並び咲く純白のユリの花 #6 限界の訪れ
Added 2024-09-20 11:00:00 +0000 UTC6.限界の訪れ 「梨花ちゃん、おはよー」 「お、おはよ……」 か細い声で挨拶を返す梨花の様子はどこかおかしかった。 体にきゅっと力が入り、まるで何かを我慢しているかのようだ。 奏子の視線を避けるように横にそらした目は潤み、頬はわずかに上気しているようにも見える。 「梨花ちゃん……」 熱に浮かされたような梨花の様子を敏感に感じとったのか、奏子は相手を慮るような、問い糾すような微妙な表情を浮かべた。 「……大丈夫?」 なにしろ昨日のことがあるのだ。 奏子の視線に対して目を合わせる事ができず、そっぽを向いたままで梨花は口を開いた。 「な、なんでも、ないよ……」 そのしどろもどろな答えぶりに、奏子の疑いの眼差しが一層強くなる。 梨花は奏子に背を向けてそれ以上問い糾されることを拒絶し、自分の席に進んだ。 「ちょ、ちょっと、梨花ちゃん……」 慌てて奏子が梨花を呼び止めようとしたその時、ガラリと教室の扉が開いた。 「おーす、全員いるかー?」 教師の登場にざわついていた教室が静かになる。 奏子は、もう一度チラと梨花の方に視線を向け、諦めの表情を浮かべ、自分の席に戻った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「次ー、不見原(みずはら)ー」 「……」 「不見原?」 「ふ……はぃ……」 何度か名前を呼ばれ、よろりと立ち上がった梨花の様子はいかにも普通ではなかった。 明らかに上気した顔で、姿勢もふらつくようであった。 背筋も丸まり、やや前かがみになって、まるで何かに堪えているようにも見えた。 ごく近くで注意してみれば、太ももが小刻みに震えているのが判る。 「??不見原、どうしたぁ?」 教室内の全ての視線が立ち尽くす梨花に注がれた。 奏子もまるで梨花の様子を見極めようとするかのようにじっと見つめていた。 「う……ううっ……ふぁ」 梨花は、辛さに耐えきれないかのようにうめき声をあげた。 だが梨花の口から漏れるそのうめき声は、どこか艶めかしい色も帯びていた。 その状況に教室の中がざわめく。 「おい……大丈夫か?不見原……」 梨花は両足だけで体を支えることができず、机に片手をついた。 「う……ふ……はぁ……はぁ……」 荒い息をつきながらうつむき、もう一方の手が何かを求めるかのように自身のスカートに触れた。 その瞬間、奏子がぱっと立ち上がった。 「大丈夫!?梨花ちゃん?」 言いながら梨花の席に駆け寄る。 その手を握りしめ、もう一方の手を梨花の肩を支えるように添える。 「あ……あ?……かな、こ……」 唐突に目の前に現れた奏子の顔を、首を傾げるように見やると、梨花はまるでうわ言のように呟いた。 「大丈夫だよ、梨花ちゃん……ちょっと、休もうね」 梨花のことをあやすようにそう言うと、奏子は梨花の両肩を抱きすくめるようにしてそう言った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 誰もいない保健室。 ベッドに腰掛けてうつむく梨花の前で、奏子は腕を組んで仁王立ちになっていた。 眉を寄せ、硬い表情を浮かべている。 「あ…あの……」 重たい沈黙に耐えられず消え入るような声で何かを言おうとした梨花の言葉を奏子はさえぎった。 「ね、梨花ちゃん、怒らないから正直に教えて」 梨花の反応を伺いつつ、奏子は言葉を続けた。 「今も、アレ、つけてるの?」 ビクリと梨花の肩が震えた。 その震えが刺激となったのか、梨花は今度は上体を揺らすようにぶるぶると震わせ、うめき声を漏らした。 「あぅっ!」 梨花の情けない様子を見て、奏子は組んでいた腕をほどくと、ホッとため息をついた。 