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王の淫堕~雄を奪われた孕み袋~③

① https://moke.fanbox.cc/posts/8057075 ② https://moke.fanbox.cc/posts/8209411  ありえない。あってはならない。否応なく湧き上がる確信を否定するように、レオは忘我の表情を浮かべたまま、その言葉を胸の内で繰り返す。  必死に、己が忌まわしい怪物の子種を孕んだという事実から目を背けようとする滑稽な姿を、怪物は大口を歪ませて嘲笑っていた。 「ん゛ん……ッ」  のたうつ触手がレオの下腹部へと伸び、ヘドロじみた黒い子種に満たされた下腹部を甘く撫でる。  悪意と嘲りに満ちた邪な悦びに嗤いながら、身重の妻を慮る夫の如き、優しく労りに満ちた柔らかな愛撫が、強張り震える腹筋を解きほぐすように繰り返される。  穢れた子種に満ちた子宮の形が、腹の奥にありありと感じられた。忌まわしい異形の仔を宿すために形作られた器官の形が。 「はな、せぇ……ッ!」  肉床に沈み捕らえられた腕に力を込めながら、レオは掠れた声で叫ぶ。  今すぐにでも己の腹を膂力の続く限り拳で打ち据え、穢れた子種も、悍ましい鼓動も、全てを股ぐらの雌穴からひり出してしまいたい。  一分、一秒の間にも、腹の奥に芽生えた鼓動がより深く、より強く、己と結びついてゆくような気がしてならなかった。 (ありえぬ……っ)  膨らみ続ける予感を振り払うように、レオは再び胸の内でそう叫ぶ。否定し得ぬほど強い確信に苛まれながら、そうであってくれと願い、縋るように、その言葉を思い浮かべた。 「――っ」  だが、細やかな逃避すらも許さぬとばかりに、子宮の内壁へと小さな何かが喰らいつくような、淡い痛みが走る。  なみなみと注がれた黒い子種が、腹の内で独りでに蠢く。自然な形での妊娠とは違う劇的なまでの早さで、母体としての変化がレオの身を襲っていた。 「消え、ろ……っ」  どれほど必死に否定し続けようと、変化は目を背けることもできぬほどありありとレオを苛む。  己の根幹を成すなにかが、命とも魂とも分からぬ根源的なものが吸い上げられ、虚空へと消えてゆく感覚。 「消えて、くれ……っ」  産声を上げるかのように、異形の命がはっきりと脈打つ様が胎盤へと伝わってくる。  己の胎に宿したそれへと、レオは懇願するように叫んだ。  もはや仔を孕むというよりも、悍ましい寄生虫に内側から貪られていると言った心地であった。 「き、え……」  肉床から引き抜こうと力を込めていた両腕が脱力してゆく。獅子の顎から漏れ出る唸り声がか細く震え、消え入るような息遣いへと化す。  逞しい筋肉の隆起を刻む反った背が弱々しく震え、力尽きるように下降しながら再び肉床へと触れる。  火照り濡れそぼった雌穴に栓をするかの如く深く捩じ込まれた男根がにわかに動き、恐怖と不安さえも蕩かすような甘い刺激でレオを責めた。 「ひッ、ひ、あぁ、ひぃ……っ」  情けのない声が溢れる。脱力しきった体が、陸に打ち上げられた死にかけの魚のようにビクビクと跳ね、ゆっくりと引き抜かれてゆく肉棒に雄膣が卑しく吸い付くのを止められない。  ず、ずず、と肉棒に浮かぶ無数の疣に粘膜を掻き毟られながら、充血した粘膜が泣きじゃくるようにとめどなく愛液を漏らす。 「はあぁ……ッ」  レオは悩ましく眉を顰めながら、火照った吐息を吐き出す。奪われ見る影もなく作り変えられた肉棒は未だにその快楽をレオへと伝え続け、並々ならぬ執着で雄へと吸い付く色魔も同然の淫肉がもたらす快感で、レオを惑わせた。  