薄汚いモブ獣人の催眠調教で陥落しただ一人の弟を捧げてしまうナサスくん①
Added 2023-01-25 17:10:51 +0000 UTC前々回 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15860747 前回 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19173543 「……それで、こんな真夜中に、わざわざ人払いまでして、一体何を話すつもりなんだ?」 燭台の放つてらてらとした明かりに照らされた応接室の中、レネクトンは盃に注がれた上等なエールを一気に煽り、そんな疑問を口にした。 鋭い牙の並ぶ鰐の大顎から酒気の交じる息を吐いて、超越者たる魔力の光を宿した瞳を、目の前の大男――兄であるナサスへと向けた。 彼は、弟であるレネクトンの荒々しい気性とは真反対の、物静かな所作で盃を持ち上げ、乾杯するように盃を揺らしてからエールを一口すると、率直に結論を口にする。 「暫し、城を離れ身を隠す必要がある。我ら兄弟、二人共がだ」 「……そうか」 レネクトンは、水差しに溜まるエールを盃に注ぎながら、ただ相槌を打ち兄の提案を了承した。 疑問はあったが、聡明な兄の口にする提案であるならば、納得に値する道理の上に出したものであろうという信頼があった。 再びエールを煽りながら、レネクトンは顎をくいと動かして、ナサスへとその道理の説明を求める。 「話が早いな。人避けをした甲斐があった」 ナサスはジャッカルの顎を機嫌良く吊り上げながら、くつくつと喉を鳴らして笑いながら言ったあと、疲れの滲む大きな息を一つ吐いて、説明を始めた。 ……城の中に、シュリーマに仇をなす逆賊が潜んでいる。 未だ尻尾を掴むことはできていないと自嘲気味に話しながらも、逆賊の存在そのものには確信を持っていると。 若く未熟な現王にその予兆を察する事はできず、下手に助言をすれば賊の警戒を強めるだけで終わる危険が大きい。 城中に潜む逆賊を見つけるべく探りを強めて、逆に疑いを感づかれても禍根を残すこととなってしまう。 であれば、警戒の薄い今のうちにあえて隙を晒す事で、獅子身中の虫を燻り出す荒療治を行う必要がある。 「……それで、俺たちが身を隠すわけか」 今やただ二人のみの超越者となった自分たちがシュリーマを離れれば、賊が謀反を起こす上でこれ以上の機会はない。 「然り。明朝には魔術で我らの似姿となった密偵が、精兵を伴って極秘の遠征に向かうという体で城を発つ。我らは日の登らぬ内に城を離れ、協力者の待つ城下の館に潜伏する手筈だ」 そうして、目当ての賊が降って湧いた絶好の機会に浮足立ちながら行動を起こすのを待つわけだ。 「……」 レネクトンは兄の計画を咀嚼するように、目を細めながら沈黙する。大方納得はしたのだが、何か引っかかるようなものを感じていた。 その提案があまりにも急なことに加えて、常に熟慮の末の最善を選んできた兄の立てる計画にしては、些か博打めいたきらいがあるように思えた。 「――悪いが、いま問答を重ねる暇はない。事の子細であれば、後で嫌と言うほど聞かせてやろう」 「ちっ、今から頭が痛くなってきやがる」 そんな一抹の不安を、まるで見透かしているかのような口ぶりの兄へと、レネクトンは冗談めかして悪態を吐いた。 もはや、人であった頃の年齢など意味を成さなくなるほどの年月を共に生きたというのに、いつまで保護者面で弟扱いし続けるつもりなのだろうか。 それを苛立たしく感じることもあるが、しかし悠久の時を経て周りの全てが変化してゆくなか、変わらずあり続ける肉親の絆が持つ価値も分かっている。 「……ま、時間がねぇってんなら仕方ねぇ」 数秒の間を置いて、レネクトンはため息混じりにその提案を了承する。