女囚体験 完全版1
Added 2022-12-08 15:04:36 +0000 UTCカメラが回ったので息を吸い話し始める。 思いのほか冷たい空気が肺に充満するが声が震えないように丹田に力を込める。 「皆さんこんにちは、今回私は特殊刑務所に来ています」 「数年前から新たな法律と共に適応となった特殊刑務所」 「その仕組みや実態は多くの人に知られておりません」 「私自身も良くわかっておりません」 「そこでリポーターである私が3日間実際に女囚として入所し、特殊刑務所がどのような場所なのか、身体を張って皆さんにお伝えします」 「私はこれから3日間、正確には独房への収容完了から72時間の間、本物の囚人と同様の扱いを受けることになっています」 「刑務官さん達には、私が本当の囚人であると伝えられています」 「別の刑務所に収容するために一時的に収容されるという話になっています」 「当然、私には刑務所内の囚人用の規律が適応されます、規律違反等をした場合、本当に罰を受けることになっています」 「特殊刑務所の規律はとても厳しく、些細な事でも罰を受けるそうです」 「正直とても怖いです」 「新鮮な反応を撮影するために、私にはここまでしか内容を伝えられていません」 「どの様な行動が規律違反となるのでしょうか…」 「私の反応も含めて御覧下さい」 「私は本物の囚人、カメラはドキュメンタリーという設定で撮影を行います」 「では…これから収監されてきます」 後ろから撮影されながら、刑務所の奥へと進む。 はぁ…何でこんなことに…。 私の名前は渡辺みなみ。 20歳の現役大学生で、学業の傍らこうしてテレビ番組のリポーターの仕事をしている。 いくらリポート…仕事とはいえ実際に収監されるなんて…。 あぁ…足が重い…。 収監なんてされたくないのに、自らの足でその場所に向かっているなんて…。 与えられ、受けてしまった仕事である以上やりますけど…やりますけど…本心はやりたくない…。 こういう体験みたいのって長くても1日とかじゃない? それか、ちょっと拘束されてそれを撮影するぐらい…。 最初は囚人体験と聞いて面白そうだと思ったのに…。 はぁ… ディレクターさんから指示を受け、指定された部屋の前に来た。 コンコン 「はい、どうぞ」 中に入ると刑務官の女性が出迎えてくれた。 若い刑務官の方だ、歳は私と変わらないぐらい。 「貴女が今回女囚体験をする渡辺さんですね」 「はい、渡辺みなみです」 この人は私が体験で来てるって事を知ってるんだ…。 「刑務官の高橋です」 「あ、よろしくお願いします」 「よろしく」 「事前に少しは説明されてると思うけど改めて説明させて貰いますね」 「お願いします」 「ではこちらにお掛けになって下さい」 机を挟んで座面と背もたれが紺色のパイプ椅子に座る。 「今回渡辺さんは女囚として当刑務所の独房へと収容されます」 「独房…」 「渡辺さんがリポーターで体験をしに来ているという事は刑務官の中では私しか知りません」 「はい」 「勿論所長は知っています、刑務官の中で知っているのは私だけになります」 「そして、渡辺さんを担当するのは私の上司にあたる平井刑務官という男性の刑務官となります」 「…はい」 「これから、渡辺さんを囚人として拘束します」 「その後、移送されてきた囚人として平井刑務官に引き渡します」 「は…はい…」 「ここから、私は全く関われなくなります」 「今回の体験の性質上、途中で体験を停止することは出来ません」 「それでも体験するというのであれば、こちらの承諾書にサインを」 「はい」 リポーターとしての立場上、ここで止めるわけには行かない。 承諾書にサインを書く。 「はい、では確かに…」 「頑張ってくださいね」 「え…あ、ありがとうございます」 「女囚への拘束へ移ります」 「はい」 「こちらのカゴに服を全て脱いで入れて下さい、下着もです」 「は…はい」 ガタッ… パイプ椅子から立ち上がり着てきた服を脱ぐ。 カメラの方を一瞬見る。 モザイクは入るはず…。 隠すと恥ずかしいのはわかっているが隠さずにはいられない…。 「では服はこちらで預かりますね」 「はい…」 「よいしょ…」 ドン… 高橋刑務官がジュラルミンケースを机の上に置いた。 ガチャ ガチャ 「こちらが管理用首枷、手枷、足枷となります」 「はい…」 「これら3点に加え防声具が当刑務所の囚人が普段身につける事を許されたモノです」 「え…服は?」 「ありません」 「え…」 「服を着せてしまうと服の中にモノを隠す事が出来てしまう為に今まで様々な問題が起きていました、なので囚人服はありません」 「そんな…」 「規則は規則ですので」 「なお、強制労働日には身体の保護の為に労働用ラバースーツの着用が義務付けられています」 「労働用ラバースーツ?」 