子宮口をこじ開けられ、ヘドロの如く濃厚なそれを腹がはち切れるほどに注がれたというのに、卑しく貪欲なそこはなおも雄を欲して切なく疼く。  男女の快楽、男女の欲望、それらが胸の内で同時に燃え上がる狂おしい衝動が、繰り返される責め苦に疲弊した精神から肉体の主導権を奪おうとしている。 「……っ」  レオはその耐え難いほどの誘惑に表情を歪め、固唾をのむ。  この衝動のままに気を失うまで快楽を貪り、淫蕩に耽ってしまえれば、もはや己の手綱を離れてしまった諸々のことなど全て忘れてしまえる。そう思ってしまうほどに、淫らな火照りはレオの全身を包んでいた。 「オ゛ッ……!」  凶悪に改造され触手の一部となった肉棒が、ぐぽんと音を立ててついに股ぐらから引き抜かれる。  処女を散らされ、散々に掻き回され、薄桃色の初々しい花弁は今や咲き誇り、淫らに充血してヒクヒクと震える濡れそぼった淫肉をさらけ出していた。  そこを満たしていた荒々しい雄の猛りと圧倒的な質量を抜き放たれ、ぬるりとした空気に粘膜を撫でられながら、狂おしい切なさが余計に込み上げて、刺激を求め腰を揺らしてしまいそうになる。  そしてそれは、花開いた恥部との間に愛液を糸引かせる肉棒も同様だった。柔らかく、心地よく、蕩けた泥のように雄を包み込み奉仕する極上の雌穴の感触を、すぐにでもまた味わいたい。  欲しい。欲しい。雄の猛りのままに雌を蹂躙したい。その猛りを叩きつけられ、貫かれる悦びに翻弄されたい。 (考えるな……っ)  本能から湧き上がる欲求は、責め苦に晒され続け疲弊した思考をすり抜けるように、レオを恭順へ導こうとする。  敗北し、囚えられ、体さえも蝕み作り変えられ、これ以上抵抗することになんの意味があるのか。  ……手放してしまえ。全て、差し出してしまえ。心も体も快楽の中に蕩け果ててしまえばいい。  どれだけ意地を張ったところで、もはや己自身、それを望んでしまっている。 (だめ、だ……)  浅く日に焼けた肌が紅潮する。胸元がじんと痺れ、両胸が内側から張るような感覚があった。  どくん、どくん、と、腹の奥から伝わる鼓動が、官能的な音色のように頭の中へ響く。 (あ、あ――)  この悍ましい禁忌の儀式への抵抗を、摂理に反する冒涜への嫌悪を、尊厳を踏みにじられる苦しみを、覆い隠されようとしている。  ぐちゅり、ごちゅりと、子宮の内を満たす怪物の精がうごめく音が聞こえる。  腹筋の割れ目を深く刻んだ腹部の内に、膨張感が高まってゆく。鼓動がより強く、複数にも重なって聞こえるような気がした。 「あ、はぁ……」  レオは獅子の顔を恍惚に破顔させながら、間の抜けた笑い声を漏らす。食欲とも色欲ともつかぬ想いが胸に広がって、その言葉にもならぬ悦びを翻訳するかのような感嘆の言葉が、脳裏に浮かんだ。  ……なんと力強く、活力に溢れた揺り籠だろうかと。 「――ッ!?」  その違和感に、レオは目を見開き言葉を失った。それは、レオ自身から生じた思いでもない。一ツ目の怪物がレオへと伝える下卑た悪意でもない。 「ああぁ、あ――っ」  異質さに気づいた瞬間、微睡みのように思考を覆い隠そうとしていた心地よさが霧散する。  掛け値なしの、ただ恐怖からくる声を獅子の顎から漏らしながら、レオはその行動の無意味さも忘れて、逃げるように身を捩る。  諦め、受け入れる時間も、さらなる責め苦を覚悟し身構える時間も与えられなかった。  身に起こる母体としての変質と同様に、異形の怪物の子種たるそれは、子宮へと深く根づき、母たるレオを支配しようとしていた。  レオがその身に秘めた力を、鍛え上げた肉体に宿る活力を、貪り尽くすために。 「――っ」  悍ましかった。