結局のところ、レネクトンは兄の判断に全幅の信頼を寄せていた。 ナサスが後で説明すると言うのであれば、自分がこの場で思い浮かべる疑問への答えなど、とっくに用意しているのであろう。 兄へと向ける信頼が裏切られたことなど、一度とて無かったのだから。 「じゃあ、さっさと行っちまうか?」 「そう急くな。時間がないとは言ったが、少しばかりの準備が必要だ」 椅子から立ち上がるレネクトンを制止しながら、ナサスは腰に吊り下げた卵ほどの大きさの布袋を手に取り、差し出してくる。 訝しげにそれを覗き込むレネクトンの眼前で布袋が裏返され、赤紫の光を淡く放つ宝石が姿を表す。 その妖しい輝きにどことなく不穏な気配を感じるが、その懸念もナサスは予測していたようだった。 「抵抗を感じるのは無理はない。この宝石は我らにとっての毒だ。超越者としての力を弱め、万が一にも気配を悟られず忍び続けるためのな」 「毒も使いようってやつか」 「然り。……では、これを飲み込め。抵抗はあろうが、決して吐き出すな」 「まったく、気乗りしねぇな」 顔を顰めて抗議の言葉を漏らしながらも、レネクトンはその宝石を手に取る。 淡い光とともに宝石から漏れ出る魔力を感じ、そのざらついた不快感に一層顔を顰めつつも、渋々と大顎を開いて宝石を投げ入れる。 「ん……ッ」 角張った固形物が喉を通過する異物感以上に、受け入れるべきではない毒を拒絶しようという生理的な嫌悪感に吐き気が込み上げる。 吐き気そのものに耐えることは出来たが、ここ数百年の中でもとびきりの不快感に呻いてしまうのは止められない。 「き、もちわりぃ……っ、いつまでこれに我慢すりゃいいんだ?」 「今は宝石の魔力を肉体が拒絶し、拒まれた毒が臓腑に蟠っている状態だ。これより、適量をのみを受け入れるためのまじないを施してやる」 「なんとかできるなら、さっさとしてくれ。今すぐにでも吐き出しちまいそうだ」 「そう長くはかからん。床の上にでも仰向けになって、じっとしていろ」 喉元まで込み上げる吐き気を抑え込み呻きを漏らしながら、レネクトンは言われるがままに体を横たえる。 苦しげに細めた目で天井を見上げながら待つと、やがて燭台の灯りを逆光にして影に覆われたナサスの顔が、こちらを覗き込んでくる。 爪を丸く整えた指先が柔らかな魔力を纏いながら胸元へと伸び、胸板へとそっと触れた。 「……っ」 生温かく、そしてどこか艶めかしい奇妙な感触が走るのを感じ、レネクトンは小さく身震いする。 兄の指先が、紋様を描くように胸の上をなぞってゆく。そのたびに喉元に蟠る吐き気が和らぎ、体が脱力していくのが分かった。 行き場をなくしたまま胸の内で膨らみ続けていたものが、溶けてゆく。あれほどに拒絶していたはずの毒は、むしろ心地よい熱を伴って全身に広がってゆく。 上へ、下へ、ナサスの指先は今やレネクトンの胸元を離れ、下腹部や首筋を淫靡な手付きで撫でていた。 極上の娼婦を思わせるような淫らで繊細な手付きに体が弛緩し、逆に鼓動は高鳴ってゆく。 視界がぼやける。ついに脳髄さえをも毒に侵され、夢見心地のような浮遊感の中で、己を蕩かされてゆく。 「っ……?」 妙な気分だった。最も信頼する相手に優しく愛撫され安らぎと火照りに満たされながら、その奥に漠然とした恐怖と不安がある。 それを口にしようとしても、漏れ出るのは甘く湿った吐息のみだった。 「……案ずるな。身を任せていれば良い」 逞しい腕を首の後ろへと回され抱きすくめられながら、耳元へと囁かれる。 ……ああ、言葉になどしなくても伝わっているのだと、それだけで分かった。何も不安がる必要など無いのだ。この兄が、意味のないことをするわけなど無い。 最も信頼する相手、遥かな時を共に生きた唯一の肉親の前に、レネクトンはその最も深い場所を無防備に曝け出す。 