完堕ちから数年後のナサスくん前編
Added 2024-03-31 13:51:47 +0000 UTCちゅぷり。ぬちゅり。色褪せた獣毛に包まれて揺れる臀部に顔を埋めながら、ナサスは熟れた蕾を丹念に舐り続けていた。緩んだ穴に舌を挿し込み、腸壁の粘膜から染み出す粘液を掻き出し、肛門に刻まれたシワの一つ一つ、温かな腸壁のヒダまでもを舐り尽くしてゆく。 「そうもいやらしく締め上げて……ッ、そんなに夫の子種が欲しいか……っ!」 老いた男のしゃがれた声で、幾度となく聞かされた決まり文句の如き言葉が放たれる。 それは熱に浮かされ唸るように掠れ、迫る絶頂へと向けて腰の動きは一層に激しさを増してゆく。 「ん……ッ、じゅ……っ」 気を逸らしてしまわぬよう可能な限り声を押し殺して、ピストンと合わせて首を前後に動かしながら、ナサスは献身的な愛撫を続ける。 汗の湿気を含んだ獣毛と腸液の臭いが混ざり合いながら鼻腔を満たし、舌の上に広がる味と合わせて、股ぐらの剛直を痛いほどに膨れ上がらせている。 ばちゅん、ずちゅん、と響く肉のぶつかり合う音が耳に届くたび、今や爛れたように醜く色づいた尻の穴が疼き、雄を求めて分泌され続ける粘液が、だらしなく緩んだそこから滴り落ちる。 濡れそぼった雌穴が満たされぬ渇望に震えていた。馴らされるまでもなく大口を開け、充血した腸壁を外気にさらしながら、身と心に刻まれた夫の腰使いに合わせて、ひとりでに収縮を繰り返す。 欲しい。欲しい。それは、全てを引き換えに与えられた己の役目であったのに。他の全てを奪い尽くされた末に、唯一残ったものであったのに。 ……涙さえ浮かぶほどの嫉妬の情念に胸を焦がしながら、懸命な奉仕を続けるナサスへと、しかし報いが与えられることはなかった。 ひどく耳障りな声が、粗野かつ軽薄な演技じみた喘ぎ声が、胸に押し留めた情念を揺さぶるように放たれる。 「あぁッ、爺さんの濃い雄種、俺ン中に注いでくれよ……ッ!」 寝台を包む絹のシーツの上で夫の寵愛を受ける役目は、もはやナサスのものではなくなっていた。 年老い醜く肥えた夫は、ナサスが己の成し遂げた全ての功績と引き換えに捧げ続けた財をひけらかし、若く逞しい愛人を囲っている。 「そ、そこっ、すげぇ、いい……っ!」 夫の矮躯に組み伏せられた巨体が、わざとらしく身震いをする。人よりも獣に近い屈強な体と、牛の頭を持つ男だった。 シュリーマから遠く離れた土地に由来を持つ、ヴァスタヤとも違う獣人。ミノタウロスと呼ばれる種族だ。 逞しい筋肉の隆起に張り詰めた太い脚を開き、足先の蹄で空を蹴るように震わせながら、締りの良い肛門で夫の魔羅を咥え込み、その寵愛をほしいままにしていた。 酷使を重ねられ末に出産までもを経験し、不格好に爛れ緩んだ自身のそれではもはや与えられぬ快感と手応え、己の失ってしまったものが夫を魅了する様をまざまざと見せつけられながら、ナサスはそれでもなお縋り付くように口での奉仕を続けるしか無かった。 「好き者め……ッ、ならば、たっぷりと注いでやろう……!」 夫が掠れた声で唸るように叫びながら、大きく腰を揺する。深くへと挿し込んだ舌が締め付けられるのを感じながら、求めてやまぬものが此度もこの新しいお気に入りに与えられようとしているのを察した。 「ん……っ」 目いっぱいに顎を開き、汗ばんだ尻へと食らいつくようにしながら一層に深く舌を挿し入れ、夫の最も感じる場所へと舌先を押し付け力を込める。 びくん、びくん、と脈打つような前立腺の震えが舌先へと伝わってくる。柔らかな寝台の上でまぐわう二頭の雄が言葉もなく動きを止め、寝室に一瞬の静寂が訪れた。 「お゛ぉ……ッ!」 吐息とも嬌声ともつかぬ震え声が夫の口から漏れ出る。熟れた色の肛門が縮み上がって、きゅうきゅうとナサスの舌を締め付ける。 白濁した子種が今回もまた他者へと注ぎ込まれてゆくのに合わせて、夫の肛門が断続的な収縮を繰り返しながら、ゆっくりと脱力に向かう。 射精が終わり、舐りほぐされたそこが絶頂の余韻の中で十分に緩んだ頃合いを見計らって、ナサスは夫の腸壁を舌先で擦り上げながら頭を上げた。 「お、あぁ……っ」 年老いた獅子の黄ばんだ牙の隙間から、気の抜けた喘ぎ声が漏れ出る。それだけが、この情交の中でナサスへと与えられた唯一の報酬だった。 だが、そのささやかな対価にすら、ナサスは口元を緩ませてしまう。 己から全てを奪い去り、許され得ぬ犠牲を支払わせ、愛とも言えぬ執着と欲の捌け口として手籠めとした醜悪な男は、そうまでしておいて今やナサスへの飽きを隠しもしない。 