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擽鬼夜行──霧雨女──#4(完結)

4. くだんの駄菓子屋 その日は晴れていた。 けれどまだ梅雨明けだというニュースは流れていないから多分まだその日も梅雨の期間なのだと岬は思っている。 親友の七子は近頃ようやく登校を始めたそうだが、それでも午後から来たり、午前中だけ授業を受けて帰ったりといった調子で、岬が七子と会うことはなかった。 やはり七子が本格的に登校するのは、梅雨が完全に明けてからになりそうだった。 七月も半ばに差し掛かったその日。 ようやく夏らしいカンカンの太陽が照りつけていたその日。 面談期間に入って授業が午前中までになったその日。 放課後。岬は尾国に妙な場所に連れてこられていた。 そこは、普段岬が通らない住宅街のはずれの袋小路にある古びた店だった。 周りには山があり、住宅もいくつかあるのだが人の気配はない。竹藪の中に祠があるのもなんだか不気味だった。 「なにここ…」 「なにって駄菓子屋だ」 「駄菓子屋なんだ」 店には看板などない。 尾国は、ガラス戸をガラガラと勝手に開けて中に入った。 「ちょっと…」 勝手に入っていいのかも分からない店に勝手に入った尾国に驚きつつも、岬は一人になるのが嫌で尾国について入った。 店の中は本当に、いわゆる、あの、駄菓子屋だった。 岬は駄菓子屋に馴染みはなかったけれど、 それでもここが頭の中にある駄菓子屋の光景の通りであったので、尾国の言っていることが本当なのだと思った。 岬が食べたこともないようなお菓子から見たことのある最近のお菓子までずらりと揃っている。 ただ気になるのは───。 「お店の人は?」 人の気配がない。電気なども付いていない。 「いないんだよ」 尾国は、奥の座敷を見つめて呟いた。座敷にも人はいない。いかにも古そうなテレビの電源も入っていない。 「はぁ?」 「だから。いないんだよ」 尾国は振り向いてニカッと歯を見せた。 「いないって…じゃあ入っちゃダメじゃん」 「ははっ!真面目なこと言うなぁ。でも心配無用!入っていいし、好きなもの食べていいんだよここは」 尾国が両手を広げる。 「いや意味わかんないんですけど」 岬は首を横に振る。勝手に入って勝手になんでも食べて良い店があるわけがない。 「意味分かるってほら」 尾国は、座敷の淵に置いてある立札を指差した。 そこには、 【ご自由にお食べください】 と書いてあった。 「な?」 尾国が岬の顔を覗き込む。 「これ…本当にお店の人が書いたの?」 岬は尾国を横目で睨んだ。 「あれ?疑ってる?いやいや違うって!これさ、この前からあったから!」 「この前って?」 「この前。結構前だけど…帰り道に大雨に降られてさ…たまたまここの軒下で雨宿りしたんだ。そんでまぁガラス戸から中覗いたら駄菓子屋っぽいから…入ってみたら…」 「見つけたって?」 「そう。そん時にすでにこの立札があったからさ…」 「他の誰かが悪戯で書いたとか?」 いくらなんでも店主が書くようには岬には思えない。 「いやーそこまでいくと分からないけどさ…ここの店の人、多分めっちゃ良い人なんじゃね?」 「バカ」 「いや!でもな、そんでこの前お言葉に甘えてちょっと食べたんだよ。色々…そんで今日来てみたら…俺が食べたヤツ補充されてる」 尾国はどうだと言わんばかりにまた手を広げた。 補充されている。それが事実なら、勝手に食べられたことに店主は怒っていないということになる。つまりそれは、あの立札に書かれた文言が本当だと言うことにもなる。 「なぁ!すごいだろ?つまり…好きなオヤツ食べていいってこと!」 「まぁでも…節度はある…でしょ」 善意に漬け込んではならない。そんな気はする。 「まぁな!常識の範囲内で!さーて何食おうかな」 尾国は手をスリスリと擦り合わせながら物色を始めた。 今が昼間だということを忘れるくらい、静かだった。 二人の足音だけが聞こえる。 「おー!これ前なかったぞ!おい!古賀!来てみろよ!」 死角から尾国の声がした。 店の奥からだった。 尾国は、カゴいっぱいに詰められた紫色のガムを興奮気味に指差していた。 「これ知ってるだろ?占いガム!!」 「うん。見たことはある」 「包み紙の裏に占い結果が書いてあるんだよこれ」 「へぇ…じゃあ占ってあげる」 岬は小さなガムをひとつまみし、包み紙を剥いた。 裏面に、小さな文字が印刷されている。 「えーっと、数年後あなたは掛け替えのない仲間たちと出会うでしょう。だってさ。良かったね」 「へぇ。嬉しいなぁ!掛け替えのない仲間か!そこに古賀もいたりしてぇっ!」 「馬鹿じゃないの。数年後って書いてあるんだから」 ──その頃にはもう、こんなふうに遊んでないでしょ。 そこまで言いかけて、岬は飲み込んだ。 「そうとは限らないだろ。どれどれ古賀も占ってあげよう」 尾国もガムの包み紙を剥いた。 「ふむふむ…。止まない雨はありません。辛いことがあったら仲間に頼りましょう。ラッキーカラーは"白"!」 「えぇっ…なにそれなんか不幸なことでも起きるの私」 「ははは!かもな!でも、ラッキーカラー書いてるから、それ頼りにすればなんとかなるんじゃねぇーかな」 「白って言われても…白いの身につけてれば良いの?黒じゃなくて?」 「黒はダメだろ。白って書いてんだから白!消しゴムとかでも良いんじゃね?」 尾国は隣にあった白いキャラクター消しゴムを摘んで、これとか!と言った。 