ドーモ、読者=サン。スズシモです。
気がついたら12月です。今年ももう終わり……今年も終わり!? 冗談キツい。
今年はあまり実りある年とは言えませんでした。体感で画力あんま上がった感じしないんですよね……
しかし雨後の筍のようにステータスバーが伸びるのは始めたてだけで、後の成長に必要な経験値量は跳ね上がっていくのはどの分野でもそうでしょう。この前バリバリ一線級の神絵師と話す機会があり、上達については順調そうに見えるなんて言葉も頂いたのですが……強くなりてぇ。もっと強くなりてぇんだ俺は。
来年はイケイケドンドンで攻め込めるターンが来ると信じて、今日もメイキングやっていきましょう。まぞく2期も来ますしね!
※この章はメイキングだけ見たい方は飛ばして大丈夫です
そうだ、描き方を変えよう。
前回の絵を描いている最中、どうにも描き心地の悪さのようなものを感じていました。原因は明白で、厚塗りで上から塗り重ねると言えば聞こえは良いものの、実質は手戻りが発生しまくっていたのです。線画とか1から描き直してるし。服とかやべーことになってますし。
手戻りは悪です。納得いくまで細部を詰めることと、雑に進めて前の工程からやり直すことは違います。かけた時間が同じでも、前者のほうがより質の高いものが出力されるのは間違いないでしょう。それに、迷った筆のタッチが大量に重なるのは見栄えとしてもよくなりません。
では、なぜこのような事態となったのでしょうか。思うにそれは、目指しているイラストレーターの描き方をそのまま真似したからです。
無論、工程のトレースには意義があります。考え方をなぞることによって新しく知れる技術も多いです。ですが、自分の実力に見合わない方法を続けるのもよくありません。最終的に見られるのは完成した絵のクオリティのみですからね。目指す点に届いてさえいれば、過程なんてものはクッッソどうでもよくもあるのです。
というわけで、自分の到達点を安定させるための過程について考えましょう。描き方が合わないのならそれなりの原因が自分にあるはずです。
一旦メジャーな方法を引き合いに出して、自分の癖を整理してみましょう。
・アニメ塗りベース(ラフ→線画→色分け→影入れと工程を進めていく日本の萌え絵でメジャーな手法)
線画の段階で高い立体把握が要求されます。が、線より面の塗りで立体を見るタイプの自分にとって線画起こしはかなり不得手です。また、工程がウォーターフォール式なので手戻り時に発生する作業量が多いのも難点です。塗りの時に立体がおかしいと判ったら、線画やほかパーツのレイヤーも巻き込んで大量の修正が発生します。
……これはキツいですね。
・厚塗りベース(塊から色を塗り重ねていく海外でメジャーな手法。最初はモノクロだったりカラーだったりする)
線画力は要求されませんが、代わりに塗り重ねて発生した筆の跡、色ムラをなくしていく作業が必要になります。自分これが超苦手です。どうしても迷いの跡が潰しきれないのか色が濁るのか、最終的な塗りの質はアニメ塗りベースで行ったほうがずっと良くなります。また、色と立体を同時に考えながら塗るのがもう無理無理無理! という感じらしく、露骨に参考資料から読み取れる情報が少なくなります。
私の絵の情報量は塗り95%線画5%くらいの比率のため、これは致命的です。
……じゃあ何ができるんだよお前はァ!!
こういう時は逆に考えましょう。塗り終わった後ならば線は描けますし、上から塗りつぶさないなら塗りムラは発生しません。また、色付きの状態だと参考資料からうまく質感・量感を読み取れないということは、モノクロにしてしまえばある程度読み取れるようになります。事実、色を丸パクリする模写などでは布地表現など苦手な部分も比較的マシ……だと思っています。
線より塗りが先に来て、形の修正が容易で、上から重ねて描かず、白黒ベースの描き方。
それと私はまだ見習いの身なので、先人の画風を分析しやすく真似しやすいと望ましいでしょう。
様々な手法を混ぜて、この条件を満たすキメラ画法を作ってしまえばいいのです。
というわけで考えながら試していきましょう。
合成結果の結論から言ってしまうと、だいたいグラブル塗りです。
※ここからメイキングです
新しいやり方を試す、といってもここは変わりません。
人体にポーズを取らせ、大ラフを作ります。
今回は新しいことを試す関係上、あまり複雑なことをしたくなかったので普通に真正面の構図から。最近事後描いてなかったのと、前が安達としまむらの絵でデカいおっぱいが恋しくなったのでシャミ子に出張ってもらいます。布の練習もしたかったので裸ワイシャツで。推しで胸でかいのがシャミ子くらいなので、彼女の絵ばっか増えていく……
5億人が描いていて世に溢れかえっている構図なので、サムネイルは今回作っていません。まあ参考画像大量にあるしイケるっしょウェイソイヤ、と次の段階に進みます。
この後から新しいやり方を試していきます。
大ラフの透明度を下げたら、そこからモノクロで立体をガシガシ描いていきます。
その後そうしてできたものをまた透明度を下げて、上から新しく描いていきます。こんな感じ。
こうして進めることで、線で立体を捉えるよりもイメージがつきやすくなります。
また、各パーツの量感を把握しやすくなるため、デッサン崩れにも気が付きやすくなります。
ポイントは画像下段の段階になったら、光(白の強い部分)と影(グレーのメイン部分)でレイヤーを分けてそれぞれ詰めていくことです。
こうしておく利点は2つあって、1つは厚塗りでありながらアニメ塗り的アトモスフィアが出しやすくなること。塗り作業は進めていくうちに平坦な印象になっていくので、そこをある程度防げます。
もうひとつは塗りの段階で色をつけていく時に、光と陰色を別々の色に変えられることです。なんのこっちゃ? と思う方は、"夜、ランタンからの光がキャラクターに当たっている"シチュエーションを考えてみてください。光の当たる箇所は温かい橙色、陰に沈む箇所の多くは夜闇の藍色の影響を大きく受けるはずです。この白とグレーをそれぞれ橙と藍に変えて固有色に重ねてやればいいので、調整が非常にしやすいんですね。
この調子で他パーツや背景も描いたら、固有色を置いてカラーラフを作ります。
色を載せた段階でキャラが遠い気がしたので拡大しました。ついでに画面と平行・垂直になる線はあまり作らないほうが良いため、少し傾けました。それに背景を描いた段階でキャラと背景のパースに齟齬が生じたため、キャラにかかっているパースを弱めて(下半身を拡大して)不自然さを軽減させました。
いやー、グリザイユ式のラフはやっぱり良いですね。ある程度立体が視えているのでこの後清書する不安感も薄いです。加えて前回のやり方だとこの後下書きに行くのですが、線での下書きと同等クラスの情報量がすでに含まれているのでその工程も削減できます(作業時間が減るとは言ってない)。
今回はここまでです。次回は塗り編です。
お付き合いいただき、ありがとうございました。