しかし、己に唯一残ったものすらも失いかねぬ瀬戸際に立たされながら、だからこそナサスは夫の一挙一動に救いを求め縋り付くしか無かった。 「ふう……、こうも淫らな新妻を娶ってしまうと、魔羅が乾く暇もないな……っ」 「へっ。まんざらでもないくせに、エロジジイがなに言いやがる」 夫がその矮躯ながらも豊満な体で、愛人の硬く逞しい胸板へと身を預けるように寝そべりながら、愉しげに事後の語らいをはじめ、愛人が礼儀も教養も欠いた軽薄な受け答えをする。その様から意識を逸らすように、ナサスは視線を伏せ寝台の脇に跪いた。 かつて己が弟へと強いたのと同じに、情を交わし合う二人のそばで居ない者であるかのように平伏し続ける。 これがダーキンの支配から開放され、自らの意思で屈服を選んだナサスの末路であった。 「全く生意気な口だ。……どれ、塞いでやろうか」 「ん……っ」 荒い息遣いと、舌を絡め合う湿った音が聞こえる。萎縮しきった背を震わせながら、ナサスはちりちりと首筋を焼く焦燥に表情を歪めた。 夫に望まれ、淫らに蕩け果てた表情を浮かべていたときとは違う意味で、その顔から英雄の面影は失われていた。 己を己たらしめていた全てを奪われてもなお、思考までもを束縛する支配によって保たれていた英雄の偶像を、今のナサスは維持することもできなかった。 背負いきれぬ業から逃れるべく、病的なほどの必死さで夫の寵愛と絶え間ない快楽を求め続ける卑屈な雌犬。今やナサスの本性となったそれが、露わとなるまでに時間はかからなかった。 それでもなお、愛に焦がれが故に新たな側面を見せる妻の姿としてしばらくの間は夫を楽しませることもできたが、蜜月の時間も長くは続かなかった。 「はぁ……ッ、俺も1日中こうしててぇけどさ、今日は出かける予定があんだろ?」 「ああ、もう日も高くなる頃か。……お前といると時間を忘れてならんな」 途切れ得ぬ繋がりを得ようと、ナサスは再び夫の子を孕もうとした。片手では数え切れぬほどに子を孕んだ。 だが、ダーキンの器を産み落とすべく臓腑を作り変えられたと言えど、かつて超越者たる魔力を有していた頃のように胎が機能することはなかった。 六度、赤子とすら呼べぬ未成熟の肉塊を産み落とし、それからはどれだけ夫の子種を授かっても孕むことはできていない。 そしてただ人の身となった肉体は、かつての如く酷使するにはあまりにも脆弱であった。 「新妻との情事も中断して、居る必要もない催事に出向かねばならんとは、まったく公人というのもつらいものだな」 「超越の儀だっけか。今の皇帝が自ら試みるっつって、市中じゃここんとこその話題ばっかりだもんな」 魔力の光の残滓すらも残さぬナサスの瞳、その右目は今や白く濁り、視力を失いつつあった。 筋肉はかつての張りを失い、傷を放置すれば膿み、積み重なった疲労は容易く病へと至り、失った爪や牙が再び生えてくることもない。妊娠と流産を繰り返したことで、精悍な体系は崩れ、酷使された肛門は常に口を開けている有り様だ。 かつて夫を魅了した雄々しき威容が、ついに卑屈な本性と同列のみすぼらしいものへと変わり果てる頃には、妻と呼ばれることもなくなっていた。 「足を運ぶのは面倒だが、あの皇帝がどれほど見る目麗しい超越者となるかは気になるところだ。あまりだらしのない姿も見せられぬし、お前にも着付けを手伝ってもらうとするか」 「金持ちが着るような服のことはわかんねぇけど、まあやるだけやってやるよ」 寝台が音を立てて軋む。抱き合いながら寝そべっていた二人が起き上がり、平伏するナサスへと一瞥を向けることすらもなく寝室から立ち去り、石造りの階段を踏みしめる蹄の音が十分に遠ざかるまで、ナサスは一言も発することなく頭を垂れ続けた。 そして、寝室を静寂に包まれたのち、ナサスは石床の上に残る白濁した染みへと視線を向けた。。 「……っ」 今しがたのまぐわいの名残が、床の上に、そして絹のシーツの上に残っていた。ナサスは生唾を飲み込み、不安げに鼻を鳴らしながら、あのミノタウロスの尻穴から滴ったのであろう、夫の子種へと引き寄せられるように這った。 「ん、じゅ……」 畜生のごとく四つん這いのまま、幾筋もの傷跡が残り、疎らに獣毛が抜け落ちた背を丸め、床へと滴り落ちた精液を舐め取る。 主人へと媚び尻尾をふる雌犬ですらなく、路地裏で残飯を漁る野良犬そのものの卑しい姿を曝しながら、床に落ちた染みを辿り、寝台へと向かう。 「はっ……、はっ……!」 