騎士団長さまのご帰還①
Added 2023-10-08 15:00:00 +0000 UTC緻密な計画が功を奏し、我が騎士軍の長である団長の奪還に成功した。往路に敵の痕跡が確認された為、復路は少数精鋭の隊を更に分け、領地より踏み出た後に合流することとなった。ディエゴは騎士団長と二人、行商人に扮して町に潜んでいた。 「レオネル様、おっしゃってください」 街角の古びた宿屋。ベッドに腰を下ろす団長の前に、ディエゴは跪いていた。頭を下げた男の表情は伺えない。しかし彼の様子は、救出時よりどこかおかしかった。二ヵ月に及ぶ拘禁生活。憔悴は予想の内であったが、明らかにそれだけではない様子に、一体どんな扱いを受けたのか。考えるだけで腸が煮えるようだった。 「……レオネル様」 敵陣より遠ざかるほどに不調は顕著となり、街に踏み入ってすぐ、その膝が地を突いた。 「足ですか」 そっと手をおくと、熱いものにでも触れられたかのように膝が跳ねた。やはり、と察するも首を振られ、 「……悪いが、ひとりにしてくれないか」 数刻前にも同じことを言われた。しばし宿を離れるも現況に変化はなく、むしろ悪化したように、ベッドの上にうずくまり、吐息を乱す彼の姿。肌を湿らす汗。紅潮を灯す頬。かすかに震える肢体は、痛々しく、弱々しい。窮地に追い詰められた時も、三日三晩寝ずに進軍した時も、活気強く皆を鼓舞し率いた、気高い男が、 「どうかおっしゃってください。日の高い内なら薬も用意できます。街を出た後は、また道なき道を進まねばなりません。懸念材料は捨て置かねば」 団員と落ち合うまでに、追っ手がこないとも限らない。レオネルが顔を上げた。整った眉が苦しげに歪んでいる。 「……おまえの命まで、脅かすわけにはいかないな」 「おれのことはかまいません。あなたが」 「嫌なことを頼む」 なんなりと。ディエゴは即答した。しかしレオネルが服を脱ぎはじめたのをみて、驚きに目を丸くした。しゅるりと下履きが床に落ちる。肌を晒した足に、負傷と呼ぶほどの傷はない。ではなにが……と疑問に答えるように レオネルは下着を取り去った。 まず、この場にそぐわぬ勃起に目がいく。その次に陰茎の根を縛る細縄に。それから、 「……ここ、に」 片足を上げて広げられた陰部の奥。赤く、濡れた窄まりに。 壁に背を預け、開いたレオネルの足の間にディエゴは腰を据えた。二人の男を乗せたベッドはわずかな身じろぎで軋み、つられるようにディエゴの鼓動も奇妙に高鳴った。そろりと手を伸ばし、窄まりに触れる。強張る内腿を視界の端に捉えながら、指を沈めていく。抵抗もなく、まるで女性器のように、後孔は節くれ立った中指を飲みこんでいく。 ──魔改造されたスライムが、内側から臓を蝕んでいる。 俄かに信じがたい事実が、第二関節まで進んだ先で触れた、ぬるりとした感触に裏付けられる。 「これが……」 それは歪な円の形に広がり、一部の肉を食むように取りついていた。表皮は潤滑油のようなものを纏っており、そのせいで濡れるはずもない器官が濡れそぼっていた。スライムの浸食範囲をたしかめるように、周囲をなぞる。 「っ、っ……」 指がうごくたびに、筋立った腿が震えた。 「痛いですか」 レオネルは小さく首を振った。先走りを零す熱を一瞥してから、視線を戻す。盛り上がったスライムの、その頂点に指を乗せて気がついた。 「これは、動いているんですか」 指の腹に伝わる蠕動。スライムは、まるで取りついた肉をしゃぶるかのように蠢いていた。 「そっ……だ、そのせいで、っ」 びくん、とレオネルの背が丸まり、下ろした右手がシーツを握りしめた。 「自分の指では、取れないんだ」 力が入らずに、と続けて、 「たのむ……取ってくれ」 低く、掠れた声の懇願に、胸の奥がざわめいた。 「……はい」 一度指を抜き、二本揃えて挿入する。熱を帯びた肉壁が指に絡みつく。 「……っ……!」 