あまりにくだらないから、岬はくすりと笑った。それと同時に、岬のお腹が鳴った。 「お!お腹減った?俺も〜」 岬が恥ずかしさで顔を赤くするよりも早く、尾国が続けてお腹を鳴らした。 わざと鳴らしたのだろうか。そうならば、どうやっているのかまるで分からない。 「じゃあこれ頂こうぜ」 尾国は、小さなカップ麺みたいなお菓子を二つを掴んだ。 尾国が勝手に電気ケトルを借りて勝手に沸かした湯をカップに注ぐ。 麺をあっためている間、岬と尾国は座敷に上がって座卓を挟んで座っていた。 「あんまり言ってないんだけどさ」 尾国がいつにない真剣な声色で沈黙を切った。 「俺、二学期から別の学校なんだよ」 「えっ」 なんだかはっきりしない言葉だったけれど、それでもそれが何を意味するかくらい岬にも分かった。 だから驚いた。 だから──胸がちょっぴり痛くなった。 だから────。 「あっそう」 岬は興味無いように返事をして、それからすぐ、なんだか尾国に悪かったような気がした。 「なんで周りの人たちに黙ってんの。いっつもペラペラなんでも話してるのに」 「まぁ…気遣わせるだろ?理由も…まぁ離婚だしな!」 尾国はひひひと笑ったが目はどこか寂しげだった。 離婚。 それはつまり、親と親が離れること。 子供にとっては、親が片方いなくなること。 それは、悲しいこと。 かける言葉。気の利いた言葉。それらを尾国にかける勇気が岬にはなかった。 「そういうの、気にする頭あるんだね」 「あるよそりゃあ」 尾国はなぜかどんと胸を張った。 「あんた──尾国さ、みんなから好かれてるんだろうから、それくらい言っておくべきだと思うけど?」 「好かれてる?そうかな」 「そうでしょ。私とは違って」 誰とでも分け隔てなく接している尾国を嫌っている人間は、多分いない。 「またまたぁ!俺も別に好かれてないだろ。色々…お喋りだし?」 「自覚してるんだ。まぁその通りだよ」 「だろ?」 「なんで自慢げなの…。尾国さぁ、なんでこう…いっつも……お喋りっていうか…可愛いとか、面白いとかハッキリ本人に言うわけ?」 前々から疑問に思っていたこと。岬が、奇行とさえ思っていたこと。 それを聞くと、尾国は意外そうな顔をした。 「それ、不思議なことか?」 尾国はへへへと笑って小さなカップ麺の蓋をめくった。 それを見た岬も蓋をめくる。 「可愛い子には可愛いって言うし、面白いやつには面白いって言う。悪いことって、言わなくてもなんとなく伝わるけど、良いことって言わないと伝わらないもんだろ?」 尾国は付属のプラ製フォークを麺に突き刺しぐるぐるかき混ぜる。 それはそうかもしれない。 けれど、それを直接言って、伝えて、どうなると言うのか。岬はそう言った。 「うん。まぁ、そうなんだ、って思ってくれりゃいい。別に何も求めてない。ただ俺はこう思っているということを伝えたいだけだな。悪いように思ってないってことをさ。俺、出来れば誰も嫌いになりたくないし」 尾国がぞぼぼっと麺を啜る。 尾国は、言葉を使って相手に自分が敵でないことを示しているのだ。 多分、本人はそこまで考えていないとは思う。 けれど、尾国の言葉に攻撃性がないのは事実だ。 岬も、尾国の言葉に苛ついたことはあっても傷ついたことはない。 尾国のやり方は、他者を攻撃して自身の世界と線引きをする──岬を含めた多くの人間とは違うやり方だ。 言葉で、態度で誰かと溶け合おうとする。 だから異質。 だから岬はずっと拒絶反応を示していたのだ。 岬がいくら尾国と自分との間に線引きしようとしても、尾国がそれを軽々乗り越えて土足で入ってくるのは当然のことだったのだ。 尾国はもっと分かりやすい言葉。直接的な言葉という手段で線を無くそうとしていたのだから。 直接何かを伝える力。その威力の強さを岬は思い知らされた。 「古賀もさ、言ってくれていいんだぜ。俺のこと。カッコいいとか、イケメンとか、勇敢とか!」 「はぁ?言わないしそんなの」 岬はキツく尾国を睨んで、くるくるとフォークを回し麺を巻き付ける。 「あっはは!なんだよー。なんなら広めてくれても良いのに!」 「そんなの嫌。広めるなら、くすぐったがりってとこくらいかな」 「それは最悪だろ…ま、まぁ話逸れたけど、とにかくそういうことだから。古賀ともひとまずお別れだな」 尾国は空になった容器を座卓の上に置いた。空っぽの軽い音がした。 「ひとまず?まるでまた会うみたいな言い方だね」 「そうだ。地球は丸いし世界は平たいし、何よりも俺たちは友達だし、また会うに決まっている」 ミュージカル俳優みたいに大袈裟に身振り手振りをして言った。 「楽観的だね」 「それが俺の唯一の長所だ」 ──唯一じゃないでしょ。別に。 岬はそう言おうとして、やめた。 でも、こういう言葉こそ直接言ってやるべきなのだろうと思った。 「離婚。ってことはさ…苗字変わるの?」 なんとなく。沈黙の気配がした岬はそれを避けるべく、話題を振るが、思いつきでつい暗い話を選んでしまった。 「うん。変わる…と思う。実はまだ俺…どっちに付いて行くか決められてなくてさ。どっちも愛してるし俺」 尾国は自分を指差して得意の爽やかな笑みを見せる。 「あっそ。じゃあ変わる可能性も、変わらない可能性もあるってことね」 「そうそう。でも、俊介って名前は変わらんから。俺を探す時は俊介を頼りにしてくれ」 「別に探さないし安心して」 岬は尾国に向けて手を払って、麺を啜った。もう結構、冷めている。 麺はふにゃふにゃで具は薄っぺらなナルト一枚で、スープはやたらとしょっぱかった。 