【小説】お嬢様とハイエース
Added 2020-05-22 11:35:44 +0000 UTC山中に佇む黒いハイエース。 その車内で執拗にカバンの中身を確認している男がいた。 「縄よし…クロロホルムよし…布よし…と。」 丹生谷重遠(にぶやしげとお)は一通り確認し終えると深呼吸をした。 「(絶対に成功させてみせる…!)」 丹生谷は金髪の美少女か写っている写真を握りしめ心の中で決意する。 丹生谷は目を閉じ、もう一度深呼吸する。 「ふぅ…」 声が震えているのがわかった。 それでもやるしかない… そう決意し、丹生谷はハンドルを握った。 「ばいばーい、莉音ちゃん!」 「えぇ、さようなら。」 友人を見送る金髪の制服少女。 彼女は金原亭莉音(きんげんていりおん)。 街を歩けば誰もが振り向くレベルの美少女だった。 夕暮れの空に莉音の長い金髪がなびく。 その姿は下界に舞い降りた天使のようだった。 「早く帰らないと怒られてしまいますね…」 莉音は腕時計を眺めながら呟く。 彼女は帰る足を少し早めた。 「ふぅ…」 足を早めて数十分がたった頃、莉音の額にはじんわりと汗が滲んでいた。 「(少し疲れてしまいましたね…)」 莉音は歩くスピードを緩め、汗を拭う。 〈ブロロロロ…〉 そんな莉音に大きな影が迫っていた。 〈キキィィ〉 莉音の少し先に黒いハイエースは停車した。 莉音はそのまま足を進める。 〈バタン…〉 莉音がハイエースの影に隠れた時、運転席から丹生谷は降りた。 「お嬢ちゃん大変だ!君のお父さんが倒れて救急車で運ばれたんだ!一緒に病院に急ごう!」 丹生谷は用意してきた文言を莉音に告げる。 「私の父は海外に商談に行っていますよ。」 「っ!?」 予想外の答えに丹生谷は動揺する。 「今日のお昼に急に決まったらしいです。メールでメッセージが送られてきました。」 莉音はスマホに送られてきたメールの文言を丹生谷に見せる。 「くそ…!」 丹生谷は早くも最後の手段に移ろうと、ポケットの中に手を突っ込む。 「降参です。」 「は…?」 丹生谷が呆然とするのも無理はない。 莉音は両手を上げて降参の意を丹生谷に伝える。 「貴方のポケットにあるのはコンパクトナイフでしょう?」 「…!」 丹生谷はドキッとしてポケットの中でコンパクトナイフを握りしめる。 「貴方の目的は私の誘拐…そうでしょう?」 「あぁ…」 丹生谷は静かに頷く。 金原亭家は言わずも知れた名家だ。 莉音は金原亭のお嬢様ということで近隣では有名だったのだ。 そんな莉音を誘拐するのが丹生谷の目的だった。 「最初は貴方を返り討ちにしようと思いました…。でもそのポケットの膨らみが見えてしまったのです。」 「これか…」 丹生谷はポケットからコンパクトナイフを取り出し莉音に見せる。 「凶器相手では確実に勝てる保証がありません。」 「賢いな。」 「えぇ。何度か誘拐されたこともあるので…」 莉音はこれまで何度か誘拐をされたことがあった。 名家のお嬢様ゆえの宿命なのだろうか。 『誘拐慣れ』、それが莉音がこの状況に陥っても冷静でいられる理由だった。 「この車に乗り込めば良いのかしら…?」 「あぁ、後部座席に乗れ。」 〈ガラガラ…〉 ハイエースの後部座席の扉が開かれる。 莉音はハイエースの中に足を踏み入れた。 「奥に行け。」 莉音を助手席側の後部座席に誘導し、丹生谷は運転席側の後部座席に乗り込む。 車の中に充満するタバコの匂いに莉音は少し顔をしかめていた。 丹生谷は用意していたバッグから麻縄を取り出す。 「縛るんですね…」 「察しがいいな、その通りだ。」 丹生谷は束ねられていた縄を解く。 「手を後ろに組め。」 「はい…。」 莉音は少し俯き、丹生谷に背を向ける。 そして少し間を置いて、手を後ろで組んだ。 「大人しく縛られろよ。」 丹生谷は莉音の耳元で呟くと彼女の腕に縄をかけていく。 「ん…」 莉音は抵抗することなく大人しく縛られていく。 あっという間に縄により手首が固定される。 莉音はバレない程度に手首を動かそうとするものの、縄によって固定された手首はびくともしない。 〈ギュゥ…ギュゥ…〉 丹生谷は手を休めることなく莉音の柔らかな身体に縄をかけていく。 胸の上下にかけられた縄は莉音の胸を強調させる。 〈シュル…ギュゥゥ〉 最後に首からV字になるように縄をかけられる。 その縄は莉音の胸に大きな膨らみを二つ作った。 縄により明らかになる身体のライン。 「終わりましたか?」 「あぁ…」 「これからどうするんです?」 「君を監禁する。」 丹生谷はバックの中に手を伸ばす。 