「ゴム製の厚手のスーツです、まぁ見たらわかります」 「今回の体験では2日目がその強制労働日に当たりますので、そちらも体験していただきます」 「さ、枷を嵌めていきます」 「まずは管理用首枷です」 「う…はい…」 「その前に、髪の毛を結んで下さい」 「はい」 髪ゴムを渡される。 「規定より長いので本来なら切らなければならないのですが、結べば大丈夫でしょう」 「用は顔が髪で隠れなければ良いので」 「ポニーテールにしてください」 「はい…」 言われた通りポニーテールに結ぶ。 「で…管理用首枷ですね」 「う…」 高橋さんが手に取ったのが首枷…。 幅2㎝、厚さ0.5㎜、直径10㎝程の金属製の輪っかだ。 輪っかにシャックルが付いている。 ズズッ… カチャ… 鍵を挿し入れ回すと、片方を丁番に半円に開く。 まず、後ろ半分が首筋に当てられる。 「んっ…」 金属製なのである程度予想していたが、予想以上に冷たい…。 そしてすぐに輪が閉じられ、首の全周に首枷の内側が触れる。 カチン… カチャ… スッ… 首の左側で施錠された。 そしてシャックルが中央に来るように調整された。 「んん…」 自分の手で触れてみて、改めて首枷が嵌められているのを実感する。 「あぁ…」 首枷は私の首の太さにピッタリな様で、相当無理をしないと小指すら入らない。 鍵がなければ外せない首枷を嵌められてしまった。 首に輪っかを嵌められて…恐らくこれから鎖に繋がれるのだろう…。 まるで犬だ…。 自らの置かれた状況に落胆した。 「手枷を嵌めます、腕を後ろに…」 言われた通りに腕を後ろに回す。 腕を掴まれ首枷と同様の構造の手枷を嵌められる。 左右それぞれに嵌められ、最後にそれを互いに繋げられる。 カチャカチャ… 掴まれていた腕が放されると、手枷がお尻に触れる。 これまた冷たい…。 腕の自由を奪われ、首枷の時には感じなかった拘束されるという感覚を知る。 拘束ってこんな感じなんだ…。 先程までそこまで大きく意識してなかったが、これでもう身体を隠す事は出来なくなった…。 胸も股間も…隠す術が私にはない。 「背中を丸めずに、胸を張って下さい」 「は…はい」 「足枷を嵌めますんで足を開いて…」 「はい…」 足首にも手首と同じような…多分サイズだけが違う枷を嵌められる。 カチャカチャ… カチャカチャ… 両足首に足枷が嵌められると、足枷同士は40㎝程の鎖で繋げられた。 ジャラジャラ… 「よし…どうですか?」 「痛いところとか無いですか?」 「痛いところは無いです」 「それは良かった」 「次に防声具と呼ばれる口枷です」 「はい」 「世間一般的にはハーネスボールギャグと言う形らしいです」 「ん…」 「このボールを咥えて下さい」 「はい…アム…ンム」 シリコン製の赤いボールを咥える。 シリコンの味がダイレクトにして不味い…。 ボールから横にベルトが伸び頬の金属製のリングを介してうなじでバックルが留められる。 「ンム…」 頬のリングから上方向に出ているベルトは鼻の脇を通り、眉間のリングで合流する。 眉間のリングからは上にベルトが伸び、登頂部を通り、うなじで留めたベルトに接続される。 頬のリングから下方向に出るベルトは、顎の下で留められた。 「ウウ…」 「まだ、緩いですね」 「ンッ!?」 ギュッ… ギュッ… ギチギチ… ベルトが緩かったらしく、増し締めをされる。 そして後頭部の縦と横のベルトに小さな南京錠がかけられた。 「ンムゥ…」 「囚人は喋る必要もなくただ刑を全うするだけ、命令に従うだけなので、防声具も基本的には外されません」 「ンッ!?」 「食事の際のみ外されますが、それ以外は着けっぱなしになります」 「食事の際も発言は禁止です、あ…これだけは伝えておきます、発言が確認された段階で懲罰の対象となりますお気をつけ下さい」 「ンッ…」 「例えそれが、何かの確認であったりしてもです」 「ンオッ…」 「懲罰は日頃の行いの中で判定されます、重大なルール違反を犯してしまうと懲罰房行きとなります」 「懲罰を受けている時間、懲罰房へ入れられている日数は懲役の期間には含まれません、その時間…又は日数分延長されるだけです」 「では平井刑務官に引き渡します」 「ンッ…」 「これからあなたは囚人管理番号27番となります」 「ン…」 27番…もう名前ですら呼ばれないんだ…。 「27番」 「ンッ」 ジャラジャラ… カチン… 首枷のリングに2m程の鎖が繋がれた。 グイッ… 「ンンッ…」 「…背筋を伸ばして歩いて下さい」 「今の貴女は刑に服している状態なので、姿勢が悪かったり、反抗的な態度をとると懲罰の対象となるので注意してください」 「どんな事にも従って下さい、そうすれば懲罰にはなりません」 「ンッ…」 「そしてどんな理不尽な事でも笑顔で感謝をして受け入れて下さい」 「ムォ…」 「例えば…」 キュッ… 「ンッ!?」 