まるで寄生虫が宿主の行動を操るかのように、レオはその思考さえもを子宮に巣食う異形の仔に操られつつあった。  散々と刻みつけられた快楽を渇する想い、そのどこまでが己の内から生じたもので、そのどこからが植え付けられたものかもわからない。 (この体のみでは、足りぬと言うか……っ)  レオは戦慄しながら、決して他者が触れることのできぬはずの聖域が、今まさに脅かされようとしていることを理解する。 (全てを、奪うと言うか……ッ)  もはや、胸の内に生じる想いすら信用できなかった。植え付けられた異物が、まるで最初から体の一部であったかのように己の内へと溶け込み、侵されている。 「っ、つ……っ」  胸元の張る感覚が高まる。硬い胸板は、筋肉の隆起とは違う微かな丸みを帯び、紅潮した乳首は胸板の膨張に引き伸ばされるように肥大していた。  熱とも痛みともつかぬじんとした感覚に震える乳首から、じわりと乳白色の液体が染み出して、丸みを帯びた胸を伝う。  甘い、母乳の香り。体にまとわりつく粘液の生臭さに混じって漂うそれに、レオは目を見開いた。  ……残された時間は少ない。すぐにでも胎に巣食った寄生虫を追い出さなければ、己がどう変わり果ててしまうかすら分からなかった。 「ふっ、ううぅッ、んん……ッ!」  腹筋に力を込め、膨張した子宮へと圧力を加える。濡れそぼった膣を蠢かせ、注ぎ込まれたものを排出しようと充血した粘膜を蠕動させる。  大きく口を開いた陰唇がヒクヒクと震えながら、とろりと愛液を溢れさせるが、しかし注ぎ込まれた黒く淀む子種が漏れ出ることはなかった。  出産を迎えた妊婦がいきむようにしながら、未成熟のそれを己の胎から追い出そうと抵抗を続ける。  充血した淫らな雌穴を震わせ、潮を拭き上げる痴態を怪物の前で演じながら、その巨大な一ツ目がぎょろりとレオを覗き込み、愉しげに細められる。 「っ……?」  そして、レオの体を拘束し続けた触手が緩み、するすると解けて行ったかと思えば、一部の触手は泡立つようにしながら形を失い、黒い粘液へと変じて汗ばんだ肌の上へ斑に広がってゆく。  持ち上げられていた脚が、肉床の上にぺたりと投げ出される。反射的に股ぐらを隠すように太ももを閉じながら、レオは牙の隙間から低い唸り声を漏らした。 (もはや、縛る必要すらもないと……!?)  未だ続くレオの抵抗を、もはや御するに値しない些事と捨て置くかの如き怪物の対応に、勝ち誇るような優越感が見て取れた。  レオはさっきまで恍惚の蕩け顔を浮かべさせられていた獅子の顔を怪物へと向け、未だ己が折れていないことを知らしめるように睨みつけると、投げ出された体に力を込め、ゆっくりと立ち上がろうとする。 「ぬぅっ……」  だが、未だ完全に拘束が解かれているわけではないとレオが気づいた瞬間、けたけたと、怪物の嘲りが脳髄へと染み出した。  両の手は未だ肉床の内へと沈み込み、泥をこね回すようにその内で動かすことはできても、抜き放つことだけはできなかった。  肉床はまるで怪物の一部であるかの如くレオの手首へと吸い付き、決して離さない。  堕胎のために両腕を用いることが許されることはなく、レオにできるのはより腹部に力を込めやすいよう体位を変え、いきみ続けることのみだった。 「下種めが……っ」  苦々しく呟きながら、レオは獣の如く四つん這いにならざるえなかった。  背を丸め、股を開き、ヒクヒクと震える前後の穴を晒すようにしながら、再び腹部に力を込める。  にじみ出る愛液が、充血した陰核を伝ってひたひたと床に滴る。  力を込めるほど、丹田の奥に切ない疼きが膨れ上がって、尻の奥の、怪物の触手で突き回され押し潰された場所がじんと疼く。  