「R.I.P.」 ー 2話です。 これのタイトルは、よく聞くワードですね。 rest in peace(意訳:安らかに眠れ) 本来は墓石に刻むようなちゃんとした言葉ですが皮肉で使われがちなイメージもありますね。 ですが今回つけたこのタイトルにはもう一つの意味があります。 それが「Radically Invasive Projectile」です。 Radically(過激に、徹底的に) Invasive (侵襲的、侵入) Projectile(発射物) という意味で、合わせてまとめると「過激に侵入する発射物(弾)」という文になります。 これは私が考えたわけではなく、実際にある銃弾の名前なんです。 この回に出てくる、月華が「クールだ…」と嬉しそうに眺めている弾は「R.I.P.弾」というものを参考にして描きました。作中に名前は出していませんが元ネタがあることを伝えたいなと思ってタイトルにしました。 でもこの回のタイトルとしては普通に皮肉っぽく「安らかに眠れ」のつもりでつけました笑。実際、殺されかけてますからね。 ここから先は銃に詳しくない人向けのちょっとした解説になります。 (知ってる人は読み飛ばしてください) 千春が仕入れた弾は先端が凹んでいる形状で「ホローポイント」と呼ばれている弾です。月華が「ギザギザしてる」と言っているので凹んでるというより尖っている印象を抱くかもしれませんが、そのギザギザで囲われている中央部分が凹んでいます。 そういう、中央が凹んでいる弾のことをホローポイント弾と言います。通常は横から見ると弾頭が台形のようになっているイメージですね。 R.I.P.弾は製品名ですが、ホローポイントというのは形状名みたいなものです。 先端は台形ではなく、尖らせた方が強いのでは…?と思われそうですが、ホローポイントが強力とされている理由が4ページ目の千春のセリフです。 凹ませることによって、対象物に当たった時に弾が潰れて先端が広がるような構造になっているんです。 どんな風に広がるかっていうのは物によって違いますし言葉ではなんだか説明しにくいので「マッシュルーミング現象」で検索してみてください。なんとも言えない形になるんですよね。 そういう現象が起きた結果、どうなるかというと「貫通しにくくなる」ということになります。 貫通するより体内に弾が留まった方が危険とされる理由は、私も物理は人体にそこまで詳しいわけではないですが調べた感じは ・体に当たった瞬間に弾の動き(運動エネルギー)が消えるわけではないため、それを全て体内で受け止めてしまうよりは貫通した方が物理的なダメージは少ない(?) ・体内で弾に動き回られるとより激しく傷ができる ・弾が体内に残ると感染症などの危険も高まる といったような内容でした。 しかし貫通するしないに関わらず、当たった時点で大怪我ということは変わりないですし「ホローじゃなければ大丈夫」なんてことは決してないです。ダメージの大きさは当てた箇所や射程距離にもよりますし、弾が優秀だからといって必ず殺せるというわけではありません。 ただ、その可能性を限りなく高くしたのが、この「ギザギザホローポイント弾」というわけです。 弾の重さも使い心地や威力、精度に影響しますが、R.I.P.ってこんないかつい見た目なのに一般的な9ミリ弾よりちょっと軽いらしいんですよね。 僅かな差ですが、軽いってことは真っ直ぐ飛びにくい可能性があるってことなので射撃の技術や対応力が試されますね。 ちなみに、月華ちゃんが使っている銃のモデルであるベレッタM92F は基本的には9ミリパラベラム弾という別の種類が使われるのでこの辺のリアリティは割と曖昧ですね。千春に「月華ちゃんの銃でも使えるようになってるから大丈夫よ」って説明させたのは「全然違う弾入れて大丈夫なのか?」と思われたとき用の保険みたいな意味もあったりします笑。(RIPの9ミリもありますし拳銃で実際に撃ってる動画もあったので不可能ってことはなさそうですが) パラベラムもホローポイントはありますから、月華ちゃんは普段はもしかしたらそれに近いデザインの物を使っているかもしれませんね。(作中で名前が出てきたことはないけど) 貫通しにくいということは、弾が突き抜けて関係ない場所に当たってしまったりあっちこっちに跳ね返るというリスクが多少減らせるのでそういう意味でも月華ちゃんはホローを選びそうな気がします。 でも静止画だと細かい弾の動きとかを描くのは困難なので、どうしてもその辺の描写はなんとなくになってしまいがちです。今後の課題ですね。 こういう脚本で進めるなら、リアリティはガン無視でいっそのこと100パーセントファンタジーの武器を作っちゃった方がいいかなとも思ったこともあります。魔法のビームが出る銃にしちゃえば設計がどーのこーのとかリアリティ云々とか考える必要も減りますから。 ですがそれはそれで脚本作りに別の大変さが加わりますし、そもそも今まで魔法なんかない世界って設定でやってきたのでそういう選択はできませんでした。 銃が勝手に作られまくってる世界って時点でファンタジーではあるんですけどね笑。 というわけで、以上が銃の簡単な解説でした。 なんか間違ってたらごめん 銃の話ばっかりしちゃったけどこの回のMVPは間違いなく彩綾ちゃんですよね。 桜を傷つけず、自分もこの場を離れることなく、月華ちゃんにこの状況を知らせるために取った行動が「撃てよ」の一言。 痺れるぜ。マジで撃たれたらどうすんねんって感じだけど「1032番」に執着している様子を見て、すぐに自分を殺す気はないだろうと判断したのかもしれませんね。それにしても賭けに出すぎだろうと思いながら書いてました。 ブチギレ月華が映る最後の2コマは3回ぐらい描き直しました。 顔もそうですが、意外と難しかったのが足が映るコマです。 こういう、体の一部分だけが映る構図って背景との整合性が難しいんですよね。 全体的に、色合いの演出とかもこだわりました。 事務所のシーンは白い蛍光灯、バーのシーンは青っぽい照明があるイメージで。 あと、これはただの偶然の産物ですが月華が置いていった千円札のおかげで桜はレジの付近にいて運よくカウンターの下に隠れることができたので、実はこの回、月華のおかげで命が繋がってるんですよね。 ありがとう小暮。 氷まみれの炭酸水に1000円も払うという人情溢れる行動のおかげで桜は助かった。 では、2話の振り返りはこの辺で終わります。 次は3話ですね。