押し進めた指を開き、取っ掛かりもないスライムを両側から挟みこむ、 「んんっ……!」 そのまま引き摺りだそうとしたと同時、 「うああ゛っ、あぁっ……!」 スライムの蠕動が激しくなった。抵抗するようにそのからだを波立たせ、覆った肉壁をいたぶっている。スライムの分泌液が淫猥な水音を立て、その音に呼応するように、レオネルの下腹部がビクビクと震えた。 「あっ、っ、……ッ!」 背が壁をずり落ちていく。指を的からはなすと、スライムの抵抗は徐々に落ちついていったが、 「はあ、っ……っふ、ふ」 みだれた呼吸に合わせて、汗ばんだ胸元が上下する。震える肌を見下ろしていると、彼ははっとした様子で身を起こした。すまない、と小さく述べられた謝罪を再開の合図として、スライムへ指を伸ばす。その弾力を敵と学習したのか、今度は触れただけで激しくその身を揺さぶりはじめた。 「うあっ、ッ」 レオネルは自らの両手で口を塞ぎ、 「んんっ、ぐぅ……う……っ」 まぶたを強く閉じ、きつく眉を寄せた。ふとその表情が視界を掠めると、目を離せられなくなった。彼を見つめながら、スライムの上に指を置く。抵抗を抑えつけるように深く指を沈めると、敵意を悟ったスライムが強烈な振動を繰りだした。 「ッッ゛!!!? ッ、ッ、ッ────!!!」 指先が痺れそうなほど細かく、激しい振動。レオネルの目が見開く。全身の筋を突っ張らせたかとおもえば、次の瞬間には封を切ったように激しく痙攣しはじめた。ディエゴは男の膝を抱え込み、さっきよりも強い力でそれをひき摺りだそうと試みる。しかし反発するスライムは余計に肉にへばりつき、震えたまま、ぢゅうっとそこに吸いついた。 「ッ、んん゛ッ─────!!!」 レオネルが激しく身をよじる。上半身はベッドにずり落ち、足をばたつかせたせいで、指が秘部から抜けおちた。 「っふ、~~~~っふぅ゛、ッ、ッ、」 口元を押さえながら、シーツの上で丸く縮こまる。震える肌の上を汗がつたい落ちていく。びく、びくっ……と余韻に浸るように断続的に跳ねる身体を見下ろしながら、ディエゴは数時間前のことを思った。 ……ひとりで、これをしていたのか、彼は。自分がいない間、ベッドに伏し、足を開き、……みずからの指で。 「レオネル様。そのように身をかわされると、うまく的を掴めません」 レオネルは緩慢に首を上げた。乱れた前髪が落ち、色素の薄い瞳がディエゴを見た。 「……おれを、縛ってくれないか」 折りたたんだ状態の足を縛り、膝に通した縄を寝台の上部の柵へと結びつけた。頭上に重ねて縛りあげた手も同様に柵へと結ぶ。固く縛りあげたことで、満足な身じろぎもできない不自由な恰好。天井に向かって急所をさらけ出す、無防備な恰好だった。 「……すまない、こんなことをさせて」 恥じ入った表情で彼が言った。ディエゴは、いえ、と短く返し、後孔に指を宛がう。両手を戒められたレオネルは、代わりに唇を噛みしめた。 「……っ」 蕩けた肉壁が二本の指を受け入れる。咄嗟に閉じかけた膝が、無駄に縄を軋ませた。 「……んっ、ッ、ぅ……っ」 再度触れてみて気がついた。指先に感じる盛り上がりは、スライムの厚みのせいだけでない。これが取りついた場所自体に、膨らみがあることに。 ……男の内側に、いいところがあるのだと、酒場で酒の肴にしたような下世話な話を思いだす。 「ッ……んん゛っ!!?」 スライムの上から、その膨らみの形、脈動を確かめるように撫でる。そうして確実に指先に捉えてから、ぎゅうっと圧迫するように指を押しこんだ。 「っ、っ~~~~~~♡♡!!?」 レオネルの首が反り、肉壁がきつく狭まった。 「っ……ぅ゛……っア゛、あぁ゛あ……っ!」 締めつけにより、余計に指がそこに沈む。より形を鮮明にしたしこりを、押しこんだままぐにぐにと揉みしだく。ついで、異物に反応を返すスライムの蠕動も激しくなった。 