キーンコーンカーンコーン……
「完全下校時刻となりました。
校内に残っている生徒は、速やかに帰宅してください」
校内放送が冷たく響いた。
「ん……」
誰もいない教室の隅、窓際の席で、平凡な1年生男子・沢田は目を覚ました。
「やべっ!もうこんな時間!?」
机に突っ伏していた額を押さえながら跳ね起きる。放課後の静けさに包まれた教室は、いつもよりも広く感じられた。
「バイトまでの時間潰すつもりが寝ちまった……!」
鞄を手に、足早に教室を出る。
「……あ、そうだ。裏門から出よう」
普段は誰も使わない裏門。薄暗くて不気味だが、最短ルートだ。
(あっち通ると近いんだよな〜)
薄闇が落ちた廊下を駆け抜け、人気のない中庭を通り、最後の曲がり角を曲がったその時、
ぬっと人影が現れた。
「!?」
反射的にブレーキをかけ、足を止める。
背の高い女子生徒が、沢田の目の前に立っていた。
「こっちから出ていく子なんて、めずらし〜!一年生?」
柔らかい声と共に、少女はにこっと微笑む。
「あ、わたし、羽柴るなっていいます♡ よろしくね♡」
170cmを超える長身に、ぽてっとした太眉、どこかあどけなさを残す垂れ目。
そしてスカートからはみ出し気味の大きなお尻が印象的なこの女、
ただ者ではない雰囲気をまとっていた。
(……先輩、なのかな?)
不思議そうな顔をして見上げる沢田に、羽柴が声をかける。
「そんなに急いでどうしたの?」
「これからバイトなんです……」
「そっかぁ〜、大変だね〜」
「ええ、まぁ……ハハハ」
照れ隠しのように、後頭部に手を回す。遅刻寸前だが、こんな可愛い子と話せるなら――少しだけ得した気分だった。
「、、、ところでさぁ、後輩くん。」
羽柴が不意に一歩詰め寄ると、彼の肩にそっと両手を乗せてきた。
「はい……?」
その笑顔のまま、彼女は言った。
「お姉さんに……お金くれないかなぁ?」
「……え?」
空気が、急激に冷える。
「えっ!?お金!?」
思わず大声を上げる沢田。
「うん♡」
「えっ!?貸して欲しいってことですか?」
「ちょーだい♡」
迷いのない笑顔で沢田を見つめる羽柴。
(な、なんか変な話になってきたな……)
(お金……?いや、いくら可愛いからって、それはないだろ)
ポケットの中には、バイト代が入った財布。交際して1年の彼女への誕生日プレゼントを奮発して買うために、何ヶ月も働いて貯めたお金だ。
(こういう時は、はっきり断らないと……!)
バッ!!
「い……嫌です!いくら先輩でも、お金はあげられません!」
羽柴の手を振り払う。はっきりとした拒絶の姿勢だ。
「……ふーん」
羽柴は一瞬だけうつむき、無表情になった後、パッと笑った。
「そっかぁ〜……わかった!」
(……よかった。引いてくれた……)
そう思った、次の瞬間――
ガッ!!!
「!?」
羽柴の手が沢田の首を掴む。そしてそのまま、軽々と持ち上げた。
「じゃあ力づくでもらうしかないね〜♡」
「く……苦しい……!」
信じがたい力。足が宙に浮いた。首に食い込む指。視界がぐにゃりと歪む。
メキメキ……メキ……
「がはっ……!」
あまりの力に、まるで首が折れそうだった。
「ねぇ〜、後輩く〜ん、
早くちょうだ〜い♡」
ドムッ!!
「ガハッ!?」
腹に重い衝撃。強烈なパンチが、みぞおちにめり込む。
呼吸が、一気に荒くなる。窒息と痛みが波のように押し寄せてくる。
「ねぇったら〜、、、」
バキィッ!!!
「!?」
強烈なパンチが顔面に入る。凄まじい重さだ。鼻血が両鼻からドバドバと垂れ、視界がぐわんぐわんと揺れる。
(この女、やばい……!マジで殺される……!)
「わ……
渡す……!渡します!だから……おろして……かはっ」
震える手で、ポケットから財布を取り出し、羽柴に差し出す。
「ふふっ♡」
手がパッと離された。
ドサッ、、、。
地面に崩れ落ち、三角座りのような姿勢で腹を押さえてうずくまる沢田。
「ようやく渡してくれたね♡ありがと♡
ごめんね?手荒なことしちゃって……でもすぐに出してくれない君が悪いんだよ?
