お世話になっております!
1週空いてしまい申し訳ございません。
日頃の自分の作業のあいまいさ、言語化の難しさに
あらためて苦闘しておりますが
徐々に慣れて行けたらと思います。
今回は
前半では… 前回配布しましたテンプレートについての解説、
後半では… 漫画ネームにとりかかるにあたっての準備
を記した記事になります。
さて、表題から外れますがまずは
前回配布しました、CLIP STUDIO用 原稿テンプレートについて
内容を若干解説いたます。
A4、左開き、600dpi、個人の月刊連載としてよくある24ページを
想定して作りましたが
もしお使いの場合は個々人で使いやすいように編集なさってください。
想定しているレイヤー構成はおおまかに以下の通り。
普段の山本の使い方を図解するとこうです。
(テンプレートにはイラストは含まれておりません)
全レイヤを重ねた上で 「トンボ・基本枠」を表示させるとこうなります。
上から説明しますと、
「gb」はいわゆるグリーンバック
=彩度の低い緑色を全体に乗算しています。
この緑色には真っ白な画面を長時間眺めていると眼精疲労で目や頭が痛くなってしまう症状を抑える効果があるそうです。(個人差がありますが、山本はとても効果があるのを感じています)
このレイヤは清書・トーン作業の時には非表示にすることが多いです。
「断ち切り外」は製本の時に表示されない部分ですが、上図で言うとひとまわり大きい枠線までを描いたものが納品原稿になります。
とはいえグレー枠の中までをしっかり描けば十分なので、そのレイアウト感を把握するためにこのレイヤーを置きます。
この領域にたまに参考画像を貼っておいたりもします。
「ネーム」~「背景」までは見た通りの構成で、今のところこの分け方がいちばんやりやすいかなあと思っています。
「効果」には吹き出し、擬音(オノマトペ)などイラストの上にくる要素をまとめて置いてあり、翻訳版出版まで見越すとPSD出力の際には別レイヤに分けておくこともあります。(それ以外はだいたい統合する)
そして各グループの中には「r1」「r2」といったまっさらのレイヤがおいてあると思いますが、これは「ラフ1」とか「ラフ2」という意味で、自分はだいたい下描きを2周(ネーム→本下描き)するので2つずつレイヤーを置いています。もちろんもっといっぱいレイヤーを使っても構いません。
「効果」グループに置いてあるのは
「fr」=吹き出しラフ「gr」=擬音ラフですね。
絵の構成が複雑になるとまた、それぞれのグループでより細かいレイヤー分けをしたりもしますが、それは清書の項で記せたらと思います!
ご覧の通り、ネーム〜下描きの時には山本は複数の色を使って作業をします。
これの理由は簡単で、一つの色で作業するとどのレイヤがどれだかわからなくなってしまうからですね。あと地の画力も出るので結構つらい。
最初からルールを決めていたわけではありませんが、
一番重要なキャラクター=赤系
その下の背景=水色系
吹き出し、擬音=そのほかの目立つ色として原色の青、緑
という色使いに自然となっていきました。
これらの色分けはイラストの仕事をしていた時に培ったノウハウで、
厳密なルールがあるわけではないですが、パーツや人物ごとなんかに色を変えてラフをしていくとわかりやすいので漫画でも採用しています。
それではいよいよネームの作成に入りたいと思います。
「ネーム」とは諸説あると思いますが、ここでは
漫画の設計図=「セリフのすべてと、おおまかな絵のレイアウト」
が描かれたものとします。
要は下描きの一個前、お話を作る工程ですね。
先ほど使用した下描きもネームではこんな感じになります。
で、そもそもなのですが
漫画を描く=ネームを描く=どんなお話を書きたいのか考え、構成する
ということになるかと思います。
例えばイラストだけを描いていたらあまりやらないことをしなければならず、
この辺を自分はかなり我流でやって来ました。
お話作りのセオリーはもっとこういうのがある…と
今では本などを読んで知りつつはありますが、
この記事は普段山本がやってきたことをそのまま
メモするのが趣旨ですので、以下我流の書き方になりますがご容赦ください。
まず、以前自分が作った 簡単な「まんがのかきかた概要図(4STEP)」
がありますので、こちらをご覧ください。
自分はネーム作りにおいてもだいたいこのSTEPを踏んでいます。
ネームの実作業だけ切り取ると STEP2~3 が主になるでしょうか。
ふつう、お話(漫画)を描くにあたって
伝えたいテーマ・主張・情景、作者が日頃考えている課題・社会問題、
解決・昇華しなければならない想い・怨念
といった主張先行型があるかと思いますが、
自分は上図の通り、主張先行型の対極にあると思われる
キャラ先行型のお話作りを採用しています。
自分の中に豊かな主張やテーマ、経験がなくても、キャラを辛抱強く作って
その内面や状況を想像して行けば自然とストーリーラインが何本か
出来上がってくるはず、そうでなくとも
各要素の連想でひと固まりの箱庭が作れるという考えになりますね。
というわけで、自分でもこれを書いていてだんだんわかって来ましたが、
「核になるオリキャラを作る」作業がネームのまず準備段階として
存在します。(上図でいうSTEP1) たとえばこんな感じです。
これは毎年干支をテーマにした漫画を描いていた頃、「ねずみ年」にふさわしいキャラはどういうものかを考えたキャラ表です。
「元旦の干支レースでねずみが猫を出し抜いた」という昔話をもとに
・それを現代風にするなら登山レースかな
・ねずみには魔性の女、怪盗っぽい印象も入れたいな
・敵役はお正月のレースだから獅子舞っぽい魔獣かな
と、とにかく連想の連続で
作った表です。
あるいはこのイラスト。
「喫茶新魔王城」の漫画ができる前、なんの構想もなしに描いた落書き同然の
イラストです。一応ぜんぜん何も考えてないということはなく、
・獅子獣人が主人公のお話を描きたいな
・平和な日常の中のふしぎな出来事(平和の対極にある、魔王とか?)を描きたい
・舞台を一つのところに限定したい(だとしたらお店?喫茶店?)
・主な登場人物も3人ぐらいに限定したい、だとしたらヒロインと、もう一人は魔王の反対で勇者かな
というふんわりしたイメージが積み重なった絵になります。
この絵は…お話は脳内で割とできていたので、キャラを固めるために描いた、
キャラ表的ならくがきですね。どう違うのか説明するのが難しいのですが、この絵のやりかたはちょっとシステマチックすぎて良くないかもしれません。
※
とにかく、漫画の描き始め=シリーズの最初のうちはこういう絵を描いて
この人らはどういう人なんだろう〜どんな活躍をするんだろう
というイメージ固めをすることが多いようですね。自分でも今気づいた。
本来はこの時点でできるのなら
彼らが生きる舞台や背景まで描いてみたり、
キャラ同士の絡みを描いてみたり、とにかく息をするように沢山
落描きできる絵描きになれたら良いのですが…
今後精進します。
そしてその妄想をもとに以降具体的なネームにとりかかるわけですが、
そのやり方についてはまた次回ご説明しようかと思います。
(なので今回はネーム「準備」編とさせていただきました。)
更新は来週を目指します!
今回はたいへん遅くなり申し訳ございませんでした。
次回もよろしければ、どうぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。