牙を失い、充血した歯茎のみが残る顎から上擦った吐息を漏らしながら、寝台に浮かぶ精液の染みへと鼻面を押し付け、何よりも己を昂らせる芳香で鼻腔を満たしながら、右手を自らの尻の穴へと伸ばした。 牙を失った顎と同様に、爪の一枚も残らない指先で、黒々と変色し歪に盛り上がった肛門を弄り回す。 「っ、ふぅ、……っ、ぅ……!」 押し殺した声とは裏腹に、緩みきった尻の穴を掻き回す汚らしい水音がふてぶてしく寝室に響く。 捲れ上がった肛門から溢れ出し粘液を滴らせる充血した腸壁を、一心不乱に弄び、赤黒い芋虫のような有り様となったそこへと爪を失った指を挿し込んで掻き回す。 ゾクゾクと甘い快感が背筋を伝い、裏返り露出する直腸の楕円に開いた出口から、潮を噴くように粘液が迸る。石床の上へと飛び散ったそれが、湯気とともに酸っぱく生臭い芳香を漂わせた。 「おぉ……ッ、お゛っ……♡」 腸液に塗れた手のひらで包み込むようにして、外気に晒された直腸を再び腹の中へと押し戻してゆきながら、ナサスは濁った喘ぎ声を漏らす。 ぐぷり、ごちゅり。湿った肉が音を立て、ぽっかりと開いた肛門の内へと再び収まるのを感じながら、ナサスは卑しく震え続けるそこを慰めるべく指を丸め、右手に力を込めた。 壊れ果て本来の機能など忘れてしまった肉穴が歪に変形しながら、今や求めてやまぬ夫の黒魔羅よりも慣れ親しんだ己の拳を呑み込んでゆく。 すっぽりと知りの中へと収まった手首を、自力では閉じることもままならない肛門が弱々しくぬるりと締め付ける。 腰をくねらせ、熱い肉塊が這い回るような自らの雌穴の感触を味わいながら、手首を左右にひねりゴツゴツとした拳の圧迫感に、ナサスは恍惚の表情を浮かべた。 夫の愛を一身に受ける従順な妻としての幸せにすがることもできなくなった今、残された逃げ場は淫蕩のもたらす快楽のみだった。 「オ゛ォ……ッ♡♡」 ――どぴゅる 腕を前後に動かし、硬い拳で前立腺を押し潰しながら、ナサスは犬が吠えるような唸り声を漏らし射精する。 大量のピアスで飾り立てられた肉棒がじゃらりと音を立てながら跳ね上がり、黄ばんだ精液を床に撒き散らした。 どちゅん、ずちゅん。それでもなお、ナサスは荒々しく腕を動かし殴りつけるような勢いで己を責め立てる。 一日の休みすら与えられず、ただ快楽のために責め抜かれ、酷使によって肥大した前立腺を、拳の痕が残るほど強く押しつぶすたび、意識が飛ぶほどの快感に脳髄を揺さぶられる。 快楽以外の何ひとつも考えられなくなる。……考えなくてよくなる。どれだけ目を背けようとも追いかけてくる己の業から逃げる術は、それしか残されていなかった。 「ン……ッ、ふぅ、つ……っ」 左手で胸元を弄る。右胸にはかつて夫に取り付けられたピアスがそのまま吊り下がっているが、左の乳首は引き千切れたかのように裂けてしまっていた。 傷も治らぬうちから自ら弄り続けた末に火傷の痕の如く醜い古傷と化したそこを指の腹でこね回すと、胸に肉棒が生えたかと錯覚するのほどの狂おしい快感が走った。 裂け千切れた赤黒い突起を血が出るほど強く抓り上げながら、快感に交じる痛みがより一層に体の感度を研ぎ澄まし、より強烈な絶頂へと誘ってくれる。 快楽と絶頂への依存と中毒が罪の意識からくる自傷と一体になり、只人となった体に自ら傷跡を増やしていくことを止められなかった。 「イ、イぐ……ッ、またぁ……ッ♡♡」 ――どくん 蕩け果てた声を上げながら、一度目の余韻も残る中で二度目の射精をする。魔力の光を失ったこげ茶色の左の瞳と白く濁った右の瞳が、焦点を見失って開いてゆきながら上を向く。 ぼやけた視界がより一層に霞み、その中を火花が明滅する。 頭の奥が痺れて、溢れ出す多幸感の中で快楽に交じる痛みも消えて、それでも荒々しく右腕を動かし続ける。 しんと世界が静まり返り、毛先を撫でる空気の動きさえ分かるほど感覚が冴えてゆく。……かつては、命をかけた戦いの中で束の間たどり着くのみだったそれに、今はこうも容易く至ることができた。 ――どちゅん。 「――ッ♡」 完全に仕上がった前立腺を叩き潰す。もはや声すらも出なかった。一突き一突きがドライオーガズムの強烈な絶頂をもたらし、肉棒は狂ったように潮を噴いて透明の液体を撒き散らす。 絶頂と絶頂の間に首筋をちりりと使う本能的な危機感が心地よかった。頭の奥が痺れ、脳細胞の一つ一つが焼け焦げて死滅していくような、後戻りできぬ快楽に酔いしれる。 その中で、ナサスは己をこうも貶めた男の顔を、声を思い浮かべる。 ――お前ほど淫らな雌は、このシュリーマのどこを探しても居らぬだろうな? 黒魔羅を熱り立たせながら下卑た笑みを浮かべる夫の姿を想い、その丸々と肥えた指で責め立てられる様を夢想しながら、潮を吹き続ける肉棒へと向けて左手を下降させてゆく。 「嗚呼……ッ♡♡」 爪を失った人差し指で、溢れ出す潮に濡れた亀頭を、そして繰り返し拡張を受けびらびらとだらしなく歪んだ鈴口を撫でる。 「っ――!」 肛門ほど使い慣れてはいないそこへと、ゆっくりと指の先を沈めてゆく。 荒々しい拳の動きによって込み上げるものが溢れる先を塞がれ、肉棒が破裂するかと思うような狂おしい感覚に息を呑みながら、それでもナサスは己を虐げる快感の虜となっていた。 尿道を押し拡げ深く差し込まれてゆく指の形が、剛直の裏筋に浮かび上がる。指を覆う硬く短い獣毛が、液体のみが触れるはずの繊細な粘膜を掻き毟る痛みと痒みに悶絶し体を震わせながら、ナサスはジャッカルの顎に深い笑みを浮かべていた。 ――ついに根本まで挿入ったな。尻と同様、こちらも随分と浅ましい雌穴らしい。 ……いよいよナサスの心身がかつての魅力を失い始めたとき、夫は残された僅かな愉しみを貪るように、痛みと傷を伴うような倒錯的な情交をナサスに強いた。 そしてそれにさえも飽きられたとき、ナサスは妻ではなく、夫が己の成し遂げた偉業に浸るための生きた記念碑を兼ねた小間使いでしかなくなった。 「どう、か……っ、もっと――っ♡」 今や妄想と回想の中でしか妻と呼んでくれなくなった夫へと、ナサスはそれでも淫らに媚び甘い声で懇願する。 「この妻を、のぞむまま、に……っ、あいして、くだされ……ッ♡」 自身の犯した罪と業の全てを知りながら肯定してくれる者など、他に居なかった。 たとえそれを己に強いた相手であったとしても、夫に望まれその傍らに侍ること以外に、。 シュリーマの都に生きる者も、死した者も、罪に背を向け快楽に逃避するばかりの畜生へと堕落したナサスを呪っている。そうに、決まっている。……己自身ですら、そうなのだから。 「あっ、あぁ……っ♡♡」 シーツに染み込んだ夫の精液の臭いを深く吸いながら、恍惚の声を上げる。 緩みきった肛門が腕の動きに合わせて裏返り、腸液に塗れて光沢する赤黒い直腸が引きずり出されては再び尻の中へと押し込まれてを繰り返す。 滴る腸液に僅かな血の色が交じるが、気付きもせぬまま衝動に任せて破壊的な自慰を続けた。 断続的に続く絶頂の中で、ばちばちと何かが迸るような音が頭の奥に響いて意識が途切れ、蕩けた果てた顔はいよいよ白痴のごとく知性を欠いた呆け面を浮かべていた。 両の瞳から涙が溢れ出し、とめどなく流れ出す鼻水に血の色が混じって、白いシーツに赤い跡を残す。 もはや狂気じみた自傷行為でしかないそれを止めたのは、不意に脇腹へと感じた衝撃だった。 「あぁ――ッ!?」 膝を突いたまま寝台へと乗り上げていた体が傾き、どさりと床の上に崩れ落ちる。 何が起こったかもわからず、横たえた体を震わせながら目を白黒させるばかりのナサスへと、癇に障る低く太い声が向けられた。 「ちっと目を離したらこれかよ。……どうすりゃここまで仕込めるんだか」 淫乱という言葉にすら収まらぬ狂人じみた痴態を晒すナサスへと、蔑みを隠さぬ冷ややかな言葉が浴びせられる。 「あ゛ッ、ぁッ♡♡」 快楽に蕩けた頭では、聞き取った声を言葉として理解することにすら時間を要した。 崩れ落ちた拍子に剛直へと差し込まれていた人差し指が引き抜かれ、不格好に拡がった鈴口から溢れ出す精液がナサスの胸や腹、そして床へと撒き散らされる。 押し止められていた射精の快感に腰を浮かせ快楽に悶えながら、さらなる快楽を求めて右腕を動かし続けるが、それを制止するように硬い蹄に腕を踏みつけられ、ゆっくりと体重をかけられる。 「聞こえてっか、おい」 「はっ、あがっ、ひぃ……ッ♡」 身悶えしながら、なおも腰をくねらせ快楽を貪ろうとする卑しい雌犬へと辟易する言葉とともに、今や筋肉の張りも失われだらしのない脂肪を幾らか纏って太くなったナサスの腕から、蹄が退けられる。 くっきりと蹄の痕が残るそこを、今度は雄牛の逞しく力強い手が鷲掴みにして、衰えたナサスでは太刀打ちもできぬ膂力で引っ張られた。 「ぎぃ――ッ!?」 ――ぶぽん 遠慮も気遣いもなく強引に腕を引き抜かれた肛門から、下品な破裂音を響かせながら赤黒い直腸がまろび出る。 裏返った肛門は、ナサスの剛直ですらすっぽりと収まるほどの長さに渡る脱肛をきたし、充血した粘膜が死にかけの芋虫のように石床ノ上で震えていた。 