今や女性のそれも同然の大きさに肥大した乳首から母乳が滴り続け、胎に宿るそれが抵抗するかのように、レオ自身から生じる決意と危機感に相反した、甘い劣情を胸に掻き立てた。 「……っ」  怪物の一ツ目を浮かべる球状の体が、レオの後方へと回り込む。巨大な目が、ぱっくりと開き愛液を滴らせる陰唇を覗き込み、大口が舌なめずりをした。  腹へと強く力を込めるのに合わせきつく閉じた瞼の裏に、その巨大な瞳に映るものが投影される。 「ぐ、うぅ……ッ」  淫らに咲き誇った雌穴の奥が、暗がりの一つもなく鮮明に見えた。  レオがいきむのに合わせ、収縮し蠢く淫肉の奥に、固く閉じた子宮口が見え隠れする。  注ぎ込まれた子種を一滴も零すまいと、凶悪な大きさの亀頭さえ安々と通過させてしまった浅ましいそこが、今は黒く濁る粘液を一筋垂らすのみで、きゅうと縮み上がっていた。  この痴態の全てを舐るように見つめられている。その恥辱に震えながら、レオは一層に強く下腹部に力を込め、背を丸め、胎に巣食う寄生虫を追い出そうといきんだ。  こぽりと子宮口から黒い粘液が溢れ、淫肉からにじみ出る愛液と混ざって雌穴から滴る。 「はあ、あぁ……ッ」  それに抵抗するかのように、子宮の奥から不規則な鼓動が響く。込み上げる劣情に切ないほどの疼きが身を苛み、刺激を求めて腰を揺らしてしまいそうだった。 「……ッ、ぎ、いぃ……っ」  レオはそれでもなお、牙が軋むほどに強く顎を食いしばりながら、いきみ続ける。  蕩けるように火照った股ぐらへと、刺激が欲しくてたまらない。今すぐにでも肉棒を差し込まれたかった。それが叶わぬのなら、すぐにでも肉床に股ぐらを押し付けて、へこへこと擦り付けてでも気を紛らわせたい。  それがこの抵抗を手折るために植え付けられ掻き立てられた、悍ましい誘惑と分かっていてもなお、気を抜けばその虜となりかねないほどだった。  ……辛うじてつり合いながら揺れるこの天秤が傾いたとき、己は本当に全てを奪われることになる。王として、戦士として、男としての維持と矜持。そしてなによりも、心までをも侵されようとする恐怖がレオを追い立て、誘惑に抗わせていた。  頬を染め、よだれを垂らし、眉間を悩ましげに歪め、肥大した乳首に母乳さえ滲ませながら耐え続けるレオの涙ぐましい抵抗を、怪物は舐るように見つめその球状の体を愉しげに揺らす。  やがて、ただ眺めるのみではいられなくなったとばかりに、その触手の一本をレオの引き締まった尻へと伸ばす。 「お゛ォ、ん……ッ♡」  きゅうきゅうと縮み上がった肛門に粘液を纏う触手が触れた瞬間、レオは四つん這いのまま背筋を跳ね上げ、天井を仰ぎ、遠吠えをする獣のような姿勢で甘い喘ぎを漏らす。  ……違う。触れてほしいのはそちらではない。この疼いてたまらない雌穴に、己から奪い取ったあの剛直を。  咄嗟に脳裏をかすめた想いを、頭を振って否定しながら、レオは触手から逃れるように腰を引き、尻を左右に揺らし、焦らすような愛撫の誘惑に抗う。 「おッ、ひ、ひぃ……っ♡」  この怪物に敗北を喫し囚われてから、真っ先に犯し抜かれた後穴は、もはや馴らしの必要もないほどに拡張されているというのに、怪物はレオの震え上がる肛門をからかうように、先細った触手の先端でそこをくちゅくちゅと弄び続ける。  尻の穴がひとりでにヒクヒクと収縮して、小指ほどの大きさもないそれを貪るようにくわえ込む。淫らに色付いた襞の中で、細い触手がうねるその感触だけで、腰が砕け崩れ落ちてしまいそうに気持ちよかった。 「ご、ごの、ていど、で……っ♡」  ……この程度で、挫かれてなるものか。その決意を込めた叫びすら、肛門を弄ばれる快楽によって甘く染まり、淫らに震えてしまう。  開いた顎からは火照った吐息が漏れ出し、荒い呼吸に鼻の穴が広がる。