「ふっ・・ん・・っ・・!」 暑く照り付ける海風を孕んだ南国の日差し。 その熱に呼応して熱く灼けた砂浜。 誰もいない海辺で一人。 にちかは嘗ての自分をイメージしながら、 想いを馳せるようにその身を躍らせていた。 忙しくステップを踏むたびに、素足の裏が熱を帯びる。 嘗ての自分ならば火傷を負い、立つことすらも儘ならない状態になったであろう。 最初は小傷の絶えなかったにちかの足裏。 素足で外を歩く事など到底なかった嘗ての日々からどれくらい経っただろうか。 今ではにちかの足裏はすっかり固く変質し、島での原始生活にすっかり適応した形を成していた。 裸体を屋外で闊達に舞わせる事を全く厭わない自分。 にちかは褐色に灼けた身体を舞わせながら、自身の変化に想いを馳せていた。 (私の身体・・すっかり変わっちゃったな・・ほんとにこれでよかったのかな・・) 一人の時間を作るといつも繰り返される自問。 身体を舞わせる度、そんな想いがにちかの脳裏に去来する。 「っ・・ん!」 そんな雑念を汗と共に振り払うが如く、にちかはダンスに集中した。 スイッチを切り替えた様ににちかのステップが勢いを増す。 動きが早くなるにつれ、にちかの心に新たな雑念が湧き上がった。 (胸・・やっぱりもとに戻らない・・よね) 身体を振ると自身の肥大化した乳房が大きく主張し始める。 嘗てはなかった自身への重力が、にちかの身体に大きなバランスの狂いを生む。 産後の崩れた身体を直したくてこっそりと始めた自主レッスン。 その甲斐あってか、にちかの身体はみるみるうちに往年の締まりを取り戻していった。 だが肥大化した乳房と臀部は元に戻る気配が無かった。 こと乳房に至っては、戻るどころか日に日に肥大化していく有樣だ。 「ふっ!・・ん!・・あー!もう・・!」 にちかは堪らず声を荒げ、動きを止めた。 滴る汗と荒げる呼吸をそのままに、 後ろめたい視線を自身の身体に落とした。 そこには嘗ては無かった大きな膨らみが二つ存在していた。 嘗ても大きい方では有ったが、今ではそれを遥に凌駕する大きな乳房。 成長。 愛の結晶。 母の証。 大人の女。 浅い言葉で自分を労うも、全て空虚なものでしかなかった。 「こんな身体・・もう、美琴さんと踊れない・・な・・」 にちかは無意識に憧れの人を思い起こしながら、一人溢した。 もうアイドルに戻る必要は無い。 もうアイドルには戻れない。 美琴さんにも逢えない。 美琴さんにあわせる顔が無い。 もう後戻りは出来ない。 繰り返し訪れるやり場のない後悔の念。 そんな負の思考がにちかを満たした。 「っ!・・もー!イディが毎日しつこく揉んでくるからー!」 にちかは意識的に負の思考を逸らすべく、夫の悪態を吐いた。 「産後の身体が癒えたからって毎日毎日・・これのどこかそんなに・・」 にちかは自身の乳房を苛立ちに任せて強く揉みしだいた。 「んひっ♡・・」 勢いで肥大化した乳房を摑んだ途端、その先端から勢いよく母乳が強い快感を帯びて噴き出た。 無意識とはいえ自身の卑猥な声と母としての反応に、にちかは得も言われぬ自己嫌悪に陥った。 然し身体はにちかの反応をよそに、雌としての在り方を存分に示し始めた。 「あ、ああ・・もう!」 噴き出る母乳は留まるところを知らず、じわじわと快感を伴って次々と湧き出て来た。 にちかは自制を以てして抑え込もうとしたが、生物的本能として自身の乳房を揉みしだくという行為を止められなかった。 母乳を搾りだす度に訪れるゆったりとした快感の波。 それと共に赤子に与えて慈しみたいという強烈な母性。 それらがにちかの現状を抗う心を容易く打ち砕いた。 「ん♡・・ふ・・い、いい♡・・イディ・・」 乳房から母乳を搾り出す度に、夫と赤子の顔が快感と共に去来する。 にちかは僅かに残った理性で村へと帰るべく、のたのたと生まれたての動物が如く覚束ない歩を進めた。 ぬるり。 にちかの両脚が不自然に滑った。 「あ!」 溜まらずにちかは声を上げ、砂浜の木陰に転げ込んだ。 そこは柔らかい砂浜だったので、にちかは大したことなく済んだ。 横転から立ち直りながら自身の両脚を見ると、それは自身の秘所から漏出した大量の愛液に塗れていた。 一連の有樣に、にちかは酷く赤面した。 そして無様な自分を一層嫌惡した。 「・・ほんと私って・・もう・・」 にちかは少し考えて押し寄せる様々な想いを口にしようとしたが、今の溢れる感情をとても言葉には出來なかった。 そしてその状態から逃げ出すように、先ほどの行為を再開した。 「ん・・♡い・・いい・・もっと♡」 にちかは先ほどにも増して、自身の乳房を激しく揉みしだいた。 呼応するように噴き出す母乳。 その母乳を一身に浴びながら、快感に身を捩った。 暖かい母乳と自身の秘所から溢れる熱い愛液。 にちかは自身が醸し出す快感の海へと次第に浸っていった。 「ああ!!いい!!・・も・・もっと♡イディ!!イディ!!」 乳房と秘所を激しく責めながら、にちかは喘いだ。 「イディ!イディ!もっと!!きてぇ!!」 心のどこかで愛する夫の名を叫び、にちかは全ての厭な事から束の間の逃避を選んだ。 「あひいいいいいい!!!!」 快感が最高潮に達し、にちかの身体が痙攣と共に海老反りになる。 にちかは母乳と愛液と汗、そして涙と涎に塗れながら絶頂を迎えた。 (薬に溺れる人って、こんな感じなのかな・・) 薄れゆく意識の中で、にちかは場違いな事を考えていた。 (私・・もう元に戻れない・・もう・・ゼッタイ・・) にちかは未だ溢れる体液と共に、暗い意識の淵を滑り落ちていった。
囚人六号
2025-08-18 15:24:55 +0000 UTC善野英子
2025-08-18 13:04:54 +0000 UTC善野英子
2025-08-18 04:15:06 +0000 UTC