下品な音ばかりを聞かされ続ける。

 もうやめてくれ。胸の内でそう懇願の言葉を何度呟いたかも分からなくなったころ、醜悪な期待に満ちる猫撫で声がそれを遮った。

「さて、次は蓮っ葉な小姑の蕾を味見してやろうか」



 

 人よりも獣に近い形をした雄竿、透明の雫を滲ませ粘膜を露出させた割れ目、太く強靭な尻尾の付け根辺りできつく閉じたままの肛門。レネクトンはそれら全てを曝け出す形で柔らかな寝具の上に座らされ、壁に背を預けながら恥辱に牙を食いしばる。

 量の太ももには、じっとりと小水に濡れた手のひらが乗せられていた。男が望むままに、ナサスは弟の体を抱え起こして寝台へと運び、その股を開かせた。

 肉親を供物として差し出すことへの葛藤など微塵も感じさせることはなく、下卑た獣慾に貪られようとする弟への哀れみすらもない。

「初夜というのはたまらんな。年甲斐もなく胸が高鳴る……!」

 上着を脱ぎ去る衣擦れの音。まるまると肥えた足が寝台を踏みつけ、軋ませる音。色褪せた毛皮を湿らせる汗の臭い。興奮に震える男の声と共に伝わってくるそれら全てに、嫌悪を掻き立てられる。

 男の顎から漏れ出る、ぐふ、ぐふ、と喉を震わせるような汚い笑い声が、汚物のようにべっとりと体にへばりつくような心地がしてならなかった。

「恥じらう姿も初々しげでそそるが、妾としての自覚が足らんな?」

「ぐっ、う……っ」

 ナサスの尻の穴を散々と掻き回し、べっとりと愛液が付着したままの指で、鼻先から目元までをなぞり上げられる。腸液と精液の混ざる生臭さに呻き顔を背けようとするが、それすらもできなかった。

 肩を小さく震わせることしかできず、なすがまま弄ばれるうちに、やがて男の指でなぞられた場所が、じわりと甘い熱を帯びる。呼応するように、腹の奥であの宝石が鼓動するのを感じた。

