前回
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繰り返される絶頂と屈辱的な責め苦に曝され、肉床の上に力なく伏した体へと、再び触手が伸びる。
甘く饐えた粘液を滲ませる蛇の群れが四肢を這い登り絡みつく感覚が、レオの肉体へと念入りに刻みつけられた快楽を想起させ、萎縮した背は怯えるように震え、ぽっかりと口を開き汚濁の如き粘液を垂れ流す肛門が下品な音を立てて収縮する。
「やめ、ろ……っ」
獅子の顎からこぼれる拒絶の言葉に、もはや先刻までの覇気はなかった。
絡みつく触手を振り払おうと試みることも、肉床の上を蝸牛のごとく這い逃げようとすらもせぬまま、震える喉から絞り出した言葉は、悪漢の手に堕ちた生娘が、凄惨な凌辱に打ちのめされたすえ口にする懇願と、何も変わらない。
「や、め……」
あらん限りの抵抗を打ち砕かれ、誰にも明け渡したことのない深い場所を蹂躙し尽くされながら、乞い願うように、己を辱めた相手へと向けて囁く、懇願。
「――っ」
その女々しく哀れな姿を嘲笑う邪な愉悦の感情が、レオの脳髄へと流れ込む。怪物がその異形の内に淀ませる下卑た悪意、それが己という捌け口へと向けられる様を、レオは否応なく認識させられる。
背筋に寒気が走った。チリチリと焦げるような感覚が、首筋を焼いた。
脱力した四肢へと触手が絡みつき、伏した体を方向けられ、仰向けにひっくり返されると、頭上で交差させる形に押さえ付けられた両手が、柔らかな肉床の内へと沈んでゆく。
もはや触手によって拘束されるまでもなく、レオは肉床の上に縫い留められ、逃げようと試みることさえできない。
哀れな虜囚へと堕ちた姿を怪物の一ツ目に視姦されながら、次は両脚へと絡みついた触手へ力を込められる。
「ぬ、うぅ……っ」
張り詰めた肌に筋肉の隆起を刻む屈強な太ももを割り開かれながら、レオは言い訳でもするかの如く細やかに抗い、そして結局はなすがまま無様な姿勢を晒す。
触手の動きと呼応するように、肉床が蠢きレオの腰を持ち上げる。
この期に及んでも熱くそそり勃ち天を指す剛直、その先端からずしりと垂れ下がる、精液の詰まった水風船、雌の快楽を教え込まれ大口を開ける後穴、それらのすべてが怪物の巨大な一ツ目へと向けて曝され、その見るに耐えぬ痴態がきつく閉じた瞼の裏に投影された。
「……ッ」
レオは牙を食いしばりながら、諦めるようにまぶたを開く。怯えるように耳を伏せた獅子の顔を、暗く濁った巨大な瞳が見下ろしていた。
瞳の下に形成された大口が、笑みを浮かべながら大きく開き、分厚い舌が唾液を滴らせ、再びレオへと伸びる。
(また、口づけるつもりか……)
どろりとして生臭い怪物の唾液の味が、未だ口の中に残っていた。貪るように口腔の内を舐り尽くされたときの感覚が、鮮明に蘇る。
生温かく弾力に満ちた舌が目前に迫り、ついに首筋を舐り上げられながら、レオは獅子の顎に残された余力を確かめるように、ぎりりと牙を食いしばる。
ナメクジが這った跡のように、張り詰めた肌の上に唾液を残しながら、湿気と汗に湿った獅子の顔へと舌が振れる。
溢れ出す唾液が毛皮へと染み込む不快感に続いて、肉厚な舌の称える熱がじわりと伝わった。
「……っ」
しかし、蛇のように蠢く舌先はさきほどのように口づけを求めて歯列を舐ることはなく、獅子の横面を舐め上げ、甘く生臭い唾液を糸引かせながら、レオの眼前へと迫る。
舌先に形成された、もう一つの口。顎も歯もない湿った穴。それがぶちゅりと水音を伴って開く様を見せつけられる。
滴る唾液が、ひたひたとレオの鼻面を濡らす。怪物の舌はレオの眼前にとどまったまま、何かを絞り出すように、ぐちゅり、ごちゅりと奇妙な音を発して小刻みに震え、そしてついに、それがまろび出る。
(これは……ッ!?)
レオの四肢に纏わりつくのと同じ、黒く淀むヘドロの如き質感の、線虫だった。目も口もない頭をうねうねと揺らしながら、怪物の舌先から
、小指ほどの太さの細長い胴をくねらせ、這い出る。
水に落ちた虫の尻から、蠢く寄生虫がまろび出る様をレオに想起させ、悍ましいほどの生理的な嫌悪を掻き立てる。
怪物は己の内から産み出した悍ましい蟲が蠢く様をレオへと見せつけながら、その舌先を緩慢に下降させ、固く割れた腹筋の上へと持って行く。
巨大な一ツ目を備え浮遊する球状の体が肉床へと着地し、レオの張り詰めた腹筋へとついに蟲が触れる瞬間を嬉々として食い入るように見つめ、その怖気立つような光景の一部始終をレオの脳裏へと投影した。
「ひ……ッ」
身をくねらせ長い胴体を露わにする蟲が、腹筋へと滴る唾液によって作られたドロリとした溜まりへと触れる。柔らかな胴が楕円に変形しながら張り詰めたレオの肌へと吸い付き、固く刻まれた筋肉の隆起に沿って這いながら、レオの股ぐらへと躙り寄る。
生暖かい怪物の触手や肉厚な舌とは違う、ひやりとした感覚に身震いしながら、気づけばレオは食いしばった牙の隙間から情けのない声を漏らしていた。
先細るように柔らかく尖った蟲の頭が、腹筋の割れ目の間に浮かぶへその穴を舐るように蠢き、くちゅりと音を立てて弄る。
寄生虫を思わせる姿と合わせて、それが己の体を滑り込ませるための穴を探しているのだと、身の毛もよだつ確信がレオの胸に湧いた。
「……ッ、ぁ……ッ」
柔らかな蟲の頭が、へその穴からレオの内へと侵入せしめようと蠢く。大した力もなく、痛みが伴うこともなかったが、この怪物の産み落とした醜悪な寄生虫に臓腑を侵されるという想起は、それのみでもレオの精神をすり減らす負荷となっていた。
穴などではないただの窪みの内で、片手のみでも自由であればたやすく握り潰せるであろう脆弱な蟲が動くたび、卑猥な体勢で拘束された体を揺らし、震える吐息を漏らす。