「こんな風に乳首を摘ままれたりしても…」 コリコリ… 「ンッ…」 「心のなかで感謝をして相手の目を見ましょう」 「良いですか…」 「ム…」 「では…」 ガチャ… ジャラジャラ… ジャラジャラ… 鎖を引かれ部屋から出る。 あれ…カメラマンさんは着いてこないんだ? そう思ったが、その疑問を投げ掛ける手段がなかった。 かなり長い廊下を歩かされる。 リノリウム製の床…。 掃除はされているのだろうが、足裏に細かな塵が付くのを感じる。 私以外は土足で歩いているのだから当たり前だ。 肌寒い…。 心細い…。 すると前から男性の刑務官が歩いてきた。 「平井刑務官、連れて来ました」 「高橋刑務官、ごくろうさまです」 「囚人番号27番ですね」 「はい、こちらが書類になります」 「はい、確かに…では身柄も受け取ります」 「よろしくお願いします」 「かしこまりました」 ジャラ… 首枷に繋がっている鎖の先が平井刑務官に渡された。 「では平井刑務官、引き渡し終了の為、こちらで失礼いたします」 「はい」 高橋刑務官は会釈をし、来た道を戻っていく。 私に対して会釈をしたのでは無いだろうが反射的に会釈をしてしまう。 「囚人の身でありながら会釈をするとは感心ですね、刑に服するという気持ちと感謝の心があるようですね」 「ンッ…」 「囚人番号27番が刑に服し、犯した罪を償えるようにしていきますので、よろしくお願いします」 「ンム…」 これまた、軽く会釈をする。 この人は私を本物の囚人だと思ってるんだ…。 「収容の手続は済んでいますので、囚人番号27番を収容する独房へ案内します」 「ンー」 グイッ ジャラジャラ… 再び鎖を引かれ、廊下を歩かされる。 「ウゥ…」 涎が口腔に溜まり、口の端から漏れ出す。 顎に溜まり、スゥと糸を引き胸に垂れる。 「ウグゥ…ズズッ…」 裸を異性に見られているというだけでも恥ずかしいのに、涎すら自分で拭えないのはなんとも惨めだ。 顔を拭きたい…涎が気持ち悪い…。 ん…これはエレベーター? 平井刑務官がその扉の穴に鍵を挿し込み回すと扉が開いた。 ズズッ… ガチャ… ウィーン… やっぱりエレベーターだ… 中に刑務官共々入る。 刑務官は地下一階のボタンを押した。 エレベーターが地下一階へ止まると、降りた目の前には壁があった。 刑務官が鍵をあける。 ガチャリ… 中へ入ったら内側から施錠する。 ガチャン… ガチャリ… ガチャン… そんな扉をいつか通った。 次にここを通るのはいつになるのだろう…。 「ウ…」 薄暗く…肌寒い…。 床も天井も壁もコンクリートの打ちっぱなしだ。。 廊下の幅は1m程しかなく、その両側の壁に無数の金属製で灰色の扉が付いている。 こちらも え…。 扉の間隔も物凄く狭い…。 独房って物凄く狭いんじゃ? そう思いながら鎖を引かれていく。 私の囚人番号と同じ、27と書かれた扉の前に来た。 ガチャリ… ガチャリ… ガチャリ… 扉の右側にある。 3つの鍵が解錠され、扉が開かれる。 「よっ…」 ガチャ… 中を覗く。 「ンム…」 中はコンクリートの打ちっぱなしで、天井から裸電球が吊るされているだけの部屋だった。 広さは一畳もなく、天井も2m程の高さしかない。 こ…ここに収容されるの? こんな場所に? 軽く首枷の鎖が引かれ中に入れと促される。 あまりの狭さと質素さにたじろいでしまう。 ここまで流れで従ってきた私も入るのを躊躇する。 パチンッ 「ングッ!?」 お尻を平手で叩かれた。 グイッ… 鎖が強く引かれ独房の中へ入る。 「良いですか27番」 「囚人に選択する自由はありません、出来ることは指示された事に従うだけです」 「素直に従えなかった場合懲罰となります」 「ン…ンオ…」 「ここに足を揃えて立って下さい」 独房の中央に扉の方向を向いて立たされる。 「背筋を伸ばし、胸を張り、顎を引いて」 「登頂部から吊られているようなイメージを持って下さい」 「ンッ」 「これが立位の基本姿勢となります」 「扉の確認窓が開いている間はこの立位の姿勢を維持して下さい」 「ン」 ジャラジャラ… カチャ… カチリ… あぁ… 鎖が奥の壁にあったリングに繋がれたのだろう。 「ではそのまま」 姿勢を維持している私を残し、平井刑務官は独房の外へ出ていく。 キィ… バタン ガチャン ガチャン ガチャン 扉が閉められ施錠された。 「27番」 「ンッ」 扉の目線ぐらいの位置に空いた小さな穴から声が聞こえる。 これが確認窓か…。 「先程も言いましたが、この確認窓が空いている間はその姿勢を維持、また他の姿勢になっていても、この穴が空いたら、即座に立位姿勢になってください」 「立位姿勢以外に許されている姿勢は正座です」 「窓が閉じている間は正座をすることが許されます」 「閉じている時の正座は強要ではなく立位でも構いません」 「後方にある排泄穴で排泄する場合と食事の時以外は基本的に独房の中心で正座をすることしか許されていません」 「それ以外の姿勢を勝手に取ると懲罰対象になります」 き…厳し過ぎ…。 