欠片の疑いも抱かぬままにレネクトンは自らを差し出し、染められようとしていた。 「ぁ……」 下腹部で円を描くように動いていた指先が、腹筋の割れ目をなぞりながら下降する。 股ぐらを覆う前垂れの下へするりと潜り込んだ指先で、鱗皮の上に薄っすらと浮かぶ割れ目をくすぐられ、胸を震わせながら火照る息を漏らした。 鼓動がより一層に高鳴る。尻の奥にむずむずと悩ましいものを感じ、無意識の内に腰を揺らしてしまう。 股ぐらの上を焦らすような手付きで愛撫されるたびに、割れ目がヒクヒクとひとりでに震えて、火照り赤みを帯びた粘膜が見え隠れするようになっていた。 「お、あぁ、あ……っ」 震える割れ目の端から、白く濁った粘液が滴る。丹念な愛撫によって蓄積した熱と疼きは限界へと達し、レネクトンの雄を狂おしく猛らせた。 割れ目は紅潮した秘肉を晒しながら口を開き、ぬらぬらと湿った亀頭が姿を表す。ナサスのそれをも上回る大きさへと膨れ上がってゆく剛直が腰布を突き上げ、雄々しくテントを張った。 「……っ」 違う。違う。あり得ない。そんなはずはない。蕩けた頭に否定の言葉が浮かび上がるが、そのどれもが喉で堰き止められて、口にすることもできなかった。 兄の前に痴態を晒す羞恥心に震えながら、レネクトンはもがくように首を振り、きつく目を閉じる。 「案ずるなと言っただろう」 甘く、優しく、微塵の動揺すらも感じさせぬ落ち着いた声色で、ナサスが囁く。 「ただ受け入れ、享受すれば良い」 そう言いながら、ナサスがゆっくりと体を起こした。真夜中の静けさの中、鼓動と息遣いに混じって、布が擦れ床へと落ちる音が聞こえる。 やがて固く引き締まった尻の重みを腹筋に感じた。布の一枚も隔てず、肉と肉が触れ合う温みが下腹部に染み込み、肉棒が甘く震える。 「目を開けろ」 何が起きているのかわからない。困惑と恥辱の中で狼狽しながら、しかし兄の言葉だけはするりと胸の奥に届いていた。 「あ、あぁ……」 渦巻く想いとは裏腹に、反射的に了承の言葉を口にしていた。 きつく閉じていた瞼を、言われるがままに開いて、眼の前の光景を、ただ受け入れる。そうしろと、兄が言ったのだから。 「……ッ」 逞しくしなやかな裸体が、レネクトンの眼前に晒されていた。両胸から吊り下がるピアスには、先程呑んだものと同じ宝石があしらわれている。 瞳に湛える魔力の光は普段に比べて赤みを帯び、まっすぐにレネクトンを見据えている。 そして、その股ぐらからは黒々とした剛直がそそり立ち、亀頭から吊り下がるピアスを揺らしながら、レネクトンの腹へと先走りを滴らせていた。 「あ、あ……っ」 目を見開き驚嘆しながら、しかし視線を逸らすこともできなかった。 レネクトンの腹の上で、ナサスは娼婦の如く腰を捻り、背筋を曲げ、胸元のピアスを揺らす。 見たこともないほどに高く口端を吊り上げ、その妖艶な笑みを弟へと向けながら、レネクトンの剛直を覆う腰布へと手を伸ばす。 ……あり得ない。あってはならない。これは、自分の知るナサスではない。眼の前の光景を拒絶する言葉が胸に湧き上がる。 「はっ、あ……ッ」 しかし、その妖艶さ、淫靡さに、魅了されてしまったかの如く目が離せなかった。 見慣れていたはずの兄の肢体が、息を呑むほど官能的だった。今まで見たどんな女も霞むほどに、艶めかしく惹きつけられてしまう。 狂おしく雄の衝動を掻き立てられ、一瞬でも気を抜けば獣へと変じてしまいそうだ。 「……それで良い」 ナサスは吐息の交じる声で、甘く甘く囁きながら腰を浮かせる。 投げ出した両の手に汗の滲む手のひらを被せられ、引き締まった腰へと導かれる。 先走りの滲む亀頭へと、火照り濡れそぼった肉の門を押し当てられながら、その柔らかさに息を呑んだ。 