SamuKata
吉田誠治
吉田誠治

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SIRENのファンアートを描いた経緯

この記事でお伝えしたいことは、PS Storeで配信中の『SIREN』ちょっと難易度高いけど面白いし1100円しかしないから是非プレイしてね!ということです。他に主張はありませんので、ぜひ以下のリンクからご購入ください。

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以降のスペースでは、どうして今回SIRENのファンアートを描いたのか、という話をしたいと思います。一部流血表現を含むイラストがあります。苦手な方はご注意ください。

久々にファンアートを描いた

PlayStation Plus クラシックスカタログに『SIREN』が配信されることが発表されてから、急に思い立ってファンアートを何枚か描きました。時期を空けつつ計8枚も連続で描いているので、なんで突然こんな、みたいな反応も若干いただきましたが、理由としては単純に僕が『SIREN』の大ファンで、今回の配信で急に描きたくなったからです。他に理由はありません。

もともとプロのイラストレーターになってからの20年でファンアートらしいものはほとんど描いていないのですが、その中の数少ない例外が『SIREN』で、発売当初から数度にわたってファンアートを制作しています。特に恩田美奈についてはこれまでに何度も描いて一部はネットにも投稿しています。ただここ10年は描いていなかったので、唐突に感じられたかもしれません。


なお、『SIREN』のディレクターである外山圭一郎さんの新作『野狗子: Slitterhead』は諸事情で未プレイですが、明日あたりからプレイしますし、おそらくプレイしたらそちらのファンアートも描くと思います。

『SIREN』というゲーム

『SIREN』は2003年11月6日に発売されたPlayStation用のゲームで、開発はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)のジャパンスタジオ。日本の寒村を舞台としたホラーゲームであり、物語的には小野不由美の『屍鬼』に明確に影響を受けたゾンビものですが、「視界ジャック」など独特のシステムと高い難易度によって非常にカルト的な人気があります。

僕も発売前からとても楽しみにしていましたが、実際プレイしてみると期待以上に面白く、作り込まれた世界観も考察しがいのあるもので、大ファンになってしまいました。もちろん解説本の『SIREN MANIACS』は購入して熟読しましたし、続編の『SIREN2』『SIREN: New Translation』もプレイしています。ただ繰り返し遊ぶようなゲームデザインではなく、他にプレイしたいゲームもあったので、実際プレイしたのは計3周程度だったと思います。


『SIREN』のゲームとしての魅力は、やはり視界ジャックとホラーの親和性の高さにあるかと思います。視界ジャックは敵の視界を見ることのできる能力で、プレイヤーキャラクター全員が使えます。これを使うことで敵の位置や巡回ルートを把握するだけでなく、敵の視界を通して重要なアイテムの在処を見つけたり、他の登場人物の会話を盗み聞きしたり、謎解き要素にも関わってきます。


『SIREN』に出てくる敵(屍人)は、主人公が一対一ならギリギリ勝てるものの、二体同時に相手するのは無理という強さなので、ゲームのほとんどの場面でいかに敵に見つからずに進めるかが重要になってきます。視界ジャックを使って敵の居場所を把握し、マップの構造をあらかじめ理解しないと、何もわからないままゲームオーバーになってしまうようなステージも少なくありません。難易度の高さに挫折する人も多く居たほどですが、この戦略性の高さが一部のプレイヤーに高く評価されました。


視界ジャックをする際は敵の声も聞こえるのですが、この声にそれぞれ個性があり、なにか意味のある言葉のようなものを発するときもあるため、徐々に敵の思考にもシンクロするというか、自分自身がゾンビ化していっているような、なんともいえない不気味さがあります。このゲーム自体、びっくりさせるような演出は皆無で、ジワジワと追い詰められる演出がメインなのですが、視界ジャックはそういう演出との相性も良く、知らず知らずのうちに精神が侵食されていく強さがあって最高です。

ただ、それ以上に魅力的なのがキャラクターと世界設定で、特に牧野と宮田という二人のメインキャラクターにまつわる物語は反則級でした。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、本編でもあまり饒舌に語られているわけではなく、ゲームのとあるギミックに気付かないとわからない仕込みがあったりと、むしろプレイヤーが積極的に情報を拾いにいく必要がある仕掛けも良かったと思います。