怪物の舌先からはついに線虫のすべてが産み落とされ、細長く柔らかな蟲が執拗にレオの腹上を這い回りながらへその穴を舐り続け、責め立てる。
「あ、ぁ……」
くちゅり、くちゅりと、粘液の泡立つ音ばかりが響き続ける。一秒一秒が不安と恐怖を掻き立て、精神にヒビを入れようとしていた。
だからこそ、蟲がついにその試みを諦め動きを緩めたとき、レオは心底からの安堵に深い吐息を漏らす。
恐ろしい想像は、ついぞ現実にはならなかった。疲弊した精神が、救いを求めるように短絡的な希望へと流れてゆく。
しかし、ほんの束の間抱いた安堵は、余韻を味わう暇すらも与えられずに打ち砕かれた。
「ひあ、ぁ……ッ!?」
――くちゅり。
股ぐらへと吸い付くように密着する肉の下着の内へと、蟲がその細い体を潜り込ませる。
隙間なく張り付いた膜の内側を蟲が這う感覚は、腹筋の上に感じたそれとは比べ物にならぬほどに克明で、細長い胴が蠕動し収縮する様子までもが感じ取れた。
それはゆっくりと、レオの恐怖を煽るかのように緩慢な速度で、肉の下着に包まれてそそり勃つ剛直を目指していた。
陰毛の合間を掻き分けるように身をくねらせて這い進み、恐怖に息を呑み悶えるレオの意思と反し勃起し続ける肉棒へと迫る。
猛る肉の杭の大きさを図るかのように、その根本へと蟲の柔らかな頭部が触れ、ぐるりと細長い体を巻きつけられる。
「やめろ……ッ!」
その言葉を口にしたところで意味などない。それを理解していてもなお、レオは牙を剥き唸るように叫ぶのを止められなかった。
蟲はそそり立つ剛直の頂上へとまっすぐ進むことはなく、不格好に螺旋を描くような不規則な軌道で竿の上を這い、その冷ややかでぬめりとした感触でレオを責め立てる。
竿を包む肉の下着には、その内を這う線虫の形がありありと隆起し、怯えるように震える亀頭までの距離を示す。
「そ、それを退けろ……ッ!」
焦燥にかすれた声で叫びながら、蟲を振り払おうとするかのように腰を揺すると、亀頭の部分から不格好に垂れ下がる精液の水風船が、童の玩具のように跳ねた。
腰を浮かせ、無様に開脚させられた太ももへ水風船をびたびたと打ち付けるように、滑稽な腰振りを演じるが、肉の下着の内を這う蟲を振り払うなど、できるはずもなかった。
「や、め――ッ」
そして、ついにそれが辿り着く。赤らんだ亀頭に浮かぶピタリと縦に閉じた鈴口を、蟲の柔らかく先細った頭部が割り開き、その蠕動で尿道の内を擦り上げ、敏感な粘膜へと狂おしい刺激を与える。
「ッ、~~~~ッ!?」
背筋を弓なりに仰け反らせ、目を見開きながら、耐え難いほどの強烈な刺激にレオの全身が強張り、痙攣していた。
成人男性の小指ほどの太さを持った線虫の体が、膨れ上がった海綿体に圧っされた狭い尿道に合わせて柔軟に変形しながら潜り込み、蠢いている。
痛みと痒みの中間、触れるべきでない場所に異物が触れる狂おしい感覚は、到底耐えられるものではなかった。
獅子の大顎をいっぱいに開け、唾液を振りまくほどの勢いで声にならぬ叫び声を上げながら、卑猥に開脚されたまま固定された脚をピンと強張らせ、震わせる。
線虫が尿道を押し拡げながら、その根本へと這い進む様子が、竿の裏筋に浮き上がり、ぬめりとした表皮から滲む粘液が粘膜へと染み込んでゆく。
未だ線虫の体のほとんどは、投げ出されたロープの如くレオの腹筋の上で不格好なとぐろを巻いており、この責め苦が始まったばかりだという事実をレオに思い知らせた。
肉床に呑み込まれ拘束された両手を抜き放ち、一刻も早くこの蟲を引き剥がすべく両腕に力を込めるが、最も敏感な場所を内側から思う様に舐られる強烈な刺激に曝され続ける中では、膂力の限りを尽くすこともできない。
「ッ、はっ、ぎッ、いぃいい……ッ!?」
掠れ、途切れ、意味もなさぬ情けのない悲鳴が喉の奥から溢れる。線虫の頭で尿道をいやらしく舐られるたび、その悲鳴すらも途絶えて、押さえつけられた体がびくんと跳ねた。
固くそそり勃っていた肉棒は、ぶら下げた水風船の重みに屈するが如く頭をもたげ、膀胱に溜まる液体が溢れ出そうと感覚に襲われるが、びたりと尿道を塞がれたままではそれも押し留められてしまう。
恥も、恐れも、なにも考えられなくなるほどの、味わったこともない狂おしさの中で、レオは声の限り叫ぶことしかできなかった。
きつく閉じた目の端に、感情というよりも生理現象から来る涙が浮かぶ。処理しきれぬほどの刺激に絶えることなく曝され続けた頭が湯だったようにぼんやりとして、理論だった思考が失われていく。
(もう、やめ――)
壊れたように痙攣し続けていた体が、徐々に脱力してゆく。硬直と弛緩を目まぐるしく繰り返した筋肉が悲鳴を上げ、やがてレオは獅子の顔を涙と鼻水で濡らし苦悶の表情を浮かべたまま、力なく震えるのみの惨めな姿を晒す。
(やめて、くれ――)
茹だった頭に残っているのは、その言葉のみだった。
そそり勃つ雄の象徴は今や、怪物の身から産まれた悍ましい蟲に蹂躙され、犯し尽くされようとしている。
懇願の言葉を口にする事もできず、細切れになった思考の中でそう思い浮かべるしかなかった。
怪物は、レオとの間に作った繋がりを通じて確かにそれを感じている。しかし、凌辱によって処女を散らす生娘の如き懇願に、応えてくれることはなかった。
「――ッ」
ついにきつく閉じた尿道を雄竿の根本までこじ開けられ、柔らかな先端で股ぐらのそのさらに内を舐られながら、レオは息を呑む。
「ひっ、いいぃいいっ、ぎいぃいいい……ッ!?」
肉棒からその身の内までに繋がる管、その意識したこともない道筋が、狂おしい熱とともに浮かび上がる。うぞうぞと蟲の這う様が、耐え難いほどにはっきりと感じられた。
