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王の淫堕~雄を奪われた孕み袋~




 洞窟の内部にゴツゴツと隆起する岩肌を、脈動する肉の膜が包み隠していた。肉床を踏みしめるブーツには粘液が糸引き、湿気を伴って立ち昇る甘く腐ったような芳香も合わさって、生理的な嫌悪を掻き立てた。

 肌を撫でる生温かな瘴気はどろりとした重たさを伴い、まるで巨人の口腔に捕らわれ舐られているかの如き感覚を抱かせる。

 その不快な想像を肯定するかのように、この肉の洞窟の最奥に鎮座しレオと対峙する異形の一ツ目が、その邪悪に濁った目を細めていた。

「ふん……ッ!」

 黒い肉の球体から無数の触手が伸び、獲物を追い求める執拗さでレオへと迫る。左手に握る剣を力強く振るいそれを切り払うと、黒く蠢くヘドロじみた体液が迸り、寸断された後もトカゲの尻尾の如く揺れ続ける触手が肉床へと散らばった。

「醜悪が過ぎるな……っ」

 立ち昇る湿気と長時間に渡る攻防からの疲労によって、玉の汗が浮かぶ肌の上に、そのどろりとした体液が飛び散り、火照り強張る筋肉の隆起を伝い滴った。

 その感覚でさえもが、ただの返り血と捨て置けぬほどの不快感を生じさせる。体液の一雫までもが下卑た意思を持ち、肌の上をナメクジが這い回るように、いやらしい愛撫をされている心地だった。

 ……そしてレオは、戦いの最中に思い至るべくもない連想が正しかったことを、身を持って思い知る。

「な――ッ!?」

 甘く腐った湿気に侵され湿るタテガミの上を、黒く蠢く体液が重力に逆らって這い、丸い獅子の耳へと辿り着く。

 ずずず、と耳の内をいやらしく愛撫される感覚に、レオは背筋を震わせて身悶えた。

 奥へ、奥へ。守ることも、鍛えることもできぬ頭蓋の内へと、悪意に満ちた一雫が迫る様を感じ、その悍ましさに一瞬の隙が生じる。

「……っ」

 その一瞬が、一ツ目の球体がその体表を蠢かせる様、無数の触手を産み出し獲物を絡め取ろうとする直前の予兆を、レオに見落とさせた。

 思考の外から迫る次の攻撃に、レオはそれでもなお経験と反射によって対応し、身を捻りながら剣を振り抜こうとするが、無理な姿勢からの攻撃は迫る触手の群れの全てを切り払うには至らなかった。

「ぬうぅ……っ」

 剣を振るう左腕を、ねとりと糸引く粘液を纏う触手に絡め取られる。振り払おうと右腕に装備した盾を振り下ろすが、触手が持つ強靭な弾力を前に打撃は意味をなさず、その間にも一ツ目の怪物は再びその体表を蠢かせ、次なる攻撃の予兆を示していた。

 そして、剣を握る腕を捕らえられた今、レオに反撃の手段はない。

『――ッ』

 それが、球状の肉塊に浮かぶ巨大な目を細めて、ついに獲物を手にする悦びに笑んだように見えた。

 粘液を撒き散らしながら伸びる無数の触手がレオの四肢へと絡みつき、甘く生臭い体液を肌へと刷り込むように這い回りながら、剣を握る手のひらの内へ、皮のブーツの内へ、股ぐらを隠す腰布の内へと、身を捩るようにしながら滑り込む。

「ぬ、あぁ……ッ!?」

 痛みはなかった。それは決して命を奪うための攻撃ではなく、いやらしく舐るような執拗な愛撫としてレオを襲った。

 うねる触手に解され緩んだ左手が剣を取り落とす。ブーツの内を幾重もの触手で満たされ、足指の谷間の一つ一つまでをも舐られ、そのこそばゆさに膝の力が抜ける。

「やめ、はなせ――ッ」

 怖気立つような気色の悪さに悶えながら漏らす言葉すらもが、耳の奥を舐られる悍ましい感覚によって遮られる。

「あぁ……ッ!?」

 脱力しかけた身体が今度は激しく震え、背筋が弓なりに反る。獅子の口をいっぱいに開き悶え声を上げながら、こわばった体を成すすべもなく押し倒され、気づけばレオは、肉の膜に覆われた天井を見上げる形で体を仰向けに横たえていた。