そんな蕩けた表情を無理矢理に戒めようとした引き攣り顔を浮かべながら、レオは項垂れた頭を怪物へと向け、大きく開いた股の間からその巨大な瞳を睨みつけた。 「――っ」  しかしレオの視線が、ほくそ笑むように細められた怪物の瞳へと向けられることはついぞなかった  かつて股ぐらからぶら下がっていた雄の器官が失われ、視界を阻むものもなく見せつけられるそれに、獅子の瞳は釘付けとなる。 「は――、……ッ」  早く。喉まで出かかった言葉を噛み殺しながら、しかしレオは魅了されたようにそれに見惚れてしまう。  後穴を舐るように弄び続ける触手は、レオに気取られることなくその形状を変えつつあった。  ごつごつとした疣のような突起を浮かべる、鶏卵ほどの大きさを持った球体の連なり。敏感な粘膜を掻き毟り、責め立てる目的で形作られたその形状を見ながら、否応なく期待が膨れ上がる。 「ふーっ♡ ふーっ♡」  ……欲しい。こんなにも狂おしく疼き熱の籠もった尻奥にそれを捩じ込まれたら、それだけで気をやってしまう。  卑しく飢えた肛門を引き伸ばされ、張り詰めた穴を無数の突起が擦り上げながら通過してゆく快感は、どれほど強烈だろうか。  考えてしまう。植え付けられた欲望と火照りに、思考を桃色に染め上げられてゆく。  ついに、本当の瀬戸際が迫っていた。レオは言葉も忘れて呆然と硬直し、恐れと恍惚の入り交じる歪んだ表情でそれを凝視する。  さきほどまで散々とそうしてきたように、今こそ、強靭な触手で体中を締め上げられ、身動きの一つすらも取れぬよう組み敷かれ、有無を言わさずにそれをねじ込んで欲しかった。  しかし、仕方なかったと、必死に抗ったが無駄だったと、レオが己に赦しを与えるための言い訳を、怪物は封じようとしていた。 「……っ♡」  無意識の内に腰を突き上げ、濡れそぼった肛門を疣つきの球へと押し当ててしまう。固まった樹脂の如き程よい弾力を持った肉疣がぷくりと膨れた肛門を擦り上げ、甘くもどかしい痺れが背筋を伝う。  しかし、そうして尻を押し付けるだけでは、濡れそぼった腸壁の内へとそれを招き入れることはできなかった。  協力がいる。卑猥な玩具と化した触手に力を込め、浅ましい雌穴へと押し付けてもらわなければ、本当に求める快楽を味わうことはできない。 「……はっ♡ はっ♡」  止めろと、離せと、これまでレオがどれほど怯え追い立てられながら叫んでも、怪物は決してその懇願に応えてはくれなかった。  だが、今度ばかりは違う。その願いを口にすれば、必ずや彼は応えてくれる。この浅ましい体に満ちる火照りを鎮めてくれる。その確信があった。 (挿れてくれ……っ)  胸の内で、レオは叫ぶ。その願いが喉の奥から漏れ出てしまわぬよう、必死で牙を食いしばりながら。 (分かっているのだろ……ッ!? 聞こえているのだろう……ッ!?)  もはや思考さえも詳らかに読み取られるほどの繋がりを頭の中に植え付けられているのだ。レオが何を願い、何を求めているのか、怪物が知らぬはずもない。  それでも、口に出しもせず胸に秘めたままの想いを、怪物は黙殺し続ける。  ずちゅ、ぬちゅ、と、数珠玉の如く連なった触手を濡れそぼった肛門にこすりつけるのみで、レオが心からの敗北を認める瞬間を待ち続ける。  何も言わず、ただその巨大な一ツ目をレオに向けながら、葛藤するレオの背を押すように、ただその目に映る光景を今一度レオの脳裏に投影した。 「――ッ」  獅子の顔は、不様に蕩け果てていた。肥大した乳首からは、母乳が染み出している。前後の穴は期待に満ちて収縮しながら愛液を垂れ流し、飢えを満たすには足りぬ僅かばかりの快感を得るため必死で尻を突き上げていた。  ……なにも、抗えてなどいなかった。