腹筋の上に投げ出された、線虫の残りの部位が、蠢きながら肉の下着の内へと消えてゆく。
押し拡げられた尿道へと蠕動する胴体をこすりつけられる刺激。震え上がる雄竿の表面や、充血した亀頭、カリ首の裏を撫でられる快感。
それらが一緒くたになってレオを責め続け、肉棒全体が火照り蕩けた熱の塊にさえ感じられた。
一時は柔らかくなった剛直も、今は先ほど以上の硬さに膨れ上がり、開放を求めて震えながらも先走りの一滴とて吐き出せぬ戒めに悶えていた。
(嗚呼、また――)
その感覚は、快楽と呼ぶにはあまりにも苛烈にレオを打ち据え、否応なくレオを絶頂へ導こうとする。
……レオの意思が介在する余地もないほど荒々しく、殴りつけるように、膨れ上がった熱が引き絞られるように収縮し、脱力した体が再び強張って、背がひとりでに反る。
「~~~~~~~ッ!」
牙を食いしばり、緊張した体をドクンと強烈な快感に貫かれる。強張ったからだが、狂ったように痙攣する。
張り詰めたふくらはぎに筋肉の隆起が浮かび上がり、ピンと伸ばしたつま先までもがガクガクと震え上がっている。
足先から耳の先まで、痺れるような感覚が体の隅々までを満たし、瞼の裏に火花が飛ぶ。
「ん゛んん~~~ッ!」
それでも、切なげにヒクヒクと震える肛門から、腸内に残った黒い粘液がぶぴゅりと音を立てて溢れ出すのみで、開放の瞬間は来ない。
絶頂を前にして縮み上がった玉袋からせり上がる精液は、尿道を塞ぐ蟲の胴体に堰き止められ、押し留められていた。
膨れ上がる熱は解き放たれることもなく、より一層の勢いで燃え上がりながら、レオの身を苛んだ。
(こわ、れ――)
雄竿の上を這う線虫の尾が、鈴口の内へつぷりと吸い込まれてゆく。ひときわ太く丸みを帯びたその部位は、蹂躙され尽くした尿道を今まで以上に狂おしく責め立て、レオを悶絶させた。
「――ッ、は、あぁ……っ」
悍ましい蟲の全長がついにレオの内へと侵入する。肉棒を内と外から責め続ける刺激がようやく途絶え、絶え間なく送られる快感に疲弊した頭が、にわかに思考を取り戻す。
朦朧とした意識が最初に思い浮かべたのは、壊れるかと思うほどの強烈な責め苦から開放されたという、安堵だった。
胸板を激しく上下させ、荒く吐息を吐きながら、つかの間の休息を噛みしめるように表情を緩める。
だが、下腹部の奥に生じる違和感が、もはや避けられぬ凶兆をレオに思い出させた。
「は――ッ!?」
くちゅりと、股ぐらの内で蟲が蠢く。
尿道の内を細長い胴が這うあの感覚が、枝分かれし、下腹部全体へと広がってゆく。
人体の作りに特別の知識など持たぬレオにとってすら、ありえぬとわかる不規則さで、幾重にも分かれたそれが、深くへと根を張るかの如く体を侵しゆくのが感じられた。
「ぁ……ッ?」
熱い。股ぐらの内で肉が蕩け、煮立っているかのようだった。ごちゅ、ぐちゅ、と気泡が弾けるような異音が内側から響き、恐怖を煽る。
(なにが、おこって――)
怪物の体表が波打ち、無数の触手が伸び、レオの体へと絡みつく。一切の身動きさえ許さぬとばかりに、腰や胸をきつく締め上げ、肉床の上にレオの体を強固に縫い止めた。
「お゛ッ、お゛ォ、ご……ッ!?」
ぶちゅり、ぐちゅ、ごちゅう。
細切れにした肉の塊を掻き混ぜるような、奇妙な音。拡がりゆく熱とともに、小刻みな振動が伝わってくる。
そこに一切の痛みはなく、ただ蕩けるほどの熱さだけがあった。
「――ッ」
太い触手で一層に強く胸を締め上げられ、息苦しさに掠れたうめき声が漏れ出る。
あの蟲が己の内で何をしているのか、想像すらもできず、レオは恐怖に肩を震わせながら息を呑んだ。
弾けるような音と背筋を伝う震えが、その回数を増しながらレオの身を苛み続ける。
……ともすれば、死よりも恐ろしい運命がその先に待ち受けている気がしてならなかった。
「んっ、ぐ……ッ!?」
レオの脳裏に過ぎる予感を嗅ぎつけたのか、首筋から這い上った触手の先端が、口腔へと捩じ込まれる。
こじ開けた顎の内で、柔らかな触手の先端に上顎を舐るようになぞられ、舌を絡め取られ弄ばれながら、レオは祈るように天を仰ぐしかなかった。
「~~~~ッ!」
もはやどれだけの時間、その責め苦が続いているかも分からなかった。
身体に絡みつく触手は、退屈な待ち時間をやり過ごす手慰みのようにレオの舌を、胸を、快楽を教え込まれた肛門を弄び、射精という開放の伴わぬ抑圧された絶頂へと繰り返し導く。
いつしかレオはもがくこともやめ、とめどなく与えられ続ける快楽になすがまま曝され、甘く火照った悲鳴を上げるのみとなっていた。
まるで下腹部の内が蕩け形を失っていくかのような熱は、その中でいつしか別種の奇妙な疼きへと変質し、へその裏側に燻るそれを起点に、甘く痺れるような感覚が肉棒と玉袋の付け根へと向けて続いているようだった。
それは、散々に弄ばれ滾る雄を受け入れる快楽を教え込まれた肛門に感じる疼きと似て、しかし気を抜けばうっとりと恭順を示すそうになるほどの、甘い心地よさを伴っている。
(それが、狙いか……)
色濃い消耗の滲む疲れ切った目元を嫌悪に顰めながら、レオはあの蟲がどのような目的で作り出されたのか、それを察する。
腹の内を蝕まれ植え付けられた甘い火照りに屈し、自ら望んでこの怪物に恭順を示す淫らな雌へ堕ちることを望まれている。
(下種め……ッ)
その身の深くまでにすら根を張られ、考えすらも見透かされ抵抗の術を封じられながら、レオは吐き捨てるように胸の内で唸り、怪物の巨大な一ツ目を睨んだ。
曇りの一つもない瞳に、口腔を触手に弄ばれ、触手から滲む体液に塗れ、ぐったりと萎縮する獅子の顔が写っている。
この怪物の虜として弄ばれるのがもはや避けられぬ定めであれば、できることはその下卑た愉悦を一欠片でも損なうべく抗うことだけだった。