「電気が消えた際はどんな姿勢を取っても大丈夫です」 電気? あぁ…頭上にある裸電球か…。 「ですが壁に触れてはいけません、壁に触れてしまっても懲罰対象です」 「ンムゥ…」 「ではまた食事の時間に」 「そうそう、排泄はいつ行っても構いませんが1日で最高3回まで許されています」 カシャッ 確認窓が閉められた。 正座して…良いのね… ジャラジャラ… カチャカチャ… 何とかバランスを取りながら、冷ややかなコンクリートの床に脛を付ける。 すぐに痺れそうだ…。 「ンムゥ…ズズッ…」 胸が既に涎まみれだ…。 それにしても特殊刑務所ってこんなにも劣悪な環境で厳しい所なの? 全然知らなかった…。 囚人になったらこんな風に拘束されて罪を償うのね…。 独房に収容されてからまだ数分…。 これがまだ後3日もあると思うと絶望感が凄い…。 でも、本当の囚人だったら何年も収容されることになるんだよね…。 たったの3日…72時間で出られる私と比べたらその絶望感は計り知れない。 でも囚人はそれだけの罪を犯したんだから…。 私は何も罪を犯して無いのにここに入れられている…。 何でこんな仕事受けちゃったんだろ…。 「ンヴゥ…」 まぁ…わかるはず無いよね…。 こんな風にされちゃうなんてさ…。 全裸にされ、口枷、首枷、手枷、足枷を嵌められて狭い独房に幽閉…。 後ろの壁に繋がれた鎖の長さ的には余裕があるけど、食事と排泄の時以外は動いちゃダメ…。 囚人というより奴隷のような感じ…。 明日には強制的に労働をさせられるらしいし…。 「ムハァ…」 足が痺れる…肌寒い…恥ずかしい…。 改めてあと3日はここから出られないと思うと自然と涙が出ていた…。 私悲しいんだ…。 自分の心に気がつくとボロボロと涙が溢れてくる。 「フグッ…ヒグッ…ズズッ…」 鼻水も涎もダラダラと出てくる。 泣こうが喚こうが解放なんてされないし、楽にもならないのに…。 逆に懲罰の対象になってしまうかも知れないので早く泣き止みたい…。 「ングゥ…ヒグッ…ヒグッ…」 落ち着いて…落ち着いて… 息を吸って…。 「ズズッ…スゥ…」 吐く…。 「ブフゥ…」 顔を拭いたいがタオルなどあるはずも無いし、腕が後方で拘束されているので物理的に不可能だ…。 「フグッ…ズズッ…」 楽な姿勢は無い…。 無いというか楽な姿勢になったら懲罰…。 懲罰の内容は知らされていないが、拘束や規則がこれだけ厳しいのだ、懲罰もとても厳しいものななるだろう。 何で私がこんな目に…。 何にもしてないのに…。 頑張って来たのに…。 そう思うと涙は…涙だけでなく、鼻水と涎も止めどなく溢れ出た。 あんまり考えたくないけど、私は番組の人気リポーター…。 その人気から疎まれることだってある。 人気ものだからと少し天狗になっていたのも事実だ…。 もしかしたら今の状況はそれに対する罰なのかも知れない…。 そんな風に冷静を装って考えてみても、俯瞰で自分を見てみても、今のキツイ状態は変わらない。 キツくて、悔しくて、惨めで、無様…。 どれぐらいの時間泣いていたんだろうか…。 「ウグゥ…」 足が痺れる…。 顎も疲れてきた…。 顔面、首、胸、腹部、股間、太ももは涙と鼻水と涎の混合物でビチョビチョになっている。 「ンムゥ…」 喉が渇いた…。 口は開きっぱなしなのですっかり渇いてしまっている。 涎を飲み込むことが出来ないわけでは無いが、粘度の高くなった涎なので飲み込みにくい…。 水が飲みたい…。 「ウ…」 痺れきって立てなくなる前に立ってみよう。 普段正座から立ち上がるのは何の気なしに行っている事だが、後ろ手に拘束されているとバランスを取るのが難しい…。 ジャラジャラ… うっかりバランスを崩して倒れたら受け身が取れないので慎重にたちあがる。 あぁ…立っていた方が足が楽だ…。 頭上の電球が点いている間はさっきの正座とこうして立っている事しか許されて無いんだ…。 排泄はいつ行ってもかまわないらしいけど…。 1日3回まで…。 なるべく我慢してからしなければならない。 軽く振り向いて後方を確認するが、左後方に直径10㎝程の穴が空いているだけだ…。 排泄をしたところで拭くことも出来ないのだろう…。 やはり酷すぎる…。 私の想像を遥かに超える酷さだ…。 その後何度も座っては立ち、座っては立ちを繰り返す。 もうやだ…。 そうして正座をして少しした時だった。 カシャッ… 「!」 確認窓が開いたので急いで立ち上がる。 「よし…27番確認」 「今から給餌の時間となります」 そういえば、お腹すいてたな…。 「下の窓を開け皿を入れるので指示があってから食べる事」 「食べている間は顔を上げないこと」 「上げた場合は給餌の終了と見なし、皿を回収します」 「半歩前に出て正座をしなさい」 「ン…」 ジャラジャラ… 言われた通りに正座をする。 「そして頭を床に付けなさい」 額を床に付ける。 