怪物の下卑た欲望に翻弄され、染め上げられ、浅ましい痴態を不様に晒しているではないか。  その事実を突きつけられたとき、膨れ上がる欲望と拮抗しせめぎ合っていた何かが、レオの内からこぼれ落ちた。  天秤が傾く。堰が崩れる。まずいと、焦るよりも早く、今一度決意を固め直す暇もなく、ぽろりと無意識の失言をこぼすように、レオは呟いていた。 「挿れてくれ……っ!」  レオは自分が口走った言葉の重さを、数瞬の間を置いて理解する。  魔が差したと言うしかない。一時の気の迷いでしかない。それでも、レオは怪物による蹂躙を受け入れてしまった。  この悍ましい生物とまぐわうことを、望んでしまった。  ――とくん。 「あぁ、あ……っ♡♡」  かつてない力強さで、子宮の奥から鼓動が響いた。穢らわしい怪物の分け身との間に、ついに確かな母子の繋がりを形成されてゆく。  ――拒めなかった。  ―――望んでしまった。  ――――受け入れてしまった。 「……っ♡」  ――母に、なってしまった。   「お゛ぼぉぉ……ッ♡♡」  褒美とばかりに、肉疣に塗れた数珠触手に肛門を押し拡げられ、尻の奥をほじくられてしまう。  連なる数珠玉が肉疣で肛門を掻き毟りながら侵入してくるたびに、拡がりきった肛門が一気に縮み上がって、ぐぽん、ちゅぷん、と音を響かせる。  腸壁をごりゅごりゅとえぐられ、肉棒を奪われ、雌としての器官を与えられてもなお、あえて残された前立腺を押し潰される。 「お゛ッ、ヒィイイッ、ん――ッ♡♡♡」  ――ぷしゃあっ  粘液が染み込み湿りきった鬣を振りかざすようにして背を跳ね上ながら、レオはヒクヒクと痙攣する女陰から失禁していた。  温かい液体が、雄竿の上に降り注ぐ感覚が伝わってくる。  溢れ出した小水が徐々に勢いを失ってゆく様を肉棒で感じながら、今や怪物の触手に接がれたそれが、切なく疼く股ぐらへと向けて昇るのを感じる。 (嗚呼……♡)  胸が高鳴る。待ちわびた快感が、ついに与えられる。もはやその誘惑に抗い拒むという考えは、蕩けた頭のどこにも残っていなかった。  突きつけられた接ぎ魔羅へと引き寄せられるように腰を低く下降させ、一層に股を大きく開きながら、ぶちゅりと奇妙な音が真下から響く。 「お、あ……っ?」  頑なにレオの両手を咥え込み拘束し続けた肉床が、ついにレオを開放した音だった。  液状化した黒い肉片を滴らせながら、ついに解き放たれた右手を、レオは迷うことなく己の股ぐらへと伸ばしだ。 「は、はやぐ、挿れで、ぐれぇ……っ♡♡」  左手で体を支えながら、ぷくりと柔らかな恥丘を右手の人差し指と中指でぐにいと割り拡げ、期待に打ち震える淫肉を見せつけるように雄膣を開帳しながら、怪物へと訴えかける。 「ひいぃ、ん……っ♡」  充血した陰核を押し潰すように、ぐりぐりと亀頭を押し付けられて焦らされながら、レオは甲高く裏返った矯正を漏らして背筋を震わせる。  甘い痺れが電撃のように背筋を昇り、へなへなとその場に倒れ込んでしまいそうになるのを、早くその雄を受け入れたいという想いだけで耐え続けながら、淫肉の擦れ合う快感に身を捩る。 「あ、あ、あ、あ、あ……ッ♡♡」  組み伏せられ、身動きも取れぬまま処女を散らされたときとは違う、心底から欲したものを与えられ、渇望を満たされる充足感。  指で割り開いた恥丘をさらにぐぷりと拡げられ、竿に浮かぶ無数の肉疣で敏感な粘膜を掻き毟られながら、もはやあらゆる不安も恐れも思考から締め出され、一匹の淫らな雌猫として味わう悦びだけがレオの胸を満たしていた。  ――ごりゅ、ぐぽぉおおっ  熱く固く、圧倒的な存在感を持った亀頭が雄膣を拡げられ、子宮口へ辿り着くほど深く突き上げられる。  