用は済んだし、もう帰っても良いのだが、なぜか尾国はそうしなかったし、岬もそうしなかった。 岬と尾国は座敷を降りて、恐らく元々は店先で使用されていたものと思われる古びた水色のベンチに腰掛けた。 尾国は目の前にぶら下がっている古そうなお面を物珍しげに眺めている。 岬はただじっと、自分の膝とか、土間みたいな床を見つめていた。 ふと、視線を感じた。 尾国が、そのキラキラした目で岬を見つめていた。 「なに?」 岬は尾国のやたらと綺麗な目を睨む。気のせいか、瞳に星模様のようなものが見えた──気がした。 「待て。なんだその人…うーん…なんか怪しそうだな…つーかデカいな。そんなデカい女いるのか…怖っ」 尾国はいきなり、岬を見つめながらぶつくさ言い出した。 「何言ってんの」 「おっぱいデカいけど…」 「ちょっと!」 なんだか不気味に思えた岬は尾国の横っ腹をつんっと突いた。 「あぎゃっ!」 悲鳴と共に、尾国のその不思議な独り言は途絶えた。 「もういいから。それより、さっきの話」 岬が言うと、尾国のキラキラした目が再び岬の方を向いた。 「さっきの話。伝えたいことは直接言うって話。それは分かった。けどさ、可愛いとかそういうのはどうなの」 岬は尾国の方を見ないままじっと、奥の棚を見つめて言った。 「どうって?」 「言われて、勘違いする子もいると思うけど?」 尾国の見た目で、可愛いとかなんとか直接言われれば、中には好意を抱かれていると勘違いする女もいると岬は思う。 「あぁっそういう話ね。そんなことあるか?」 「あるでしょ。普通、可愛いとかそういうのって、好意がある相手に抱く感情でしょ」 「いやそれはおかしい」 「はぁ?」 「俺にとっての可愛い子は無数にいる。古賀だって、ツナちゃんだって可愛いしな」 岬の白い指が尾国のワキをどすっと突く。 尾国は悲鳴を上げ、ベンチから転げ落ちそうになった。 岬は、自分の耳を触ったみた。耳はほんのりと温かくなっていた。 「あ、あのなぁ…!可愛いと好きは違うだろ。もちろん、俺だって自分にとって可愛い子を好きになるさ。けど…好きっていうのは、可愛いのその先にあるんだ」 「じゃあ単に好みのストライクゾーンが広くて、自分の好みに入った子に可愛いって言ってるってこと?それでも勘違いさせる可能性はあるでしょ」 「別にストライクゾーン広くないと思うけどな俺」 「広いでしょ。私と七子って全然違うじゃん。系統」 「そりゃあそうだけど…。勘違いさせるつもりはなくてだな…さっき言ったように俺は単に自分がどう思ってるかを…」 「それはいいって。あんたがどんなつもりで言っていようがさ、実際、勘違いさせてたんじゃないの」 「へぇ?」 尾国が間抜けな声を出す。 「前に、早野さんに告白されて断ったらしいじゃん」 岬が言うと、尾国は口を驚くほど大きく開けた。 「なんで知ってんの!?」 「そーゆーのすぐ回るから」 岬は人差し指をくるくる回した。 早野とは、他クラスの早野咲希のことだ。 早野は文武両道容姿端麗の人気の女子で、 彼女のことを好きでいる男子の数はかなり多い。 「あんた。早野さんにも可愛いって言ってたんでしょ。知ってるよ」 「うげー。まじで?」 尾国が珍しく舌を出して渋い顔をした。 「うん。ついでに、それが原因であんたが一部から陰口叩かれてるのも知ってる」 「え。俺それ知らないんだけど」 尾国が眉を下げてわざとらしいくらい悲しい顔をした。 「そうなの?それはごめん。けど、因果応報でしょ」 本人に可愛いと伝えてその気にさせておいて、告白されたのに、断った。なんて普通に考えてサイテーだ。 「それでさ。なんで断ったわけ?早野さんって男はみんな好きでしょ。実際、あんたも可愛いと思ってたわけだし」 自分でもどうしてそんなことが気になるのか分からないけれど、岬はつい追及してしまった。 尾国は両手を膝に置き、ふうと息をついた。 「別に早野が嫌なわけじゃない。今でも可愛いと思うよ。けど、付き合うってことになると俺はどうしても──ダメなんだ」 「ダメって?」 「なんていうかさ、付き合うとその時点で終わりに向かっていくだろ?恋愛が」 「そんなことないんじゃない?付き合ってからも楽しいことあるだろうしそれも恋愛の一部だと思うけど」 「まぁそうだな。じゃあ言い方変えるわ。付き合うと、恋愛の第一部が終わる。そんで次に第二部が始まる」 尾国がピースサインをする。 「第二部…」 「そう。付き合ってから始まる恋愛だな。そんで次は?どこで二部が終わる?」 「次は…同棲とか?けどまぁ──」 ──この歳で付き合ってそこまで行くことはまぁない。 「同棲とか…結婚とかにしてみるか。そこからまた第三部が始まる。そこから場合によっては子供を作ったりとかするだろ。そんで…最後には子が親離れして…それでだいたい二人で老後を過ごして…。こんな感じでさ、恋愛って終わりあるじゃん。つーか、多分恋愛と呼べるのって早くて結婚までか、長くてもその後しばらくくらいだろ?」 「そこまで考えないでしょ普通は」 考えすぎだ。 「考えるんだよそれが。恋愛って好きな気持ちがある限り続くとは思うけど、流石にずっと一緒にいたら冷めるだろ。恋愛なんてたいてい、最初が一番熱くて、徐々に冷めて行くもんだろ?」 珍しく尾国が熱弁している。 「そうとも言い切れないと思うけど。人によっては、結婚してからもっと好きになれる場合もあるだろうし」 「少数派だろそんなの。俺はたいていの場合の話してんのさ。