頭に片手を軽く当て、目を細める。 「……あきれた。何考えてんのよ……」 「……ろ、ろうしても……がまん……れきにゃくて……」 言い訳をする梨花の呂律は回っていない。 朝、目を覚ましてからずっとそうなのであれば、無理もない。 「……だからって、普通学校にまでつけてくる?そんな子ほかにいないよ。いったいどんだけ意思弱いのよ。ホントに」 奏子は心底呆れ返った表情で、梨花にそう告げた。 梨花は返す言葉もなくうなだれながらも、変わらずに自身を苛む淫靡な刺激に堪えきれずに声を漏らしている。 「梨花ちゃんだけだよ。そんなになっちゃうのは。どうして?ひょっとして梨花ちゃんそういう願望があるんじゃないの?」 「ち……ちが……」 「何が違うの?今日だってこのまま行ったらガマンできなくなって、みんなの前でシコリ始めて、人生終わりになるなんて分かってたはずだよね?」 否定しようとする梨花の言葉を遮って、奏子は辛辣な言葉を彼女に浴びせ続けた。 奏子の言う通り、これほどまでに抑制が効かなくなってしまったのが梨花だけなのであれば、奏子の反応も当然のことであるのかもしれない。 「……つまり梨花ちゃんは、自分のブザマな姿を周りに見せびらかしてコーフンする、破滅願望持ちの、露出狂の、オナニー中毒の変態だってことだよ。今まではうまく隠してたけど、もう全部バレちゃったよね」 「か……かなこ……やめ……」 梨花は弱々しく懇願した。 奏子が自分に投げかけた言葉を否定することは梨花にはできなかった。 それは思考力が鈍っているからではない。 それが言い訳のしようもない、事実だからだ。 「だけど安心して。梨花ちゃんの正体がそんな救いようのない変態でも……私は絶対に梨花ちゃんの味方だからね」 奏子は、なじるような声の調子を一転させいたわるような調子に変えた。 その優しげな口調が、鈍麻し、動揺した梨花の頭に染み込んでいく。 梨花の本当の姿を知られたのが奏子であったというのは、梨花にとっては幸いであったのかもしれない。 梨花の正体がどんなに惨めで情けないものであったとしても、奏子なら全て、受け止めてくれる。 「……ねえ梨花ちゃん。もう自分のことを偽らなくてもいいんだよ?……それとも確かめてみようか?梨花ちゃんのホントのキモチ……そうね、それがいいわ。私が梨花ちゃんの正体を、確かめてあげる」 だから、奏子になら、自分の全てを、さらけ出してしまっても、かまわない。 そんな風に感じながら、梨花は熱を帯びたような視線を奏子に向けた。 奏子はわずかに微笑んで、自分の次の言葉を待つ梨花に告げた。 「さぁ梨花ちゃん。まずはスカートを捲ってみて。スカートを捲って、私にあなたのお☓☓☓☓、見せてごらん」 「ヒャ……ひゃい……」 まるで催眠術にでもかけられたように、梨花はそろそろと手をスカートの縁にかけた。 どこかおぼつかない手つきでスカートをつまむと、そのままゆっくりとたくしあげる。 スカートに隠されていた梨花の鼠径部が、露わになっていく。 「う、あ……」 湧き起こる羞恥に顔をますますと紅潮させ、吐息を漏らしながらも、梨花の手の動きは止まることはなかった。 (あたし……かなこの前で、なに、やってるんらろう……だけど……) ……だけどなんだか、とても、こうふん、する。 背筋がぞくぞくするような感覚に酔いながら、熱に浮かされたようにぼんやりとした頭で、梨花はそんな風に思った。 奏子の前に曝け出した梨花の股間には、まるで青光りするような色合いの男性器のような不気味なモノが、繊細なショーツを押しのけるようにして隆々と盛り上がっていた。 「うわ……すごっ……」 奏子は顔を少し引いて見せてから、わざとらしく驚いたように言った。 その視線は梨花の股間にくぎ付けとなっていた。 