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しばりしばられ9 その③ 大人しく縛られる沙希

「動くな…!」

キッチンへ着くなり沙希は見知らぬ男に包丁を突きつけられた。男は目出し帽を被っており素顔を拝むことはできなかった。

「大きい声を出さずに両手を上げ、ゆっくりとリビングまで歩け。」

「っ……。」

沙希はコクリと頷きリビングへ向かった。

「これは……」

リビングに着くとそこにはガムテープと麻縄の束が置かれていた。

「お前らを縛り上げるための道具だ。」

男は淡々と告げた。

「(『お前ら』か…咲椋ちゃんのことも知ってるって訳だね…。)」

沙希は大きく深呼吸をして冷静さを装って口を開く。

「おじさん、縄原に頼まれたんだね。」

「ほう、その根拠はあるのか?」

「根拠はこの縄とガムテープだよ。盗むことじゃなくて私を縛ることを目的にしてるからね。」

「正解だ。お前らを拘束して縄原様に献上する。大人しく縛られるんだな。」

男は縄を手に持ち沙希と対峙する。

「まって…ひとつだけお願いがあるの…。」

「言ってみろ。」

「縄原に差し出すのは私だけにしてください…。」

「ほぅ…つまりもう一人の女は縄原様の元に連れて行くなということだな。」

「はい…。」

「無条件でそんな要求を飲めというのか?」

「いいえ…。その要求を飲んでくれるというなら私は大人しく縛られますし…どんな拘束だって受け入れます…。」

男は暫し熟考し、ニヤリと笑って頷いた。

「欲求を飲もう。」

「ありがとうございます…。」

沙希はひとまず安心した。これで咲椋を巻き込まずに済むからだ。

「それじゃあ早速…」

男はリビングのテーブルに置いてあったメモ用紙に何やら文字を書きなぐる。

「ほれ…それを土下座しながら言え。」

「っ……!? 分かり…ました…。」

メモ用紙を受け取った沙希は一瞬戸惑いながらも咲椋を巻き込まないために要求を受け入れた。沙希はゆっくりとリビングのフローリングに膝をつき頭を下げて口を開いた。

「わ…私を…その麻縄で…ギッチギチに…縛り上げてください…。私はどんな拘束も受け入れます。」

屈辱の一言だった。しかしそれは沙希が自ら提示した条件でもあった。その一言を沙希の口から言わせることで沙希を心から縛りあげようとしていた。

「よし、それなら靴下を脱いで口に詰めろ。」

「猿轡ですか…」

「察しがいいな。」

「ハンカチとかじゃ…」

「命令に逆らうのか?」

「っ……分かりました…」

沙希は靴下を脱ぎ、それを丸める。そして口を大きく開けて靴下を捻じ込む。

「ふぁむ……ひははひぃ…(汚い…)」

汗が染み込んだ靴下を咥えることは沙希の言葉を奪うだけではなく、この上ない屈辱感を与えていた。

「ガムテープで口を塞げ。」

「ふぁひ…」

〈ペタリ…〉

「むぐぅ…」

これにより沙希の口は完全に閉じられてしまった。口の中の靴下は沙希の声をくぐもった音に変換している。

男はそんな沙希の姿を一瞥し麻縄を手に取る。

「次は股縄をしてもらおうか」

「んぐぅ…」

男が渡してきた麻縄を渋々受け取ると、自分の腰に麻縄を巻き付けていく。

「ほぅ…股縄のやり方が分かるとはな」

「っ…んぐ…//」

「それなら“瘤縄”の股縄にしろ。」

「むぐ…(そんな…)」

「返事は?」

「むぐぅ…(はい…)」

沙希はくぐもった声で返事をすると股間を通る縄に結び目をつける。

「ちゃんと“当たる”ようにしろよ」

「んぐぅ…(ふん…言われなくても…)」

沙希は自身の秘部に当たるように念入りに結び目の位置を調整する。

〈キュッ…〉

きちんと当たる位置に結び目を作ると、縄を股間に沿わせて食い込ませる。