「───っひ♡♡!!? あっ、あ゛ぁあっ♡♡ なっ……っぐ、んん……っ、っ゛~~~っぅ、あっ、ァア゛ッ!」 溢れだすあられもない声。慌てて唇を噛みしめようとも、揃えた指を左右に揺さぶれば、すぐに口が開き、弾けるように嬌声が漏れた。 「あ゛っ……っ、っ、っ~~~~~♡♡!!」 レオネルの顔が真っ赤に染まっていく。それでも指を止めずにいると、拘束の中で激しく身を捩り始めた。しかし堅く縛りあげられた中では、ただギシギシと縄の軋む音が立つだけで、スライムはもちろん、ディエゴの指もその膨らみを離すことはなかった。僅かにうごける範囲内で極限まで背を反らせ、数秒後にがくんとシーツに落ちる。 一度、指をそこから遠ざけた。 「はっ、はー、はーっ、ぁ……っ」 「痛いですか」 首を横に倒したまま、ただ息を乱す。彼にもう一度問うても、返事はなかった。 「……きもちいいんですか」 「は、っ……」 半分落ちかけていた瞼が開く。 「感じているんですか、ここで」 「……ちが、っ」 否定を反応が覆す。刺激が退いた今も、いまだ震える肌が彼の口より弁明にそれを語っていた。 「っ、ディエゴ、もういい、すまなかった、もう十分だ、指を抜いてくれ」 「なぜですか。まだ取れていないのに」 スライムを摘まみ、手前へ引く。剥がされまいと貼りついたそれが、引かれる強さのぶんだけ膨らみを吸いあげる。それがどれほどの感覚をもたらすのか、レオネルは筋だった内腿をガクガクと震わせながら、顔面を更に血色よく染め上げた。腹にぽたりと落ちる、先走りの蜜。彼の体躯に見合った立派な陰茎は、根を縛られたまま充血していた。 「あ……!?」 その熱を手のひらに包むと、焦ったように縄を軋ませた。 「ここは? なぜ縛っているんですか?」 「やっ、やめろ、離してくれ……!」 これ見よがしにみせつけておいて、そんなことを言う。緩く竿を扱くと、ディエゴを止めようと手前に浮きかけていた頭がぼすんと枕に落ちた。 「あぁ゛……っ!」 「答えてください」 扱く速度を上げる。レオネルは顎を反らせ、張り詰めた勃起を扱かれる刺激に打ち震えた。後孔を責める手も再開させると、反った喉から攣ったような声が漏れた。 「………ひッッ、ィ゛っ────♡♡♡」 多重にかさなる刺激。逃げ場のない快感に、拘束のなかでレオネルの身体がバウンドする。ベッドのスプリングがひどい音を立てながら、彼の抵抗を吸収する。ディエゴは刺激に震える性器を淡々と責めたてた。その内にレオネルが口を開けた。 「……だっ、だすと、ッ、ちからが抜けて、しまう、んだっ、っ~~~から゛っ♡」 「射精すると? ということですか? それだけ?」 身を屈め、再度問う。逃げ惑う瞳に追い打ちをかけると「に、においで、ばれる」と白状した。 彼の、おかしな態度に合点がいった。一体いつからこの緊縛がなされたかは知らないが。彼は自分や、ひょっとするとまだ団員らがいる頃から、スライムの密かな蹂躙に晒され、射精を抑制しなければ耐えられないほどに追い詰められていた。ほほ笑みさえ浮かべて、陳謝の言葉をつらねた際も。道中に軽傷を負った自分を気遣った際も。街中でくずおれた際もずっと、その心身はただ快楽にまみれていた。だれでもない、追及するまでもない、まごうとこなく。敵に植えつけられただろう、この淫靡な魔物によって。 「なっ」 根を縛る紐を解いていく。 「あなたの肉が指を締めつけすぎていて、うまく動かせません。いっそ射精をして、力を抜いていただいた方がよいかと」 「待てっ、だめだっ、や、やめてくれ、それは───っ」 紐が落ちる。ディエゴは陰茎から手を離し、代わりに後孔を埋める指を鉤型に折り曲げ、敏感な場所を強く圧迫した。 「───ぅ゛あッッ、あぁあああ゛っ!!」 びゅるりと絞りだされた精液は、彼の首元まで散った。どれだけ溜めていたのか。勢いのいい射精をもっと見ていたくて、しこりを虐める指を三本に増やして丹念にそこを刺激する。 