SamuKata
moke
moke

fanbox


迷宮で力尽きたレオが気色悪いクリーチャーの群れに肉体改造されて孕まされる話 後編の前編

前回まで https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18125196  ……このところ、夢を見なくなっていた。時間の経過すらも感じられぬ肉の牢獄に囚われ、無貌の異形たちを相手に昼も夜もなく犯され続けながら、味わったこともない強烈な快楽の中で陽の光への郷愁すらも忘れてゆく。  悪夢じみた狂気の中に一人取り残され、異形たちの醜悪な血を宿す子種を孕み、悍ましい忌み仔を産み落とすその繰り返しはいつしかレオにとっての日常となり、レオを虜にする快楽の一つとなりつつあった。 「あっ、ひぃっ、い……ッ!」  何匹目かも分からぬ仔を宿し膨らんだ腹を揺らしながら、レオは甘ったるく上ずった喘ぎ声を響かせる。  長く肥大した舌を異形たちのそれと絡め合い、流し込まれるねっとりとした唾液を嚥下しながら、だらしなく口角を吊り上げていた。  こうして囚われの身となって以来、異形たちの体液を啜るのみで、まともな食事など一度とて口にしていないというのに、艶めかしく震えるレオの体には些かの衰えも見られなかった。逞しい逆三角形の体、力強い筋肉の隆起はそのままに維持され、しかしそれらを包む肌のみが屍蝋を思わせる青褪めた色合いへと変じていた。  当然、その異常さはレオ自身も感じ取っている。……だが、その変化によって生じた怯えと焦燥も、いつしか色褪せていた。  剣を握る力も残らない飾りも同然の両腕で、目の前の異形の矮躯を抱きしめながら、より熱烈な接吻をねだるように舌を動かし、いやらしく腰をくねらせる。  幾度もの出産を経験させられ醜く爛れた女性器に、今や性交による快楽を得るための器官でしかない黒々と熟れた肛門、それらを前後から二匹の異形に犯され、背筋を駆け昇る快感に打ち震えながら、応えるように二つの穴を収縮させる。  度重なる出産で緩んだ子宮口を無遠慮にノックされるたび、膨れ上がった腹に宿る赤仔たちが身を捩り抗議するが、今ではそれすらも甘い刺激に感じられた。 「お゛ッ、お゛ォ……ッ! な、なが、こす、れ、て……ッ」  前後から挿入された肉棒が内壁を隔てて擦れ合っていた。その強烈な快感を前に、レオは言葉を失う。見開いた眼光の中で縦に割れた瞳が揺れ、やがてぐるんと白目を剥いた。  ……脳天から足先までを雷に貫かれかと思う程の強烈な絶頂に、レオは全身を痙攣させ口の端からは泡となった唾液を漏らす。  やがてその余韻さえも過ぎ去る頃には、指一本も動かせぬほどの脱力感と心地の良い酩酊感に包まれ、言いようのない多幸感が胸を満たしていた。  ……太陽の下で過ごした日々の記憶に、これほど濃厚で強烈なものなど存在しただろうか。  頭の隅にそんな疑問が浮かび上がるたび、レオは色褪せてゆく記憶のなかに問いを否定し得るものを探した。  責任、栄光、喜び、憎悪、悲しみ、憤怒、絶望、希望。正も邪もなく、かつて自身の心を揺らした記憶と感情。  それらが、レオに残った最後の寄る辺だった。  ――そして、それさえもが輝きを失ったとき、レオはついに心の底から今を受け入れた。 「――あ゛ぁっ♡♡」  前後の穴に深く挿入された肉棒から熱く濃厚な精液を流し込まれるのを感じながら、レオはとびきりに甘く色めいた嬌声をこぼす。  今や、蠢く腐肉に包まれたこの暗がりが、レオの全てであった。ここで雄たちとまぐわい、子を宿し、繰り返される絶頂に鼓動を高鳴らせる。  心を震わせる喜びも痛みも、全てこの閉じた穴の中で繰り返される淫らな営みの中にあった。 「ん゛っ♡♡ じゅる、ふぅっ、んんっ、むぅ……っ♡♡」  絡めあった舌を手繰り寄せるように顔を近づけながら、牙のない蛇を思わせる大口に顎を包み込まれる。  