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褐色ボーイッシュな幼馴染㉒【裏2】

制服に付いた鼻血を手洗いで落とし、少しダボッとしたシンプルな無地の長袖のカットソーと膝丈ぐらいのハーフパンツという色気のない普段着に着替えてテキトーにコンビニで雑誌を眺めていた。


はぁ〜〜〜………

ハズイ…ハズすぎて死ねる…

花のJKになりたてなのに鼻血を出して鼻に綿を詰められながらなにやってんだわたし…

…いや、問題なのは教室でシてたことがバレたことだろう…

もう決して消せない事実を自覚する度に顔から火が出るほど赤面し、腋汗が止まらなくなる。

ど、どうしよう…

保健室の保科先生の前ではその事には触れてこなかったけどいずれその事についてコンタクトしてくるかも…

弱みを握られている以上、不利な状況には変わらない…

くっ…!!

かくなる上は先生に消えてもらうしか…

先手必勝か?

なんだったらわたしの方から接触を試みるか…

プロバビリティな方法で何かないか…?

などと漫画雑誌の推理漫画を読みながら考えに耽っていると横をすれ違う人の肩がドンと当たった。


『ってぇ〜な、ガキ!』


いかにもなカンジの柄の悪い輩二人組だった。

虫の居所が悪いわたしも思わず睨み返す。


『なんだぁ?その目は!ガキだからって容赦しねぇぞコラボケェ〜』


『ギャハハ!こんな小学生ぐらいのガキにマジに絡むなって!見れば鼻血の跡じゃん。ケンカにでも負けたのか?それとも苛められたか?カワイソウだね〜ギャハハ!』


小学生のガキ…

たまたま鼻血が完全に止まるまで汚れてもかまわない服を選んでこんな格好してるけど…

お前らの目は節穴か…!

ボーイとボーイッシュの見分けもつかんのか!?

ぐぬぬ…と震えて耐えていると


『お?泣くか?男だろ?そんなんで泣くなよハッ、だっさ…』


口の片端だけ引き吊らせ心底バカにしたような醜悪な顔をわたしの顔に近づかせて煽る輩。

男だ女だと今時こんな煽り方をするバカがいるもんだと思いつつ、そういう区別や決めつけを過剰に反応する気もないんだけれども、さすがにいい加減鬱陶しすぎてぷっちんときた。


『…わたしは女子高生だ!!!』


わたしは言うときは言う、やるときはやる女だ。

伊達にボーイッシュを気取っているわけじゃあない!

気付いた時にはそのアホの股間を蹴り上げていた。


『…はぅ…ッッ…!!!!!』


そのアホは悶絶して膝を付く。

中学三年間の陸上で鍛え上げたこの脚の威力、思いしったか!


『何しやがるんだこのヤロウ!!』


もう片方のアホが詰め寄ってくるのをかわし、コンビニの外へと駆け出した。


『待てゴぅラァァ!!』

『ゆ…許さん…!ブッコロ確定だボケゴラァ!!』


ふん、追い付けるもんなら追い付いてみなさいよ!こっちは陸上で県大会優勝してるんだからね!(時速約30㎞)

…って、ちょっと!マジ!?

振り向くとキックボードに乗って追いかけてくる!(時速約45㎞)

そんなの反則じゃん!

もう片方の輩は何故かセグウェイだ。(時速約20㎞)


『ケケケ!ヨユーで追い付くぞ!!』


輩の手が寸でのところでわたしに届くかという瞬間、わたしは咄嗟に真横へ急転回して横路に逃れた。


キキーーッ!

『急に曲がるんじゃない!!』

ガラガラドッシャーン!!!


派手な音をたてながら住宅街のゴミステーションに突っ込んだ。

速度的に原付で転けるのと変わらない。

し…しんだか…?


『クソボケがぁ〜』

ダンボールまみれになりながらもむくっと立ち上がる輩。

ゴミステーションに積まれていたダンボールのお陰かほとんど無傷の様だ。

するとようやくセグウェイニキも追い付いてきた。


『ギャハハ!ヘルメットしといてよかったな!』


『そうだな!…って待ちやがれこのガキィ!!』


まだ追ってくる気!?

わたしは再び走り出した。

『ハァハァ…』

たまに走っているとはいえ部活を引退して久しい。

やっぱり現役の頃よりは体力も落ちてるなという事を実感していると…

…まずい…!

この先は直線で入り込める横路がない!


『ケケケ!逃げ場はないぜ!!』


このままだと確実に捕まる…

そう思った刹那、目の前にワゴン車が急に立ち塞がる。


『南!乗れ!』


助手席のドアを開けたまま西谷先生が叫ぶ。

え…?

あ…

驚きながらも咄嗟にワゴン車に乗り込むわたし。


『出すぞ。しっかりつかまっておけよ!』

キキーーッ!