〈ギュゥゥ…〉

「むぐ…」

秘部に瘤縄が食い込み、沙希の身体はは思わず反応してしまう。

「キツく結べよ」

そんな沙希に構うことなく男は淡々と命じる。沙希も逆らうことはできずに股縄を締め上げ、お尻の上の腰縄に結びつける。

〈ギュッ…〉

「むぐぐ…(できました…)」

股縄を施し終えると沙希は男に告げた。男はそれを確認すると新たな麻縄の束を手に持ち沙希に近づいていく。沙希は大人しく両手を後ろに組み、男に向けた。

「ほぅ…後手縛りを施されたいのか、変態め。」

「むぐ…!(っ…!)」

いつもの癖で後手に組んでしまったいたことに気づき赤面してしまう。

「それじゃあお前の要望通り、ギッチギチの後手縛りにしてやるからな」

「むぐぅ…」

沙希には縄を受ける他の選択肢はなかった。逆らうことすらできずに縄を待つ。

〈シュルリ…〉

そしてすぐに手首に縄がかけられていく。

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

手首に巻かれた縄は胸の上下にも這わされていき、沙希の胸の形を強調するように縛っていく。

〈ギチギチ…ギチギチ…〉

数分もしないうちに後手縛りは完成した。

「どうだ、縛られた姿は?」

男は沙希を姿見の前まで連れていき、自身の姿を見せた。

「むぐぅ…(悔しい…)」

沙希は抵抗することなく縛られた。上半身は後手縛りを施され、胸の上下に巻かれた縄は沙希のほんのり膨らんだ胸を強調させている。そして腰からは股縄が伸び、沙希の股間にギッチリと食い込んでいた。その股縄にはしっかりと瘤縄が作られており秘部を刺激する。また口の中には履いていた靴下が詰め込まれガムテープで塞がれている。まさに囚われの少女だった。

「縄尻までもたれて、まるで囚人だな」

沙希の後手から伸びる縄尻を手に持ちながら男は告げた。

「むぐぐ…(捕まるべきは貴方だよ…)」

だが沙希にはどうすることもできない。咲椋を巻き込まないためにも大人しく縛られ、これからも大人しく連行されるしかないのだ。

「さてと…」

男は沙希の縄尻を持ちながら、余った麻縄の束を拾い上げる。

「むぐ…?(なにを…?)」

沙希の気持ちを汲んだのか、男は口を開いた。

「この縄か?安心しろお前をもっと縛るためのものじゃない。」

「むふぅ…(良かった…)」

男はニヤリと笑って告げた。

「この縄は…もう一人の女を縛るための縄だ…!」

「んぐぅ!!!(約束が違うじゃない!)」

当然だ。沙希が大人しく縛られたのは咲椋を巻き込まないため。そんなの道理が通らない。

「オレとお前の約束は『もう一人の女を縄原様の元に連れて行かないこと』だったよな」

男はニヤリと笑いながら続ける。

「つまり…『縛らない』なんて一言も言ってないわけだよな」

「んーー!!(卑怯者!!)」

男は反抗的な視線を向ける沙希の縄尻を引っ張り沙希を手繰り寄せ、顎をクイッとあげて囁いた。

「縄原様の用が済んだらお前とあの女を奴隷として売ってやるからな。」

「むぐ……(つまり私は…)」

沙希は全身の力が抜ける感覚がした。

「つまりお前は大人しく縛られただけということだな。あの時抵抗されていたらもしかしたら二人で逃げられたのかもしれないのにな。」

男は沙希の気持ちを汲んだように告げた。そしてその言葉は沙希の心を打ち砕く。

「ん…ぐ…(そんな…)」

「ほら行くぞ。」

男は沙希の縄尻を引っ張り、咲椋のいる部屋まで向かっていった。

男に騙され身体中を縛られた沙希は大人しく連行されるしかなかった。

沙希の瞳には涙が浮かんでいた。


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