「さあ弟よ、共に獣へと堕ちようぞ……っ」 妖しく光る瞳を爛々と輝かせながら、期待に打ち震えながら命じる声に、逆らうことも出来なかった。 ――ばちゅんっ! 腰と腰のぶつかり合う音が室内に響く。レネクトンは雄の猛りに支配されながら、その剛直を兄の深くへと突き入れる。 熱く震える雄膣が肉棒を包み込み、吸い付いてくる。味わったこともない極上の名器はレネクトンをより深く魅了し、獣の如き浅ましさで腰を震わせた。 「お゛ッ、お゛ぉ……ッ、よい、ぞ……っ、もっと、だ……!」 力強く腰を打ち付けるたびに、兄の口からは聞いたこともない淫らな声が溢れ出す。 己の腹の上で、兄が別の何かへと変貌してゆくようだった。叶うならば、今すぐこの場を離れてしまいたい。そう頭の片隅で思いながら、しかし湧き上がる衝動に抗うことができない。 「く、そ……っ」 栓をされたかのように言葉の蟠っていた喉の奥から、やがて掠れた吐息に混じって下品な悪態が漏れていた。 「くそ、がぁ……っ!」 兄の腰へと爪を立て、血が滲むほど強く鷲掴みにしながら、悪態とともに腰を打ち付ける。 困惑、失望、怒り、興奮、胸に渦巻く感情の全てが、荒々しい性衝動へと昇華されてゆく。 激しい抽挿によって泡立った愛液を飛び散らせながら、ナサスの不覚を抉り穿つ。 「お゛ォっ、あっ、ぎ、あ……ッ」 悲鳴とも嬌声とも分からぬ濁った声が、だらしなく開いたままのジャッカルの顎から漏れ続けていた。 黒い獣毛に覆われた体は、下から突き上げられるたびにビクビクと痙攣し、苦しげに胸を震わせる。 ただその股ぐらからいきり勃ち、先走りを撒き散らす剛直が、ナサスが牝の悦びに打ち震えていることを伝えていた。 「は、はぁ、あ……っ!」 鼻の穴から火照った息を吹き出しながら、レネクトンはより激しく、より乱暴に兄の体を貪る。 一呑みにした宝石が、まるでもう一つの心臓にでもなったかのように臓腑の奥で脈動していた。 そのたびに甘い熱が思考を乱し、目の前の牝を貪れという衝動が湧き上がる。 信頼し尊敬する兄の姿が崩れ去ってゆく失望が、いつの間にか仄暗い悦びを伴い始めていた。 (なん、だ……?) 頭の片隅に警告音が響いている。何かがおかしいと分かっている。しかし、溢れ出す雄の衝動の中で、考えがまとまらない。 眼前で痴態を演じる兄の姿、立ち昇る淫靡な芳香、肉棒に絡みつく粘膜の柔らかさ、汗の滲む体の火照り、全てが狂おしく獣欲を掻き立て、忘我へと誘う。 戦いの中で味わう身を焦がすような高揚ですら、この猛りには及ばない。 「は……っ」 馬鹿にするように鼻を鳴らしながら、レネクトンは一際深くナサスを貫き、その最奥までをも穿ちながら、乱れ狂う兄の喉元へと右手を伸ばす。 小刻みに震え続ける腰へと左腕を回し、腰を密着させたまま体位を替え、ナサスの体を床へと押さえつけ、覆いかぶさる。 「そんなに欲しけりゃ、望み通りぶっ放してやるよ……!」 涙とよだれに塗れ、白痴の如く乱れた呆けづらを睨みつけながら、レネクトンが唸る。 「あ゛ぁ……」 ぎりぎりと締め上げた喉の奥から、間の抜けたか細い声が漏れ出ると同時に、ナサスの両足が腰へと絡みついてくる。 「雌犬が……ッ」 見るに耐えぬ兄の姿に、怒りとともに強烈な興奮が湧き上がる。レネクトンは感情のままに悪態を吐きながら、腰を振るた。 「ぎっ、お゛ォっ、ひ……っ」 床を背に、レネクトンの強烈なピストンの衝撃を余すこと無く打ち込まれながら、ナサスは押し潰されるような悲鳴を上げて痙攣する。 悲鳴とともにくしゃくしゃになった顔から飛び散る体液がレネクトンの顔を濡らした。 「がっ、あぁ……ッ」 鰐の大顎を開き、そこにならぶ鋭い牙をぎらつかせながら、ピストンのたびに悶絶し歪む兄の顔を、食い入るように睨みつける。 喉を締め上げる右手に力が篭り、ジャッカルの顎に泡となった唾液が浮かぶ。 