「っ、っ~~~~あ゛ぁあッ、あっ、アァア゛ッッ♡♡!! や゛っ、やめ゛っ、そこ……ッあぁ゛ああっ……!!」 スライムは常にぬちゅぬちゅと快楽の核をしゃぶっている。その上から揺さぶりと圧迫をかけてやると、腹に垂れた性器は簡単に精を飛ばした。 「ひぃ……ッ、イ゛っ、ッッ……♡♡」 「すごいですね。尻だけでそう何度も達せるものですか」 「っぅ゛、ッ~~~~~うぅうう゛っ♡♡」 射精が落ちついてくると、陰茎を扱いた。上から下へ、絞るように扱きあげる。そうすると彼はまた白濁で自らの腹を汚しながら達した。手のなかの熱。その弾力。男のからだに興味はない。しかしたかだか手淫でこれほどまでに感じ入る、その態度に腰の中心が熱くなっていった。 「い゛っ……くっ♡♡ イ゛くっ、っも、いくっ、イく、ぅ゛、うぅうッ~~~~~♡♡♡」 なにを今更。ずっとイッてるだろうに。深い訪れに堪えるように体をこわばらせたレオネルの、赤く膨らんだ亀頭を撫でまわすと、拘束された四肢が大きく跳ねた。 「───あ、ァア゛ッッ♡♡!!!」 宙を掻く爪先がビンと突っ張って、彼のペニスから尿とも精とも違うものがぷしゅっと吹きでた。ディエゴは一瞬おどろいたが、 「はっ……あ゛、っ、っう……み、みるな……っ」 みないでくれ、と鳴く声に、これも仕込まれたものかと知り、亀頭を嬲る手を再開する。 「ひっ……いぃい゛っ♡♡!!? や゛っ、やめ、いまっ、あ゛っ♡ あっ、ア゛っ……イッ──いぐっ、いくっ、い゛、また、っあぁあ゛……ッッ!!」 レオネルは顎を反らせて悲鳴を上げた。また潮を吹くかとおもったが、今度は勢いのない精がとろとろと漏れでるだけだった。後孔の性感帯を揉みしだく。そうしてペニスの裏側から押しこむたびに漏らす、雄として欠陥めいた射精だった。 「……っは、……っひ、ィ゛っ!?」 スライムを摘まみ、強く引く。指に少しの捻りを入れると、スライムは敏感な膨らみに吸いついたまま激しい振動をくりだした。レオネルは顎を反らせたまま、全身をガクガクと震わせる。後孔の痙攣が指をしゃぶる。 「あ゛っ……っが、ッ、っ─────♡♡」 首を反らせ、舌を突きだし、その瞳は宙を舞う。亀頭をぬるりと撫でると、簡単に潮を吹いた。 「あぅ゛ッッ!!?」 更に指を引くと、ぢゅぽんっと音を立ててスライムは腸壁を手放した。異物を後孔から抜きさる。依然として蠢く、グロテスクな塊をそこらに投げ捨てると、目標物を失った魔物はうねうねと床を這った。 「……っは、……はーっ、は、ぁ゛」 彼を、苛むものはもうなにもないのに。レオネルの腰は今も達しつづけているかのように震えていた。 「わたしたちがあなたを探している間、そんなふうにして、肉欲に溺れていたんですか」 朱に染まりきった顔に、青が混じる。 「ち、ちがう」 そろりと指でなぞる。レオネルの腹部を十字に切る、深い傷跡。 「……なにが」 この傷を負ったときでさえ、剣を振るい続けた強靭な肉体が、あんな小さな魔物に翻弄され、呆気なく膝を突く。 なにが、あったのか、なにをされたのかは知らない。しかし、 「結論は同じでしょう」 ディエゴは自身の欲望を窄まりに宛がった。レオネルの瞳が動揺に振れる。 「どれだけ、あの国の人間に、その姿をみせたのですが。それを恥だとは、おもわなかったのですか」 「ディエゴ、やめろっ、やめてくれ……っ!」 言葉とは裏腹に、腰を押し進めれば、その肉穴は抵抗なく勃起を飲みこんでいく。竿の太さに広がる括約筋。その肉の甘い締めつけが。彼が囚われているあいだに、どんなふうにその身を扱われていたのか。その痴態を想起させる。 「なっ……どうして……ッあぁっ」 レオネルは揺れる瞳でディエゴを見つめた。屈辱よりも、絶望に濡れる瞳。しかしその奥に透けてみえる恍惚に、ディエゴの胸に深い劣情と落胆が渦巻く。中腹まで埋めたペニスを、一気に奥まで押しこんだ。 「っ───んん゛ぅ……っ♡!!」 