だって俺もたいていの場合パターンを歩むだろうからな」 「待って。あんたそこまで考えて早野さんを振ったわけ?」 そんな、普通この歳で考えるようなことでもないことくどくど考えて告白を突っぱねたなら──やっぱりサイテーだ。というか、どうかしている。 「いや流石に結婚がとかそこまで考えないけどさ。さっき言ったように恋愛は最初がピークだ。付き合ったらあとは萎んでいくと俺は思ってる。だからさ──」 尾国は背筋を伸ばして岬の方を見た。 「──だから、俺は好きな人ほど友達でいたいって思うんだ」 尾国の透き通った声が暗い店内に響いた。 「なにそれ」 「分からないか?友情って、最初よりどんどん濃くなっていくものなんだよ」 「それでも、喧嘩とかするでしょ。途中で絶交することもあるし」 「そりゃあ途中で友達じゃなくなる場合もあるよ。けど、それはもとから自分と相手とが違う世界の人間だったってだけさ。俺が言ってるのはそうじゃない。一生友達でいれるって確信を持った友達との友情ってこと」 岬は、尾国が言っていることが分からないわけではない。 けど、それが早野咲希を振る理由にどうも結び付かなかった。 「へぇ…そっか。じゃあ早野さんのこと好きなんだ」 岬は、意味もなくガラス戸の方を見てつぶやいた。 「えっ。なんでそうなるんだよ」 「だってそういうことじゃないの?早野さんが好きだから、友達でいたいから断ったんでしょ」 「いや、それとこれとは別っていうか…。 俺は結局さ、誰が相手でも、萎んでいくだけの恋愛をしたくないんだきっと」 「へぇ…恋愛自体が嫌なんだ?」 「嫌っていうかダメなんだな。付き合いたいって思えるような人がいても、俺はその人と友達でいることを選んじゃうからさ」 片思いされていて告白されたら萎んでいく恋愛がしたくないのを理由に拒み、自身が誰かを好きになっても、告白された際と同じ理由で相手と友人でい続けることを選ぶ。 そんな尾国の理論は、恋愛をことごとく避けるような理論だ。 「早野はまぁ、俺より良い人いるよ。こんな考えしてるやつと付き合うのは勿体無いし」 「まぁそれはそうだね」 「おいおいちょっとはフォローしてくれよ」 「ちょっと考えすぎでしょ」 「やっぱりそう?」 「自覚あるんだ」 「まぁな。けど、こればっかりはなんともなぁ」 尾国はぴょんと立ち上がった。 ベンチが軋む。 尾国がいかにしてこんなに恋愛を遠ざけるような結論に至ったのか、岬にはなんとなく想像がついた。 けれど、それは本人に"伝えなくて良いこと"だとそう思って飲み込んで、岬はベンチから立ち上がった。 「さて。帰るか」 尾国がガラス戸を開ける。 途端に。 線香のような香りが店内に舞い込んできた。 「あっ──」 二人が店から出ると、ちょうど店前に女性が立っていた。 和服を着て、髪を丸髷に結った女性──。 女性は岬と尾国の間に割って入るようにして引き戸を開け、中に入ってしまった。 「今の人…」 岬はガラス戸の方を振り向く。 「お店の人か!?ならお礼を言おう!」 尾国が勢いよくガラス戸を開ける。 だが──。 店の中は変わらずがらんとしていた。 そして、岬の背筋にひんやり冷たい感覚がびしっと走った。 「ねぇ!ちょっとこれっ──」 岬は店の棚を指差す。 尾国がごくりと息を飲む。 何もない。 さっきまで大量に陳列されていた無数の駄菓子。お面。おもちゃ。それらが何一つなくなっている。 それどころか棚やベンチは埃をかぶっていた。 まるでもう何十年も人の手が入っていないようなそんな寂れた光景だ。 岬と尾国は顔を見合わせ、ゆっくりとガラス戸を閉じた。 ◯ 「いやいや!牛だったろ!?」 すっかり夕焼け色に染まった帰り道。閑静な住宅街に尾国の興奮した声がやかましく響く。 「そんなわけないでしょ。普通の女の人だったって」 「いやいや!それ店に入る前だろ!?入った後!後ね!?俺が言ってんのは!座敷でほら、いたろ?そん時、顔の半分…牛だったけどなぁ…キカイダーみたいにこう…」 尾国は自分の顔に手を当てて、顔を半分に区切って熱弁する。 「キカイダーって…古いし」 尾国が言うには、店の奥の座敷に、あの女の人が見えたらしいのだが、その顔が半分牛だったのだという。 ただでさえ駄菓子が消えていたという不思議な現象で頭がいっぱいなのに、女の人の顔が牛だなんてもうお腹いっぱいだ。 「もしかすると俺たちが食ったお菓子は全部あの牛の女の人の魔法なのかも…」 「もういいって。またくすぐるよ?」 岬は脅しておいて、隣を歩く尾国の肩をコチョコチョくすぐった。 尾国はまたみっともない声をあげた。 「それで。あんたいつ引っ越すの?」 怖い話から話題を変えたくて、岬は別の話をした。 「うん。終業式の次の日だ」 「じゃあ…もうすぐってことか」 尾国がいなくなる日が思ったよりも近くて、岬は自分でも驚くほど、驚いた。 「そうだな。明日から引越し作業に追われるから忙しくなる。だから、あの店連れて行くなら今日しかなくてさ」 「やること出来てよかったじゃん。もう私にゲームで打ち負かされることもなくなるし」 「何言ってんだよ。古賀との勝負は最高だったろ。一生忘れないぜ。あの罰ゲームもな。いやー寂しいね。デッドホーム3も出来なくなるし」 「自分で買いなよ」 「だな。いや、買ってもらおう。デッドホーム3買ってくれそうな方に付いていっちゃおうかなぁー」 尾国はオレンジ色の空を見上げてふあふあとあくびをした。 「呑気だね」 岬と尾国は、昼間の熱の残ったアスファルトの上を歩く。 