梨花には、向けられた視線がまるで自身のモノに直接触れられているように感じられた。 「……ひゃ……や……」 羞恥に身悶えする梨花の股間で、彼女のモノが本物のようにぴくぴくと蠢いた。 奏子はその様子をどこか楽し気な表情でしばらくの間眺めていたが、やがて視線を上げると、いたずらっぽい笑みを浮かべて梨花の顔をのぞきこんだ。 「ね、梨花ちゃん。あなた、恥ずかしくないの?友達の前で、自分からスカートたくしあげておマタ丸出しにして、興奮して男の子のお☓☓☓☓をおったててるんだよ?」 奏子の発した弄り言葉のひとつひとつが、梨花のぼんやりした頭に染み込んでいく。 今自分がどんなに恥ずかしいことをしているのかを、歓んでそれをしているのかを、否応なしに再認識させられてしまう。 梨花の股間のモノの付け根と、本来の梨花の肌の間の隙間から漏れだした透明な液体が、梨花の白く艶めかしい太ももをつー、と垂れ落ちた。 「あふ……」 陶酔した表情を浮かべ、梨花はたまらずに吐息を漏らした。 奏子に自分のはしたない姿を晒しているというだけで、梨花はとてつもなく昂っていくようだった。 「ほらね。梨花ちゃん。私の言ったとおりでしょ。それがあなたのホントの気持ちなんだよ。今まで一生懸命、優等生を演じてきたけど、ホントはそんなの全部投げ出して、おバカで何も判らない白痴になってしまいたいんだよね?だって、そうすれば周りのことなんて何も気にしなくてよくなって、好きなだけ☓☓ポしごいてずっとキモチよくなれるもの」 かなこのいうとおりだ、梨花は思った。 ……だって、じぶんはこんなにコーフンしているのだ。 はくちみたいにふるまってはずかしいすがたをさらしてコーフンして、いる、のだ。 ずっと、ずっと、このままで、キモチいいままならいいと、おもって、いる、のだ。 「ねえ梨花ちゃん。そうなんでしょう?私にあなたのホントの気持ちを教えて」 「あ……あっ……」 梨花に残された最後の意志の欠片が、奏子の言うがままの答えを、自身を突き動かす衝動の正体を口にすることを押し留めた。 それを言葉にしてしまったら、おそらく自分はもう後戻りができないだろう。 だが、それも長くは保つことなどできはしない。 自分の尊厳を守るための理性など、すでに彼女には残されていないのだ。 それに…… かなこの、いうとおりにすれば、わたしは…… 「我慢しなくていいんだよ、梨花ちゃん。あなたの望みを、言ってごらん……」 「そ……そうれす……わら、わたし……はくちに!なりたい!……はくちになって!ずっとキモチよく!にゃりたい!……」 口を開いた瞬間、陶酔した様子の梨花の表情が歪んだ。 だが次の瞬間、奏子の右手が優しく梨花の股間に触れ、ショーツを押し上げて屹立するモノを優しくひと撫でした。 「はぁぁん!……」 股から脳天を突き抜けるような感覚に、梨花は切ない悲鳴をあげた。 強烈な快感とともに残された僅かな意志の細い連なりがまるで泡のように消えていく。 「……わらし……わら、し……い……いぇ……えひっ……いひひ……」 ついに胸のうちに抱えていた心情の全てを吐露してしまった梨花は、視線をひっくり返ったように上方に向け、奇妙に間延びした顔にだらしない笑みを浮かべ、引きつったような笑い声をあげた。 気の触れたようなその顔を見て、奏子は満足そうに微笑んだ。 奏子は愛おしそうに両手で梨花の頬を撫でた。 立ち尽くす梨花の体がびくんと震えた。 「梨花ちゃん、私、嬉しいよ。梨花ちゃんがホントの気持ちを私に伝えてくれて」 奏子は頷くと梨花の手を握った。 「ね、私に、全部任せて」 放心したようになっている梨花の顔をじっと見つめて、奏子は続けた。 「私が、あなたを、望む場所に連れていってあげる」 そう言って、奏子はにっこりと笑った。 (つづく)