それだけで。 とろりと、彼の腹に垂れた精液に、目の前が真っ赤に染まるような衝動が駆け抜けた。腰を引き、先端を残して抜き去り、間髪入れずに奥まで突きこむ。 「あぁ゛あっ……!!」 溶けそうなほどに熱い肉だった。腸壁を埋めるペニスを離さまいと絡みつき、抜こうとすれば吸いついてくる。ディエゴは縛られた足を抱え込み、上から下へ落とすような長いストロークで肉穴を穿つ。 「あぁあ゛っ!! ああっ、ッ~~~~んっ、んん゛っ♡♡」 恥も外聞もなく喘ぎ倒していたくせに。急に唇を噛み、首を振り、あからさまな拒否を示す。 「んんん゛ぅう゛っ♡♡ っ、っ~~~~~♡♡!!?」 意味がわからない。敵のペニスは何本と咥えてきたくせに、自分のそれは受け入れられない意味がわからなかった。こみ上がる理不尽な憤りのまま、ディエゴは狭い肉穴を執拗に犯した。抵抗を示す身体を抑えつけ、肌が鳴るほどに打ちつける。 「───っひ、ぎっ、ッ」 肉壁がきゅううとペニスを締めつける。吐精はしていない。しかし彼が射精せずに何度も達しているのは明らかだった。もはや否定に意味はないのだと、知らしめるように窮屈になった肉壁にペニスをすりつけて快感を煽る。ふとカリ首にしこりが引っかかり、彼が一際高く喘いだ。スライムにしゃぶられていた箇所。彼の性的な弱点だった。挿しこむ角度を変え、そこに亀頭を押し当てたまま小刻みに穿つと、レオネルは唯一自由な首をぶんぶんと振り乱した。 「あぁあ゛っ───♡♡!! や……っめ゛、そこっ、ッ♡♡!!」 「どうしてですか?」 「あぁっ、アァア゛……ッ♡」 「なぜですか。理由を述べていただかないとわかりませんよ」 「───っ、あぅ、うぅう゛っ♡♡」 ふと視界の端に蠢くものを捉える。シーツを這うスライム。振り払おうとしたが、それが一直線に進む先をみて、手を止めた。 「あっ……や、なっ、なんで……やめろっ!」 スライムはレオネルの腰をのぼり、陰茎へと纏わりついた。更に先端へ向けて上がっていくそれに、レオネルは酷く焦った様子でそれを振り落とそうと足掻いた。まるで、これから起きることを知っているように。 「……っひ、っ、ッ────♡♡!!」 鈴口を覆ったスライムは、ぬぷりと、尿道口を割りひらいた。 「や゛っっ、あぁ……っ!! 抜いてっ、抜いてくれっ、いやだっ、ア゛……!!」 ぬぷぬぷとその身を沈めていく。レオネルは必死に腰を捩って抵抗を示すが、その肉棒は滾ったままだった。 「うぅう゛……っ」 スライムの侵入が止まる。入りきらなかった一部は亀頭に小さな山をつくっていた。覗きこめば、半透明のそれが尿道を埋めていること、そしてぐちぐちとなかの粘膜を甚振っているのがわかった。 「ひぐっ……うっ、う、あっ……♡ いっ、いく、だめだっ、イッ、い゛……ッ♡♡」 後孔を犯す肉棒は留め置いているというのに、レオネルは尿道の刺激だけで極めた。ペニスを包む肉壁が激しく収縮し、ディエゴに甘い快感をもたらした。 「ふっ……あ、……っあぁああ゛っ!!!」 腰の動きを再開させる。張りつめた肉棒でピストンを繰り返し、敏感な肉壁を擦りあげる。腹側のしこりを意識して穿つ。 「やっ……まてっ、だめだっ、だめ……っイ゛、っ♡♡ いくっ、いま゛、っア゛……ッッ♡♡!! あぁああ゛あっっ!!!」 レオネルは指が白くなるほど拳を握りしめ、刺激から逃れようと全身であがいた。しかし縄の戒めがそれを許さず、ただただスライムと男根と、その両方から弄ばれるだけの玩具に落としこむ。与えられる快感のまま満足に暴れることも、刺激を散らすこともできず、レオネルの体内に熱が蓄積されていく。その嵩の分だけ過敏になるようで、しなやかな筋肉を纏う肉体が、ほんの一突きで跳ねあがり、快楽に咽び泣く。さぞ楽しかっただろう。このからだを弄ぶのは。元から敏感だったのか。