「なんと逞しい。……蕾の方も、さぞ締まりの良い名器なのだろうなぁ?」

 男のもう片方の手のひらが、レネクトンの右肩から腕へと、その逞しい筋肉の隆起を辿り確かめるような手付きで下降してゆく。

 汗で湿った手のひらが、やがて投げ出した右手の甲に重ねられ、そして指の一本を包み込むように握られる。

「ふふ、指の一本が、男の魔羅とも見紛う大きさだな」

「……ッ」

 それこそ言葉通りのモノを扱っているかのように、柔らかな緩急をつけて手のひらの中で揉みしだかれ、弄ばれる。

 じわりと男の体温が伝わってくるのを感じるとともに、どろりとした欲望を見せつけられる気色の悪さに気づけば唸り声が漏れ出ていた。

「シュリーマを守る超越者の一柱が、初夜となればまるで生娘だな。……なに、怖がる必要はない。優しく愛してやろうさ」

 自身の言葉に酔い痴れるかのような口ぶりで耳元に囁かれながら、握りしめられた指を引かれ、腕を持ち上げ荒れてゆく。

 臓腑の奥から鼓動が響いた。体に刻まれた紋様が再び熱を帯びて、脱力していたはずのレネクトンの腕は男に導かれるがまま、その意の通りに動いてゆく。

 己の肉体の手綱を他者に握られる感覚の薄ら寒さに、唸り声を更に一段低く響かせながら、レネクトンは体の支配を取り戻すべく己を振るい建てようとする。

「てめ、ぇ……っ」

 空を抱え込むように曲げた腕の上へと、肥えたるんだ尻を乗せて腰掛けられる。

 隆起した筋肉を震わせる首に腕を回され、柔らかな胸や腹を押し付けられるようにしながら体重をかけられる。

 まるで恋人でも気取るように馴れ馴れしく寄り添う小男を振り払うこともできぬまま、ざらついた舌で目元を舐め上げられて、早くその瞼を開けろと促される。

「うっ、あ……ッ」

 抗えない。全身に広がった紋様が淡く光って、己のものではない邪な魔力が体中を駆け巡って、溶け込んでゆく。

 瞼が緩やかに上がっていき、薄っすらと開いた目に、黄ばんだ牙を見せて嗤う男の顔が映った。

「お前も一度男を知れば、しおらしくなるだろう。……なにせ、なぁ?」

 男は、そう確信しているかのような口ぶりでレネクトンへと語りかけながら、なにか命じるように顎をくいと動かした。

 その意図を読み取れずにレネクトンは沈黙するが、下卑た指示は間違いなく目当ての相手に届いていた。

「……仰せのとおりに、夫よ」

 その合図を待ちわびていたかのように、熱の籠もった声で返事をするナサスの姿を、レネクトンはぎょっと目を見開いた。

 低く、平伏するように背を曲げたナサスの顔に、レネクトンの股ぐらからそそり勃つ剛直が重なる。

 半開きになった顎から小水の黄ばみを帯びたままの舌を垂らして、太く強靭なワニの尾の根本、固く閉じたままの蕾へと鼻面を寄せた。

「やめ――ッ」

 レネクトンは焦燥に目を見開きながら制止の言葉を鋭く叫ぶが、弟の叫びが兄が聞き入れることはなかった。

 ――じゅるり。

「ん、あ……ッ!」

 柔らかく、熱く、それでいて力強く動く舌で、肛門を舐め上げられる。

 上に、下に、溢れ出す唾液を塗りたくるように繰り返したかと思えば、きつく閉じた穴をすぼめた舌先でぐりぐりと圧迫する。

「ッ、ぅ、く……!」

 執拗に、貪るような熱烈さで肛門を責め立てられる。甘くこそばゆい感覚に腰が震え、上ずった声が漏れてしまいそうになる。

 必死に牙を食いしばって声が漏れ出ぬように耐えるが、快感に剛直が揺れ、先端から透明の液体が散るのを止めることは出来なかった。

 剛直から滴り落ちた先走りの液体が自らの顔へと降り掛かろうが、ナサスはそれを気に留めることもなく、むしろ立ち昇る雄の香りに鼻息を荒らげながら、夢中で弟の尻穴へとむしゃぶりつく。

「……っ」

 レネクトンは、兄が痴態の最中で浮かべる表情に息を呑む。もはやレネクトンも、その隣に寄り添う愛しい小男でもなく、ただ目の前にそそり勃つ男根を見上げながら、ナサスは夢中で舌を動かし続けていた。

「じゅるっ、んんっ、ふっ、じゅ……ッ」

 そろりと、まるで粗相を指摘されるのを恐れるような手付きで、ナサスの片手がシーツの上から離れ自らの臀部へと向かう。

 明け方近くまで弟の肉棒を貪り、今しがた小男の黒魔羅で、まるまると肥えた指で、散々と掻き回されてもなお、ナサスは満足していなかった。今も卑しく震え続けるその雌穴を、自らの指で慰めるべく手を触れる。

 叱られるのを恐れる子供のような慎ましい手付きで始まったそれは、数度指を動かす頃には激しさを増し、それだけでは飽き足らずヘコヘコと腰を振って自らの肉棒をシーツに擦り付けている有様だった。