この二人の他の登場人物もみんな魅力的で、名台詞や名シーンがたくさんあります。ゲーム自体の時間軸がバラバラに進行する特殊なシステムのため、実際何があったのかが徐々に明らかになっていき、その過程で過去のエピソードの隠された意味が分かるときのカタルシスなども最高でした。ゲーム実況によって人気が出たのもこういった仕掛けの豊富さや、あとはやはりキャラクターの魅力が大きいと思います。

他にも全て実際に制作されたというアーカイブ(収集要素)や、俳優の演技をそのまま取り込んで制作されたテクスチャなどいろいろ語りたい独自要素はあるのですが、ゲームとして楽しむために一番大事なのはゲーム性とキャラクターだと思いますし、そのどちらもが魅力的であることが『SIREN』というゲームの最大の魅力だと考えています。

『サイレントヒル』と『SIREN』

そもそもどうして『SIREN』を発売前から楽しみにしていたのかというと、その前にプレイした『サイレントヒル』が面白かったからという点が大きいです。『サイレントヒル』は1999年にコナミから発売されたホラーゲームで、実は外山ディレクターはじめ、『SIREN』とほぼ同じスタッフの作品になります。


『サイレントヒル』の評価は人によって様々な意見があると思いますが、僕としてはマップ構成の秀逸さを最初に挙げたいです。『サイレントヒル』では何かのきっかけで通常の世界が荒廃したような裏世界に舞台が変わる瞬間がありますが、まず比較的平和な表世界を一通り歩いてマップの構造を覚えさせてから裏世界に変え、表世界では通れた場所を通行止めにすることで記憶を頼りにどこを通れば目的地に辿り着けるか推理させるというギミックがありました。いきなり敵だらけな上に知らないマップを歩かせるのではなく、知っているマップにすることでより複雑なゲームプレイになっているところに魅力を感じました。


一方で逆の演出、つまり先に裏世界で凄惨な状況を見せておいてから、表世界で再訪することでその本来の姿とのギャップを楽しませるというギミックもありました。他にも既存のマップかと思わせてドアを抜けると全然知らない部屋が出てきたり、行きには部屋中にあった机を帰りには一つだけ残してあとは全部消すことで異質感を演出したりと、マップ構造自体のアイデアに光る部分が多数あります。少ないリソースでゲームプレイ時間を増やすための苦肉の策だったのかもしれませんが、単調さを全く感じさせない効果的な演出に昇華できており、むしろ作品の面白さを構成する重要な要素の一つになっていると感じました。


『サイレントヒル』自体は、他にも霧に包まれた不気味な街という設定や、呪術的な儀式が鍵になってくる物語、精神世界にも侵入するような終盤の展開、どこか病んでいそうな登場人物たち、敵が近付くとノイズが交じるラジオ、病的なこだわりを感じるクリーチャーデザイン、妙に説得力のある小物のデザインなど他にも魅力はたくさんあります。個人的には、『バイオハザード』が2D背景に3Dキャラを乗せた疑似3Dだったのに対して、『サイレントヒル』では粗い画質ながら完全3Dでステージを歩き回れて見回せるうえに、ところどころ3Dならではのトリッキーなカメラワークで恐怖を引き立てているところが印象的でした。また、移動時に足の接地と地面がきちんと連動していてキャラクターがきちんと地面を歩いている感じがしたり、降ってきた雪が地面に落ちてしばらく残っているのも、細かい部分ですがPS1のゲームとしては衝撃的でした。こういう細かい描写がしっかりしているおかげで、『サイレントヒル』の特徴である繊細な恐怖演出も説得力を持つのだと思います。


また、些細な点ですが、実は初代『サイレントヒル』はほとんどすべての敵を倒さずにクリアできるステルスゲーム的な要素があり、発売当時はファミ通のやりこみコーナーでノーキル&ノーダメージクリアのタイムアタックが投稿されるほどでした。初代『サイレントヒル』の敵は視力が極端に悪いものが多く、ライトを消して静止していれば主人公にぶつかっても素通りしてくれるものも居ます。そのため、複数の敵がいる部屋を通り抜ける際は弾丸を節約するためにライトを消して視界の悪い中を忍び足で通過するというプレイも可能であり、当時から人気だった『バイオハザード』とは真逆のアプローチがとても新鮮でした。