「ンッ…ンム」 「では下の窓を開けますが動かないで下さい」 ガチャ… コトッ… 頭のすぐ前に何かが置かれた。 多分食事だろう。 「防声具を外しますが発声は厳禁です懲罰対象になります」 「顔を上げ、上体も起こしなさい」 「ん…」 ゴクリ…唾液を飲み込む。 数時間ぶりに防声具が外された。 目の前の床に置かれたそれはステンレス製の浅いお皿だった。 ペット用の食器にも見える。 そこにおじやの様なご飯が入っている。 乳白色に見えるのは電球が暖色系だからかも知れない。 まだ暖かいようで湯気が出ており良い匂いがする。 まだ指示が出ていないので待ての状態。 暖かいうちに食べたい…。 「給餌を許可する」 「ん…」 熱すぎないか確認して口を付ける。 ほのかに暖かい…。 ぬるいという方が正しいだろう。 味も薄いがこれが囚人の食事というモノなのだろう。 「はむ…むぐ…んむんむ…」 犬のように皿に口を付け、顔面の特に下半分をベタベタにしながらひたすら食べる。 顔は元から涙と鼻水と涎でベタベタだが…。 お皿に付いた米粒を舌で舐めとる。 ちょっと足りない感じだけど…これ以上貰えないんだろうな…。 「食べ終わりましたね、顔を上げなさい」 「ん」 「次に水です」 コトッ 「飲みなさい」 「んぐっ…んぐっ…」 水も飲み干す。 「そのまま下を向いて…」 「口を開けて…」 再びハーネスボールギャグを咥えさせられた。 「ンムゥ…」 カチャカチャ… 「給餌は以上になります」 「ムゥ…」 確認窓も下の窓も閉じられて、また孤独な時間。 また何度か座っては立ちを繰り返す。 ジャラジャラ… あぁ…限界だ…。 もう我慢できない…。 食事…とは名ばかりの栄養補給から数時間。 排泄意欲が限界まで高まっていた。 排泄するしかない…。 ジャラジャラ… この穴に…。 排泄用の穴は10㎝程度しかない…。 これにめがけてしないと…。 和式便所でするように、穴を跨ぎ腰を屈める。 かといって後ろの壁に触れてはいけないので体制的にだいぶキツイ。 キツイ姿勢だが限界まで我慢したので簡単に排泄出来る。 身体を丸め、排泄物の行く末をしっかりと確認しながら排泄をする。 出しきったが、腕は使えないし、第一拭くものが無いので拭くことが出来ない。 「ンムゥ…」 臭い…。 こんなのあんまりだよ…。 せめて乾くまでは立っていよう…。 お尻が乾いてから…また正座をする。 私はお昼前に収監されたので夜の食事が済みかなりしてから、電気が消えた。 もう一度排泄もした。 やっと寝そべれる…。 ジャラジャラ… といっても腕が後ろに拘束されている関係上、うつ伏せにしかなれないんだけど…。 コンクリートの床にうつ伏せになる。 その姿勢がとても楽に感じた。 そういえば、今日自慰をしてない…。 私は性を意識してから今まで、毎晩の自慰を欠かした事が無かった。 体調が悪くとも一度たりとも…。 それを初めて欠く日がこんな風に訪れるとはね…。 疲れきっていたのですぐに意識を手放した…。 … 「27番…27番…起きなさい」 「ンッ…」 全身が滅茶苦茶痛い…。 意識が覚醒し、一瞬どこにいるかわからなくなったが思い出した。 確認窓が開いてるから立たないと…。 ジャラジャラ… 「よし、27番の起床を確認」 「フグゥ…」 ガチャ… ガチャ… ガチャ… キィ 「!」 扉が開けられ平井刑務官が入ってきた。 「昨日は2度排泄を行ったようですね」 「ンオ…」 「排泄用の穴もしっかりと使えているようですね」 「今日は強制労働の日となります」 「ンオ…」 「これより労働用ラバースーツを着ていただきますが、そのまま着るのはあまりにも不衛生な為、身体の洗浄を行います」 「ンッ…」 ジャラジャラ… 「付いてきなさい」 独房の奥の壁に繋がれていた鎖が外され、独房から連れ出される。 そして洗浄室という場所に連れてこられた。 白いタイル張りになっている壁の目線の高さに独房と同じリングがあり、そこに鎖が繋がれる。 首枷の鎖の20㎝程の所で繋がれたのでそこから動けなくなる。 「防声具、手枷、足枷を外しますが、発声は厳禁です」 「ンオ…」 外して貰えるんだ…。 カチャカチャ… ガチャガチャ… 「今から60秒間頭上のシャワーヘッドから水が流れます」 「自らの手で身体を洗浄するように…」 「では、始め」 シャー… 「ひっ…」 本当に冷たい水が頭からかけられた。 だが身体を綺麗にする、絶好のチャンスだ。 まずお尻と股間を洗い、髪ゴムを外して髪を流す。 全身に水が当たるようにする。 何とか口にも水を入れ、口腔内の洗浄も行う。 「はぁ…はぁ…」 ピチャピチャ… 「タオルです」 平井刑務官からタオルを受け取り全身を拭く。 「では再び防声具、手枷、足枷を嵌めるので、先程と同様に髪を結んで下さい」 「…」 言われた通りに髪を結ぶ。 まだ、だいぶ湿っているというか、濡れているが仕方ない。 足枷から再び嵌められる。 