 淫蕩に取り憑かれ見るに堪えぬ痴態を晒す兄に言葉を失うレネクトンへと、男がしたり顔で耳打ちする。

「血は争えんと言うだろう? お前もすぐ、色に狂い夫へと愛を乞うようになろうさ」

「んっ、ぅ……ッ」

 言葉と共に、男の指がレネクトンの口元へと触れた。鰐の大顎に並ぶ牙の隙間へと、愛液に塗れたままの指先が滑り込む。

 拒むことも、その指を食いちぎってやることも出来ない。なすがまま顎を開き、雄の味わいが舌の上に広がるのを感じるのみだった。

「んぐッ、るゥうう……ッ」

 ナサスの舌が肛門の上を這うたび、喉の奥から甘く上ずった声が漏れ出て、半開きになった顎からこぼれ落ちる。

 その色気づいた己の声が、他ならぬ兄の舌使いによって引き出されているという事実が、どうしようもなくレネクトンの気勢を削いだ。

「堪らぬ舌使いだろう? 夫婦の営みを重ねるたびに上達しおる。それもまあ、夫への愛ゆえだろうな」

 おの付け根に浮かぶ肛門は、いつしかぷっくりと隆起して無垢な桃色の秘肉を晒しながら収縮を繰り返すようになっていた。

 深く刻まれたシワの隅々にまでナサスの唾液が染み渡り、じわりとした熱を肛門の内側にまでも感じる。

 そんなレネクトンの変化を目ざとく感じ取り、ナサスは糸を引く舌をその顎へと納め、代わりにすぼめた口先を肛門へとあてがわれる。

 ――じゅぞぞおおおおお。

「――ひッ、あぁッ!?」

 レネクトンは情けのない声を上げながら大きく身震いをした。音を立てて肛門へと吸い付かれながら、舌での丹念な愛撫とは別の甘くむず痒いような刺激に身悶えする。

 充血し紅潮した尻の穴が唾液に塗れながらきゅううと固く縮み上がって、穴の奥へと染み込んでいた唾液をとろりと溢れさせるほどにきつく締まり、肉棒が狂ったように震えて先走りを散らす。

「~~ッッ!?」

 喉の奥から声にもならぬ掠れた吐息が漏れる。全身がこわばるように緊張して、肛門に感じる熱が感じたことも無いほどに高まり、そしてその反動が訪れる。

「はぁ……っ」

 ちゅぱ、と音を立てて、ナサスの口先が肛門から離れるのと同時に、引き締められた緊張の糸が弾けて、全身が一気に弛緩してゆく。

 きゅうきゅうと締まっていた尻の穴も同様に緩んで、束の間の無防備を晒していた。

 ナサスはそれを見逃すこと無く、大顎を開きレネクトンの尾へと食らいつく。

「おッ、お……ッ!?」

 熱く震える舌が、誰にも、己ですらも触れたことのない場所へと滑り込んでくる。排泄以外の目的で使われたことなど無く、雄を受け入れる準備も整わぬそこだが、肛門への丹念な愛撫によって火照り、潤滑を帯び始めていた。