前後の穴から挿入された数珠と魔羅が肉壁を隔てて前立腺を押し潰し、その快感にレオは大口を開けたまま硬直し、狂ったように痙攣していた。 「――ッ♡、――ッ♡♡」  肉床に押し付けた膝を起点に、両足が無意識の内に跳ね上がる。両手で肉床を掻き毟るのように爪を立てながら、声にもならぬ掠れた息遣いを小刻みに漏らす。  狂ったように痙攣を続ける膣肉が凶悪に改造された肉棒を締め上げ、無数の肉棒の一つ一つまでも感じ入るほどにきゅうきゅうと吸い付き、卑しいほどの強欲さでむしゃぶりついていた。 「オ゛ひっ、ひぃいいいっ、いぃ……ッ♡♡♡」  これほど強く何かを求めたことなどなかった。たとえ有無を言わせず押し付けられ、植え付けられたものであったとしても、これほどの多幸感に包まれてしまえば、なんの文句も言えはしない。 「ずま、ない……ッ♡ 民、たち、よ……ッ♡♡」  ごちゅ、ずちゅ、ごりゅううう。  前後の穴から荒々しく突き回され、蹂躙され、魂までもを快楽に染め上げられながら、レオは背負い続けた重荷から解き放たれる、清々しい開放感を伴って、聞くものもいない謝罪の言葉を上ずった嬌声混じりに叫ぶ。 「王は、やぶれ、た……ッ♡ ちか、ちから、が、およばな、がっだぁ……ッ♡♡」  それは、己への宣言だった。穢らわしい怪物の慰み者となり、その分け身を孕まされるという、敗れた王への罰を心底から享受するべく、己を解き放つための言葉だった。  どれほどの責め苦にも耐え、抗い続け、レオを律し続けたものは、もうない。 「あ゛♡♡ あ゛へっ♡♡ えっ、へえぇっ、え……ッ♡♡♡」  ごつん、ごつん、と熱く硬い亀頭に子宮口をノックされている。さっきまで、あれほど頑なに口を閉じていたそこが、今や再びの種付けを求めて緩み始めているのがわかった。  もういちどそこに精を注がれる瞬間を想い、胸を高鳴らせながら、レオは己の意思で腰を揺する。  ぐっちゅ。ぬっちゅ。ぐぽっ、ごりゅううっ。ずちゅっ。  尻の穴で、雌穴で、より深く快楽を貪るべく怪物の動きに合わせて腰を振るい、膣肉を締め上げる。  出したい。出されたい。使命を挫かれた今、この快楽を拒む理由など、何一つもないのだ。 「はあ、あ……ッ♡」  胸を高鳴らせ、うっとりと細めた目で、異形の怪物の姿を見つめる。その悍ましく冒涜的な存在が、己に本当の幸福を教えてくれた救い主にさえ思えた。  ……たとえ、そう感じさせられているのだけとしても、今となってはどうでもいい。 「い゛ッ、イ゛ぐッ♡♡ また、はら、むぅ……ッ♡♡♡」  触手の動きが激しさをます。腹の奥に膨れ上がった熱が収束してゆく。臨界点を超えて、それが弾ける前触れにどうしようもなく期待が込み上げて、レオは淫らに叫びながら、己の限界を甲斐甲斐しく怪物へと報告していた。 「イ゛ぐっ、イ゛ぐイ゛ぐい゛ぐ――ッ♡♡♡」  ――どびゅるうううっ、ごぽっ、ごぴゅるるる……! 「~~~~~~~~っ♡♡♡♡」  限界まで収束した熱が、かつてない強烈さで弾けた。目を見開いているはずなのに、何も見えない。真っ白になった視界にちかちかと火花が散って、尻も、雌穴も、子宮も、肉棒も、脳髄までも、全てが絶頂の快感を解き放ち、快楽以外の何も感じられない。  ごぽり、ごぽりと、ヘドロのように黒く濃厚な怪物の性がさらに子宮へと流れ込んでくる。  臓腑を作り変えられ、雌の器官を形作られていたときと同じ、粘液質な破裂音が腹の奥から響いて、内蔵を押しのけるようにしながら子宮が膨れ上がってゆく。 「オ゛っ、ごっ、おぉ、げっ……♡♡」  固く割れた腹筋が丸みを帯びて膨らんでゆく。内側からの圧迫によってヘソの穴が裏返るようにぽこりと隆起する。  