嵌めやすいように、足を少し開く。 手枷も嵌めやすいように後ろで近付ける。 防声具のボールも自ら咥えに行く。 「27番は従順で嵌めやすくて良いですね、従う気持ちを忘れず刑に服するように」 そして独房へと戻される。 「先程も言った通り、今日は強制労働の日の為、労働用ラバースーツを着て貰います」 「首枷、手枷、足枷を嵌めているとラバースーツが着れないので今一度外します」 「ンム…」 着けたり外したり大変だなぁ…。 首枷、手枷、足枷をまた外される。 「こちらが労働用ラバースーツとなります」 密閉できるビニールの袋を手渡された。 中には黒い塊が入っている。 「27番の体型に合うサイズになっています」 この黒い塊が労働用ラバースーツ…。 「クロリネーションという加工がされたラバースーツなので通常のモノより着やすいはずです」 くろり?…着やすいような加工がしてあるのね…そもそも通常のラバースーツを知らないんだけど…。 袋を開けラバースーツを取り出す。 取り出すとパタパタと広がり人の形になる。 手袋も足の先の部分も全部一体になっている。 分厚いゴムで出来たスーツでダイビング用のスーツのみたいな印象を受ける。 「背面のジッパーを開け着てください」 背面のジッパーといっているのでジッパーのある方が背中なんだろう。 胸の膨らみ…カップの部分もちゃんとありその上部、身体でいうと首と胸の間の部分に白い字でNo.27と書かれている。 塗料というわけでもなく、白いゴムが貼り付けられているようだ。 ジジッ…ジィーッ… ジッパーを腰まで開き、身体を滑り込ませる。 スルッ… ラバースーツの内側はサラサラしており、確かに着やすい…。 踵が引っ掛かるので先に足首まで履く。 ラバースーツが足を締め付けて来る。 私の身体に対して些か小さいような? それでもスルリと身体を通していける。 ピチピチッ… 腰まで引き上げ、袖に腕を通す。 こちらも手袋の部分に先に手を収め、腕を覆って行く。 ギュム…ギュム… 両腕をスーツに収め、肩の部分をたくしあげると身体があらかたスーツに収まる。 ジッパーを腰からうなじまで引き上げる。 「ンム…ンオォ…」 胸郭が…全身が圧迫される…。 全身がピッチリと締め付けられる。 着たことの無い、ゴムの衣服の感覚にどこか気持ち良さを覚える。 ギュム…ギュム… これで裸では無くなったものの、より身体が強調されて恥ずかしい…。 「サイズはピッタリな様ですね」 「枷を戻します」 首枷から枷が嵌められる。 元々隙間の無い枷であったがラバースーツの上から嵌める事によって、更に隙間が無くなる。 ジッパーの持ち手に南京錠を掛けられる。 カチリ… ジッパーのスライダーが首枷より上に来ているのに加え、南京錠を掛けられたので、スライダーが首枷より下がる事が無くなり、ラバースーツを脱げなくなった。 ギュム…ギュム… ピチピチ… なんなの…この服…。 平井刑務官が手枷と足枷を持ち背後に回ったので、枷を嵌めやすいよう、足を肩幅にし腕を後ろに回す。 そうして、手枷と足枷を再び嵌められた。 だがそれぞれは繋がっておらず手も足も自由だ。 「ンム?」 「労働用ラバースーツは排泄時に自らジッパーを開けなければならないので、繋ぎ止める以上の拘束はしません」 「!」 ジャラジャラ… 首枷に鎖が繋がれ、その鎖が後ろの壁に繋がれた。 腕自由なんだ…。 「普段では立位と正座以外の姿勢をとるのは懲罰の対象になりますが、強制労働の日は身体を動かしても大丈夫です」 「ある程度の範囲ではありますが」 「ンオ」 そうなんだ…。 「それと排泄も回数制限が無くなります」 我慢しなくて良いんだ…。 「ではこのまま給餌となります」 「頭を床に付けなさい」 言われたようにコンクリートの床に額を付け、所謂土下座の姿勢になる。 手が拘束されていないので、土下座がしやすい。 防声具が外された。 「これは昨日と同様に…」 コトッ… 「顔を上げずに、手を使わずに食べて下さい」 「給餌を許可する」 「はむ…むぐ…」 ぬるい食事を一生懸命犬食いする。 惨めだ…。 そしてまた水を飲まされ、給餌は終了となった。 防声具をまた嵌められる。 「今から1時間後に強制労働を行う場所に連行となります」 「それまでに一度排泄を行って下さい」 「排泄後はトイレットペーパーを置いて置きますのでそれで拭いて下さい」 「拭いたトイレットペーパーは一緒に置いてあるビニール袋に入れて下さい」 「では…」 ガチャン… ガチャ… ガチャ… ガチャ… 「ンム…」 昨日に比べて自由が多い…。 えっと…。 丸一日とは言わずとも体験が始まってからほとんど後ろ手に拘束されていたので、両手が自由なのは変な感じだ…。 そもそも、首から下を労働用ラバースーツで覆われているので変な感じがするのは当たり前なのだが…。 ギュム…ギュム… ピチ… スーツの感触を確かめる。 