 床覆う肉の膜が背に纏わりつき、絡みつく触手と同様に下卑た意図を感じさせるいやらしさで撫で回される。

 両腕に嵌められた頑丈な鉄の枷が、右腕に盾を固定する金具が、滑り込んだ触手によって一つ一つ解かれてゆく。

「ぬ、あぁ……ッ」

 腰布の内で、嫌悪感に緊張し縮こまる玉袋の上を細い触手が這い回り、ゆっくりと弛緩させられてゆく。

 痛みとならぬ程度の力加減で玉袋の根本を締め上げられ、浮かび上がる睾丸を値踏みするように撫で回され、雄の急所を鷲掴みにされる感覚に首筋へと寒気が走った。

 ――ぴちゃり。

 耳の奥に水音が響く。悍ましい怪物の一部が頭蓋の内へと浸透しようとしている。

 内と外からの危機に、レオは獅子の眉間に深くシワを刻み、一層に表情を険しくしながら、逃れる術を探して視線を彷徨わせる。

「――っ」

 そして獅子の瞳は、巨大な1つ目を湛えた肉の球体に、新たな変化が起きる様を捉えた。

 巨大な目の下、球体の表面に、横長の裂け目が生じる。透明の刃物で熟れた樹の実を割いたかのような割れ目が、大きく口を開けて下卑た笑みを浮かべようとしていた。

 割れ目はすぐに、肉厚な舌を備えた口へと形を変えてゆく。球体にぽっかりと空いた口腔の内に形作られたそれが、タールのような黒色から赤紫の毒々しい肉色へと移ろいながら唾液を滲ませ、味わうための器官として完成していた。

 溢れ出す唾液を滴らせながら、極太の舌がレオの肢体へと躙り寄る。拘束から逃れようと強張り、張り詰めた太ももへと、生温かな唾液がひたひたとこぼれ落ちるのを感じながら、レオは嫌悪とも恐怖とも違う困惑に、表情を歪めた。

