夏休み、学生の誰もが毎年楽しみにしている長期休暇。
その有り余る自由時間を使って、泳ぎが苦手な少年は海で毎日特訓を行っていた。
「今日も練習かい?、相変わらず熱心だな。金槌は直ったか?」
「うっせぇーな。これでもだいぶ泳げるようになったんだぞ‼」
「この前も溺れそうになったくせに何言ってんだよ」
毎日からかわれながらも頑張る少年と、それを見守るライフセーバーとのやりとりもこれで何度目だろうか。
日々少しずつ泳ぎが上達していく少年に期待しながらもライフセーバー達は心配なことがあった。
「いいか?自信が出てきたからって沖まで行くんじゃないぞ。絶対に」
「分かってるって! 状況次第ですぐ助けられないかも・・・だろ」
「分かってるなら良い」
「じゃあ行ってくる‼。もしものときは助けてくれよ」
少年は手を振って別れた後、勢いよく海へ駆けていった。
「ちゃんと人の話聞いてんのかよ・・・。」
ライフセーバー達は定位置に着き、しばらく見守っていたが、本部から訓練の日程について連絡があると呼び出され浜を離れた。
その後、監視のため浜辺を巡回していたが何やら様子がおかしい・・・
先ほど海へ入ったはずの少年が見当たらないのだ。
急いで捜索を開始。程なくして少年は見つかりライフセーバーたちの不安は現実となる。
沖合いの海底に少年はいた。
漂うのクラゲみたいに静かで、肌は火の消えたロウソクの白く、瞳は半開きで何も見ていない。
すぐに海上まで引き上げて頬を叩くなどしながら呼び掛けるが反応は無く、口腔内の海水を吐き出させても呼吸が戻らない・・・
「だから遠くまで行くな、って言ったのに。だからガキは嫌いなんだ」
脈はまだ微弱ながら確認できた為、悪態をつきながらもライフセーバーは少年に人工呼吸を行いつつ浜まで運んだ。
浜辺に上げる頃には心臓も止まってしまったため胸骨圧迫を並行する心肺蘇生法に切り替え、救急車の到着まで待つことに。
だが中々サイレンは聞こえてこない。
連絡が来たが渋滞に巻き込まれて到着が遅れるそうだ。
ライフセーバーは少年の命を繋ぎ止めようと必死に処置を行う。
もしあのとき目を離さなければ、もっと早く意識のあるうちに助けていれば。
そんな後悔を笑うかのように時間過ぎていき、少年の体は冷たくなっていくばかりだった・・・。
救急車を待つこと10分以上。
ライフセーバーたちが諦めかけていたとき心電図に反応が現れ始めた。よく見れば広がっていた瞳孔も収縮している。心肺蘇生法の効果がある証拠だ。
この少年はまだ死んでいなかった。
あと少しで蘇生できる、ライフセーバーの心臓マッサージに自然と力が入る。
それからしばらくして・・・・────
それまでぴくりとも動かなかった少年は激しく咳き込み息を吹き返す。
蘇生したことを喜ぶライフセーバー達は意識が朦朧とする少年に優しい言葉をかけて安心させようとする。
混乱していた少年は状況を理解し、落ち着いたようだ。
先刻の口の悪さはなく素直に感謝の言葉を口にする少年に、ライフセーバーは急に照れくさくなり顔を赤くしながら頭を掻いた。
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・そんな訳でしばらくマイブームの水難事故シチュエーションでした。
リョナジャンルの中では欠損などの描写が無いにも関わらず、確実に命が短時間で潰えそうな緊迫感や海やプールへ出掛ける都合上必ず裸に近い服装になるセクシーさ、人工呼吸によって男同士が性的な意図がなくとも唇を重ねる様子がとても良いですね。マイナーすぎる感覚なのは理解してますし、異常性癖・性的倒錯と言われるやつです。
ですが、この「性的な欲求を感じてはいけない状況でも、性行為を連想させる場面」のエロさやムラムラは「押すなと言われると押したくなるアレ」に近いのではないかと。
話は変わりますが、私のおすすめ微リョナ同人作品はつくも号先生の「水の上の月」です。
主人公の玖波くんは同じ水泳部仲間の親友の白瀬くんへの想いを募らせており、親友をオカズに自慰を行い罪悪感を感じる生活を送ります。
ある日が白瀬くんに海へ呼び出され転校することを告げられます。そこでそれまで主人公が抱いていたイメージの明るく人気者とはまるで違う飲酒・家の環境を嘆く・水泳を続けられない事に泣きじゃくる白瀬くんの姿を見たことにより、玖波くんは今まで積み重なった嫉妬や性欲が押し寄せて勢いのままに白瀬くんをレイプしてしまいます。
そのまま意識を失った玖波くん。翌朝目覚めると白瀬くんはいません。
まさかと思って海を探すと、そこには海底で静かに漂う白瀬くんの全裸の死体が・・・
すぐに通報したようですが、どう見ても青ざめて冷たくなった白瀬くんの死体に救命処置はされず死亡確認だけが行われ飲酒による水難事故として処理されます。
数年後、親友を入水自殺に追い込んでしまった玖波くんは償いとしてライフセーバーになって人の命を救い、自身を白瀬くんが最期に見た景色に縛り続けることになります。
そんなシコリティの塊みたいな作品なので、是非BOOHで販売中の水の上の月を読んでみてください。