メロンブックスさんで販売する、COMITIA147開催記念オリジナルタペストリー用のイラストのメイキング、いよいよ後編です。ラストは、彩色作業の解説になります。前編、中編の作業を経て出来上がったのが、こちらの線画になります。
前回解説したとおり、コピー用紙に出力したものを、スプレーのりで水彩紙と圧着させ、丈夫にしてあります。この上から、さまざまな画材を使って彩色していきます。
まずは肌の影の部分を、アルコールマーカーで塗っていきます。何色か使って重ね塗りをしていきます。あと乳輪も、この時点で濃いめに下色を塗っておきます。
肌色の影の部分、特に細かい線と隣接している部分は、水彩の筆で塗るのが難しく、また不透明な水彩絵の具と重なると薄くなってしまいます。なので、小回りが効いて線にも影響を与えないアルコールマーカーを使って、先に塗っておきます。
今度は上からアクリル絵の具で、肌の明るい部分を塗っていきます。
アクリル絵の具は何といっても顔料の発色がいいですね。アルコールマーカー(染料)では出せない質感があります。なので今回、特に大事な肌/おっぱいの部分は、発色が良いアクリル絵の具で塗っていきます。
乳輪のぼかしや、周縁の斑点部分が非常に難しいのですが、頑張って何度も何度も塗り直します。
何回も塗り足しができて、こだわった作業ができるのもアクリル絵の具の良い点ですね。
乳輪がなんとか綺麗に整ったので、続いて髪の毛を塗っていきます。髪の毛もまた、今回の絵の主役部分なので、丁寧に塗っていきます。使う画材は色鉛筆。水彩を使わないのは、色鉛筆だと小回りが効き、細かい部分までよく塗れるのと、画材を変えて肌の部分とは違う質感を出したかったからです。
黄色、明るい黄色、茶色の三色を使って、ツヤが出るように丁寧に塗っていきます。
絵の主役である、肌色と髪の毛の両方が塗れました。これで8割方、終わったも同然です。
前掛けも塗りましたが、白を基調に、軽く陰影と模様を塗る程度に抑えておきます。ちなみにこの前掛けは『パリウム(pallium)』と呼ばれる、カトリックの典礼衣装の一種です。もともとは教皇専用の衣装だったそうですが、やがて功績への報酬として他者に授与されるようになり、そのうちに教皇が大金を受け取って濫発するようになり……なんか免罪符とかで聞いた話ですね。ともあれ現在では教皇や大司教などごく限られた上位の人物しか着用できないそうです。ちなみに似たような祭服としてオモフォリオン(omophorion)やエピタラヒリ(epitrachil)など、さまざまな名称と形状、分類があります。特に正教会の祭服であるエピタラヒリの中には、ドラクエ3の僧侶の前掛けのアレ、アレそっくりなやつもあったりして興味深いですね。
閑話休題。手に持っているモーニングスターを塗ります。
こちらも前掛け同様、質感を出しつつ、絵のジャマにならない程度の塗りに抑えておきます。今回の絵の主役はあくまでも『おっぱい、乳輪の質感』と『長く美しい髪の毛』です。なので他の要素はなるべく簡素な塗りにして、目立たないように心がけます。特にこのあと塗る背景部分は、ごちゃごちゃ描きすぎるとメインの部分を邪魔するノイズにしかならないので、なるべく薄く平坦に塗ることを心がけます。
背景を、パステル色のアルコールマーカーで塗っていきます。使っているのは「Ohuhu」というメーカーのもので、今回初めて購入しました。以前はこうした広い部分は100円ショップのアルコールマーカーでザーッと塗っていたんですが、どうも色によっては耐光性がなく薄くなってしまうことが判明したため、こういうちゃんとした絵では使わないようにしました。「Ohuhu」のアルコールマーカーは価格も安く耐光性もあるとのことなので、試しに買ってみたんですが使いやすくていい感じです。色もキレイ。
最後に細かい部分を調整して完成です。
やったーこれで終わりだー! となればいいのですが、ここから先もあるのがアナログ絵のつらいところ。そう、『描いた絵のデータ化』です。特に発色のいい絵の具を使えば使うほど、それらを再現してデータ化するのに苦労します。なにしろ家庭用のスキャナでは全然違う色で出てくるし。なので、今回はセブンイレブンの業務用複合機のスキャナ機能を使ってスキャンします。セブンの複合機のスキャナは色の再現度がきわめて高いのですが、反面、線画部分がちょっとボケたり薄くなったりします。なのでレタッチソフトでその部分を補正して、他に色味も調整して、ゴミとかも除去して……。
そんなこんなでデータ化したイラストがこちらです。
だいぶアナログの色彩、質感を再現できた気がする。アイシャドウの蛍光ピンクとか、目の水色の感じとか、こういうのが家庭用スキャナだと燻んでしまって出ない色の代表なんですが、セブンの複合機だとこういう色もきちんと拾ってくれます。
周囲をトリミングして、レイアウトを整えたのがこちら。
当初の想定どおり、おっぱいとロングヘアの両立した、いいイラストになったと思います。モーニングスターの鉄球部分もちゃんとアクセントになっていて、錫杖から変更したのは正解でした。でっかいB2サイズのタペストリー用に描いたんですが、これなら大きく印刷しても画面が持つし、部屋に飾っておいたら楽しいんじゃないかと思います。というか自分で飾りたい。届くのが楽しみです。
B2サイズのWスウェードタペストリーは、メロンブックスさんで予約受付中です。コミティア147開催記念のグッズで、受注生産なので確実に手に入りますが、逆に言うと在庫が残らないので後からは手に入りません。3月3日までの受け付けとなるそうなので、ご興味のある方はお早めにどうぞ。
※コミティア会場では販売しておりませんので、ご注意ください!
では、また次回で。
Whititll Rose
2024-02-22 11:40:02 +0000 UTC