「あ、ぁ……?」

 奇妙な高揚が、頭蓋の内によぎる。食欲とも性欲ともつかぬ、目の前の相手を味わい尽くし、全てを己のものにしようとする、興奮。

 ――ぴちゃり。

 あのナメクジのような体液の這いずる音が聞こえた。耳の内などではなく、もっと深い場所から。獅子の頭に収められた、脳髄の内から。

「――ッ、おおぉ……ッ!?」

 その悍ましさに、レオはあらん限りの力で身を捩り、太くくぐもった咆哮を上げる。目の前の怪物の一部が己の内へと解け、目に見えぬ繋がりが生まれようとしていた。

 強張った体を反らし、腰を浮かせる。触手に絡め取られた腕に全力を込めて、強引に引き抜こうと身を捩る。

 それが可能であるかすら、思考の外だった。持ちうる限りの力を振り絞ってでも脱出せねば、想像すらしたくもない末路が待ち受けている。

 生命の危機を前にしてタガの外れた負荷に、筋繊維が悲鳴を上げる音が聞こえる。レオの肌が赤く火照りながら熱を持ち、汗を噴き出す。

 この反抗が無為に終われば、後はない。その思いで絞り尽くした力は、レオの四肢を拘束する触手の膂力をも上回り、ついに左腕が持ち上がる。

「ぬうぅ……ッ!」

 身体に纏わりつく触手を掴み引き剥がそうと、顎が砕けるかと思うほどに強く牙を食いしばり、強張った筋肉が負荷に震える。

 獅子の瞳は見開かれ、血走った毛細血管が浮かぶ。上昇する血圧に耐えかねて、鼻の穴からちろりと血が滴る。

 決して諦めさせぬまま、レオに残された体力の最後の一滴までをも絞り出させるように、触手は拮抗した力加減でレオとの押し引きを演出していた。

 そして――。

「――はぁ……ッ゙」

 レオに限界が訪れる。持ち上げた腕は再び肉床へと押さえ付けられ、消耗しきった荒い呼吸に合わせて胸板が上下に揺れる。

 黄色く染まる視界がかすみ、大きな一ツ目がいやらしい笑みを作る様をレオに見せつけていた。

「は……ッ゙、は……ッ゙」

 引き締まった腰を締め付ける鉄のベルトが、ぱきんと音を立てて外れ、染み出した汗を吸って濡れて肌に吸い付く腰布を、ずり降ろされる。

 火照り紅潮した肌に浮かぶ汗が、体温に熱せられて湯気を上げ、雄の芳香を立ち昇らせていた。

 ――その香ばしさに昂る怪物の興奮が、鮮明に伝わってくる。

「ぬ、あぁ……っ」

 下処理を終えて熟成された肉へと、ついにかぶりつくその瞬間の高揚を茹だった頭へと叩きつけられながら、期待に打ち震えて迫る極太の舌に身を曝すしかなかった。

 肢体を締め上げる触手とは違う、獲物を舐り味わうための柔らかさを、レオはまず太ももに感じた。

 汗の滲む肌に刻まれた筋肉、その一つ一つまでも丹念に舐られ、滴る汗を掬い上げられながら、生温かい泥が体表を這い進む感覚に悶え声を漏らす。

 内股をなぞり、焦らすような緩慢さで、じわりじわりと赤紫の舌が股ぐらへと迫る。無駄と分かりながら、逃げるように体を震わせ、腰を持ち上げようとするが、先程のような膂力はもう残されていなかった。

「ぐ、うぅぅ……っ」

 玉袋と内股の間に舌先を挿し込まれ、溢れ出す汗を吸って湿る垢を舐め取られてゆく。こそばゆさに腰が震え、漏れ出そうになる無様な悶え声を、牙を食いしばって噛み殺した。

 やがて、柔らかく肉厚な怪物の舌先に、もう一つの口が作り出される。ずずずと音を立てて汗を啜られ、恥垢を舐られ、ぐったりと垂れ下がる玉袋を呑み込まれてゆく。

(なにが、起こっている……っ!?)

 火照る体を小刻みに震わせながら、レオは困惑するように表情を歪めた。肌を舐られる柔らかさとこそばゆさが、玉袋のみならず股ぐら全体へと広がりつつあった。

 その理由を確認したところで、もはや逃れる術など残されてはいないのに、レオは恐怖と当惑が入り交じる目を、己の下半身へと向けることを止められなかった。

「――ッ」

 怪物の舌先に作られたもう一つの口が、レオの玉袋をすっぽりと飲み込んで、下品な音を立てながら弄んでいる。

 そして、そこからは触手や怪物の体表と同じ黒色のヘドロの如き液体が溢れ、レオの股ぐらに広がっていた。

「ふ……ッ!?」

 萎えきった今の状態であっても逞しい雄竿の周囲を、ついに黒い体液が取り囲み、その表面を包み込むように這い上ってくる。

 その内側は暖かく濡れそぼり、優しく愛撫するような感覚が繰り返し加えられ、喘ぎ声を噛み殺そうとするレオの努力を打ち砕こうとしていた。

 未だ柔らかなままの竿を覆い尽くし、カリ首の裏をくすぐられながら、色付いた亀頭までもが呑み込まれ、肉棒を覆い尽くされる。

 その間にすらも、淫らな愛撫はレオの反応を学習しそれに合わせるかのようにその巧みさを増していた。

「ん、んんんんっ!」

 玉袋の裏から、尻の割れ目に沿って腰の裏側へも黒い体液がにじり上がってゆく。縮み上がった肛門を解きほぐすように、ぐちゅぐちゅと音を立てて繰り返し撫であげられ、食いしばった牙の隙間からうめき声が漏れた。

 レオの股へピタリと張り付いたそれが、ついに腰裏で繋がり合い、淫らな肉の下着が完成するのを待って、ようやく怪物は舌先の口を玉袋から離す。

 しかし、本体と切り離されてもなお肉の下着は休むことなくレオを責め続けた。

「はっ、んんん……ッ、……っ!」

 ひとときでも気を抜けば、この責めに耐えかねて無様な喘ぎ声を晒してしまう。この期に及んで、それはなんの意味もなさぬ自己満足でしかなかったが、それでもなお恥を晒すことを拒み耐え続けるレオを見つめ、怪物はその巨大な一ツ目を細めた。