そして、拳での執拗な責めに色づき感度の高まったそれを、硬い蹄に踏みつけられる。 「か――ッ、――ッッッ♡♡」 味わったこともない暴力的な責め苦にナサスは白目を剥き、床に投げ出された体を仰け反らせて痙攣するとともに、幾らか薄くなった精液を剛直から迸らせる。 狂ったように悶え身を捩るたび、床に縫い留められた直腸がギチギチと悲鳴を上げ、その狂おしいほどの刺激が雷のように背筋から脳天までをも貫いてナサスを悶絶させた。 「ケツもちんぽもガバガバかよ。ジジイが帰る前に掃除しとけよ」 「は……ッ、あぁ、がッ、ひ、いぃ……ッ♡♡」 呆れ果てた物言いとともに、蹄にかけられた体重が消え去る。強張った体を一気に脱力させて力なく震えるナサスの上を、雄牛の巨体が跨いで寝台へと歩いてゆく。 ナサスは頭蓋の内を満たす絶頂の余韻が過ぎ去るまで、甘く震える吐息を漏らしながらぐったりと体を横たえ続けた。 「はぁ……っ」 深く息を吸い、吐きながら、再び体に力を込める。脱肛した尻から溢れ出した直腸を、ゆるゆると内へ収めてゆきながら、立ち上がることも難しいほどに脱力した体を、ゆっくりと起こしてゆく。 牙を失った口腔を晒すようにだらしなく顎を開けたまま、疲れ切った瞳を寝台に腰掛ける雄牛へと向けた。 がんがんと鈍い頭痛がする。ぼやけた焦点が合わさり、夫を魅了してやまぬ逞しい裸体と雄牛の面に浮かぶ軽薄な笑みがはっきりと見えるまで、数秒の時間を要した。 「もうし、わけ、ございませぬ……っ」 息も絶え絶えの掠れ声で、ナサスは辛うじて謝罪の言葉を口にする。夫の寵愛を一心に受けるこの雄牛に対して、逆らうことなどできなかった。 雄牛の方も、ナサスがどれほど強固に躾けられ、心底から屈服し隷属させられているのか、すでに理解していた。 「犬が人様のベッド奪っちゃだめだよな。……なあ『ナサス様』よぉ」 「……っ」 嘲笑を交えながら、雄牛はわざとらしくその名を口にする。たとえそれが、己の素性を理解した上での言葉ではないと知っていても、夫以外の者にその名で呼ばれるのは僅かな恐怖を伴った。 ナサスが表情を顰め、平伏するように這いつくばった体を萎縮させるのを見ながら、雄牛は少しばかりばつの悪そうな表情を浮かべ、肩を竦めてみせた。 「そんだけなり切ってんのに、ナサスって呼ばれるのだけはビクビクすんのな。……誰も信じるわけねぇのによ」 見当違いであることを知らぬまま、雄牛は何かを察した様子で苦笑する。 雄牛は男色趣味の富豪がその豪邸で飼っていった先客を、今や大罪人と化した英雄と瓜二つの容姿を持っていたが故に目をつけられ、金に任せて男娼として囲われた奴隷だろうと認識していた。 シュリーマという国そのものを欺き、悪行と爪痕を残して姿を消した超越者。その謎を官能的に埋め合わせ楽しむ淫らな遊戯の末、かつての熱も冷め持て余した哀れな成れの果てだと。 ナサスも、それを訂正するつもりはなかった。……本当にそうであったなら、とさえ思っていた。 「……愛する夫が求めるその名を、厭う所以などありはしませぬ」 「あー、今は爺さんに仕込まれた台本の話はよしてくれ。細かすぎて引くんだよそれ」 そう答えるよう定められていたかのような受け答えを、雄牛は慌てるような口ぶりで制止し続きを話す。 「それよか、あのジジイ、自分だけ満足してとっとと出かけやがって、結局イけてねぇんだわ」 「――ッ」 ナサスの飢えを理解した飢えでの思わせぶりな言葉。それを聞くだけで、荒々しい自慰で尻の奥に燻った熱が、再び燃え上がろうとするのを感じた。 夫を誘惑したのと同じ、熱の籠もった視線と期待を煽るような含み笑いが、こちらへと向けられている。 ……今や己の拳ばかりしか味わえぬ雌穴が、込み上げる期待にヒクヒクと震える。牙を欠いた口腔に唾液が溢れ出す。 満たされることのない渇望に支配される体は、からかうような誘惑の一つにすら抗えなかった。 「は、い……、なんなりと……っ」 目上の相手からの命令に従順に従う下僕然と応えながら、言葉とは裏腹に語気を荒げ、食い入るように身を乗り出してしまう。 抗うすべもなく視線が雄牛の股ぐらへと吸い寄せられ、たわわに実る果実の如くずっしりとした玉袋、萎えていてもなお子どもの腕ほどもある凶悪な大きさの肉棒へと釘付けとなっていた。 熱り勃ったそれを突き挿れられ子種を注がれる様を考えるだけで、鼓動が高鳴ってならない。 「そうじゃないだろ?」 