急発進で体を西谷先生の方に揺らされ先生の腕に抱き付く形になる。


『あっ!車なんてズルいぞ!待たんかいコラ、ボケェ!このっ、ボケがぁ!くそっ、ボケェ〜!』


『ギャハハ!罵倒のボキャブラリー草!』


車の中で後ろを振り返り確認すると輩二人組がみるみるうちに小さくなっていく。


『はぁ〜〜』


とりあえず助かった。


『悪いけどシートベルトしてね。』


いまだ先生の腕に引っ付いたままの状況から我に返って助手席にちゃんと座り直してシートベルトを締める。


『あ、ありがとうございました…』


『なんでこんな状況になったんだ?』


『せ、先生こそなんで?』


『俺か?俺は帰宅途中で偶然車の中から追い掛けられてるのを見かけたから…』


『…』


『…ま、まぁ喋りたくないなら無理には聞かんけど…それより怪我とか平気か?何もされてないか?』


『…男に間違えられて絡まれたから金的食らわせてやった…』


『お、おぅ…強っ!…ぷっ…』


西谷先生は堪えきれずに吹き出す。


『いや、すまん。どう見ても見た目は女の子にしか見えんのになぁ〜中身はけっこう血気盛んみたいだが…』


『そ…そうかな…冬也にも男みたいとか言われた事あるけど…』


『北瀬か。家が隣同士で小中高一緒の幼馴染なんだっけ?昔の野球漫画みたいだな(笑)付き合ってるんだっけ?』


『そ、そんなんじゃ…って言っても説得力ないか…冬也の名前言ってる場面もう見られてるし…つ、付き合ってなんかないよ…』


『そ、そうか…仲良さそうに見えるからつい…すまんな。』


『…』


『ま、まぁオッサンの教師が学生同士の恋愛にとやかく言うことじゃないけど…ああいう場所でああいった行為をするのは危ないからもっと気をつけてやった方がいいぞ。』


『う…てか普通やめろとか言うんじゃないの?』


『先生も学生ん時、覚えがなかったわけじゃないからなぁ〜放課後の教室で好きな子のリコーダーやブルマなんかで…』


『え、きも…』


『おぉい!』


『アハハ!』


どきつい場面を見られたわたしにさらにどきつい黒歴史を開示して和ませようとしてくれているのがわかった。意外と優しいのかも…


『てっきりソレをネタに脅して如何わしい事を強要してくるんじゃないかと思ってた。』


『酷いな〜エロマンガの読みすぎだろ〜そんなことするわけないじゃないか。第一、そんなの今のご時世すぐバレるしバレたら一巻の終わりだからな。』


『その言い方だとバレなければやるみたいに聞こえちゃうけど?』


『そ、そんなわけないじゃないか〜!』


『まぁこんな男子小学生に間違われる様な体型と見た目じゃ変な気も起こさないんだろうけどね〜』


『…そんな風には見えないがな〜』


『クシュン!…なんか急に寒くなってきたかも〜』


『春とはいえ夜はまだ寒いからな〜走っててかいた汗でも冷えたんだろ…』


ふと会話が途切れて胸元に視線を感じたので自分で確認するとカットソーの胸元では乳首が透けていた。

カットソーの下は薄い肌着のみの二枚でノーブラだったのが、体が冷えて乳首が勃って輪郭が浮いて見えてしまっていた。

さらにシートベルトでより強調されて貧…慎ましやかな胸のサイズのわたしでもくっきりとおっぱいが主張されていた。

それを見まいとしつつ、チラチラと視線を向けてしまっている先生に気付いた。


『ちょっと〜どこ見てんの〜?』


『あっ、いや…すまん…てかなんで下着してないんだよ…』


『あ〜、ブラにまで鼻血ついちゃってたからさ…帰宅してもうきょうは特に予定もないし、新しく着けるのもめんどいしいいか〜ってさ。外もちょっと近所のコンビニに買い物しに行くぐらいなら平気かなって。』


普段ノーブラのまま冬也の部屋に入り浸ってるし、何だったら先生にはもう生でおっぱい晒しちゃっているから今さら服の上からなんてそこまで騒ぐ事でもないし、不思議と嫌悪感みたいなものも感じなかったんだけど…


『先生…それ…』


わたしは先生の股間部分のジャージがこんもりと膨らんでテントを張っているのを見ながら指摘した。

わたしの視線の先を見て自分の状況を自覚したらしい。


『あっ…!!いや、これは…違うんだよ…生理現象というかなんというか…』


『何?こんな幼児体型なわたしに先生もしかして、欲情しちゃってんの〜!?やだ〜先生ロリコンなんだ〜?』


ぐひひとからかう感じで言うわたし。


『バッ…違っ…し、しょうがないだろ〜あんな場面見たあとじゃ〜』


『ちょ、もうあの場面思い出すの禁止〜!』


変なもんで、さっきまで男に間違われたり、冬也にも前に『そんな男と大差ない胸なんか』なんて言われたりもしたわたしのおっぱいなんかで欲情する先生を見て、嫌悪感どころかむしろ女としての尊厳を保てたとか、そういう変な安心感というか嬉しさの方が込み上げてきた。


『でも先生には変なトコばっか見られちゃうな〜』


『ハハ、まったくだ。長年教師続けてるがこんな生徒初めてだな〜』


『改めてさっきは助けてくれてありがとうございました。』


『いやいや、当然の事をしただけだよ。』


『教室でのこともあるし、口封じ…じゃなかった、口止めとしての意味も込めて何かお礼したいな〜』


『口封じって殺す気マンマンじゃないか〜コワッ(笑)そんなん気にしなくても誰にも言わんって!』


『何かわたしにできる事とかして欲しい事とかない?もちろんエッチなことはダメだけど。』


『え〜そんなの別に気持ちだけで十分だけどな〜』


『嫌。ちゃんとお礼したいの!……そうだ!先生、美術の先生だったよね?わたしがモデルになったげようか!?』


『モデルか〜去年の卒業生を最後に部員も居なくなって美術部も廃部になっちゃったからなぁ…デッサンも備品の彫刻とかでそういえばここ暫く生身の人間を描いたことなかったなぁ〜』


『じゃあちょうどいいじゃん!決まり!』


『いや〜でもいいのか〜?本当に。』


『もちろん制服のまま、服着たままだけどね♪』


『当たり前じゃい!生徒にヌードモデルなんてさせたら首じゃ済まないわ!』


こうして放課後に、それまで使われていなかった美術室にて先生の絵のモデル役を買って出たわたしだった。

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