 赤紫の舌に、腹筋の割れ目をなぞられ、窪んだへそをぐちゅりと舐られる。緊張と弛緩を繰り返しながら、快感に耐えて震える胸板を舐め上げられ、ぷくりと立った乳首へと唾液を擦り込まれ、鎖骨の窪みに溜まった汗を啜り上げられる。

 丹念に、今このときだけ味わえる無垢な肉体の反応を愉しむ悦びが、頭の中へと流れ込んでくる。

 刻一刻と、怪物との繋がりは深まりつつあった。よりはっきりと、その下卑た欲望の昂ぶりが感じられ、その視線が己の体のどこへと向けられているのかさえ伝わってくる。

「ふっ、ふぅ……ッ」

 生臭い唾液に塗れた赤紫の舌が、レオの頬を撫ぜる。糸を引くほどに濃い唾液が、牙の隙間から流れ込んで、舌の上に酸い味が広がった。

 ――ぐちゅり。

 柔らかく生暖かい舌先に、食いしばった牙を、血色の良い歯茎を舐られる。獅子の口元を縁取る黒い唇を一周するように舐られながら、それでもレオは万力のごとく食いしばり、それを受け入れることを拒んだ。

「んんんッ!?」

 臀部へと加えられた不意の刺激に腰を浮かせ、目を見開きながら、それでもなおレオが食いしばった牙を開かない。

「ん゛ッ、んん、ん……っ」

 肛門のシワの一つ一つにまでも吸い付くように張り付いた肉の下着が、男を知らぬ肛門へと、排泄以外の使い方を教え込もうと責め立てる。

 そして、それを後押しするように、脚を拘束する触手の一本がレオの太ももを這い登り、無垢な穴へと迫ってゆく。

 ヘビのように這いながら臀部へと向かうそれの表面が蠢き、抗う獲物を取り押さえ無力化し続けるための飾り気のない姿から、卑猥な形へと変じてゆく。

 血管が浮き上がり、真珠を思わせる小粒の隆起を無数に纏う、剛直。男を知らぬレオの処女を奪うには、あまりにも凶悪な黒々とした男根へと。

「ぐう――ッ」

 肛門を覆う肉の下着の上から、ヘドロのような黒い先走りを滴らせる亀頭がレオの肛門へと触れる。

 本物の肉棒と同じように脈打ち、熱を秘めたそれが、グチュグチュと卑猥な音を伴って無垢な穴に雄の味を教えようとしていた。

 痛みを感じぬ程度の浅い力で縮み上がった肛門を圧し、そして身を引く。肉の下着による愛撫と合わせながら、抵抗を解きほぐしてゆく。

(こ、このまま、では……っ)

 どれほど必死に肛門を締め上げ侵入を拒もうとしても、鋭い牙を食いしばって耐え続ける上の口ようにはいかない。

 肛門へと押し付けられた鈴口から、黒い先走りがレオの内へと染みてゆく。潤滑を帯びた肛門が、感じたこともない狂おしい熱を帯びて、ヒクヒクと震えだす。

 押しては引いてを繰り返すたびに、凶悪な魔羅へと加えられる力も増すが、そこに痛みが伴わない。今日まで知ることのなかった快楽の味が、執拗なまでの丹念さで教え込まれてゆくのみだった。

 怖気づき、逃げるかのように、レオの腰が揺れる。痛みであればどのようにも耐えられたが、醜悪な異形の怪物によってレオの体へと刻みつけられてゆくのは、男に組み敷かれる雌の悦びだった。

(もう……ッ)

 熱を帯びた肛門を締め上げようとどれだけ力を振り絞っても、押し当てられた亀頭の形をより強く感じるのみだった。

 潤滑に満ちたそこに亀頭が擦れるたびに、甘く狂おしい感覚が背筋を昇り、意思に反して腰が震え上がる。

 逃れようと腰をくねらせる悩ましい動きは、もはや閨の中で男を誘う娼婦も同然の淫らさを伴い、腹の奥には感じたことのない疼きが宿る。

(嗚呼……っ)