って、わお♡ 一年生のくせに、結構もってるじゃ〜ん!」
手際よく札だけを抜き取り、空になった財布を沢田の前にポイッと投げ捨てる。
「そ……それは……彼女にプレゼントを買うために……バイトして稼いだお金……」
「え〜!?そうなの〜!?なんかごめ〜ん!
ま、返さないけど♡」
沢田の顔が引きつる。
「……う〜ん、でも〜。そんな大切なお金をもらっちゃうわけだし〜……
しっかり、お礼しなきゃね♡」
「お、お礼……?」
沢田は息を整える余裕もないまま、震える目で羽柴を見上げた――
「♡」
羽柴はくるっと周り、背中をこちらに向け、腰に手を当てている。
「ふふっ♡」
そのまま、プリっ、と大きな尻を突き出した。
「、、、?」
何をされるのか全く予想がつかない沢田。
すると、、、
「はい、ぷぅ〜っ♡笑」
ブゥゥゥーーーーッ!!!
「!?」
沢田の顔に、勢いよく何かが放たれた。
「な、、、なんだ!?」
もわ〜ん、、、、と顔いっぱいに広がる臭気。
「く、、、くっせぇぇぇぇ!!!」
まるで
殺虫スプレーをかけられた虫のように、
ジタバタと地面で悶絶する。
(屁!?屁をこかれたのか!???)
「ふふっ♡」
笑いながら身を翻し、
もがく沢田に問いかける羽柴。
「どう?いい匂いでしょ?
わたしのオ・ナ・ラ♡」
「(ゴホゴホぉっ!!!?なんだこの臭さ!!!!?)」
生ゴミと肥溜めを発行させて
さらに煮詰めたような臭いが
顔いっぱいにもわ〜ん、、、とへばりつく。
「ん〜でも、、、まだまだお礼し足りないなぁ、、、
あ!そうだ!」
先ほど投げ捨てた財布を拾う羽柴。
「この空になったお財布にぃ、、、」
二つ折り財布を開き、その内側を
ぴとっ。
と尻に付ける。
すると、、、
すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜。
その状態ですかしっ屁を放った。
「♡」
すぐさま沢田に駆け寄る羽柴。
すると仰向けになったもがく沢田の腹の上にどすんっ。と座り、その顔に、、、
ぴとっ。
「はい♡」
「!!!!?????」
握りっ屁を嗅がせる要領で、
沢田の鼻に財布を押し付けた。
「(〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!???)」
強烈な屁の臭いが鼻腔を襲う。
もがいて逃げようとするが、
羽柴はまったく動じない。
「あはは〜♡
しっかりかいでね〜♡
、、、ってあれ?」」
ぐったりとする沢田。
意識を手放す寸前のようだ。
「ありゃ〜、もうだめ?もうちょっとがんばってよ〜♡
あ、いいこと思いついた〜!♡」
羽柴は立ち上がったかと思えば、くるりと180度回転。
沢田は尻を見上げる形だ。
そしてそのまま、、、
ズン!
「!?」
顔面騎乗。凄まじい重量と屁の残り香。
「今から人工呼吸して楽にしてあげるね♡」
と、羽柴。
「!?」
何をされるか予想がつき、脳裏に戦慄が走る。
「(ま、、、待って、、、)」
「いっくよ〜♡わたしの中の新鮮な空気、、、
注・入〜〜♡」
「(ま、待て……やめ──!)」
ブブゥゥゥゥゥゥゥ〜〜ッッッ!!!!
「、、、」
立ち上がり、沢田を見下ろして問いかける羽柴。
「、、、ふぅ、どう?
少しは楽になった?
後輩くん?、、、って
あらら、、、、。」
「、、、」
超激臭放屁責めで完全に気を失ってしまった。白目を剥き、口からは泡を吹いている。
「寝ちゃった、、、
もうちょっと楽しみたかったのに、、、
つまんないの!」
まだまだ遊び足りない様子。
「でもまあ、
お金もらえたからいっか♡」
と、一転。満足そうな可愛らしい笑顔だ。
「じゃあ、、、
またね♡後輩くん♡」
裏門から消えるように去っていった。
彼女の行方は、誰も知らない。