「(クロロホルムですか…)」 丹生谷が取り出した薬品と布を見て莉音は察した。 「監禁場所を君に知られるのはまずいんでな。すまない。」 丹生谷はクロロホルムを染み込ませた布を莉音の口に当てる。 「ん…(意識が…)」 莉音の意識は次第に遠くなっていく。 しかしながら誘拐慣れした莉音にとってはあまり恐怖ではなかった。 「ん…?」 莉音は薄暗い一室で目覚めた。 「(身体は縛られたまま…口にはガムテープで猿轡ですか…)」 莉音はすぐさま自身の置かれた状況を分析する。 車内で施された拘束に加えて、口の中に布を詰め込まれガムテープで塞がれている。 「むぅ〜」 声を出そうとすると口の中の布が声を打ち消す。 「(あの男はいないみたいですね…今のうちに逃げませんと…!)」 〈ギチチ…ギチチ…〉 縄を解こうともがこうとするもののギッチリ縛られた縄はびくともしない。 「むぐぅ…(結構きっちり縛っていますね)」 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 「むが…」 〈ギチギチ…ギチチ…〉 「むふぅ…!」 〈ギチ…ギチ…ミチ…〉 「んぐぅ…!」 〈…ギチギチ……ハラリ…〉 「むう!(解けました!)」 後ろ手を動かし縄を緩め縄抜けを成功させる。 「ぷはぁ…素人の縛りなんてこんなもんですよ。」 手首をさすりながら立ち上がると莉音は部屋の出入り口の方に向かって足を進める。 〈キィィ〉 鉄製のドアを開ける。 「っ!?」 ドアを開けた先には丹生谷が立っていた。 「縄抜けご苦労様。マジックミラー越しに見させてもらったよ。」 「そういうことでしたか…」 誘拐犯が縛られた少女をそのまま放置しておくことは考えにくい。 逃げられないように椅子などに縛り付けるか、近くで監視しているはずなのだ。 莉音の中の疑問が晴れる。 「監視していたのですね…私の姿を…!」 「あぁ、縄に苦しむ君の姿を撮影させてもらったよ。この映像は脅迫に使える。」 男は撮影したカメラを莉音に見せつける。 「安易に希望を抱いた私が馬鹿でした…」 落胆する莉音にナイフを突きつけて続ける。 「付いてきてもらおうか。」 「はい…。」 丹生谷は莉音をとある部屋まで連行した。 「入れ。」 丹生谷はとある部屋に莉音を入れる。 「ここは…?」 その部屋は先ほどの部屋と同様で無機質な作りだった。 部屋の中央には莉音の体操服が乱雑に置かれていた。 「体操服に着替えてもらおうか」 丹生谷は莉音に命令する。 「体操服にですか…?」 「そうだ」 丹生谷は淡々と続ける。 「制服はいろんなものを隠せるからな」 「何も隠してないですよ…」 そう言いつつも莉音は自分の服に手をかける。 「あの…見ないでもらえますか」 丹生谷の視線が気になる。 「ダメだ。」 丹生谷は即答する。 「分かりました…。」 莉音はスカートのホックを外す。 〈ハラリ…〉 スカートが落ち薄紫色の下着が露わになる。 「(誘拐犯に下着を見られるなんて小学生ぶりかしら…)」 昔の記憶がふと蘇る。 当時の頃と違い、身体は既に大人の女性となっていた。 羞恥で耳が熱くなるのが分かった。 〈ハラリ…〉 セーラー服も脱ぎ捨てる。 莉音の大きな胸の膨らみが露わになる。 薄紫色のブラで寄せられた胸は高校生のものとは思えないくらい上質なものだった。 服を脱いだときに擦れて、ぷるんと震えていた。 「手を上げろ」 「え…?」 「身体チェックだ」 「………。」 莉音は手を上げる。 〈ムニムニ…ムニムニ…〉 「ひゃっ…」 丹生谷は莉音の胸を揉む。 ブラジャー越しではあるがハリのある柔らかな感触が手のひらに伝わる。 「揉む必要ある…?」 〈ムニムニ…ムニムニ…〉 「ぁぅ…」 1分ほど揉まれると丹生谷の手は下半身に移る。 〈プニッ〉 「ひぁっ!」 〈プニ…プニ…〉 「そんなとこに隠すわけないでしょ…!」 〈プニ…プニプニ…〉 丹生谷は1分間、理音の秘部を堪能した。 「よし、着替えていいぞ」 「っ……」 莉音は言われるがままに体操服に袖を通す。 「(男の人に初めて触られちゃった…)」 そんなことを思いながら莉音は着替え終わる。 「っ……」 莉音は半袖半ズボンの体操服に身を包む。 丹生谷はそれを確認すると新たに麻縄を持って莉音に近づく。 「分かりましたよ…!」 莉音は全てを察して手を後ろに組む。 「どうぞ…好きに縛ってください……!」 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 丹生谷は先ほどまでと同じ縛りを施した。 