 ――ぐぷっ。

 瀬戸際で保たれていた拮抗が、予告もなく崩れ去る。ついに音を上げて緩んだ肛門を、凶悪なカリ首がくぐってゆく快感に、レオは絶句した。

「ん゛ん゛……ッ、ぐぅ――ッ!?」

 初めて雄を受け入れる直腸へと、黒い先走りを丹念に塗り込まれながら、脈打つ黒魔羅がゆっくりと挿入されてゆく。

 竿に浮かぶ血管や無数の小粒の一つ一つが濡れきった肛門を擦り上げながら、滑らかな亀頭とは違う狂おしい刺激をもたらして、初めて雄を知る肛門へと快感を刻みつける。

「……っ、……っ」

 悶え、震え、硬直と弛緩を繰り返しながら、それでもなお頑なに口づけを拒むレオを弄ぶように、両脚に絡みつく触手へと力が込められる。

 巨大な一ツ目が見下ろす目の前で、ついに屈服し雄を受け入れた肛門と、今なお強情に恭順を拒む獅子の顎を同時に見据えれるよう、腰を持ち上げられてゆく。

(ありえぬ……っ)

 恥辱に満ちた淫らな体位を強制されながら、悪意に満ちた一ツ目との間でそそり立つモノの存在に気づき、レオは力なく視線を伏せた。

(あり、えぬ……)

 異形の怪物によって蹂躙され、その醜悪な姿に相応しい獣慾に曝され凌辱を受けながら、黒く光沢する肉の下着に包まれたレオの剛直は、はちきれんばかりの硬さで屹立していた。

 レオは瞼の裏に焼き付いた光景を振り払うように、力なく頭を振る。この屈辱によって興奮する道理など、あるわけもない。そう言い聞かせるように胸の内で繰り返すが、怪物はささやかな逃避すらも許しはしなかった。

「――ッ」

 想像というには、あまりにもはっきりとした像が、固く閉じた瞼の裏に浮かび上がる。

 天へと向けてあられもなく股を開き、黒々とした魔羅に押し拡げられた肛門を淫らに歪ませ、その快感に肉棒を膨れ上がらせる、惨めな獅子頭の男の姿が。

 ……一人の男としての尊厳など一欠片も残らぬ痴態。目を閉じることなど許さぬと、怪物はレオを責め立てる。

「ん゛ッ、んん゛……ッ!」

 黒い先走りを塗り込まれ火照り震える肉襞を、触手魔羅に浮かぶ無数の肉粒で掻き毟られる狂おしさに、背筋が痙攣する。

 もはや緩みきった肛門はほんの少しの抵抗すらもできぬまま雄を受け入れ、悶えるように震え続ける。

 怪物の巨大な瞳が収縮し、その浅ましい雌穴が目前で眺めるかの如く拡大した映像が、拒むすべもなくレオの脳髄へと伝えられる。

 黒く艶めく肉の下着に覆われながら、凶悪な魔羅の動きに合わせて柔らかく歪み、焦らすように緩慢な抽挿を受けて浅ましく隆起する淫らな姿。

 ――やめろ。

 怒りのままに溢れそうになる叫びを必死で噛み殺しながら、レオは獅子の顔に深いシワを刻む。

 ぐぽん。ぐちゅん。じゅぽん。濡れそぼった肉穴を掻き回す淫らな音を響かせながら、黒魔羅は不気味なほどの正確さでレオの性感帯を探り当て、花開かせてゆく。

 レオが強く快感を覚えた場所を、より心地よく感じる角度で、快楽のみを感じられる強さで、深く抉る。

(まさか……っ)