不思議だった。 尾国と並んで歩いていても、なんにも思わない。 少し前まで、尾国俊介と並んで歩くなんて想像もしていなかったのに。まして、それに慣れてしまうなんて。 こうして歩くことは恐らくもうない。 岬はなんとなくそんな気がしていた。 うるさくて、耳障りで、何から何までムカつく奴だったけど、今はもう何も感じない。 へらへらしているところは相変わらず腹が立つし、蹴ってやりたくなるけれど。 やたらとでっかい滑り台のある大きな公園。そのすぐ近くの長い階段。尾国は家に帰るためここを下っていくが、岬は下りる必要はない。 つまり。 ここでお別れだ。 明日も学校で会うことにはなるけれど、こうして一緒にいるのはこれが最後。 一番、聞いておきたかったことを聞けるのも、これが最後。 「じゃあまたな」 尾国が手を挙げて階段を一段、下りる。 「あの日さぁ」 岬が声を絞り上げると、尾国が足を止めた。 「あの日。雨の日。私のこと助けてくれたけど、どうして人のこと、助けるの」 まだ友達でさえなかったあの日、他人の自分をどうして危険を顧みずに助けたのか。 「古賀って好奇心旺盛なのな」 振り向いた尾国はへらへらしていた。 「いいから教えて」 なぜか岬はちょっと怒ったように詰め寄った。 「いや教えるって言われても…うーん…まぁぶっちゃけ…カッコつけたかったから?」 尾国は照れくさそうに頭を掻きながらけろりと言って見せた。 「はぁ…!?なにそれ」 岬の声が裏返る。 くだらない。 あまりにくだらない理由だった。 「がっかりしたろ?人の優しさに理由を求めない方が良いぞ古賀。たいていこんな感じでしょーもないから」 にひひと笑った尾国の顔は、これまでで最も肚の立つ顔だった。 「ほ、本当にそれだけ?だってさ、助けるまで、襲われてるのが私かどうかも分からなかったじゃん。それでカッコつけるためにわざわざ来るっておかしいでしょ」 理由に納得のいかなかった岬は早口で捲し立てた。 「うん。まぁそうだな…そもそも、困ってる人を助けないって選択肢が俺にはないんだよ。見てみぬふりなんて出来ないからな!俺、善い人だし!」 オレンジ色の逆光に照らされながらも尾国の笑顔が眩しく弾ける。 困っている人を放って置けない。 善人とは、こう言う人間のことを言うのかも知れないと岬はそう思った。 ムカつくけど、善人だ。 自分は違う。 「じゃあな古賀。今度こそお別れだ!まぁ、学校で会うけど」 大袈裟だ。 けど、その通りだ。 尾国が敬礼しながら、後ろ向きで階段を一段ずつゆっくりと下り始める。 不思議だけど、悪くなかった日々が、時間が遠のいて行く。 助けてくれたことも。ゲームで戦ったことも。罰ゲームのことも。英語を教えたことも。帰り道でのことも。駄菓子屋でのことも。 決してつまらなくなんかなかった。 否──楽しかった。 それが尾国に伝わっているだろうか。 今を逃せば二度とそれを伝える機会がない。 これは、伝えるべきことだ。 「ねぇ」 声を発したのと同時に、全身を巡る血が、熱くなる。 口を開いていると、心臓の鼓動が漏れ聞こえているように思えて、唇が震えて、喉が縮こまって───なかなか言葉を発せない。 既に階段の下の方にいた尾国がくるりと背を向けた。 心に募った焦りが一気に溢れ出しそして──。 ───ありがとう。 岬はようやっと声を絞り出した。 カラスが啼いた。 既に階段を下り終えていた尾国は、岬の声がよく聞こえていなかったのか、それとも聞こえていたのか分からないが──黙ったまま、前を向いたまま右手を挙げた。 うっざ。 遠く小さくなっていく尾国の背を見て岬はそう思った。 ◯ この前の晴れの日が嘘だったように、終業式の日は土砂降りだった。 やっぱりまだ梅雨は明けていなかったのだ。 尾国は学校に来ていなかった。担任によると、家の都合で来れなくなったという。 昨日尾国とは学校で話した。と言っても、引越しの話は学校では出来ないから、せいぜい授業の話とかデッドホームの話とかその程度で、それらも会話というより、二、三ラリーのちょっとした挨拶のようなものだった。 結局、昨日が尾国と話す最後になってしまった。 ──うわ。なんか天気微妙だな。ひと雨きたら最悪だ。 ──傘持ってきなよ。一応まだ梅雨なんだから。 ──そうだったなぁ。じゃあ!また! 確か最後に交わしたのは、そんな会話だったと思う。 最後にしては実に平凡。実にくだらない会話だった。 そんなことを思いながら岬は一人、帰路についていた。 もらった成績表を誰かと見せ合うこともなく、誰かと待ち合わせることもなく、まっすぐに家に向かっていた。 こうして一人で歩いていると尾国と二人で帰って家でゲームして、英語を教えて、駄菓子屋に行ったりしていた日々がやっぱり嘘みたいに思えた。 なんとなく。 本当になんとなく。 岬は、"あの道"を通ることにした。 あの道。あの日、女に襲われたあの抜け道──。 傘を少し窄めながら小さな小径を抜けて、あの通りに出る。 途端に、激しく傘を打つほど土砂降りだった雨が弱まった気がした。 天候のせいかまだ昼前なのに、夕方みたいに薄暗い。 空き地がいくつかあって、倉庫があって、そして───。 弱まった雨の中、女が一人ぽつんと立っていた。 女は岬を見て、大きな目をさらに大きく開いた。 雨で湿った黒い髪。長いまつ毛。 傘を握る拳の小指のあたりが腫れている。 「みーさーきっ。久しぶり」 霧雨の中、"阿久津 七子"はにこりと微笑んだ。 〈了〉

