お疲れ様です!
1週間ぶりになりますが、いよいよ
漫画の仕上げに移っていきたいと思います。
これまでの漫画の描き方はこちらから↓↓
https://s-k-k.fanbox.cc/tags/%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E5%9B%9B%E8%A7%92%E3%81%AE%E6%BC%AB%E7%94%BB%E3%81%AE%E6%8F%8F%E3%81%8D%E3%81%8B%E3%81%9F
さて、白黒の原稿においては2種類の仕上げ方があり、
・グレースケールでの仕上げ(白から黒までをグラデーション調に表現する)と
・モノクロの仕上げ(白と黒のみを用い、間の階調をスクリーントーンで表現する)
このどちらかを採用することになりますが、
自分は前者のグレースケールによる仕上げを採用しています。
これは自分がデジタルのイラストレーター出身であるため、
階調の多い手段で仕上げた方が馴染みがあるからです。
対して漫画や雑誌などのアナログ書籍はモノクロ=黒一色の印刷であるため、
グレースケールの原稿は掲載時にスクリーントーン調へと変換されます。
この変換はアナログ印刷物において基本、避けて通ることができません。
ただ、最近はこのモノクロへの変換がかなり自然なので、
それも自分がグレースケール方式を採用した理由になります。
(とはいえ注意すべき点も多いのですが…)
さて、線画まで描いた原稿を仕上げる上で、
自分が使うレイヤーは主に4つのグループに分かれています。
4つのグループは下から順に、
①下塗り
②スクリーントーン
③グラデーション・乗算影
④ホワイト
といった感じになります。
こちら順を追って説明していきます!
①下塗り
カラーイラストでいう下塗りとほぼ同様の作業で、
バケツ塗りの感覚で色(グレーや白黒)を置いていきます。
②スクリーントーン
グレースケールでは表現しきれない
パターンやテクスチャにはスクリーントーンを用います。
まずクリスタのデフォルトにある「ノイズ」トーンを多めに用い、
要所要所にダウンロードした素材トーンを用います。
なおレギュラーのキャラ達は
キャラ表などで色(グレー)・トーンを決めておくと作業が楽です。
③グラデーション・乗算
さらに原稿を塗り込みたい場合は
グラデーションや乗算影のレイヤを用意して
画面を明るくしたり暗くしたりします。
(↑ 筋肉の陰影を乗算で追加)
レイヤ表示順序の関係で、②スクリーントーンの
下にレイヤを敷く場合も考えられます。
④ホワイト
最後にハイライトなどの表現にホワイトを入れます。
(↑鼻や肌、装備品のテカリをホワイトで表現)
また、キャラを背景から浮かせるために、上図のように
キャラの周りの背景にぼかし状や縁取りのホワイトを入れることも多いです。
以上の4工程を、キャラと背景の両方に施します。
↑素の線画から、仕上げまでの一例。
仕上げにおいて最も注意すべきことは
グレースケール(階調)を多用しすぎない
この1点が最優先です。
というのも、
グレーであちこちを塗れば塗るほど画面の情報量は増しますが、
それに比例して読み手への負担も大きくなるからです。
線画とベタだけの白黒で画が表現できるにこしたことはありません。
もしカラーイラストのような複雑な絵を何十枚も、
しかもセリフ付きで構成したのであれば、
作者も読者も疲れてしまう場合が大半でしょう。
↑こういう階調の多い絵はたまにあるから良いといえます。
また、特定域外の階調は雑誌や単行本化の時に
黒く潰れるか白く飛んでほとんど見えない
という危険性もグレースケールははらんでいます。
冒頭にグレースケール変換は自然だけど注意点もある…
という点に触れたのはこの事についてです。
具体的に言うと、
B(明度)50以下の値でグレーの濃淡を表現しても
印刷ではわかりづらくなり、B30以下は
ほぼほぼ黒で潰れて視認が難しくなります。
これは自分がコミックビーム2024年2月号に
載せていただいた読み切りからの1コマですが、
B50以下のグレーで画面をほぼ構成してしまったため
画面が暗く潰れてしまった例です。
(これはこれで雰囲気があると言えますが…)
また明るいグレーの表現も印刷では出づらく、
B90~99のグレーがまとめて同じトーンに変換される一方で、
白(B100)になった途端白く抜けるという現象も散見されました。
これらの点については次回でも触れていきたいと思います!
というわけで次回はひきつづき仕上げについて、
①印刷物を意識したグレースケールの方針
②クリスタの仕上げに便利なブラシ、トーン素材の紹介
などを深掘りしていきたいと思います!
それではここまでお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いいたします!