そこに溜まったぬめりとした唾液を音を立てて啜りながら、濃厚に粘膜を触れ合わせる快感に背筋を震わせた。  身を捩った拍子に、柔らかさと細やかな丸みを帯びるようになった胸板からちろりと母乳が滴る。  その甘い芳香へと引き寄せられるように、レオの肢体を這う蛇のような舌が、赤紫に変色し肥大した乳首へと向かった。 「ん゛ッッ、ふぅ、んんっ、んぐぅうううう……ッ♡♡♡」  ぱっくりと割れた異形の舌先で乳首へと食らいつかれるのと同時に、レオは甘い悲鳴を上げながら腰を浮かせる。  熟れきった女性器と肛門に加え、口腔と乳首までをも同時に刺激される快感の激しさは、彼らとの行為の中でも指折りの一つであった。  両胸に吸い付いた舌先が、痛いほどに強く吸引してくる。割れた舌先の内側をびっしりと覆う鞭毛で乳首を責め立てられながら、その狂おしさに幾度も気を失い、前と後ろの穴から交互に最奥を貫かれる衝撃で覚醒し、口腔を舐られるくすぐったさに背筋を震わせる。 「ん゛ん゛ん゛ッ♡♡ ふっ、ん゛――ッ♡♡」  今にも産まれ落ちそうなほどに成長した醜い赤子が、揺りかごを揺らしまどろみを妨げる淫らな母親への抗議に、胎の中で暴れていた。  塞がれた口の端からくぐもった悲鳴を漏らしながらレオは白目を剥き、精液と愛液とで泡立つ女性器から失禁する。  止まることのないピストンに揺らされて湯気を立てる小便を撒き散らしながら、全身の性感帯に燻る熱が体中に広がってゆくのを感じた。 「――ッ♡♡ ――ッ♡♡♡」  もはや声も出せない。先程の絶頂の余韻すらまだ過ぎ去っていないというのに、より大きな波となってその瞬間が近づいている。  瞼の裏に火花が飛ぶ。脳髄が焼け焦げている。  ――気持ちいい。  ――イきたい。  行為を始めてからもはや何度目かも分からぬ絶頂を前にしながら、レオは歓喜の涙を流していた。 「~~~~~~~ッッ♡♡♡」  何一つとて、考えられなかった。与えられた快感を味わうことのみに、桃色に染まった脳髄の全てを費やしている。  ブリッジするように腰を浮かせた姿勢で動きを止め硬直した体が、青褪めた肌を筋肉の隆起で張り詰めさせながら、小刻みに痙攣している。  絶え間なく頭に流れ込む快楽情報に、己の全てを塗りつぶされてゆくような恐怖を抱くと同時に、高く高くへと昇ってゆくような喜びがあった。  知らなかった、想像もしなかったような場所へと運ばれてゆくような、全てを塗り潰された末に、新たな自分へと生まれ変わってゆくような――。 「ぁ……」  そしてその全てがぷつりと途絶えて、レオの意識は闇の中に吸い込まれていた。  強張っていた体は糸が切れたように脱力して崩れ落ち、雄たちのピストンによって揺さぶられるがままとなる。  雄たちはレオが気を失ったことにも気づかぬまましばらく腰を動かし続けていたが、やがてその異変に気づき、一匹また一匹とレオの体から退いてゆく。  こうなってしまえば、限界まで酷使された心身が多少なりとも癒えるまでレオが目を覚ます事はない。そう彼らが学ぶほどに、繰り返された光景だった。  そしてそれは、淫らな悪夢から束の間の開放を得る唯一の時間。  しかしレオは、かつて己のいた陽の光に照らされた景色を夢に見ることすらもなく、泥のように眠り続けるのみだった。 ×××  ――ぐちゅり、ぬちゅり。 「う、ぅ……」  どれほどの時間眠り続けたかも分からなかったが、暗がりに響く粘液質な音と、じんとした胸元の痛みがレオの意識を覚醒させた。  力なく呻きながら緩慢に体を起こし、胸元へと視線を向けると、黒ずみ肥大した乳首を囲むように大量の歯型が残っている。  ――ぐちゅり、ぬちゅり。  その動作の最中も、湿った音は響き続けていた。レオは、歯型だらけの胸元からゆっくりと視線を移してゆく。  もはや何度目かも分からぬ妊娠によって膨らんだ腹を揺らしながら身を捩り、音の方向へと目を向けようとしたところで、そこに宿る鼓動も子宮を満たす羊水の重みも感じない事に気づく。  ……ああ、もったいない。  レオは、真っ先にそう思い浮かべる。生まれるべきでない禁忌の命をまた一匹産み落とした事への絶望は、もうなかった。  ただ、子宮口をこじ開けられ雄膣が内側から捲れ上がるような快感の中で仔を産み落とす、その恍惚を味わいそこねた事への落胆があった。自らがこの閉じた世界の一部であることを深く刻み込まれ、その中で課せられた役割を果たしているという充実感、陶酔感。  それを思い目を細めながら、空になった子宮が疼くのを感じる。  ……ああ、早く次の仔を。本能のように湧き上がる衝動に抗う思いなど、もはやなかった。 『――ッ』  レオが蕩けた笑みを作りながら胸を震わせたその瞬間、その鳴き声が聞こえた。  異形たちのそれとも違う、名状し難い湿った鳴き声。  それは、出産とともに溢れ出した羊水の水たまりの上に這いつくばり、もはや動くこともなくなった弟に食らいつきながら、その肉を咀嚼していた。 「あ……」  レオは呆然とそれを見つめながら、気の抜けた声を漏らす。初めて出産を経験したときの恐怖と生理的な嫌悪が脳裏に浮かび、背筋にゾクゾクと寒気が走った。  父親たちと同じ、目も耳も鼻もない無貌の顔は、しかし母の宿す呪いを分け与えられたかのように、ネコ科の猛獣を思わせる形に変化し、しかしその口元には牙ではなく人間の歯が並んでいる。  すでに父親たちに近い体躯にまで育ったそれは、自分が最初に産み落とした仔であると、レオは直感する。 「まさ、か……ッ」  生きているとは思わなかった。産み落とした仔のその後など、考えすらもしなくなっていた。  ……それは、血を分けた弟たちの血を顎に滴らせながら、レオを見つめ返す。眼球など存在しないが、ただ肉が詰まった窪みでしか無い眼孔で母親を見つめていた。  その不気味な佇まいに、しかし確かに己の血が受け継がれていることを改めて実感しながら、レオは言葉を失う。  長らく忘れ去っていた恐怖と嫌悪が胸に満ちていくのと同時に、下腹部が蕩けるように疼き喜んでいるようにも感じられた。  相反するものが体のうちでせめぎ合う感覚に体を強張らせながら、しかし悍ましい我が子の姿から視線をそらすことが出来ない。 『――ッ』  それは、すでに父親たちよりも太くなった腕をゆっくりと持ち上げ、弾力ある表皮に包まれた手をレオの腹に乗せる。  ゆっくりと、母親の包容を求めているかのようにレオの体へと乗り上げる。 「……っ」  そして、その股ぐらに屹立する男根が、母親と同時に雌を求めている事を物語っていた。  異形たちに犯され産み落とした我が仔との、悍ましい近親相姦を予感しながら、より一層の嫌悪とともに、かつてなく子宮が疼き体が火照ってゆくのが自分自身で感じられた。  ……どうすれば良いかは、分かっている。脳裏に残る儚い夢の光景を信じ目の前の現実を拒絶しても、苦しむだけだと徹底的に教え込まれてきた。  この湧き上がる嫌悪も、身を竦ませる恐怖も、気の迷い。どうしようもなく火照る体と下腹部の疼きだけが、唯一縋るべき救いだった。 「しかたない、こだ……」  出産直後の緩みきった雄膣がきゅんきゅんと震えている。胸の奥に抑え込んだ嫌悪感が、甘く燻る熱の中に溶けて、鼓動が高鳴ってゆく。  これでいい。これが正しい。すぐに、すぐに何も感じなくなるはず。震えるような恍惚以外、何も。 『――ッ、――ッ』  その瞬間だった。暗がりの向こうから、慣れ親しんだ鳴き声が響く。  まるでレオが目を覚ます時間を予期していたような正確さで、彼らはこの場所へと戻ってくる。  レオが一瞬そちらへと意識を向け、改めて我が仔へと視線を戻したときには、それは母親へと背を向けて駆け出していた。  入れ替わりにやってきた異形たちが、先走りを垂らす剛直を揺らしながらレオを取り囲む。  変わらぬ営みの中で、レオは先程までの葛藤も忘れて妖艶な笑みを作っていた。 続く  


More Creators