Comments

すみませんちょっと返信が抜けていたので追記です! 仰る通りこの話では結局、幽霊は出てきていません。 この時点での岬と七子には幽霊というものが非現実的な存在です。 あの時はまだ、あちらの世界と繋がってはいなかった。ので、岬視点のこの話には幽霊というのは出て来れないわけですね! 駄菓子屋のアレがあちら側の世界との繋がりの始まりということになるのかも…?? 私自身、心霊というものを色んな角度から見て、考えていきたいなという気持ちもあります。 ので…今回はそういう気持ちも込めて書いてみました!!

Kara

尾国がいなくなれば、岬にはもう七子という居場所しかありませんからね…。 どれだけ尾国と楽しい時間を過ごそうが、最後には私たちの知る未来へと時間は進んでいきます。 岬をあの未来へと導くのは、霧雨の中に立つ七子。 七子はこの話のあと、心をへし折られるまでの時間をどう過ごしたのか…岬も…。ひとまずは二人とも、ゲームや駄菓子屋とは程遠い生活を送っていくことでしょう。 あの呪詛の条件はむしろ、俊介だけを生かすような仕組みとも受け取れますよね。 あんな条件でも、俊介だけは絶対に死なせることはありませんから。 現在も一般人であると思われる俊介がどこまであの呪詛事件の真相を知っているのか定かでは無いですが…もし真相を知ったならば、あの性格ではきっとじっとしていることはないでしょうね。 苦労した箇所も沢山ありました。ありましたけれど…こうして喜んでくださって感想も頂けて…本当に書いて良かったと思えます!! こちらこそありがとうございました!!