「……っ」
怪物がその決意を嘲笑うかのように、巨大な一ツ目を細めてレオをじっと見つめる。
悪意と欲望に満ちた視線に射抜かれながら、くちゅりと、股の奥から湿った音を伴って甘い痺れが生じた。
それは、股ぐらの内から聞こえ続けた、蕩けた肉を掻き混ぜるような淡い破裂音とは違う、濡れた粘膜が擦れ合う卑猥な音に他ならない。
その音に、怪物の一ツ目の下に成形された大口が、にいっと吊り上がる。
「んむっ、は、あぁ……っ」
レオの口腔を弄んでいた触手が、するりと引き抜かれてゆく。脱力しきってだらしなく開いた顎から平たい舌が垂れ下がり、触手から滲む粘液と唾液の混合液が、触手の先細った先端との間に糸を引いた。
汗と粘液に濡れた首筋から、張り詰めた胸板へと、触手はレオの肌をいやらしくなぞりながら下降してゆく。
硬い腹筋を斜めになぞられ、触手はレオの股ぐらに張り付く肉の下着、逞しい腰へと食い込む紐のように細い部位へと触れ、その下へと潜り込む。
「……!」
ようやく開放された口腔から荒い呼気を吐きながら、レオはその鼻面に深いシワを刻む。
怪物は自らレオへと纏わせた卑猥な下着をその触手で絡め取る。ピタリと肌に張り付いた肉の膜が持ち上げれ、開脚された太ももに沿って上へとずらされていく。
残る左側も同様に触手を伸ばされ、ゆっくりと焦らすように行われるそれは、まるで寝室の中で番う男女の営みを真似しているかのようだった。
「お、のれ……ッ」
力で押さえつけ、抗うことすらも許されぬ暴力的な凌辱とは違う、淫靡なほどの丁寧さで行われるいやらしい前戯は、レオに己が女として扱われていることを強く意識させる。
打ち勝つことが適わずとも、せめて一矢を報いようとする決意をせせら笑い、辱められている。
「――ッ、ひ、あ……ッ」
レオは震える声で怒りの言葉を吐き捨てるが、それさえもが甘い刺激によって溢れ出す嬌声に遮られてしまう。
肌に張り付いた肉の下着、その中でも一際強く吸い付き、シワの一つ一つまでもを覆われた肛門が外気に晒され、充血した粘膜はそれすらも感じ取っていやらしくヒクついてしまう。
その快感と感応するように、肉棒の付け根にじわりと熱が広がって狂おしく疼くのを感じた。
黒い肉の膜が肌の上を這いながら、さらに持ち上げられてゆく。吸盤のように吸い付いた肉の下着に引っ張られて玉袋がゆっくりと持ち上がり、生暖かい空気が蟻の戸渡りを撫でた。
――ぐちゅう。
「あ゛……ッ」
股ぐらから湿った音が再び響く。肉棒の付け根から、敏感に仕上がった粘膜が擦れ合うような快感が迸り、ぐったりと疲れ切った背が腰を伝い昇る刺激にびくんと跳ねた。
レオは怪物の思惑通りに好色な娼婦の如く淫らな声を上げ、ただの前戯がもたらす快感にすら悶え身を捩る、淫靡な反応を引き出されてしまう。
肉の下着の左右は、持ち上げられた太ももの中程にまで達し、股ぐらへと深く吸い付いた中心の部位のみが、抗うように凹む形となっている。
――ぬちゅ、ぐちゅり。
「ひぃっ、あ、あぁ……ッ」
肉棒の付け根から、へその裏までがじんと熱を持って、甘く疼く。肉の擦れ合い、引き絞られる湿った音が響くたびに、腰が大きく震えて尻の穴がヒクヒクと収縮する。
柔軟に伸び縮みする肉の下着はいつしか細く引き絞られて伸び、怪物の意図に逆らって懸命にレオの股ぐらへと吸い付いているようにさえ見えた。
「お゛ッ、お゛ォッ、ご……ッ!?」
ぎちぎちと、股ぐらに吸い付いた肉が引き剥がされてゆく快感に、濁った嬌声が溢れて止まらない。
狂おしい熱の中に、締め付けるような奇妙な切なさを伴って、射精の直前に感じるものと似た感覚が肉棒の付け根に広がる。
いつしかレオは、己の股ぐらに張り付くそれを振り払おうとするかのように自ら腰を揺らし、黒い膜に包まれた剛直を振り回してた。
――ぷしゅうッ。
「オ゛――ッ!?」
一際強く迸る、電撃のような快感。限界まで膨張した革袋へとついに亀裂が入り、内に溜まっていたものが溢れ出すような開放感。それらを伴って、レオの股ぐらから薄く濁った潮が噴く。
執拗なほど怪物の意図に抗い、レオに張り付いていたそれがついに引き剥がされ、火照り赤らんだ尻が音を立てて肉床へと叩きつけられた。
疲れ切った体を絶頂の余韻に包まれる中、蠢く肉床に引き締まった尻を揉み撫で回される感触に腰が震えた。
「はーっ、はっ……!」
太い息を荒々しく吐きながら、レオは糸の切れた人形のようにぐったりと脱力し、嫌悪と快楽が混じり合い悩ましく蕩けた獅子の顔で天を仰いだ。
天井をも覆う肉の膜が妖しく発光するばかりの、異界じみた光景を拒むようにまぶたを閉じると、怪物の目に映る己の姿がそこに映し出される。
「な……っ!?」
レオは見せつけられた映像に目を見開き見開き、強く焦燥の表情を浮かべながら首を動かす。
開かされた両足の間に、黒い肉の下着が橋をかけるが如く揺れている。それはずしりと質量を伴い、雄々しく反る剛直の形を今も維持していた。
……まるで、今もその内にレオの肉棒が包まれているかのように。
「あり、え、ぬ……」
怪物の体から伸びる触手の一つが、ずしりとぶら下がるそこへと向けて伸びる。その先端が、血管の浮き出る雄竿へとそっと触れ、引き締まった玉袋へと向けてつうとなぞりあげてゆく。
「ひぃ、ん……っ」
児戯の如き淡い刺激に、それでもレオは喘ぎ声を漏らして背を震わせた。
触手はさらに玉袋の裏へと周り、肉の下着の内側へと滑り込む。
「あ、ぁ……ッ!?」
本来であれば触れ得ぬはずの、肉棒の内側を弄ばれる感触に、レオは再び声を上げた。
怪物の肉片から形成された下着が触手と継ぎ目なく溶け合い、形を失って触手へと吸い込まれてゆく。