臓腑へと加えられる圧力に耐えかねて吐き気が込み上げ、ごぼごぼと喉を鳴らしながら、レオは黒く濁った胃液を逆流させていた。 「あ、え……っ?」  喉奥から込み上げ、肉床へと撒き散らされたそれに気づき、レオは困惑の表情を浮かべる。  なぜ、怪物の体液と同じく黒く濁ったそれが己の内から生じるのか、分からなかった。  だが、蕩けゆるんだ頭でその理由を考えるよりも先に、答えを突きつけられる。  ――どくん、どくん。  膨れ上がった腹の奥から、怪物の分け身が発する脈動が伝わってくる。ヘドロじみた体液を羊水として湛えた子宮に強固に根を張ったへその緒は、レオが肉体に秘める力を容赦なく貪り吸い上げながら、しかし別のなにかを母の体へと送り続けていた。 「ちが、う……っ、こんな、これ、は……っ!?」  いつの間にか、体中にまとわりつく粘液の生臭さを感じなくなっていた。  呼吸をするたびに、芳しく清らかな、澄んだ空気が胸を満たしてゆくような心地よさがあった。  毒々しい赤紫の腐肉に床や壁を覆い尽くされた息の詰まるような洞窟が、瑞々しく鮮やかな美しい風景に見えてならなかった。 「あ……っ♡」  顔へと伸ばされた触手が、労るようにレオの頬を撫で、優しく導くように怪物の一ツ目へと顔を向けさせられる。 「……っ!」  薄暗がりの中、獅子の瞳がもつ夜目の良さでは説明がつかぬほどにありありと、巨大な一ツ目に映り込む己の姿を見ることができた。  濡れた鼻も、呆けたように開いた顎に覗く舌も、縦に割れた瞳も、もはやかつての色をしていない。 「あ、あ……」  絶頂の余韻が過ぎ去ったがゆえというには、あまりにも不自然に精神が凪いでいた。  さきほどまで体を支配していた熱情が、まるで何かに堰き止められているかのように思考から締め出され、レオはなんの干渉も受けぬ己の心で、その変わり果てた姿を受け止める。 「あああ、あ、ああああああああああああ……っ」  奪い取られ、触手へと接がれ、怪物の一部と化した肉棒と同じように、レオは己自身もまた、怪物の眷属として取り込まれつつあった。 「あああ、ありえぬ……っ、このような、冒涜……っ」  震える声で叫びながら、レオは己の変化から目を背けるように項垂れ、重たく膨れ上がった孕み腹の重みに耐えかねるように、肉床へと崩れ落ちる。  心と本能さえも弄ばれ、人ですらもない、まともな生物ですらもない怪物の眷属へと変じつつある絶望に涙をこぼしながら、伏せ続ける。  ありえぬ。あってはならぬ。いっそ死なせてくれ。敗れた戦士へ与えられるべき、正しい最期を迎えさせてくれ。  怪物に届くはずもない懇願と、気の触れたようなつぶやきをぼそぼそと繰り返し、やがてレオは、獅子の顔に引き攣った媚び笑いを浮かべて怪物を見上げ、口を開く。 「どうかまた、なにもかも忘れさせてくださいまし……っ。もはや貴方様のものとなったその魔羅で、この浅ましい体を思う様弄び、雌にしてくださいまし……ッ」  絶望の底に落とされた今、あの快楽と多幸感の坩堝の中で煮溶かされるが如きまぐわいの時間は、余りにも強烈に輝き、手を伸ばさずにはいられぬほど強くレオを惹きつけた。  心さえも操られ、夢心地の中で己の敗北を認めたあの瞬間を想いながら、レオはついにその矜持を完全に打ち砕かれ、異形の怪物へと屈していた。 続く。 

王の淫堕~雄を奪われた孕み袋~③

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こんにちは。 3〜6までのイラストはございますか?

キムッチ


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