しばりしばられ クリスマスSP 高浜光姫と古町姉妹 編
Added 2022-12-25 11:37:39 +0000 UTC厚着をしないと外も歩けなくなってきた今日この頃、街々は綺麗にライトアップされ始め、いよいよ年の瀬を感じるようになってきました。
クリスマスを明日に控えた本日、私と妹の優奏は行きつけの隠れ家カフェの個室にいました。ここは周りに話を聞かれる心配もないので打倒縄原さんの作戦会議をするのにもってこいの場所なのです。
しかし今日は戦いのことなんか忘れてのんびりとした日常を楽しむ……はずでした。
「まったくクリスマスって低俗だよね。こぞってアベックでイチャイチャしちゃってさ。そんな“性”的な日じゃないんだよね。“聖”なる日なんだよ。分かるかな言ってる意味。文化をイチャつく口実にしてるよね、曲げて解釈してるよね。反吐が出ちゃうよね」
まずいです。すっかり優奏が捻くれています。昔はサンタさんを心待ちにする純粋な子だったのに、今ではこんなに拗らせちゃってます。
「他人と比較して物事を捉えるのはよくないですよ。優奏なりにクリスマスを楽しめば良いのです」
「ふん!修行が恋人のお姉ちゃんには分からないよ!!!」
「むむ…私だって好きな人くらい……」
ふと私の脳裏に現れたのは宿敵である縄原麻美さんの姿でした。
どうして縄原さんを思い浮かべたのでしょう。なぜか縄原さんのことを思うと胸の奥が苦しくなってきました。
「顔真っ赤だよ?」
「え?」
いつのまにか熱まで出てきたようです。風邪でも引いてしまったのでしょうか。
自分の身体なのによく分からないです。
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ガラガラ…
「ごめんごめん!道に迷っちゃった」
そんな時です。光姫さんがカフェに到着しました。
「お待ちしてました!」
優奏は分かりやすくテンションが上がりました。我が妹ながら可愛いですね。優奏には笑顔が一番似合います。
「二人とも明日は予定空いてる?」
光姫さんは意気揚々と尋ねてきました。
「私は修行しようかなって思ってました。」
「わ、私は空いてますよ!」
優奏は食い気味に答えました。
「じゃあさ…
ラブホテル、行こっか!」
え…?
「「えええ!?!?」」
私と優奏は顔を真っ赤にして声を張り上げてしまいました。
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「…………。」
「SM用の部屋しか空いてなかったね〜」
「……」
「優奏ちゃん?」
「あ、ぇっと…そうですね…」
光姫さんの問いかけに返す余裕もなかった。昨日の夜から緊張で碌に寝ることもできなかった。
「それじゃ、一緒にお風呂入っちゃう?」
「い、一緒に!?」
「恥ずかしい?」
「いえ…むしろ光栄というか……」
「じゃ、行こっか」
光姫さんは私の手を引っ張ってお風呂場に向かった。
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そんな光姫と優奏の様子をモニター越しに監視しているのは古町和奏だった。ハイテクなくノ一の彼女にとってホテルの一室を覗き見することなど造作もなかった。
「プライベートを覗き見するのは気が引けますが、健全なお付き合いでなければお姉ちゃんとして割って入らないといけません。」
和奏はカチカチとパソコンを操作する。
「うーん…お風呂に入ってから随分と時間が経ちますね…。お風呂も覗いてみましょう」
そう言ってお風呂場にカメラを切り替えようとすると、突如としてカメラの映像が乱れた。
「あらあら、覗き見なんて良い趣味してるわね〜」
「縄原さん!?」
モニターに映し出されたのは縄原麻美の姿だった。
「妹ちゃんのことを気にかけることは分かるけどホテルの中まで盗撮するのはどうかと思うわよ〜」
「う…貴女はどこまで把握しているのですか……」
「ぜーんぶよ」
「そちらこそプライバシーの侵害では……?」
「可愛い市民のことをよく知るのは市長として当然のことよ。」
縄原は淡々と続けた。
「ちなみに光姫ちゃんは破廉恥なことをするために妹ちゃんを誘ったわけではないわよ」
「え?どういうことです?」
「うふふ、コレよ。」
縄原は画面共有機能である画像を提示した。
「えっと…“ラブホ女子会”?」
「そう。いま流行ってるやつね。比較的安価でできるしで人気があるのよ」
「なるほど……」
「だから妹ちゃんのことはそんなに心配しなくて良いと思うわよ」
「わざわざ私を安心させるために連絡してくれたのですか?」
「………。」
「縄原さん?」
縄原は一瞬沈黙し、画面を戻して口を開いた。
「それもあるけど、一番の目的は“忠告”かしらね」
「???」