Kara

そうですね…尾国俊介は間違いなく奇跡の存在だったと思います。 複数の世界を渡り歩けるといえば矢内くんもそうですが、尾国みたいに拒絶されても乗り越えてくるようなことは多分しないでしょう。 いつもなら、岬を助けるのは七子です。けれどこの時はそうではなかった。 これ自体が奇跡的だったとも言えますね! 奇跡の連続によって岬は生まれ変われるかもしれない機会に恵まれました。 むしろ、これほどの奇跡が重ならないと岬は生まれ変わるチャンスすらなかったのかもと考えると中々難易度の高い人生ですね。 もしも。 尾国が引っ越さなかったら…岬はどうなっていたのかなと私も考えます。七子との縁が切れるわけでもなく、七子と尾国の二人と仲良くしていたのかなとか。 七子が改心しても、その二人の中を尾国が取り持っていたのかなとか。 その先の未来には、きっと史上最大の呪詛事件の主犯になるという結末は決して存在しないでしょうね。 駄菓子屋での俊介の意味深な発言はなんだったのでしょうね。 いきなりあんなこと言われたら確かに怖いですね笑 まるで岬の未来を視ているかのような発言でしたが…本人もよく分からないまま言っていそうですからあんまりあてにならないかも…ですね! しかし同じようなこと?を言っている人物がどこかにいたような…。 駄菓子屋の半獣半人の奇妙な女は、私も幽霊よりは妖怪だと思いますね! それもすごくすごく長い時間生きているっぽいのも同感です! 半分牛で半分人間と言えば… "予言獣"と呼ばれるあの妖怪が頭をよぎりますが果たして…。 いやしかしそうだとしたら…。 もしかするとまたどこかでひょっこり話に出てくるかもです! そうです!霧雨女?さんは変態です! あれは速やかに通報しないといけません。通学路の見回り強化をしないといけません。本来は! ですが、考察されている通りあの変態は七子により罰せられました。 七子が岬にあの道を通らないように言っていたのは、あの変態がよく出没するのを知っていたからかもしれません。それとも何か別の理由もあったのかも…。 ともあれ、幽霊っぽい女を倒した七子がこれで勢いづいたのは間違いないでしょうね。だからあんなことになってしまった…。結果的にあの変態…霧雨女?は七子と岬の二人の運命を変えてしまったとも言えそうです。

Kara

尾国俊介のように世界の線引きを乗り越えてくる、しかも何度拒絶されても諦めない人間なんて滅多にいないと思います。実在するかも分からないです。 でもそんな存在が確かに古賀岬の人生にはいた… 第一の奇跡です。 そして、霧雨女に襲われたところを助けてくれた恩から線引きの内側に入ることを許してしまうという出来事… 第二の奇跡です。 その奇跡が転機となり、岬は尾国の薫陶を受けて心が善に、素直な人間に生まれ変わりつつありましたね。 そのまま、引っ越しという別れなんか無ければ良かったのに…。 もしもずっと尾国俊介が同じ学校にいたら、悪い未来をぜんぶ全部ひっくり返していそうです。 駄菓子屋の謎が幾つか残りましたが…。 俊介は魔導師みたいな特殊能力持ちじゃない認識なので、いきなり変なことを言い出したのは「怖いからやめて?」ってなりました笑 和服を着て、髪を丸髷に結った女性…。 すぐに違和感を覚えて時代にそぐわない格好だと気付いて恐怖でしたね。 牛とか…これは幽霊じゃなくて、長く生きている妖怪なんじゃないかなと予想します。 この作品だけで完結した存在なのか、他にも関わって来る日が来るのか…ですね。 霧雨女、あなたはオバケなどではなく、ただの人間の不審者であり変質者ですね! 最後は七子を襲おうとして普通に返り討ちにされた後のように見えました。 この時の七子は、幽霊の正体見たりとばかりに、幽霊など絶対にいないことを確信したと思いますね。 そして大人をボコったことで更に自らの暴力の強さに絶対の自信を持った…。 その調子付いた七子が本格的に登校して来る学校は二学期からどうなってしまうのか…! …なんか心外かもしれませんが、この作品単体だと幽霊の存在を否定して終わるかのようなオチにも見えて、Karaさん作品らしくない現実主義をも感じて意外で面白かったです。 最後に七子が帰って来たこと、岬が七子の所に帰ってしまったこと。 俊介によって起こされた奇跡が全て上書きセーブされて台無しになっていく未来が暗示されている様です…。 当然、呪詛事件を生き残ったであろう俊介は、ニュースを見ながら今、何を思うのだろうか…。 中学生の頃の古賀岬と同じように、この青春に胸が熱くなりながら読んでいました。 本当に心を動かされる作品でした! ありがとうございました!

(´・ω・`)

4.くだんの駄菓子屋 そうですね!仰る通り、尾国の言っていたデカい女とはあの斑鳩壊のことです! さて…尾国の目に浮かぶ星模様やまるで未来を見ているかのような発言はとてーも不思議なものですが…それは尾国の力なのかそれとも、半分牛の顔をした女のいたこの不思議な駄菓子屋が関係しているのか…。 今は定かではありません…! 確かに尾国はハクと同じように強い正義感を持っているようですね! 二人は意外と気が合うかもしれませんね…! そうですね。もし、尾国が転校しなかったら、高校まで交流が続いていたら…少なくとも古賀は呪詛に頼ることはなかったんじゃないかと思いますね。 ですがそれはたらればの話…実際には古賀は孤立し呪詛に頼り悲惨な人生を送ることになります。 だからこそ、この梅雨の出来事は、古賀にとってもとてもとても印象深いものになっているのでしょうね。 現在が暗いほど、過去は輝いて見えるといいますからね…。 ハッピーエンドかバッドエンドかどちらかを選ぶならこれは後者かもしれませんね。 なんせ、こんなに楽しい日々を送っていても、古賀を待ち受けているのはあの結末ですので…。 こちらこそ素敵な感想をありがとうございます。 古賀岬の感情やらなんやらを描くのは苦労しましたが、少しでも古賀のことを知っていただけて、そして楽しく読んでいただけたようでなによりです! このシリーズではまた、お馴染みの登場人物の過去を描いていくことも多くなっていくと思うのでこちらこそよろしくお願いします!