ナサスがどれほどにそれを欲しているのか、雄牛は全て見透かした様子で笑み、そう催促する。 「……はい」 言葉を紡ぐ雄牛の口元ではなく、眼の前でゆっくりと屹立してゆく剛直を凝視しながら、ナサスは求められるがままに己の本心を口にした。 「どうかこの雌犬が、その雄々しい魔羅へと奉仕することをお許しください……っ」 淫らな懇願の言葉を紡ぎながら、ナサスは四つん這いのままその魔羅へと向けて歩み寄ってさえいた。 夫の寵愛をほしいままにする気に食わない男へと頭を垂れ懇願する屈辱など、この剛直がもたらしてくれる悦びの前では天秤にかける意味すらもない。 ……いや、もはやナサスはこうして軽薄な男に屈服し、媚びへつらい尻尾を振る屈辱そのものに、興奮を見出していた。 英雄と呼ばれた超越者と瓜二つの容姿をした男が、こうして一欠片の矜持すらも残さず堕落し果てた姿を晒す様に、雄牛も幾分か倒錯した興奮を覚えたらしく、微かに鼻息を荒げるのが聞こえた。 「そこまで必死でお願いされちゃ、仕方ねぇなぁ」 演技がかったわざとらしい声色で、いかにも気乗りがしないと言いたげに、雄牛がやれやれと呟く。 全てはナサスの求めに応じてやっただけだと、気取った態度を見せる相手に対して、しかし反論の言葉を吐く気にもならなかった。 「はっ、はっ……!」 尻穴が壊れるほどの激しい一人遊びに興じた直後であっても、逞しい雄と体を重ねる機会をちらつかされた瞬間、桃色に染め上げられた脳髄が淫らな欲望に茹だってしまう。 「じゃあ、まずはこっちから頼むか」 発情した獣じみて息を荒げるナサスを煽るように、雄牛は股ぐらに垂れ下がる男根を揺らしながら片脚を上げ、汗ばんだ玉袋の裏に隠れていた肛門を晒す。 幾度となく快楽のために用いてきた使用感を出しつつも、ナサスのそれとは違い今も締まりを維持するそこが、白濁液をぬらぬらと滴らせていた。 「……っ」 ナサスは食い入るようにそこを見つめながら、生唾を呑み込んだ。 牙の一本も残らぬ顎をだらしなく開き、溢れ出す唾液を下顎に伝わせながら、寝台に腰掛ける雄牛の下へと犬のように四つ足で這い寄る。 「ぬっ、うぅ……っ♡」 ずっしりと重たい玉袋を鼻先で持ち上げ、濡れた鼻に伝わる熱と弾力、そして鼻腔を満たす蒸れた雄の臭いの心地良さにうっとりと声を漏らす。 鼻水をすする濁った水音を漏らしながら、玉袋と尻の穴の間に鼻面をぐりぐりと押し付けるようにしながら、溢れかえる唾液に塗れた舌を悦びに震わせて肛門へと伸ばす。 「おっほ……ッ」 毎日のように、数えることもできぬほど繰り返し、忘れることもできぬほど深く仕込まれた繊細な舌使いに、雄牛がびくんと背筋を震わせ声を漏らす。 「じゅる、じゅ、ちゅ……」 イヌ科の長い舌を繰り返し上下に動かして、硬く閉じた雄穴が解れるまで丹念に舐る。 無数のシワが刻まれた門が悶えるように震える様を舌先で感じながら、ほぐれきったそこからついに求めてやまぬ味が溢れ出すのを待ちわびて、ナサスは無数のピアスに彩られた肉棒を熱り立たせ溢れ出す先走りに玉袋を濡らしていた。 「ほんと……ッ、どうやってここまで仕込んだんだか……っ」 「んっ、んん……ッ♡」 ごつごつとした筋肉質で太い手がナサスの頭に乗せられ、飼い犬へとそうするように粗野な手つきでわしゃわしゃと撫で回される。 欲深い富豪の老人によって歪められ淫らな交わりに魅了された哀れな奴隷を、他意もなく飼い犬と同列の存在と見下す意が、その無遠慮な手つきに現れていた。 そして、その扱いにこそナサスは興奮とともに安らぎを抱き、丹念な奉仕に熱を込めてゆく。 「やっべ……っ」 「じゅ……ッ、ちゅる、ずぞ……っ!」 ついに脱力し弛緩した雄穴の奥から、熱く震える腸内で熟成されたように味わいを増した子種が溢れ出す。 口先を窄めてそれを啜りながら、額に被された手のひらの下で恍惚と目を細めた。 緩まった雄穴の奥深くへと舌を滑り込ませ、腸壁にこびりついた精液の一雫までもを掻き出し、啜る。 不浄の穴を舐るその行為にすら、快楽へと依存しそれを貪らずにはいられぬ狂奔じみた熱が滲んでいた。 「がっつきやがって……、そんなに俺のケツがうめぇのか?」 「じゅぞっ、じゅる、ふっ、むぅ、んん……ッ♡」 もはや注ぎ込まれた子種を一滴残らず嚥下し、震える腸壁から滲み出す腸液を啜り上げながら、ナサスはこくこくと首を縦に振る。 柔らかな肉と肉が触れ合い、噎せ返るような雄の芳香に蕩けながら、相手の肉体に宿る熱と弾力を味わうその悦びは、他の全てを忘れるほどにナサスを夢中にさせていた。 