剛直を囚える肉の膜が薄れ、怪物を形作る黒々とした腐肉とは違う、赤らんだ亀頭と雄竿が露となる。
それは、さきほどまで確かにレオの一部であった器官。猛々しい雄の象徴であった。
今やその根本は触手の先端と完全に一体化し、怪物がレオを辱めるための醜悪な生殖器へと、変じていた。
「……っ」
怪物がその大口を吊り上げてニタァと笑み、レオから奪い取った雄を見せびらかすようにゆっくりと左右に振る。
言葉も失い、呆然とそれを目で追いながら、やがてレオはその先端が下へと向くのを見た。
肉の下着を剥かれ、男根を奪われた股ぐらを、今や怪物の触手に接がれた肉棒が指し示し、ゆっくりと近づけられてゆく。
自らの目で確かめさせようと促すかのように、背に回された触手がレオの上体を支え起こし、頭部をそこへと向けさせられる。
「――ッ」
己へと与えられた変化に戸惑い困惑する獅子の顔が、言葉を失い呆けたように固まる。
雄の象徴を奪われた股ぐらは、真新しくきめ細やかな肌に覆われて、男には存在せぬはずの器官が形作られていた。
陰毛の一つもない肌には淡く柔らかな丸みを帯びた恥丘が浮かび、甘酸っぱい雌の芳香を立ち昇らせる愛液が滴っている。
恥丘の膨らみの合間には、薄い桃色の突起が小さく垣間見えていた。今しがた作り出されたばかりの、誰にも触れられたことのない初々しい陰核が。
「な、なにをした……ッ!」
レオは唸るように叫ぶ。あの蟲が腹の内を這い、蝕み、形作ったものに恐れ慄き、身を捩る。
見るに耐えぬ光景から目を背け伏せた獅子の顔へと触手が伸び、目隠しをするように黒々とした太い幹に目元を覆われた。
暗闇の中に、怪物の目に映るそれの姿が浮かび上がる。拒む余地もなく、己に身に起こった不可逆の変質を見せつけられる。
「……!」
ぷくりと柔らかな膨らみを浮かべる恥丘に、形の良い割れ目が浮かび上がっていた。
男を知らぬ淡い色の秘肉が、陰毛の一つもない滑らかな恥丘の合間に浮かび、そこから淫らに滴る愛液が、散々と弄ばれヘドロの如き体液の黒さに染められた肛門へと伝ってゆく。
「ひぃッ、ン……ッ!?」
細長い触手が二対、その割れ目へと伸び、甘やかな繊細さで触れる。
くちゅりと水音を響かせながら、触手はレオの股ぐらに形作られた女陰をくぱぁと開いて見せ、初めて雄を受け入れる瞬間を待ちわび潤滑に満ちる内側を晒す。
紅潮した陰核の下に尿道口が見え隠れしている。濡れそぼった秘肉の中心には、悍ましい怪物によって散らされることを運命づけられた儚い処女膜が、とってつけられた純潔を誇るように薄桃色の襞を震わせていた。
「や、め……っ」
そこを小突くように触れられるだけで、ゾクゾクと甘美な刺激が背筋を昇る。
胸が高鳴り、震える処女膜の奥からとろりと愛液が滲み出して、へその裏に熱が籠もる。
この疼きの、燻りの、その正体がなんであるか、自らの股ぐらに形作られた女性器を見せつけられた今、レオは否応なく理解した。
今や胎の奥にできあがったそれが、子種を求めて疼いているのだ。生まれながらに雄を求める好色な子宮が、その役目を果たすべく火照り訴えているのだ。
「たの、む……っ!」
男でありながら、この悍ましい怪物の子種を宿し、母となる。それを想起するだけで、レオは懇願の言葉を叫ばずにはいられなかった。
このまま拘束を解かれ、逃げることを許されるならば、奪われた雄の証を捨て置いても構わないとさえ思えた。
だが、怪物はレオの懇願を聞き入れることなく、ただその細やかな思い違いを訂正するかのように、奪い去った肉棒を弄ぶ。
「オ゛ッ、あァ……ッ!?」
くちゅり、くちゅりと淫肉を撫で回される快感に、肉棒を扱き上げられる刺激が上乗せされる。
本来であればどちらかしか味わえぬはずの快楽。それを同時に味わいながら、レオは甘い声を上げながら身を捩った。
レオは男であることを奪われたが、その快楽までもを奪われたわけではない。怪物はそれをレオに思い出させる。
「はッ、はッ……、あ゛――ッ!?」
そして、そこにさらなる強烈な快楽が加わり、レオは背筋を跳ね上げるようにびくんと震え、怯えるようにう収縮を繰り返す女陰から再び潮を噴いた。
怪物に奪われその触手の先に接がれた肉棒が、燃えるように熱い。股ぐらの内を作り変えられているときと同じ、肉が蕩け果てるような狂おしい火照りが肉棒を包む。
……怖い。想像もできぬ変化が再び加えられようとしていることを予感し、獅子の顔に恐怖の色を刻みながら、それでもレオは目を背けることができず、導かれるようにそこへと視線を向けていた。
「~~~っ」
ずしりと垂れ下がる玉袋に、そそり勃つ雄竿に、脈打つ無数の隆起が浮かんでいた。レオの肉棒を接いだ触手が、その黒光りする表皮を波打たせながら、奪い取った剛直の内へと何かを流し込んでいる。
子種を溜め込んだ玉袋が、怪物の触手から注がれるものに侵され、犯され、膨れ上がりながらずしりと垂れ下がってゆく。
萎縮し深くシワの刻まれた表面が怪物の表皮と同じ黒色へと染められ、蠢きながら肥大しゆく睾丸の形が浮かび上がる。
雄竿の表面で血管のように根を張る無数の隆起が脈打ち、剛直は限界を超えて膨れ上がり、尻の穴に注がれたものと同じヘドロじみた黒い体液が鈴口から溢れ出す。
怪物の体を覆う黒紫の粘膜じみた質感が、染み渡るように肉棒の全体へと拡がり、脈打つ隆起の合間に無数の凶悪な肉疣が浮かび、怖気立つほど醜悪な異形の男根へと彩り作り変えようとしていた。
「……っ、よせ、たの、む……っ!」
ついに完成したそれの威容に戦慄しながら、レオは力なく首を左右に振り、懇願する。
