個展『LONG LONG HAIR GIRLS』展示用イラストのメイキング、今回は中編になります。前回で下描きが全て終わり、いよいよペン入れに入ります。
下描きは全部で14枚。これを1枚ずつペン入れしていきます。ちなみに下描きが終わったのが6月16日。17日は下描きのスキャンと、それをもとにした額縁の発注で1日潰れます。本当は完成した絵をもとに額縁を選んで額装したかったのですが、日程的にもう今注文しないと間に合わないので、下描きをもとに『こういう感じで色塗りするから、きっとこの額とマットが合うはず!』と仮定して発注しました。
そして、6月18日からペン入れがスタート。個展初日は7月13日ですが、諸々の準備やイラスト集の入稿を考えると、7月7日までには彩色も含めて終わらせておきたいところです。
まずは『Papular Beautie』からペン入れ。背景が(ペン入れする必要が)ないので、半日くらいでスピーディーにペンが入ります。ちなみに最近、主線を引くのに使っているのはCOCOIROという筆ペンです。インクが染料のため薄い・乾きにくい・ホワイトとの相性が悪い等々と問題点も多いんですが、それを差し引いても入り抜きの綺麗さ、コシの強さが抜群で、素早くペン入れができる逸品です。おすすめ。
この日はもう1枚『Chubbily Venus』もペン入れが終わります。
ちなみに股間の陰毛は、髪の毛との差別化のため筆で描く予定なので、ペン入れの時点では空白になっています。1日2枚ペン入れできれば、残り14枚なので、7日でペン入れが終わる計算。だいぶいいペースです。このままいければ安泰ですが……?
6月19日、『入学式』『初聖体拝領』の2枚がペン入れ終わり。
1日2枚のペースは守れているものの、どちらも背景のペン入れがなく、また紙のサイズも小さめです。このサイズのなら1日3枚はペン入れできないと、今後もっと作画カロリーの高い絵が残っているので心配です。大丈夫か。
あとよく見ると花束とかカバンの絵柄とか、めんどくさい部分を抜かしている。
本当に大丈夫か。
6月20日。写真を撮ってなかったんですが『リトルサマー』『JAPONISM』の2枚のペン入れを終わらせます。ペース的には良いものの、この2枚も小品なので、こんなのに1日かかっていたらこの先が本当に不安です。
そして6月21日。疲れが出たのか1日何もできず。早くも『1日2枚で、一週間でペン入れを終わらせる』という計画が脆くも崩れ去ります。
6月22日。『観光部族(II)』のペン入れ。正面の顔が上手くいかず、時間がかかってしまいます。正面顔、一生うまく描ける気がしない。
なんとかなったように見えますが……
よく見ると、上から紙を貼って修正しているがわかります。もうどうしようもないから、別の紙に新しく描きなおして、それを貼り付けたというわけです。
輪郭線に合わせて切っているので、こうして角度を変えてみないとほぼ気づきません。面倒臭い修正なんですが、アナログのこういう図画工作的な作業は好きですね。
あと背景にいる女の子を無駄に描き込み過ぎてしまった。
6月23日。『観光部族(II)』のペン入れおわり。
結局この1枚のペン入れに2日かかってしまった。背景もまあ大変っちゃ大変なんですが、正面顔の修正に半日くらいかかっているので、それが原因ですね。
『観光部族(II)』は黒髪なので、『リトルサマー』の金髪とはペン入れも異なります。
金髪のほうは、丸ペンでとにかく細かく描き込んで情報量を増やしておくんですが、黒髪の方は今回、それとは別の描き方を想定しています。色塗りでなんとか上手く良い感じにしようという魂胆なのですが、果たして上手くいくのやら……。
あとこれを描いてる間に『ヒストリエ』の12巻が届いたので、休憩中に読んでいます。この巻はめちゃくちゃ凄いのでみんな絶対読んだ方がいい。
閑話休題、6月24日は『退屈な入院』のペン入れ。
だいたい終わっているようにも見えますが、髪の毛の細かい描き込み、人形などの小物のディティールなどが、まだ描いてありません。小物がいっぱいあるので作画カロリーが高い。明日以降の残業に持ち越すしかありません。
6月25日〜26日で、『VACATION!』のペン入れ終わり。
やたら時間がかかった。キャラが多い絵はどうしても時間がかかるし、描いてるほうも疲弊します。この時点でペン入れ開始から一週間あまりが過ぎて、14枚のうち7枚が(ほぼ)ペン入れ終わり。当初の予定の2倍のペースで遅れています。なにひとつ計画通りに進まない……。
6月27日。『酒カス姫』をペン入れ終わり。
これはキャラクターが1人だけなのと、下描きがしっかりしていたので、そこまで苦戦せずペン入れすることができました。残業する時間も少し残ったので、
保留してた『退屈な入院』の髪の毛なども、この日の残業で描き終えてしまいます。
あと、このタイミングで印刷所に発注していたグッズがいくつか届きました。中でも『アクリルライティングスタンド』はちょっとした面白いものだと思っています。
夜に光らせるとビックリマンシールみたいにキラキラする。ちなみに個展開場で完売したため、現在在庫がありません。再生産は未定です。
6月28〜29日、『辛キチ姫』ペン入れ終わり。
なぜか『酒カス姫』より時間がかかっています。この間の写真もほとんど残っていないし、本人もよく覚えていないので、なんでこんなに苦戦したのか謎。ちなみにこの時点で右手前メニューの『極』の字が間違っており、色を塗り終えたあとにTwitterで指摘され、あわてて修正することとなります。この時点で気づいていれば……。
6月30日、『二国間会談』のペン入れ。1日かけて終わらず。
この日はペン入れ前に注文した額縁が届いたので、それのチェックにも時間が取られたとは思うんですが、それにしてもまずいですね。ペン入れが終わらないまま、6月の方が先に終わってしまうという始末。もう本当に間に合う気がしない。
7月1日、『秘密の信仰』のペン入れ。
背景の廃墟の石積みとかをコツコツと描いていきます。こういうのは『蝋燭姫』の時に死ぬほど描いたので、今でもコツを覚えていますし、自分でも描くのが好きな素材なので、楽しくスラスラと進んでいきます。
7月2日、ようやく全てのペン入れが終了!
『秘密の信仰』の少女たちの髪の毛も、しっかり描き込んであります。描いてない少女たちは黒髪なので、この後の彩色作業でなんとかする予定です。
髪の毛や、机の上の商品のロゴが描いてなかった『二国間会談』も無事おわり。
ほっと一安心……と言いたいところですが、スケジュールを再確認すると、個展初日が7月13日、準備やイラスト集の入稿のために全ての絵を仕上げておきたい日が、7月7日。で、ペン入れが終わったのが7月2日。あと5日で14枚のイラストの着彩を終わらせるというのは、ちょっと現実的ではありません。
この時点でイラスト集の入稿をあきらめ、『とにかく個展初日の13日までに絵を間に合わせる』方向にシフトします。イラスト集は後日入稿・販売することにして、それでも残り10日、1日1枚塗っても間に合わない計算です。いや、マジでどうするんだこれ???
というわけで次回はメイキング後編、アナログでの着彩作業です。1日1枚以上塗らなければ終わらない状況で、果たして個展に間に合うのか? では、また次回で。