 粘液に塗れて震える窄まった洞窟の中で、ナサスの舌が蛇のように這い周り、腸壁を擦り上げる。

 味わったこともない未知の刺激に間の抜けた声を漏らしながら、荒くなる呼吸は熱を帯びてゆく。

「随分艶のある声で啼くようになったな。……どれ、儂も一つ手伝ってやるとするか」

「やめ――、ひあ……ッ!」

 にたりと牙を見せながら話す男へと、レネクトンが唸り声を向けた瞬間、逆らってはならぬ相手への口答えを嗜めるように、尻の奥でぐりゅんと舌が蠢く。

 レネクトンは制止の言葉も半ばに情けのない悲鳴を上げ、雄竿から涙を溢れさせた。

 逞しく割れた腹筋は、鈴口から溢れ続ける先走りに塗れ、男の肥えた足先がそこを横切って、いきり立つ男根へと辿り着く。

「ひッ、あぁッ、ぁ……っ!?」

 足裏のかさついた肉球で肉棒を踏みにじられながら、レネクトンはいよいよ抑えることの出来ぬ嬌声を上げて腰を震わせる。

 雄々しく上向いた男根が圧力に負けて角度を変え、鈴口から溢れる先走りがびちゃびちゃと音を立てながらナサスの顔へと滴る。

 尻の奥と、はち切れんばかりに膨れた雄竿の二点から同時に与えらる快感は、味わったこともないほど強烈に背筋を駆け上り、抗いがたくレネクトンを蕩かす。

「いつでも果てて構わんぞ? 兄の舌で尻穴をほじられ、男の足で魔羅を踏みつけられながらな」

「ぐっ、くそ、がぁ……ッ」

 愉快そうに目を細めこちらを見上げてくるその顔を、今すぐ噛み砕いてやりたいのに、自身の身体がそれに応えてくれない。

 なんとか絞り出す悪態すら、こらえきれぬ喘ぎ声が混じり甘い火照りを帯びている有様だった。

 尻の奥で舌がうねるたび、かさついた肉球で雄竿を擦り上げられるたび、抗えぬ痙攣が背筋を伝う。

 小男に踏み躙られながらビクビクと震える肉棒の下で、恍惚の表情を浮かべながら先走りを受け止める兄の姿から、目を背けることもできない。

「くそ……ッ、くそッ、くそ……っ!」

 口汚い罵倒の言葉が、喉の奥から溢れ続ける。この状況への憤りを示す、それが唯一の方法だった。

「あっ、あ……ッ!?」

 そしてそれも、蕩けるように火照った直腸の奥をちろちろと舌先で刺激されるだけで、容易く途切れてしまう。

 肛門がヒクヒクと、狂ったように痙攣を繰り返しながら、深く差し込まれた舌を締め付ける。

 初めて他者と触れ合う快感に慄いて震える肉壁に滲む腸液は、ナサスに舐め取られたそばからすぐさま溢れ出して、収縮を繰り返す肛門からとろりと漏れ出ていた。

 ナサスの舌使いと小男の足の動きは示し合わせたように呼吸を合わせてレネクトンを責め立て、絶頂へと導こうとしていた。

「や、め……ッ、あッ、ああぁあ……ッ!」

 男の足の下で頭を垂れた肉棒が、その足を跳ね除けんばかりの勢いでビィンと跳ね上がりながら先走りを撒き散らしては、再び脱力して下を向く。

 絶頂が目前に迫るのを感じる。しかし、ただ肉棒への刺激のみで達しようとしているときとは違う、もっと深い感覚が伴っていた。

 尻の奥に芽生えた熱と、肉棒を包み込む熱。それらが腰の奥の深い場所で繋がって一つとなり、味わったこともないほども強く、ヒリつくほどの予感を抱かせる。

「い゛ッ、あっ、あぁっ、あ゛……ッ」

 絶え間なく喘ぎ声を漏らし閉じることも出来ぬ顎から、ぽたぽたと唾液が垂れ落ちる。荒い鼻息とともに鼻水がとろりと流れ出して、見開いた目は涙を溜めて血走っていた。

 ……嫌だ。嫌だ。やめろ。こんな、耐えられない。こんな狼藉が、許されて良いわけがない。

 あってはならない。決して、こんなこと――。

「ガァ――ッ!?」

 ――びゅるううううっ!ごぽおおおおおッ!

 剛直を一際大きくびくんと跳ね上げながら、レネクトンはついに達していた。尻の奥から竿の先端まで、それら全てがまるでひとつの大きな性感帯になったかのように連動して、途方もない快感を発する。

「おお、おっ!? なんと猛々しい……!」

 絶頂に跳ね上がる剛直の力強さに驚きさえ感じている様子で、小男が声を上げる。

 びくんびくんと痙攣を続ける肉棒から迸る精液は、ナサスの背や腰を白濁色に彩るだけにとどまらず、その尻の先へまでも飛んでシーツを汚していた。

「オ゛ッ、お゛ォ……ッ!?」

 剛直の手応えを楽しむように足裏を擦り付けられ、絶頂へと達した肉棒を責め立てられながら、レネクトンは肩を震わせて呻くような悲鳴をあげ、尿道に残る精液をゆるく吐き出し続ける。