 そう思い至ったレオを肯定するように、怪物は悩ましく苦悶する獅子の顔へと視線を向け、深くシワの刻まれた鼻面を舌先で愛撫する様を見せつけた。

 もはや頭蓋の内を巡る思考すら、この怪物には見透かされている。

「――っ」

 背筋に冷ややかな感覚が走った。いかにして抗うか、頭蓋の内でいくつもの考えが浮かぶが、思い至った瞬間には、その全てを見透かされている。

 ……どれだけ考えたところで、答えは一つのみだった。

「ん゛ん゛ん゛……ッ!」

 さらに深く、火照り疼く肉襞の最奥で侵入を拒むS字を小突きあげられながら、レオは持ち上げられた腰を震わせて、固く膨れ上がった肉棒を揺らす。

 ……この浅ましく堕ち果てた雌穴のように、抗えぬ快感に屈し恭順を示す肉棒のように、やがては心までも屈服するときが来るのは避けられない。

 ならば、この抵抗すらも、力の限り抗いはしたというささやかな自尊心を守るための、無意味な選択に他ならない。

「ん゛ッ、んぐっ、ぅ、――ッ」

 黒く艶めく亀頭でで最奥を責め立てられながら、触手に形作られた凶悪な隆起に前立腺を押し潰され、肉棒の根本を内側から愛撫される快感に震え上がる。

 それでもなお、レオは抗うことを止めなかった。全てが徒労に終わると分かりながら、脳裏をよぎる諦めさえも見透かされながら、最後の矜持を守り通そうとする。

 そのいじらしい姿をこそ、怪物は嘲笑った。

「――っ」

 ぐぽん。腹の奥から、鈍く弾けるような音が聞こえる。肛門と同じように、黒魔羅の責めに音を上げたS字がついに屈服を示し、先刻まで雄を知らぬ排泄の器官であったそこが、淫らな雌穴へと堕ち果てた。

 丹田が狂おしく疼く。燻る火種は今や熱く燃え盛り、感じたこともないほど強烈な快楽を伴って、レオの抵抗を解きほぐそうとしていた。

「ん、ん……っ」

 触れられてもいない肉棒が、狂ったように痙攣し、開放を求めている。その雄竿を僅かにでも扱きあげれば、すぐにでも絶頂に至ってしまうだろうが、怪物はただ雌の快楽のみでレオの恭順を引き出そうとしていた。

 深く雌穴へと挿入された触手が波打つように蠢き、敏感に仕上げられた肉襞を余すとこなく愛撫し、思考を掻き乱す。

 浅ましく腰をくねらせ、はちきれんばかりに膨れた肉棒を振り回し、半ば快楽に惚けた顔を引き攣らせる、獅子頭の男の痴態をありありと見せつけられる。

 童が駄々をこねるようにいやいやと頭を振りながら、目前に迫る雌の絶頂を拒絶する無様な姿。

「ん゛ん゛ん゛――ッッ」

 いよいよ、そのときが訪れる。腰の痙攣が止まらない。雷に撃たれたかのように体が引き攣る。狂ったかのように小刻みに体が震えて、肉棒も、尻の穴も、臓腑も、全てが混ざり合うかの如く蕩け果て、限界まで引き絞られた弦が、弾ける。

「オ゛ッ、おぉ……っ♡」

 ――びゅるうううううっ!

 意思の介在する余地もなく、レオは間の抜けた喘ぎ声を漏らして白目をむく。肉厚な舌がすかさずレオの口腔を犯し、滴る唾液を流し込み、弄ぶ。

 痙攣を続ける剛直がぴたりと張り付く肉の下着の中へと精液を放ち、そそり立つ肉棒の先に、精液をためた水風船が出来上がってゆく。

 口も、尻も、ついには怪物の欲望によって征服され、なすがままの蹂躙を受けるのみだった。

「ん、じゅっ、が、やめ、んん、るぅ……ッ♡」

 開かされた顎の隙間からこぼれ落ちる声が、売女の商売声のような艶を帯びている。

 全身を包む絶頂の余韻に思考が蕩け、それすらをも見透かされながら、蹂躙の証が雌穴へ注がれようとしていた。

 ――ごぷっ。ごぽおおおおっ、ごびゅるうう。

 震え、蠢く、液体とも肉塊ともつかぬヘドロじみた不浄の塊。この怪物を形作る不定形の腐肉そのものとも言えるそれが、触手魔羅の先端に浮かぶ鈴口より溢れ出す。

 ごぽり、ごきゅう。レオの耳を舐り、頭蓋の内をも侵したそれと同じものを、腸壁がはち切れるかと思うほどの勢いで流し込まれる。

「お゛ッ、ごえ、う、りゅ……ッ」

 絡め取られた舌を弄ばれながら、臓腑を圧するほどの量の腐肉が異形の生命力に満ちて腹の内で蠢く様を感じ、悲鳴を上げる。

 屈強な腹筋が、内側から膨れ上がり歪んでいた。息苦しさと強烈な便意に悶えながら、しかし流れをせき止めるべく膨れ上がった触手によって栓をされ、注ぎ込まれたヘドロを排泄することもできない。