もはや己の身から奪われたものとは思えぬまで変わり果てた異形の肉棒、穢れきった怪物の血に染められたその子種を、雌へと作り変えられた胎に注がれたとき、一体どれほど悍ましいものを孕むことになるのか、想像したくもなかった。
「やめろ……っ、それ、だけは……!」
愛液に塗れた秘肉が期待に満ちて震えている。その凶悪な肉棒によって引き裂かれる破瓜の瞬間を待ちわびて、処女膜が張り詰めている。
雄を受け入れ奉仕するために産道の粘膜から愛液が溢れて止まらず、穢れきった子種を注がれる瞬間を待ちわびて、子宮が降りてくる。
植え付けられた雌としての機能の全てが、レオの嫌悪と恐怖に反して男を求めていた。
「ひっ……!」
ゆっくりと、レオの反応を観察し下卑た愉悦を満たしながら、もはや完全に怪物の一部となった肉棒がレオの秘部へと寄せられる。
黒く濁った先走りを腹筋の上に滴らせながら、女性の腕ほどもある太く長い雄竿が震える割れ目の上に乗せられて、表面に浮かぶ無数の肉棒で初々しい粘膜を掻き毟るが如く、ずずうと秘肉を撫でられる。
「ヒィッ、ン……ッ♡」
しびれるほどに甘い快感が薄桃色の陰唇を震わせる。身を捩りながら、雌のように裏返った甲高い喘ぎ声が喉の奥より溢れた。
……怖いほどに気持ちいい。もっと欲しいと、もっと激しくと、咄嗟にそう望んでしまうほどの快楽がゾクゾクと背筋を染め上げる。
「や゛め゛ッ、え、ぇ……ッ♡」
震え濁った声で、レオは再び懇願の言葉を叫ぶ。このままその快楽を刻みつけられ、火照る子宮へと子種を注がれてしまえば、もう戻れない。そう確信させるほど強烈に、耐え難い焦がれが胸に渦巻く。
「あ゛ッ♡ はぁ、あ……ッ♡ ヒィ……ッ♡♡」
ぷくりと丸みを帯びた恥丘の割れ目に太竿の腹を押し当てられ、前後に擦り上げられる。充血して紅潮した陰核を無数の肉疣にこね回されるたび、抑えようもなく嬌声が溢れて止まらない。
そして狂おしい雌の快楽と同時に、卑しく竿に吸い付く秘肉の柔らかさと温もりが雄としての欲望をも掻き立てられる。
これまでの人生でその肉棒が味わったどのような快楽にも勝る、極上の肉鞘がそこにあると、確信を持って伝わってくる。
雄へと奉仕するために形作られた名器。それを味わいたい。肉棒を突き入れたい。雄と雌、両立し得ぬはずの衝動が疲れ切った脳髄を酩酊させ、桃色に染め上げようとしていた。
「はッ♡ ア゛ァッ♡ ンッ♡ んんんん゛ッッ♡♡」
処女膜を破らぬほどの淡い力加減で、黒光りする亀頭をぐりぐりと押し付けられる。
もう少し、もう少し力を込めるだけで、身を苛む衝動を満たすことができるのに、この狂おしい焦がれを解き放てるのに。
レオは尻の穴をきゅうと締め上げながら、もはや奪い取られた肉棒を雌穴へ突き入れようとするかの如く腰を振るっていた。
どれほどに無様な痴態を演じているのか、瞼の裏にその浅ましく卑しい醜態を映し出され、恥辱に目頭を熱くしながら、しかし無為な腰振りを止めることができない。
盛りのついた犬のように、抗いえぬ本能に突き動かされて体が動き、しかし突きつけられた肉棒がレオの思い通りに動くことはない。
「――ッ」
ちゅぽん、と小さく破裂音を伴って、陰核を押し潰し爪弾きながら剛直が跳ね上がる。鈴口から溢れる黒く濁った先走りの雫が飛沫となり、無様な呆け面となった獅子の顔へと届いた。
「ふっ、ふぅーッ、……ッ♡」
甘い火照りを帯びた息を粗く吐き出しながら、震える腰を肉床の上に下ろす。熱く紅潮した秘肉が切なく収縮し、じんとした痺れが残り続けている。
湧き上がる衝動に染め上げられ亡我していた思考が遅々と覚醒してゆくにつれて、獅子頭に浮かぶ蕩け顔が怯えるように萎縮し、見開いた目に浮かぶ縦に割れた瞳が不安げに揺れた。
今しがたの己の痴態を否定するように、レオは力なく首を左右に振るが、瞼の裏に焼き付いた無様な姿を見せつけられては、気休めにもならなかった。
(どう、すれば……)
異形と変じた男根を怯えるように見つめながら、今も燻る欲望に酩酊した頭で、答えの見つからぬ問いを思う。
(あ、ああ……っ)
レオの視線を感じ取ったかのように、禍々しくそびえ勃つ男根が獅子頭へと緩慢に迫る。
今や怪物の一部となったそれが、本来の主であった己を蹂躙し征服せしめようとしている。
何を決意し、どう抗ったところで、それを阻むことも、逃げることもできない。
この怪物に辱められながら、幾度も突きつけられてきたその事実が、かつてない深さでレオの精神を穿ち、実感させる。
(どうか……)
疲弊し、すり減り、打ちのめされた心が、己を形作る戦士としての、王としての誇りをも明け渡す言葉を思い浮かべようとしていた。
諦めに抗い、己を奮い立てようとする努力も、その無意味さを辱めの中で散々と刻みつけられた今では、あまりにも無為に感じてしまう。
「は、はぁー……ッ♡」
ついにその肉棒が、鼻先に触れるほど近くに突きつけられる。
うだるような暑さの密林を、水浴びもできぬまま数日歩き続けたときのような、濃い雄臭を、さらに何倍にも濃くした強烈な臭気が備考を貫く。
耐え難く饐えた、鼻が曲がるほどのそれを、なぜか鼻息荒く吸い上げずにはいられない。
股ぐらの割れ目に熱が込み上げて、その雄々しさに募る期待が子宮を疼かせる。
思考と感情が、股ぐらから溢れ身を苛む雌の衝動に染め上げられて、変質してゆく。
つい先刻の己であれば決して抱かぬはずであった想いと、感じぬはずであった欲望が、胸の内に渦を巻いて広がってゆく。
己の形を保てなくなるような恐怖。未知なる何かへと変じてゆくかのような、不安。切ない焦がれと込み上げる期待の中に、その怯えさえもいつか溶けてしまいそうだった。
レオはもはや隠すことのできぬ不安に歪んだ目を、突きつけられた肉棒のさらに向こう側で鎮座する、巨大な一ツ目へと向ける。