「お、ああっ、あぁ……」

 再び小男の重みに屈し頭を垂れた肉棒から、とろりと溢れ続ける精液が、ナサスの顔へと滴る様を、レネクトンは絶頂の後に訪れる忘我の中で、呆然と見つめていた。

 かつての凛々しさも、深い知性を感じさせる冷静さも失い、淫蕩の悦びに酔い痴れ呆け果てた顔で弟の精液を受け止める、メス犬の顔を。

「ん、あ……ッ」

 ゆるゆると弛緩した肛門から、ずりゅうと舌を引き抜かれながら、甘い声が漏れるのを止められなかった。

 蕾は今や小さく口を開けたまま閉じることもなく、赤く色づいた腸壁を外気に晒していた。

 レネクトンは、未だそこに燻る火照りが、己に奇妙な切なさを抱かせるのを感じる。

 尻の奥の、誰にも触れられるべきでない深い場所が、疼くように震えている。

「蕾も、ようく整ったようだ」

「……っ」

 そんなレネクトンの困惑を察したかのように、小男がどろりと欲望に濁った声で囁いた。

「お前も兄のようになりたかろう? 愛する夫に抱かれる悦びを教えて欲しいと、期待しているのだろう? ……分かっているとも」

 首へと回された男の右腕が動き、その手首に嵌められた腕輪が赤紫に淡く発光する。

 首筋から下顎までを指先でなぞられながら、その軌跡に蕩けるように心地よい熱が残るのを感じた。

 半開きのまま閉じることの出来ぬ下顎へと指を引っ掛けられ、男の顔を見下ろすように促される。

「ち、が……」

 男の両目に視線を惹き込まれ、拒絶の言葉も尻すぼみに消え入ってしまう。

 ネコ科の縦に割れた瞳は、いつの間にか淡い紫色へとその色を変じて、妖しい薄明かりを放っていた。

 その目から視線を逸らす事ができない。不味い、と頭の奥で警告音がなる。精神へと作用する種の呪いに晒されていると理解しながら、レネクトンにはもはやそれに抗うすべが残されていなかった。

 胸の奥で、ナサスに呑まされた宝石が脈打つ。刻みつけられた紋様に、肉体のより深い場所へと根を張られてゆく感覚があった。

「は、あぁ……ッ」

 甘い熱の籠もった息が漏れる。射精を終えたばかりの剛直が熱くなって、鼓動が高鳴る。

 下種な笑みの張り付いた男の顔が、醜く肥え色あせた毛皮に包まれた矮躯が、ひどく官能的に見えた。

 尻の奥に芽生えた燻りがより一層に耐え難く疼いて、眼の前の男が欲しいと訴えかけている。

(そう、か……)

 深く、己の精神を急速に侵されてゆくのを感じながら、レネクトンは兄に何が起きたのかを理解した。己がそうなるのに兄ほどの時間はかからぬだろうという、確信とともに。

「さあ、女にしてくれと乞うてみせろ」

 小男が黄色い牙を見せてケタケタと笑いながら、レネクトンへとその顔を寄せる。拒まれるはずなど無いと、レネクトンが心底からそう懇願するだろうと、確信していた。

 その狂気を形作る欲望と妄執こそが、腕輪からもたらされた邪な魔力という媒介を経てナサスを、そして今レネクトンを侵し、染め上げようとしている。

「……ッ、はぁ、あ……っ」

 誓いの口付けをとでも言うように、小男がふてぶてしくこちらへと鼻面を寄せてくる。

 醜悪な狂人の所業だとそれを嫌悪する想いが湧き上がる傍らで、初恋の相手を目前にした乙女の如き胸の高鳴りがレネクトンを苛んでいた。

 もはや時間は残されていない。かと言って、抗う手段もない。何ができる。どうすればいい。

 脳裏には、走馬灯がよぎっていた。生まれ落ちたその日から、兄とともに生きた永き日々の記憶が、鮮明に蘇る。

 この男の欲望に染め上げられ望むままの忠実な妾となることを、死と変わらぬ末路だと認識できている事は救いだった。

 今際の際に一秒が何倍にも引き伸ばされてゆくように、ゆっくりと、ゆっくりと、男の唇が迫る。

 半開きとなった大顎の中で、肉厚な舌がそれを待ち望むように震えるのを感じた。

 この小男が望むとおりに、それが己の末路を決める誓いの口付けになるのだろうと、否応もなく理解させられる。

 レネクトンはそれでもなお、懸命に顎を動かそうとしていた。鋭い牙の並ぶ顎の縁へと、ついに男の鼻面が触れようとする間際、一言を絞り出す。

「たの、む……」

 レネクトンは、弱々しい声で慈悲を乞う。すでに己は、そしてナサスは敗北した。できるのは、そうして懇願することだけだ。

「兄貴を、解放してくれ……」

 それ以外、何も望まない。どのような辱めを受けても良い。望むがままに堕ちて見せる。……だから、どうか。

 シュリーマの猛将たる超越者は、国へと仇をなす逆賊を前に頭を垂れ、繰り返す。

「ナサス、を……」




続く


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