手話漫画について、ちょっとした裏話や
手話に関する簡単な解説をしたいと思います
↓これは今までtwitterにアップさせて頂いた手話漫画の
原寸サイズのpngデータをまとめたものです
(twitterにアップされた作品は30%に縮小したものです)
オマケとしてこちらにまとめさせて頂きました
(このファイルについては特に期限は決めておりません)
裏話や解説に合わせるために、手話漫画をアップロードさせて頂きます
【注意】
これ以降は、私なりの解説や、作品に対する想い、ネタバレを含みます
読みたくない方はここでやめることをお勧めします
【第一話】コトバ
手話は、単に手の動きだけではなく、顔の動きや、口の形などにも意味があり
それら全てを含めた一連の動作から成り立つ言語です
例えば1ページ目の【今日はどうする?】と言う会話は
相手に尋ねる『wh疑問文』となっています
wh疑問文の場合、基本的に
手話の動き+眉上げ+目の見開き+小さく左右に首振り
の表現を用います
漫画で言う1ページ目の最後から2番目のコマ、
人差し指を左右に振っていますが
この
「人差し指を左右に振る動き」+眉上げ+目の見開き+小さく左右に首振り
の表現が合わさって、初めて相手にたずねるwh疑問文の手話表現となります
漫画の中でこれら全てを表現する事がとても難しく、
そしてテンポなどを考慮しこの辺りの説明や表現はカットしています
代わりに出来るだけ手話の形をしっかり見せる(分かる)ように心がけています
※表現出来そうな場合は取り入れようと思っています
他にも漫画だけでは表現が難しい部分、例えば2ページ目の3コマ目
親指と人差し指をくっつけている手話表現ですが
これを正しく表現するためには
【親指と人差し指を2回くっつける】必要があります
こういった数回繰り返す手話表現だったり
手を交互に動かしたり、円を描いたり、ヒラヒラさせたり、
と言うようなものを解説なしで説明する事が非常に困難です
ですが、twitter上で手話漫画を上げる際に
そのような解説をする予定はありません
手話に触れるキッカケを最優先したいのと
私の作品は教本ではないと言う面があるからです
ですので【手話ってなんかいいね】くらいに感じて頂けたら
それだけで私としてはとても嬉しいのです
興味を持って頂けたら更に嬉しいですが!(笑
第二話【賑やかな食事】
第二話の1ページ目4コマ目の手話ですが、
これは両手を交互に動かしています
表現の描写が難しくて頭を抱えました…
この第二話では【まし】と言う手話表現が出てきます
「まし」と言うのはろう者にとって「かなりいい」意味で用いられます
このように、
聴者(耳が聞こえる人) と
ろう者(耳が聞こえない人) の間では、違った意味を持つ言葉がいくつかあります
ではここで【悪くない】と言う言葉を聞いて、どんな意味を想像するでしょうか
私は最初、可もなく不可もなく、みたいな
普通よりワンランク下のような意味だと思っていました
「悪くない」は、ろう者にとって「最高の誉め言葉」として用いられます
これを知った時は私も驚きました……
このように様々な違いがある事が面白く感じる反面
互いの認識の『ズレ』を作る原因でもあったりします
それらを手話漫画として通して、読んで下さる方に
ほんの少しでも伝わればいいな、と思っています
第三話【字幕】
この「字幕」と言うお話、聴者の方たちには馴染みがないかもしれませんが
邦画には基本的に日本語字幕が付きません
邦画に日本語字幕付きの映画も上映されたりもしますが※
それはかなり限定的な映画館で、限定的な期間であったりして
ろう者や難聴者、視覚障害者の方などが自由に
映画を楽しめていないのが今の社会だったりします
(※バリアフリー上映)
聞こえる人たちからすると日本語で喋ってるのに字幕があったら邪魔だ、
と言うような感想を持つ事が大半だと思います
この作中には描くスペースがなかったので説明はありませんでしたが
一部の映画館では聴覚障害者の方へスマートグラスというものを貸し出しています
ざっくり説明すると、掛ければ、そのグラスに
映画の字幕が流れるというスグレモノです
つまり字幕が必要な人にだけ字幕を付けることが出来るグラスですね
ただ、まだまだ問題点が多く、普及に至っておりません
『第三話:字幕 で使われている手話単語の説明』
基本的に右上から左下へ向かって順番に単語説明します
1ページ目 3コマ目
木更津:/ 見る 何? / (wh疑問文)
1ページ目 4コマ目
津田沼:/ 任せる /
2ページ目 5コマ目
木更津:/ すぐ 行く /
3ページ目 1コマ目
木更津:作品に向かって指さし / あれ / + / 作品 字幕 /
2コマ目
/ ない /
3コマ目
/ うなずき /
4コマ目
/ 一緒 見る /
4ページ目 1コマ目
木更津:/ (~の)時 /
2コマ目
/ 借りる する /
3コマ目
/ 構わない /
6コマ目
津田沼:/ 同じ /
日本語に翻訳した時に、こんな感じの意味になるだろう、
と言う感じで訳しています
【番外編:価値観が変わるとき】
【番外編:第一言語の違い】
木更津は最初、『筆談さえ出来ればいい』と思っていましたが
津田沼に出会い、考え方が変わりました
この漫画の説明にもあるように、第一言語の違いの差は大きく
手話を第一言語に用いるろう者にとって、日本語は第二言語
聴者である方が、第二言語である手話が難しい、と言っているようなものです
ろう者は接続詞や助詞などの使い方に苦労するようです
その外にも、【まし】や【悪くない】と言った言葉のように
捉える意味の違いがあったりして、筆談でコミュニケーションを取ろうとしても
上手くいかないケースと言うのは実際にあるようです
木更津はこの辺りを学習し、手話を覚えようと至りました
『手話を覚えることは相手とのコミュニケーションのズレを小さくする』
そういう目的がありました
(こういった内容を描くとしたら、長編の手話漫画で描くかもしれません)
といった感じで、twitter上だけでは語れない部分が沢山ありました
勿論、ここで話した内容を今後漫画に反映させる事もあると思います
次回の手話漫画で二人が行く場所は【銭湯】を予定しております
6月か7月中に描けたらいいなと思っています
ではでは、読んで下さり、ありがとうございました!
オロー
2020-06-08 12:59:21 +0000 UTC