敏感にさせられたのかは知らないが、敵である屈強な男が、自分の肉棒であられもなく鳴き、乱れる姿は。 「っは、……あ゛、っ……」 唐突に、レオネルの身体が糸が切れたように弛緩した。意識が落ちたのだと知り、亀頭を残して勃起を抜いてから、一気に貫いた。 「─────ッッ!!?」 衝撃に叩き起こされた瞳が、震えながらディエゴの姿を捉えた。 「っ……ディ、エゴ、もう……ッ」 「やめてほしいですか?」 レオネルは頷いた。 「なぜ?」 「くっ……くるしい、あぁ……っ!」 恥部がふれ合うほど、深く挿入したまま腰をグラインドさせる。奥の肉を捏ねられて、辛抱たまらずに腰を引こうとする。しかしベッドのスプリングに阻まれて、ただ惨めに跳ね返るだけだった。 「はう……っう、あぁ゛……っ♡」 「苦しい? それくらいで、泣き言をいう人間でしたか?」 目と目をあわせて問う。視線から逃げようとするのを、ディエゴはレオネルの顎を掴んで咎めた。 「言ってください。どうしてやめてほしいんですか? なにがいやなんですか?」 「っ……イっ、いく、のがっ、ずっとイってるのが、苦しい゛ッ、ア゛、あぁあ゛っ……♡♡」 「だから?」 「だっ……から、っ、あ゛っ、もう抜いてっ、ぬ゛いてくださいっ……!」 レオネルは咆哮めいた懇願を叫んだ。叫んでから、気づく。自分を見下ろす男がだれであったか。 「……あ」 そして、その表情に。 顎から手を放すと、レオネルは、ちがう、と言って、かぶりを振った。ディエゴは浅く笑う。身軽になった手で男のペニスを握る。ぎゅうと優しく圧迫すると、外部からの刺激に狭まったなかでスライムがその蠕動を激しくしているのがわかった。 「───ッひ、やめ、手、はなしっ゛、ああぁあ゛っ♡♡!!?」 肉棒を扱きながら、腰を打ちつける。上下の性感帯を嬲られて苦悶の声を上げる男を無視してそれを続けていると、ぷちゅっとスライムの一部が尿道から飛びでた。もう枯れたかとおもっていたが、精液を押しだそうとしているのかもしれない。スライムはすぐに中に戻り、叱るようにくちゅくちゅと内側の粘膜を執拗に責め立てた。 「ア゛ッッ♡♡ あっ♡ イ゛っ、いぐっ、も、イくっ、ぅううう゛~~~~ッッ♡♡ あっ、あぁあああ゛っっ!! も゛っ、やめ゛、いくっ、いくっ、イッてる゛っっ♡♡ っもう、だ、っ、ッッ~~~~~♡」 不意に、汗ばんだ肌の上で尖った乳首を指で弾くと、それすらも酷く感じるようで、肩をぶるりと震わせた。どこもかしこも、そうなるように調教されている。もうこのからだに、触れられていない場所はないんじゃないかとおもうほどに。 「い゛──っ、く、ぅううん゛っ………♡♡」 絶頂からおりてこられないのか。レオネルの肢体は不随意な痙攣を繰り返していた。全身から汗が噴きだし、時折声も呼吸もなく喉を引き攣らせたまま極めていた。 「うぅ゛……っ♡♡ あっ、あ゛───♡♡ いくっ、またイくっ、そこ、ぉ゛あぁあっ、あ゛ぁああッ♡♡」 仲間のだれも、こんな彼は知らない。きっと想像もしない。わずかに胸を満たす優越感めいた感情が、しかしこの姿が先に暴かれた事実に濁っていく。精悍な顔つきがみだらに蕩け、だらしなく開いた口端から唾液が糸を引いている。これよりも、今よりも。ひどい姿を、敵に晒したのだろうか。もっと淫靡な表情をみせたのか。もっと惨めな懇願を口にしたのだろうか。ジリジリと腰の奥から沸きだす憤りが、余計にペニスを熱くした。欲望のまま腰を振る。レオネルの四肢が強張り、深いオーガズムに陥った。ペニスを包む長い締めつけ。ディエゴの肉棒がどくんと脈打ち、快感が迸った。 「あぁっ……♡ ……あっ、あ、でて、っ、♡」 射精に甘く鳴く。男の精で喜ぶ。恍惚の滲む表情を打ち破るように、スライムがへばりつく亀頭を手のひらで撫でまわすと、新鮮な悲鳴が上がった。その声がまた、ディエゴの欲望を滾らせる。 ……あと三日。 仲間と落ち合うまで、このからだは自分のものだ。