薄い素材の体操服が縄によって身体に密着し、制服では見えなかった下着の色が透けている。 「ん…」 一度逃れた拘束を施され、絶望感が莉音を支配する。 〈シュルリ…〉 これで拘束は終わりではなく、丹生谷は莉音の腰に縄を巻きつける。 「脚を開け。」 「え…?」 莉音は言われるがままに脚を開いた。 〈ギュゥゥ〉 「あひっ…!」 女子高生の股間に縄が食い込む。 ワレメにグイグイと食い込む。 「(なにこれ…お股に縄が…!)」 初めて味わう股縄の刺激。 「くぅ…」 たまらずその場に座り込んでしまった。 〈ギュゥ〉 「ひゃぁ」 座ってもなお股縄の刺激が治ることはなかった。 「こんなところに縄を通すんですね…」 「『股縄』は気に入ったか?」 「ま、股縄…?卑劣な名前ですね…」 莉音は太腿を擦らせ股縄を外すよう画策するが莉音の意思に反し、もがけばもがくほど股縄は莉音の秘部を刺激する。 「あまり動くな…食い込むぞ」 「貴方が縛ったんでしょう」 男は新たな縄を取り出し莉音の脚にかける。 「まだ縛るんですか…?」 「君が動けないようにね。」 〈ギチギチ…〉 丹生谷は莉音の膝上、足首を縛り上げた。 そして莉音をうつ伏せに寝かせる。 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 莉音の足首から伸びた縄尻を後ろ手の縄と連結させる。 それにより逆海老縛りが完成した。 「動けない…!」 莉音は自身の目の前に立っている丹生谷を睨みつける。 「動けないように厳重に縛ったからな」 莉音は縄を解こうと何度も手首を擦り合わせる。 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 〈ギチギチ…ギチギチ…〉 数十分、縄と格闘したが縄が解けないことが変わると莉音は身体の力を抜き、丹生谷にとあることを尋ねた。 「なにもしないの…?」 「は…?」 丹生谷は突然のことに驚く。 「女子高生を縛り上げてそのまま放置してくれるんですね…」 「なにが言いたい?」 「その…犯したりしないんですか……?」 「して欲しいのか?」 「違います!」 莉音は即座に否定し、続ける。 「私を誘拐した人は性交渉目的の人も多かったので…」 「まぁ、俺の目的は金だけだからな」 「お金…?」 「あぁ…」 そこから丹生谷は自分のことについて語り始めた。 若くして会社を立ち上げたこと。 事業がうまくいき有頂天になっているところで、友人の保証人になったこと。 その友人に裏切られたこと。 補償金で会社が倒産したこと。 そして…莉音の誘拐計画を立てたこと。 全てを話し終えた後、莉音は口を開いた。 「ウチで働きませんか?」 「は…?」 丹生谷は驚く。 「ウチの使用人が最近退職してしまって…」 「いや、オレはお前を誘拐したんだぞ」 「でも、今なら私以外にはそのことはバレてませんよ。」 「だがな…」 丹生谷は俯く。 「確かに貴方は私を誘拐し、縛り上げました。そして服を剥いて辱めました。」 「………。」 「それでも…どうしても根からの悪人には思えなかったんです。」 「………。」 「貴方には二つの選択肢があります。」 「一つは私の使用人になること。もう一つは私を人質にとり身代金を要求すること。」 「どうしますか…?」 それから数日後。 日常に戻った莉音は車に乗って登校中だった。 学校の前につくと扉を開け、駆け出す。 「行ってきます!」 校門までたどり着いたところで莉音は送迎してくれた使用人の車に手を振る。 そう…黒のハイエースに。
Comments
ありがとうございますっ!!!!!!
のべ
2020-05-23 05:17:24 +0000 UTC最初からさいごまで性癖にぶっささりました!!!めっちゃ好きです!!!
2020-05-23 02:41:17 +0000 UTC誘拐慣れしている娘が焦る展開が好きで書いちゃいました。 基本的にハッピーエンドじゃないと読んでて悲しくなるのでできる限りハッピーエンドにするようにしています。
のべ
2020-05-22 14:51:21 +0000 UTC王道の誘拐物でしたが、お嬢様が誘拐慣れしていたところにクスリと来てしまいました。 最後ものべさんの作品らしい暖かな終わり方で楽しませて頂きました!
idun
2020-05-22 13:59:07 +0000 UTCコメントお待ちしてます!!
のべ
2020-05-22 12:41:28 +0000 UTC