今にもその顔に食らいつこうというほどに顔を寄せながら、杭を打つかの如き力強さで雄膣を穿ち続ける。 「ぐ、がぁぁぁ……ッ」 ――びゅるうううううううううっ! そしてついに、ナサスの最奥でレネクトンは達する。常人のそれとは比べ物にならぬ濃さと量を持った子種を、ただ一人の肉親の腹へと注ぎ込む。 根本までを突き入れてもなお、まだ足りぬとばかりにぐりぐりと腰を押し付けながら、最後の一滴までをも吐き出してゆく。 ほとんど同時に、ナサス自身のそれが亀頭から吊り下がるピアスを振り回すように痙攣しながら子種を撒き散らし、黒毛に包まれた胸元を白く彩っていた。 「はっ、ぁ……っ」 レネクトンは絶頂の余韻の中で体を弛緩させながら、深く息を吐く。胸を大きく上下させながら、鼓動の高鳴りも徐々に収まろうとしていた。 再び真夜中の静けさが周囲を包み、頭にかかる霞が徐々に晴れてゆく。 ――どくん。 しかし、臓腑に脈打つそれが、レネクトンに正気を取り戻すことを許さなかった。 ……ナサスへと深く突き入れたままの肉棒が硬さを取り戻す。絶頂の直後でありながら、あふれる衝動が再び胸を満たし、目の前の雌を貪れと訴えかけてくる。 「はっ、んんんっ、じゅ、んんむ……ッ」 その命令に抗うことはもうできなかった。長い舌を投げ出すようにして床に伏したナサスの顎へと、喰らいつくように口づけをして、口端に溜まる泡立った唾液を舐め取り、喉奥へと舌をねじ込む。 ナサスの腹に溜まる精液を肉棒でかき混ぜるように腰を揺する。 くつくつと、こらえ切れぬような笑いが、ナサスの喉奥から漏れ出ていた。 ☓☓☓ 「ん……っ、もう、頃合いか……ッ」 一糸まとわぬ姿で柔らかなソファに身を委ねながら、震える吐息混じりの上気した声でナサスが呟く。 未だ夜明けまでは遠いが、これ以上時が過ぎれば道中で空が白みかねない。 ナサスはそう思案しながら、自らの足元へと視線を向けた。 「ふっ、じゅるっ、は、んんっ」 広げた両足の間にはレネクトンが這いつくばり、ぱっくりと口を開く兄の雄穴へとむしゃぶりついて、自ら注ぎ込んだ精液を太い舌で掻き出している。 ナサスの手で体に刻まれた紋様は、今やその全身にまで広がり、宝石に秘められた邪な魔力を抵抗なくレネクトンに受け入れさせていた。 「立て」 「ん、あ、あぁ……」 レネクトンは間の抜けた声で応え、精液に塗れた口元を拭いながら、ふらふらと立ち上がる。 「あ、れ……? すま、ね……、おれ、なに、を……?」 精液に塗れ、開いたままの割れ目から肉棒を垂れ下がらせる不様な姿のまま、レネクトンは困惑した様子で頭を抱え、首を振る。 抵抗もできぬままに無防備な心身を穢されてゆく酩酊感に、腑抜けてしまっているようだった。 ただ一人の肉親に裏切られたとも気づかぬまま、困惑することしか出来ずにいる弟を見つめながら、ナサスは口元を抑えながら口角を釣り上げる。 ああ、夫がこの場にいれば、この愚かで哀れな男の姿を共に笑うことができたのだが。 せめて、柔らかなベッドの上で夫の腕に抱かれながら、この滑稽な姿を語らせてもらおうか。 腹を抱えて笑ってくれたならば、兄としても冥利に尽きる。 「……案ずるな」 ふらつく弟を支えるように寄り添いながら、ナサスは再びそう口にした。 「我ら兄弟が、真に身を捧げるべき方がお待ちになっている。その幸福を受け入れ、享受すれば良い」 「……?」 「着けば分かる。さあ、ゆくぞ」 レネクトンは言葉の意味も理解できぬまま呆けた顔を浮かべ続けるばかりだったが、出発を促されると頭を抱えながらも頷く。 人目を避けるために魔術を施した外套を裸体の上に羽織り、二人は夜の暗闇に紛れて城を去った。 シュリーマの守護神たる二柱の超越者はこの日より忽然と姿を消し、二度とその姿を表すことはなかった。 続く