そのため2001年に発売された続編である『サイレントヒル2』にも期待していました。実際、一般的には高い評価を受けた作品ですが、個人的にはあまり楽しめませんでした。マップは基本的には一本道で前作のような仕掛けは少なく、全体に単調に感じました。敵も簡単に倒せてしまうので緊張感が弱く、物語もヒロインとの関係性に興味が持てず共感できませんでした。前作にあった細部へのこだわりがあまり感じられず不思議に思っていたので、スタッフが別ということを知って納得し、同時にオリジナルスタッフの新作である『SIREN』の発売を楽しみにするようになり、実際にプレイして『サイレントヒル』以上に魅了された、という経緯です。

20年ぶりの再プレイ

『SIREN』以降も様々なゲームをプレイしたものの、やはりゲーム性も物語も『SIREN』以上の作品にはなかなか出会えていません。そのためもあってか、この20年間でファンアートを描いたのはほぼ『SIREN』だけという状況です。そして、そのほとんどが納得のいかない出来なので公開しておらず、今ではHDDのどこに保存したのかも分からなくなりました。

『SIREN』自体もPS2を使わなくなってからプレイしておらず、もう一度プレイしたいと常々思っていたので、今回のクラシックスカタログへの配信は僥倖で、プレイする前から当時の思い出が蘇り、居ても立っても居られず久々のファンアートを制作してしまうこととなりました。


当初は数枚描いたら満足するかと思いましたが、むしろ描けば描くほど次に描きたい題材と構図が自然と出てきて、1枚仕上げると次の10分で次の絵のラフが仕上がっている状態になりました。今も10枚以上のアイデアが脳内に出来上がっているので、少なくともこれを出力し切るまでは終わらないと思います。

もちろん配信されたゲーム本編もプレイして、プラチナトロフィーも獲得しています。ほぼ20年ぶりのプレイでしたが、屍人の配置などは結構覚えていて、半分ぐらいはスイスイとクリアできました。一方で完全に忘れているギミックもあって試行錯誤しつつクリアしたところもあったり、覚えているものの操作の難しさで苦労させられたステージもありました(高遠先生の学校ステージなど)


今回の再プレイで改めて良いと思ったのがキャラクターの魅力です。ゲームとしても面白いですし、物語も様々な展開があって楽しめるのですが、それらもキャラクターの魅力あってこそであり、まずは好きになれるキャラクターが居たからこそゲームを楽しむことができたのだと感じました。そして、そのキャラクターの特徴が各ステージのデザインや物語と上手く融合していて、メリハリのあるゲームプレイになっているからこそゲーム全体を楽しめるのだと思います。その自然な流れでキャラクターに感情移入した結果、ファンアートとして描きたい風景が自然と浮かんできてしまい、描かざるを得なくなったということです。

ひとまず描きたいキャラクターを中心に8枚制作しましたが、偶然とはいえ背景となるステージが全て別々になったのは、やはりこのゲームのバランスがよく考えられているからなのかもしれません。絵にするにあたって、第2条件を匂わせたり、重要なアイテムをこっそり描いたりしていますが、実況配信については観たことがないので、それ関連のネタについては言及していません。


そんなわけで今後もしばらくは『SIREN』のファンアートを描き続ける予定ですが、さすがに毎日ファンアートばかり公開しているとアカウント的に問題がありそうなので、投稿はある程度数がまとまったらすることにしました。なおファンアートの連続投稿でフォロワーの増減はどうかというと、ほとんど変化は無いみたいなので宣伝になっているのかは謎です。ただ今回のファンアートは純粋に描きたくて描いているだけなので、フォロワーの増減は気にしていません。『SIREN』の宣伝になると良いな、というのが純粋な動機です。


また、『野狗子』についてもプレイしたらファンアートを描くと思いますし、他のサイレンシリーズ作品や『サイレントヒル』などの外山ディレクター作品のファンアートも制作したいです。更新は不定期になると思いますが、本業に支障の出ない程度に頑張ります。

最後になりましたが、改めて、『SIREN』面白いしたったの1,100円なので、未プレイの方はぜひ買ってプレイしてみてください!

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