他の全てから目を背け、いっときだけでも忘れ去るためには、そうするしかなかった。 「そっか。……それじゃあ他のごちそうは要らねぇよな」 意地の悪い含みの籠もった声色で雄牛が囁く中、鼻面へひたひたと雫が滴るのを感じた。 弛緩し、鼻面の上で楕円に変形していた雄牛の黒光りする玉袋は、いつしかきゅうと張り詰めて睾丸の形を浮かび上がらせている。 降り注ぐように鼻面へと滴る雫が上顎を伝って、ついに口腔へとたどり着き、先走りの淡い塩気が舌の上に拡がった。 「んっ、はぁ……ッ、どうか、お待ちを……っ」 弛緩した雄穴からゆっくりと舌を引き抜き、鼓動の高鳴りに熱の籠もる吐息混じりに懇願の言葉を紡いだ。 額に被せられた手のひらがするりと離れていくのを感じながら、ナサスは雄牛の玉袋を鼻面に乗せたまま視線のみを上に向ける。 「この、雄々しき魔羅に勝る馳走など、どこにもありはしませぬ……ッ♡」 もはや記憶の中でしか見えることのできぬ、弟の剛直をも上回る大きさの逸物。それが目の前で雄々しく天を指し、ナサスの顔に影を落としていた。 「あぁ……ッ♡」 張り詰めた玉袋から、血管の浮き上がる雄竿を通り、先走りに塗れて艶めく亀頭へ。深く味わうように舌を這わせて舐り上げながら、ナサスは感嘆の声を漏らしていた。 尻の奥がきゅうと締め上げられるような切なく疼いて、はやくこの熱と硬さを最も深い場所で感じたい。 「どうか、我の卑しい雌穴をお使いくだされ……ッ♡」 緩みきった肛門が狂おしい飢えに悶えて、くぱくぱと閉じては開く。淫らな雄膣となった直腸が期待に打ち震えて、不格好に熟れ爛れた肛門から今にも零れ落ちそうなほどだった。 精一杯の力をそこへと込めて脱肛をこらえながら、ナサスは両の手で雄牛の太ももや腰を撫でながらゆっくりと腰を浮かせる。 雫を浮かべる亀頭へと口づけをし、糸引く先走りの味に舌なめずりをした。 荒々しく滾る雄の体と交わる悦びに恍惚の表情を浮かべながら、雄牛の顔を見上げ、その逞しい体を抱こうと腕を広げた。 「ちげぇだろ」 「ぬ、ぐぅ……ッ」 寝台に腰掛けたままの雄牛と向き合ったままその腰へと跨り、剛直を味わうべく身を乗り出すナサスへ、ぴしゃりと拒絶の言葉が浴びせられる。 雄牛のごつごつとした手が再びナサスの額へと被せられ、強引に押さえつけながら熱り勃つ剛直へと導いた。 「ガバガバのケツよか、口の方で頼むわ」 「ぎ、御意に……ッ」 取り付く島もない言葉への講義を示すように、尻の奥に燻る熱がより一層に狂おしく燃え上がりナサスの背筋を震わせるが、雄牛がそれを汲み取ってくれることはなかった。 ナサスは是非もなく服従の言葉を紡ぐと、大きく顎を開き、伸ばした舌を剛直へと絡めながら、牙の残らぬ口腔へとそれを受け入れる。 「んっ、んんん……ッ、じゅ……っ♡」 「おっほ……ッ。ケツは使い物にもなんねぇけど、こっちはマジで上手ぇよな」 柔らかな歯茎で雄竿を咥え込み緩急をつけて吸い上げながら、深くまで受け入れた亀頭の膨らみが喉奥を圧迫する感触を味わう。 塩辛い先走りの味、巨大な肉棒に喉を塞がれる息苦しさ、白く濁った右目に生理反応からくる涙を浮かべながら、しかしナサスはその硬さと熱に魅了され、甘い唸り声を漏らす。 しがみつくように雄牛の腰へと腕を回し、首を激しく前後に動かして肉の杭を貪りながら、じゅぞ、じゅぼ、と汚い水音を顎の端からこぼし続けた。 夫へと奉仕するため仕込まれた、雄を悦ばせるための手管の限りを尽くし、口腔を埋め尽くす太魔羅を責め立てる。 逞しい肉棒へと魅入られ、それを味わうことのみに熱中する堕ちきった姿を晒しながら、額に乗せられた雄牛の手のひらへと力がこもるのを感じた。 「あぁ……ッ、金玉上がってきやがる……ッ」 上擦った声で唸りながら、雄牛が逞しい両手でナサスの頭を押さえつける。ジャッカルの顎ですら全てを収められぬ巨根が、力任せにナサスの喉を割り開き捩じ込まれてゆく。 喉元に、剛直の形がくっきりと浮かび上がっていた。息苦しさに身悶えし、ヒクヒクと震える鼻先から途切れ途切れの息ともに鼻水の飛沫が飛ぶ。 夫のそれでは決して届かぬ場所を蹂躙され、喉の粘膜を乱暴に擦り上げながら出入りを繰り返す亀頭の感触に吐き気がこみ上げて、涙があふれる。 「――ッ♡ ――ッ♡♡」 それなのに、喉奥を深く抉るイラマチオに責め立てられるナサスの表情は、涙と鼻水に塗れて蕩けきっていた。 喉の中に感じる圧倒的な存在感、雄々しい硬さと熱を味わう悦びに、鼓動が高鳴る。 