Kara

reoさんありがとうございます! そうですね!今作はホラーシリーズとあの日のシリーズの中間くらいの雰囲気だったかと思います! 楽しんで頂けたようで何よりです! 1.霧雨女 古賀がくすぐられるシーンは、『死擽』の最終回で描く予定でしたが文字数や展開の都合上省いたので、今回こそはと思って書かせていただきました! クールな性格の人間こそ、くすぐりで無理やり笑わせ悶えさせるに限りますね! さて、阿久津があの道を通りたならなかったのは過去に霧雨女に襲われたからなのかどうなのか。 この時点では、まだ阿久津は怪異のことを信じ切っていないので、もしかしたら別の理由で通りたがらなかったのかも知れないですね! 2.デッドホーム 確かにこれまでの古賀岬のイメージはゲーム好きとは思えないようなものだったと思います。 実際、古賀にこういう側面があったら面白いな、と思って描写しましたので! そうですね。二人がゲームをしているシーンはやっぱり、ハクと沙楽のシーンも少し意識しました。 しかも両者ともほとんど同じ時期に同じような青春の送り方をしているという…不思議な偶然もあるものです。 高校編や死擽での古賀はとにかく暗い人生ばかりが目立ちますが、こんなふうに楽しいことも当然あったようです。 なんせこの頃彼女はまだ普通の女の子だったわけですからね。 3. 10分ぶっ通しコチョコチョ地獄 個人的に描きたかったのは、古賀が責めるシーンでした。なので、今回のくすぐり描写は書いていてウキウキしましたね…! 反抗的な男子をくすぐる制裁…七子はやってそうですが、見ず知らずの異性をくすぐることに抵抗がありそうな古賀がそこに乗っているビジョンはなかなか想像できないところではありますね! ただ、相手が女なら古賀も参加していそうな…!? とはいえ、また機会があったらそういったシーンを書いてみるのも面白いかも知れませんね! 尾国の言っている"かんなんとか"は、あの日の悶絶シリーズの大学編にがっつり登場しておりますので、また読む機会がありましたらその際にチェックしてみてください! いろいろ他にも発見があるかと思います!

Kara

4. くだんの駄菓子屋続き 困っている人を放って置けないという尾国はハクに似てるなって思いました。 もし尾国が転校せずにずっと古賀と一緒にいたら、古賀があんな悲惨な末路を迎える事は無かったのかもしれませんね。 古賀と尾国の物語は、ハッピーエンドともバッドエンドとも言えないKaraさんらしい?切ない終わり方になりましたね。古賀がこの後起こす事件を知っているだけに、何とも言えない読後感が残りました。 最後になりますが、素晴らしい作品を読ませて頂きありがとうございました。古賀が楽しそうにしているのを見て、少し泣きそうになりました。また機会があれば、ホラーシリーズやあの日の悶絶シリーズの登場人物の過去編を描いて頂けたら嬉しいです。

reo

擽鬼夜行『霧雨女』凄く面白かったです。 ホラーシリーズの怖さとあの日の悶絶シリーズの切なさが混ざり合った独特な雰囲気の作品で、読んでて楽しかったです。 1. 霧雨女 古賀がくすぐられるシーンはこてまで無かったので、今回初めて見れて嬉しかったです。 普段クールな彼女も、怪異にくすぐられたら普通の女子中学生のように大笑いするんですね。 前半ネチネチとくすぐって獲物の体力を奪っていき、後半激しくくすぐって獲物を呼吸困難にさせる霧雨女のくすぐりはとても恐ろしいです。 阿久津が霧雨女のいる道を通りたがらなかったのは、過去に霧雨女にくすぐられた事があったからかもしれませんね。 2. デッドホーム 古賀がゲーム好きなのは意外でした。ゲームは子どもっぽいからやらない!って言ってそうなイメージだったので、良い意味で予想を裏切られました。 古賀と尾国が楽しそうにゲームをしているのは、青春っぽくて凄く良かったです。あの日の悶絶シリーズ中学校編で、ハクと沙楽がゲーセンでゲームをしているシーンを思い出しました。 古賀の過去は割と悲惨なイメージでしたが、楽しいこともあったんですね。 3. 10分ぶっ通しコチョコチョ地獄 古賀が誰かをくすぐるシーンが描かれたのはこれが初めてですが、阿久津の親友なだけあってくすぐり上手いですね。 10分間ぶっ通しくすぐられ続けた尾国には同情しますし、気絶せずにくすぐりを耐えきったのは偉いと思います。 阿久津と古賀が二人で誰かをくすぐった事もありそうですし、もし機会があれば、中学時代の阿久津と古賀が、自分たちに反抗的な男子をハードにくすぐる話を読んで見たいです。 あと、尾国が言っていた関西で悪ガキどもをぶちのめして回ってるかんなんとかというのは、ホラーシリーズかあの日の悶絶シリーズに登場する誰かだったりするのでしょうか。今回の話とは関係ないですが、気になったので質問してみました。 4. くだんの駄菓子屋 尾国の言っていたデカい女って斑鳩壊の事ですよね。瞳に星模様のようなものが見えた事といい、尾国は何か特殊な能力を持ってるんでしょうか。もし尾国に何か秘密があるのなら、ホラーシリーズかあの日の悶絶シリーズに再登場しそうですね。

reo


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