身体が無機質なゴムで覆われている。 内側がスベスベしていて気持ち良い…。 こんなものを着せられての労働ってどんなことをするんだろ…。 それと…排泄を済ませておかないといけないんだっけ? ジャラジャラ… 労働用ラバースーツの股間のジッパーを開く。 ジジッ… 排泄用の穴を跨いで四つん這いになる。 腕で支えられるのでかなり楽だ…。 こんなに楽で良いのかしら…。 排泄を済ませ前と後ろを拭く。 あ…今なら弄れる…。 弄れるけど…多分自慰も懲罰の対象だよね…。 懲罰なんて受けたくないし、今日と明日を我慢すれば、私は自由だ…。 それぐらいは我慢出来る…。 そう思ったので、汚れたトイレットペーパーをビニール袋に入れ、スーツのジッパーを閉じる。 ジーッ… ジャラジャラ… ギュムギュム… ピチピチ… 「ンフゥ…」 「ウゥ…フブ…」 案の定、スーツの胸の部分も涎まみれにしてしまう。 「ンモォ…」 どうにかならないかなぁ…涎 それと…このスーツ通気性が皆無だから汗をかきそうだ…というか既に少しかいていて、動くとそれが如実にわかる。 そんな風にスーツの感触を確かめていると1時間が経過したようで扉が開き平井刑務官が入ってきた。 「強制労働の場へ移動となります」 「ン…」 「強制労働の場への移動は移送車で行われます」 「移送車は他の囚人と共に乗ります」 「囚人同士が顔を合わせるのは禁止項目であるため、これから労働の場までアイマスクを着けます」 「声も特徴をとらえるには大事な要素となるのでそれを聴こえないようにするため耳栓も着けます」 「その後車への移動となります」 「…」 革製のアイマスク、耳栓を嵌められ、手枷が前で繋がれた。 それから首枷が引かれ、独房の外へ連れ出されます。 「ンム…ンンッ…」 足裏の感触が変わり、スロープを登らされます。 どうやらさっき平井刑務官が言っていた車の中のようです。 柔らかい壁に身体が押し付けられ、手枷が頭上に持ち上げられて行きます。 足枷が肩幅に開いた所で固定され、二の腕、腰、太ももにベルトが巻かれ、壁に貼り付けにされました。 強制労働の場所まで、こんな拘束をされて運ばれるの? にわかには信じがたいが、そうやって拘束をされているのでそうなんだろう。 アイマスクをされていて確認出来ないけど、回りにも同じように拘束された囚人がいるのでしょう。 それから程なくしてエンジンがかかったのでしょう、身体が揺られます。 こうして私は運ばれて行きます。 最初は信号で止まっているのかと思いましたが、どうやらそうではなく囚人を一人一人下ろしているようです。 何度か止まっては進みを繰り返す。 身体を固定している二の腕、腰、太もものベルトが外される。 足枷の固定も外され、腕も下ろされる。 首枷の鎖を引かれ、外へと連れ出される。 スロープを降りている時に気付いたけど、外がむわりと暑い…。 身体を動かすとスーツの内側に既に汗が溜まっているのがわかる。 日の光が身体に当たっているのがなんとなくわかる。 土の匂いと草の匂いこれらがラバースーツのゴムの匂いの奥に微かに感じた。 アイマスクが外されると、眩しさに目が眩む。 続いて耳栓も外された。 「ンッ?」 ここは? 目の前に広がっていたのは田んぼだった。 え…まさか農作業? 「暑くなりそうですね」 振り向くと平井刑務官が立っていた。 その後ろには私たちを乗せてきたのであろうトラックが止まっていた。 平井刑務官は肩にボストンバッグを担いでいる。 「27番が担当するのはこの目の前の田んぼになります」 「ンッ」 「装備をお渡ししますね」 この田んぼで何をしろと? ドサッ… 平井刑務官は肩に掛けていたボストンバッグを地面におろした。 「まずは長靴…」 黒いゴム製の長靴。 「履いてください」 「ンム…」 足首には足枷が嵌まっているが、足枷は足首にピッタリのサイズなので、そのまま履ける。 ガポッ… ガポッ… 次に手枷同士を繋いでいた南京錠が外される。 「こちらのハーネスを背負うように着けます」 「ン」 黒革のベルトが胸の谷間をクロスするように渡される。 そのハーネスの背中側にスマホ程度の大きさの機械が取り付けられる。 「これはGPS発信装置になります、同じ場所に15分以上留まると、後々懲罰の対象となりますので気を付けてください」 「サンゴーグルです、日中の眩しさを軽減させます」 水泳のゴーグルのような形のサングラスを着けられる。 「日が落ちてくると見えにくくなりますが着けたままにしてください」 「そして麦わら帽子と水筒です」 「…」 水筒をたすき掛けにされ、頭には麦わら帽子が被せられる。 「最後にスコップです」 大きなスコップを渡された。 「これでこちらの田んぼの土を掘り起こしていくのが本日の労働となります」 「水分補給は自由に取って良いですし、水筒の中身が無くなったらボトルをここに置いておくので入れてから飲んで下さい」 「排泄は肥溜めがあそこにありますのであそこにしてください」 「それではお昼の給餌の際にまた来ます」 「では」 平井刑務官は再びトラックに乗り込み、居なくなってしまった。 