ジャッカルの頭を鷲掴みにされ、道具の如くぞんざいに扱われながら、その動きに合わせて自らも体を揺すり、満たされぬ渇望に震える尻の穴を収縮させた。 「へこへこケツ振っちまって、随分必死におねだりすんじゃねぇか……ッ」 すげなく拒絶されてもなお、未練がましく腰をくねらせて雄牛を誘惑し、赤黒い薔薇が開き歪に隆起しながら腸液を滴らせる尻を見せつけるナサスへと、吐き捨てるような唸り声が浴びせられる。 しかし荒々しい言葉の内には、淫蕩に耽るナサスの狂気じみた熱に当てられた興奮の色が含まれていた。 「ン゛――ッ♡ ふぅううっ、――ッ♡♡」 喉の奥で剛直がビクビクと痙攣している。頭上から粗く激しい鼻息を吹きかけられ、頭を鷲掴みにする両手がじっとりと汗ばんでいるのを感じた。 涙を溜めた瞳で見上げると、目前にまで迫った絶頂を追い求め、睨みつけるような形相でこちらを見下ろしながら息を荒げる雄牛の顔があった。 「――ん゛ッ、じゅぞ、じゅ……ッ♡♡」 その血走った瞳へと訴えかけるようにナサスは自ら頭を動かし、裂けるかと思うほどに顎を開き、女性の腕ほどもあるそれを根本まで呑み込んだ。 「ご……ッ、え゛……ッ♡♡」 熱く硬い肉の塊が喉を塞ぎ、胸の内にまで達していた。息もできず、声も出ず、ただその脈打つような振動だけが伝わってくる。 この震えが、射精を目前にした肉棒の痙攣なのか、期待に満ちて高鳴る鼓動なのかも分からない。 「そんなに欲しいなら、たらふく飲ませてやるよ……ッ!」 雄牛の手に一層力が籠もり、鈍痛とともにみしりという音が頭蓋の内に響いた。 肉棒を根本まで呑み込み、雄牛の股ぐらに顔を埋めたジャッカルの頭をなおも力強く押さえつけられたまま、しゃくりあげるように腰を動かされ、射精直前のはち切れんばかりに膨れた肉棒に喉を掻き回される。 ずちゅん、ずりゅん。二度、三度と凶悪なカリ首に擦り上げられる感覚に悶え、うずくまった体をいよいよ狂ったように痙攣させながら、ナサスはついに熱く濃厚な白濁液が胸の奥に迸る瞬間を味わう。 「――っ」 ――ごぽおおおおっ、どびゅるる! 若く、力強く、幾度となく味わってきた夫のそれよりも遥かに濃厚な精液が、吐き出すこともできぬほどの奥深くへと流れ込む。 「お゛ッ♡♡ごぇ、え゛……ッ♡♡」 ナサスは苦しげにえづきながら、それでもその息遣いには甘い歓喜の色が滲み出てしまう。 どくん、どくんと脈打ちながら注がれ続ける白濁液が胃に流れ込み、熱を持った臓腑がじんと胸の内に浮かび上がるような心地だった。 剛直によってぎちぎちと押し拡げられた喉を隙間なく精液が満たし、溢れようとする中ですらも、雄牛の手がナサスを押さえつけ顔を上げることを許さない。 塞がれた気道から漏れ出た吐息が喉の奥でごぽりと音を立て、胸の内に溢れる精液がせきを切ったようにして逆流する。 「――お゛ごッッ♡♡」 「はは、ひっでぇ顔」 肉棒で塞がれた顎の端から、ヒクヒクと震える鼻の穴から、喉奥に収まりきらなくなった白濁液が溢れ出す。 息を吸うこともできず、視界が白く霞み疲れた体を浮遊感が包む。ついに気を失う寸前、ようやく雄牛はナサスを開放した。 「オ゛ッ、え゛げっ、ごぼ……ッ!」 射精を終えても全く硬さの衰えぬ肉棒が、ナサスの喉から抜き放たれ、糸を引きながらじゅぽんと跳ね上がる。 もはや四つん這いで体を支える余力すらも失ったナサスは石床に崩れ落ち、濁った声を上げてえづきながら、そのたびに鼻と口から子種を吐き出す。 横たえた体を震わせ咳き込むたび、鼻先に浮かんだ白濁色の水風船が揺れていた。 「……ふう、あんな熱込めておねだりされちゃ、断るのも悪いしな」 そんな、息も絶え絶えの姿を晒すナサスへと、聞こえていないのならそれでも構わないとでも言いたげな口ぶりで、雄牛が口を開く。 「仕方ねぇからガバガバのケツ穴でも使ってやるよ。……欲しけりゃ、好きに跨りな」 言葉とともに雄牛はナサスから視線を外し、柔らかな寝台に背中を預け仰向けになる。 「……っ」 天井を指すようにそそり勃つ肉棒に目を奪われながら、ナサスが息を呑む。 考えるまでもなく、答えは決まっていた。 「は、い……っ♡」 肉棒で強引に拡げられた喉を懸命に動かして、掠れた声で返事の言葉を絞り出す。 弛緩した体に力を込め、横たえた体をゆっくりと起こしながら、期待に尻の穴をヒクつかせる。 ――ああ、ああ、ついに。 他の何も考えられなくなるような悦びに、白濁液で彩られたナサスの顎が笑みを作っていた。 続く