縋り付くように、一つの言葉が脳裏に浮かび上がるのを、もはや止めることなどできなかった。
(どうか、慈悲を……っ)
……これ以上、辱めないでくれ。貪らないでくれ。力の差も知らずに剣を向け抗った報いは、もう十分だろう。
どうか、慈悲を。耐え難い凌辱に音を上げ、己の背負った誇りさえも明け渡した匹夫に、慈悲を。
「……」
その思いを、怪物は確かに読み取っていた。ついに屈服を示したレオを、一ツ目が舐るように見つめながら細められる。
そして怪物は、慈悲を乞うレオへと一つの提案をするように、突きつけた肉棒をゆっくりと揺らしてみせた。
「……っ」
こちらの思考を見透かしながら、しかし怪物は言葉でレオに応えてはくれない。
怯え、萎縮し、甘く蕩けた頭で、レオは怪物の意図に考えを巡らせ、やがてゆっくりと口を開く。
「は、は……っ」
甲高く掠れた吐息を漏らしながら、平たい舌を黒光りする亀頭へと向けて伸ばす。
滴る先走りを舌先で受け止め、塩辛く饐えた味が広がるのを感じながら、ついに拙い舌使いで恐る恐ると亀頭に触れた。
「ん……ッ♡ ちゅ……ッ♡」
魔羅へと口で奉仕する経験などなかったが、自身の感じる場所であれば心当たりがあった。
どうか、これが済めば開放してくれ。復讐などしない。快楽を教え込まれた卑しい体を抱え、浅ましく好色な女陰の疼きに耐えながら、伏して生きる。
だからどうか、これ以上壊さないでくれ。
……孕ませないで、くれ。
「ふっ♡ じゅ、れろぉ……っ♡」
肉疣に塗れた雄竿を舐め上げ、カリ首の裏を舐り、黒く濁った先走りを吸い上げる。
怪物の一部として取り込まれながら、しかし今だレオの一部として感覚を共有し続ける剛直を、いつしか自慰に耽る少年の如き熱を込めて舐めしゃぶりながら、レオは小さく腰を揺らす。
ぎこちない舌づかいで、焦らすように舐め回すばかりの拙い奉仕に、自分自身で痺れをきたし、口腔へと肉棒を突き入れたいと望んでしまう。
己を支え続けた誇りを失った今、湧き上がる欲望はいよいよ抗い難くレオを苛んだ。
「んンッ♡ お゛ぉッ、ご……ッ♡」
ついに我慢できず、腰を大きく跳ね上げた瞬間、怪物はレオの動きをそのまま真似るようにして、獅子の顎へと肉棒をねじ込む。
荒々しく口腔を犯され、さらなる辱めを受けるも同然に扱われながら、しかしレオは歓喜の声を上げてさらに腰を振るった。
「ん゛ッ♡ ふうぅ、ぶ……ッ♡」
膨れ上がった亀頭に喉奥をえぐられ、先走りを塗りたくられ、息苦しさに悶えながら、しかしレオは腰の動きを止めることができなかった。
怪物がレオの動きを読み取り弄んでいるにすぎぬと知りながら、奪われた肉棒を取り戻したかと錯覚するような手応えに抗えない。
込み上げる雄の猛りを、レオは自分自身へと向けて荒々しく叩きつけ、狂おしい雌の疼きがさらに耐え難く膨れてゆく。
蛙が潰れるようなくぐもった喘ぎ声を漏らしながら、レオは肉棒を失った股を浅ましく揺すり、割れ目から溢れる愛液を撒き散らし続ける。
尿道を塞がれ、射精に至ることもできぬまま不完全な絶頂を味わい続けた鬱屈は、込み上げる衝動をさらに燃え上がらせ、誇りを失ったレオを一匹の獣へと堕としつつあった。
「ん゛ッ♡ じゅっ♡ んぶぅ……ッ♡♡」
全身の筋肉を張り詰めさせ、レオはブリッジするように高く腰を突き上げながら動きを止める。
異形と化した剛直は、レオの動きに合わせて喉奥を深く抉り、射精を間近にして快楽に打ち震える様を伝える。
ずしりと重々しい玉袋がレオの顎下で揺れながら、怪物の血に染められ、穢れ変質しきった子種を解き放つ。
――びゅるううううううううううううう!
「ん゛ん゛ん゛~~~~ッ♡♡」
異形の剛直がドクンと脈打つ。口腔の内でにわかに膨れ上がり、喉奥へと向けてヘドロじみて黒く染まった精液を注ぎ込む。
レオはうっとりと目を細め、封じられ続けてきたその快楽をついに味わう悦びに震え上がった。
かつて、己の一部であったときとは比べ物ならぬほど濃厚かつ大量の子種が溢れ返り、口の端から、鼻の穴から逆流して獅子頭を包む毛皮を汚してゆく。
「お゛ッ♡ お゛ォ、ほ……♡」
だらしなく開いた大顎から肉棒が引き抜かれると同時に、喉に絡みつく子種をごぼごぼと鳴らしながら濁ったうめき声が漏れ出る。
絶頂の余韻の中で緊張した体がゆっくりと脱力し、浮き上がった腰を肉床に着地させながら、火照り色付いた秘部が震え、黄色い液体を溢れさせた。
肉棒を失い、かつてより短くなった尿道は脱力の末に膀胱に溜まる小水を押し止める術を失い、肉床の上に湯気を立てる黄色い水たまりが出来上がる。
「はっ、はーっ……♡」
何を考え、何を求めて奪われた己の肉棒へと舌を伸ばしたのか。何を恐れ、屈服することを選んだのか。
黒々と濁る精液に汚れ、蕩け果てた顔で虚空を仰ぎ見るレオの頭には、もはやそれさえなく、ただ絶頂の余韻がもたらす心地よい酩酊に浸るのみだった。
弛緩した体へと、尿道に残る精液を滴らせながら、無防備にさらけ出された秘部へと向けて、異形の肉棒が降ってゆくが、誇りを捨て屈服を示してまで避けようとしたその行為への恐怖すら、蕩け果てた頭の中には残っていない。
「ひぃ……っ♡」
ただレオを弄び貶めるための前座でしかなかった先ほどとは違う、雌の体へと子種を注ぎ込むための荒々しい猛りを伴って、再びレオの秘部へと亀頭が押し上げられる。
そこまできてようやく、レオは己の乞うた慈悲にも、怪物の意図に応え行った奉仕にも意味がなかったことを知る。
「あぁ……っ♡」
やめろと、そう叫ぼうとしたはずが、子種の絡まる喉から漏れたのは、期待に満ちた感嘆の吐息だった。
あれほどまでに怯え、恐怖していたはずだというのに、突きつけられた凶悪な肉棒の放つ魅力に抗えない。