「まだ理解できてないみたいね。貴女は“盗撮”“盗聴”“ハッキング”等々、とんでもない数の“犯罪”をしてるのよ〜」
「ぁ……」
「それに妹ちゃんたちは未成年でラブホテルを利用してることになるわよね。このことを学校に伝えたら退学もやむなしよ。」
「わ…私のことはどうなっても良いです……!優奏と光姫さんは…見逃してください……!」
「うふふ、そういうと思った。」
パチン
縄原が指を鳴らすと画面が暗転し、和奏の部屋の扉が開いた。
「ご機嫌麗しゅう?」
「な、縄原さん!?今の映像は……!?」
状況を理解する前に、和奏は縄原の手に麻縄の束が握られていることに気がついた。
「……なるほどです…。最初から私に拒否権などないようですね。」
「さすが和奏ちゃんね。理解が早くて助かるわ〜」
和奏は縄原の意図を察して両手を後ろ手に組んだ。
「こんなことで見逃してくれるなら……縄原さん、私を縛ってください…」
「うふふ、クリスマスプレゼントで特別よ。縄マシマシで縛るわね。」
そうして和奏は宿敵からのクリスマスプレゼントをその身で受け取ることにした。
ギチギチ…
ギチギチ…
「あう……」
数分もしないうちに和奏は後ろ手に縛られてしまった。
「もっと可愛い声を聞きたいわねぇ」
縄原はそう言うとピンク色のローターを取り出した。
「ローター…!?」
「和奏ちゃんはコレで虐めてあげるのが一番似合うのよね」
「ダメです…それを付けられると恥ずかしい声が出ちゃうのです…!」
「それが良いのよ〜」
和奏の反応を楽しむように縄原はローターを縄で強調された胸に押しやった。
「ん?」
縄原は違和感に気づき、和奏の胸の中を弄った。
「ん……ぁ…!」
縛られている和奏は甘い声を漏らすことしかできなかった。
「あら?これはプレゼントかしら?」
縄原は和奏の胸元に隠されていたラッピングされた小包を取り出した。
「ぁ…それは……」
「クリスマスだし恋人へのプレゼントかしら?」
「いいえ……違います…」
「じゃあ妹ちゃん?」
「……はら…んのです。」
「ん?」
「縄原さんへのプレゼントです…」
「え?」
ここで初めて縄原は動揺した反応を見せた。
「宿敵である貴女にプレゼントというのは違うとは思いましたが…最近は助けられることもあったので……その…」
「このプレゼントを受け取ったとして私が貴女たちを狙うことには変わりないわよ。」
お互いに本心ではなかった。
「ごめんなさ…_____
「でもこのプレゼントはありがたく戴くことにするわ。ありがとう、和奏ちゃん。」
縄原は和奏の言葉を遮るように頭をポンポンと撫でた。
「………///」
「あら?照れちゃった?」
「ち、違います…!これは…股縄が食い込んで気持ちよくなっただけです!」
「うふふ、言い訳にしてはそれはそれで恥ずかしいわよ」
「ッ〜〜〜〜///」
和奏はヤケになって、開き直って続けた。
「もうこうなればなんとでもなれです!縄なりローターなりなんでもござれです!」
「あらあら、それじゃお望み通りにしてあげるわ〜」
縄原は新たな麻縄の束を取り出して、縄を追加していった。
「(クリスマスプレゼント、ありがとう)」
縄原と和奏の愉しい夜は始まったばかりだ。
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「でね〜、そしたら沙希がさぁ〜」
光姫さんとの楽しい女子会。最初はとてもドキドキしたけど今年は最高のクリスマスだよ。
ふと視線を動かすと優奏の目には綿の赤いロープが目に入った。
「(あ、そっか…この部屋ラブホテルだもんね…)」
「あ、このロープ?」
光姫さんは徐にそのロープを掴んだ。
「いつもの麻縄とは違いますね」
「うん、肌に優しそうだね。」
おおよそ女子会では出てこない会話で心の中で苦笑した。
「縛ってあげようか」
「ぇ!?」
光姫さんの言葉に思わず驚いてしまう。
「なんか縛られたさそうな感じだったからさ。違ったならごめんね。」
「い、いえ……縄抜けの練習にもなりますし、やぶさかではないです…」
もっともらしい理由をつけたが本心ではない。
好きな人に縛られたい。
「縄抜けか〜。私もやってみたいな〜」
「光姫さんもですか?」
「うん。護身術というかいざという時のために身につけておいても良いと思うんだよね」
「では私の縄抜けが終わった後に、光姫さんを縛らせてもらうというのはどうですか?」
「いいね!私のこと縛ってよ!」
思いもよらず光姫さんを縛れることになった。嬉しい!
「じゃ、お互い縛り縛られってことでね」
「はい!」
私は両手を後手に組んで縄を待った。光姫さんは私に縄をかけていった。
私が縛られたらその次は光姫さんが縛られる。お互いに縛り、縛られる聖なる夜。
こうして私の最高のクリスマスは更けていった。