「おごッ、んおおっ、じゅ……ッ」

 腹痛と便意に悶え震える体を、絡みつく触手によって持ち上げられる。腕に、脚に、腰に、無数の触手が身悶えするレオの体を支え、崩れ落ちることも許されぬままに、下品な体位を強要する。

 脱力し震える脚で肉床を踏みしめ、痙攣する膝を屈し、大きく開いた股の間に、精液の溜まる水風船をぶら下げる萎えきった肉棒を揺らす痴態。

 反り、悶え続ける己の背を、レオは怪物の目を通して見せつけられる。

 丸く膨れ上がる形状へと変じた触手魔羅が、腸内を満たすヘドロの圧力によって肛門を内側から隆起させる様を。

「ひっ、ぎぃぃ、あ……ッ」

 レオは掠れる悲鳴漏らしながら、怪物の発する下卑た悪意が滲み出すように流れ込むのを感じていた。

 獣慾のままにレオの体を貪るのみならず、敗北を喫した戦士を辱め、尊厳を踏み躙る愉悦にほくそ笑む。

 その邪な意思の下で、抗うすべもなく玩具のように弄ばれる運命が、レオを待ち受けていた。

「んっ、お゛おぉ……ッ」

 注ぎ込まれたヘドロの逆流を堰き止めていた触手が、ゆっくりと萎んでゆく。

 きゅぽんと音を立てて肛門から抜き放たれた触手が、レオの萎縮しきった背をいやらしくなぞりあげてゆく。

「ぬっ、うぐぅ、んん……っ!」

 獅子の顔を脂汗に湿らせながら、レオは低く呻き、背を震わせる。

 膨れ上がった腹の奥で、ヘドロに満たされた張り詰めた腸から異音が響く。

 あくまでもこれは、あの怪物によって注ぎ込まれた悍ましい体液でしかない。

 そう理解していても、無様に失禁するさまを愉悦に満ちて見つめられる屈辱に、身が強張った。

 レオは黒く艶めく肉の下着に覆われた肛門を、二度、三度、と収縮させながら身悶えし、ついに限界へと達する。

 ――ぷしゅっ。

「……っ」

 黒い飛沫が、めくれ上がった肛門から噴き出して、内股を伝う。肌を這う生温かくどろりとした感触は真に迫り、耐え難い恥辱にレオは息を呑む。

 ――むりいぃ。

 煮詰められたかのように黒くどろりとしたヘドロが、堰を切ったかのように肛門から溢れ、肉床へと山を作ってゆく。

 その無様な姿をまざまざと見せつけられながら、レオは悩ましく腰をくねらせ、触手に締め上げられた肢体を揺らす。

「はっ、あぁ、ぁ……っ」

 丹念に快感を教え込まれた肛門が、どろりとしたヘドロを排泄してゆく刺激に悶え、収縮する。

 ゾクゾクとした感覚が背筋を伝い、鎮まりつつあった熱が丹田の奥に再び広がってゆく。

 臓腑を圧するような膨張感からの開放と合わせて、忌々しいほどの心地よさが身を包んでいた。

 屹立してゆく肉棒が、精液を溜めた水風船を持ち上げ、揺らす。

 言葉では言い表せぬ何かをヘドロとともに排泄してゆくかのような空虚さが込み上げるとともに、否定しえぬ快感がレオを責め立てていた。

「……っ」

 レオの体を支えていた触手の拘束が緩む。支えを失った体が脱力のままに崩れ落ち、肉床の上で死んだカエルの如くうつ伏せに倒れた。

 ――ぶぽん、ぶりゅう。

 緩みきった肛門が聞くに耐えぬ下品な破裂音を響かせながら、なおもヘドロを排泄し続ける。

 止まる気配のない排泄感に震えるレオは、怪物の目に映る己の萎縮しきった姿を、瞼を閉じてもなお見せつけられていた。




続く

王の淫堕~雄を奪われた孕み袋~ 王の淫堕~雄を奪われた孕み袋~

Comments

もけさん……最高です…❣️❣️❣️❣️❣️

サバンナ


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