亀頭に感じる柔らかな秘肉の弾力に、心地よい温もりと手応えに、抗えない。
凌辱と蹂躙に屈し、背負った使命を果たすことを諦めた今、膨れ上がる欲望に抗する何かなど、残ってはいなかった。
「あ゛っ♡ あぁ……っ♡ は……ッ♡」
一度とて使われたことなどない割れ目が、凶悪な大きさの亀頭に割り開かれてゆく。
あまりにも薄っぺらい純潔を守る処女膜が、熱り勃つ剛直の熱と力強さに晒され悲鳴を上げながら、破瓜の瞬間を迎えようとしている。
しびれるような甘い熱の中に、僅かな痛みが淡く溶けてゆく。
――みちぃ。
「ひっ♡」
処女膜を引き裂かれる痛みを、それを遥かに上回る快感が包みこんでいた。
竿に浮かぶ肉疣に秘肉を掻き毟られながら、熱く震える肉の杭を股ぐらへと穿たれてゆく。
雄の猛りを受け止め、もてなすため、ただそのために作り出された柔らかな粘膜が亀頭を包み込み、熱く蕩けた泥のようにきゅうきゅうと絡みつく。
「イ゛ぃ――ッ」
口角を吊り上げて淫らな笑みを浮かべながら、レオは大きく背を反らして身を捩る。
さきほど出したばかりだと言うのに、すぐにでも達してしまいそうだった。
肥大した睾丸は休むことなく汚染された精液を精算し続け、膨れ上がった肉棒は絶頂を経ても決して満足せず猛り続けている。
男を知らぬはずの膣は、凶悪に作り変えられた肉棒の圧倒的な大きさをも安々と受け入れ、子種を求めて震える子宮へと導いてゆく。
(ああ……)
全てのしがらみから己を解き放つ極上の快楽の中で、レオは恍惚に目を細め胸を震わせる。
(なんと、甘美な……♡)
この名器の中に、膨れ上がる欲望を注ぎ込みたい。この猛る雄に蹂躙され、子種をぶちまけられたい。
二つの欲望が蕩けた頭の中でせめぎ合う。そのあまりにも強烈な衝動を前にして、打ちのめされ屈服した心はあまりにも無力だった。
「オ゛っ♡ あ゛っ、あひっ♡ いぃい゛……っ♡」
肉穴へと向けて腰を叩きつけるとも、浅ましく雄を求め腰をくねらせるともつかぬ、二兎を追うぎこちない動きでレオは腰を揺すり、もはや恥じらいすら失われた無様な嬌声を上げる。
ばちゅん、と深く肉棒をつき入れられるたび、固く割れた腹筋に凶悪な肉棒の形が浮かび、卑しく収縮する子宮口が黒々とした亀頭に口づけをする。
男女の快楽、その両方を限界まで引き上げられた感度で流し込まれ、蕩けた脳髄が痺れ、火花を散らすように意識が途切れ途切れとなる。
秘部と肉棒から同時に発生した快感が絡み合うようにして背筋を昇り、それ以外の何も考えられぬほどの恍惚へとレオを誘う。
「あ、ひっ♡ ひぃい……っ♡」
その身に背負う使命の重さからくる険しさ、精悍さは、もはや惚けづらを浮かべるだけの獅子頭のどこにも残っていなかった。
荒々しく粘膜を掻き毟る肉疣によってめくれ上がった秘肉は痛々しく充血し、それでもなお雄の猛りを叩きつけられる快感に打ち震える。
絡みつく淫肉がもたらす絶妙な締め付けは剛直を一層に奮い立たせ、絶頂へと誘う。
「あ゛ッ♡ ぐっ、くる……ッ♡」
背筋を跳ね上げ、天を仰ぎ、恍惚の表情を浮かべながら、レオは濁った声で叫ぶ。
「りょう、ほう……ッ♡ り゛ょうほう、い゛っ♡ い゛ぐ……っ♡♡」
淫蕩の熱に染まり、酔いしれ、蕩けた頭に浮かぶ下品な言葉を、レオは自ら無様に叫びながら、湧き上がる悦びに胸を高鳴らせる。
充血した女陰も、剛直を包み込む膣も、狂ったように震えながらギチギチと肉棒を締め上げ、甘酸っぱい愛液を滲ませている。
極上の名器がもたらす締付けを受けながら、異形と化した肉棒は熱く震えながら膨らみ、くぱくぱと震え続ける子宮口を突き上げ、力強く亀頭を押し付ける。
(このまま、出してしまえば……♡)
蕩け果てた脳裏に最後の警告が過ぎる。打ちのめされ、堕落し、無様な痴態を演じるばかりの獣へと堕ちた己を待ち受ける、見るに耐えぬ末路の予感。
(孕む♡ 孕んで、しまう……っ♡)
――びゅるうううっ!ごぽおおおおおっ!
「~~~~~~っっっ♡♡♡」
だが、その予感すらも、快楽に染まったレオに一瞬の迷いを生じさせることさえできなかった。
怪物に穢され汚染された黒く濁る子種が膣の最奥に迸り、悍ましい怪物の赤子を孕むため作り上げられた子宮へと注ぎ込まれてゆく。
(あつ、い……♡)
力強く濃厚な、人外の生命力に満ちた精液が子宮を満たしてゆく。その圧倒的な量によって、引き締まった腹筋は内側から歪な丸みを帯びて小さく膨れ上がる。
「ハッ♡ はぁッ、……あ♡」
レオは見開いた目の奥、縦に割れた獅子の瞳を不規則に収縮させ、ぼやけた視界にチカチカと火花が散る様を見上げながら、甘く声を上げた。
その人生の中で一度とて味わったことのない、どんな悦びをも霞む快楽に打ちひしがれ、不安も恐怖も忘れて余韻に浸る。
深く挿入された剛直は、子宮を満たす子種が逆流せぬよう栓をするように固定され、小刻みに震えながら甘く浅い快楽を発し続けていた。
疲れ切った体を包む絶頂の余韻が過ぎ去るにつれ、代わりに心地よい倦怠感が身を包み、微睡みの中にレオを引き込もうとしていた。
何も不安などなく、与えられる悦びを享受するのみの、うっとりするほどの恍惚。
「――ッ」
どくん。
だが、精液に満たされた子宮の内で何かが脈打つような感覚が過ぎり、レオの頭を包む霞を晴らした。
「あ、ああぁ……ッ、何故……ッ!」
高く、心地よく、レオを天井へと誘っていた酩酊が消え去る。
欲望に呑まれ、浅ましく快楽を求めた先に待ち受けていた末路を、レオに突きつける。
――どくん。
(嗚呼……)
レオの絶望に応えるかのように、不吉な脈動が再びレオの子宮を過ぎる。
ありえぬはずの鼓動が、理屈も、筋道も介さずに、ただ確信をレオに与えていた。
悍ましい禁忌の命が、この胎に宿ったと。
続く