田んぼに目を移す。 これを掘り起こすのか…。 絶対今日中に終わらない…。 考えていても始まらないので、作業を始める。 スコップの剣先を土に突き立てる。 ザスッ… 腕力だけでは刺さりきらないので、足で更に深く突き刺す。 ガッ… テコの原理で土を掘り起こす。 これをずっと繰り返す。 「ングゥ…」 ザスッ… ガッ… ザスッ… ガッ… 日の当たる場所での作業なのですぐに身体が熱くなり、汗をかきはじめる。 頭から滴る汗が目に染みる。 「ンフゥ…ンフゥ…」 ゴムに覆われた手の甲で汗と涎を拭う。 スーツの中を汗が滴り落ちていく。 出た汗は行き場がなく足先へと溜まって行く。 足がビチャビチャで気持ち悪い…。 「ンッ…ンホォ…」 暑い…。 ラバースーツが黒いので日の光を吸収し輪を掛けて熱くなっている。 なんで外での作業用なのに黒色なのよ…。 文句を言っても始まらない…というかそもそも文句を言えないので黙々と作業を続ける。 流石に喉が渇き、水筒を開けると柔らかいストロー付きの水筒だった。 これなら工夫すれば何とか飲めなくない…。 口に咥えさせられたボールと唇の間にストローを挿し込んで吸う。 大半が口腔から溢れ出る。 ボタボタボタッ あぁ、勿体ない…。 ん…凄く甘い… 「ングッ…」 これスポーツドリンクだ…。 「ングッ…ングッ…」 水分補給も程ほどにして、作業を続ける。 無心で続ける。 時折木々が揺れ、サアッと風が通る。 顔だけはその風を感じる事が出来るが、身体は厚いゴムのスーツのせいで殆ど何にも感じない…。 「ンモ…」 ザスッ… ガッ… ザスッ… ガッ… … 昼には平井刑務官が通りかかり、注射器のようなモノで給餌。 ドロッとした液体を流し込まれた。 お昼という事は作業時間も後半分位か…。 現時点で面積の半分も終わっていない。 午後は疲労から作業効率が下がる事を考えるととても終わりそうにはない…。 全部掘り起こさないとまた懲罰とかになるのかな…。 「ンハァ…」 給餌後、作業を再開してから1時間程経過した。 「ンヴ…」 便意を催してきた…。 尿意は常に汗が吹き出しているのもあってかそんなに無い。 あ…意識すると急にお腹が痛い…。 排泄は肥溜めでしろって言ってたよね? ザスッ… スコップをその場に突き刺し、田んぼの端に見える肥溜めへと向かう。 「ウ…」 凄い臭い…。 口腔はボールが占領しているため、ほぼ鼻呼吸の私に取ってはかなり酷だった。 肥溜めの形は長方形で、角のところにしゃがめば何とか排泄が出来そうだ。 ゴムに包まれ感覚の鈍い手で何とか股間のジッパーを開く。 ジジジッ… しゃがんで排泄。 「ンオォ…」 およそ人様には聴かせられない音を伴いながら排泄する。 あぁ…いっぱい出た…。 「ヴァ…」 あ…この後どうしよう…。 拭くものがない…。 どうしよう…。 手で拭き取る? その方がこのまま閉じてしまうよりもずっと良いと思った。 ゴムで覆われてるから実際には触れないわけだし…。 汚れたスーツもスポーツドリンクを少量使って流せば大丈夫だろう。 凄い勿体ないけど…。 ゴムに覆われた右手でお尻を拭き取る。 水筒のスポーツドリンクで右手を流す。 「ウゥ…」 ジッパーを閉め、作業に戻る。 ジジジッ… その後暗くなり、平井刑務官が迎えに来るまで作業を続けたが、最後まで終わらなかった。 肉体労働で身体はヘトヘトだ…。 ハーネス、サンゴーグル、水筒、長靴が回収され、耳栓とアイマスクを着けられた。 来たときと同じように拘束され、車で運ばれていく。 身を預けられる拘束だったので、クタクタだった私は少し眠ってしまった。 固定が外されている所で目が覚める。 足に力が入らないが、首枷を引かれ車の外に出される。 すると身体に水をかけられた。 「グゥッ…」 汚れたスーツを洗い流す為だろう。 つ…冷たいいっ…。 「ヴァァッ…」 ひ…寒い…。 幸い頭の方にはかけられ無かったが、著しく体温を持っていかれる。 そしてそのまま連れていかれる。 目隠しと耳栓が外される。 するとそこは私の独房だった。 戻って来たんだ…。 私は不思議と安堵を覚えた。 首枷の鎖は壁へと繋げられたが、手枷同士を繋ぐ錠は外して貰った。 「強制労働の後はすぐに寝てしまう事が多いのですぐに給餌にします」 「ウァ…」 晩御飯を食べ終わり、防声具を嵌め直して貰うとその数分後には灯りが消えた。 あぁ…横になれる…。 足の方に溜まっている冷えた汗が背中の方に流動してくる。 「ヒッ…」 股間のジッパーを開き汗を排出する。 ビチャビチャ… 独房内は雨は入ってこないし、風も通らない。 今日は労働用ラバースーツを着せられているからかほんのり暖かい。 「ウヴゥ…」 「ンン…」 横になるとどっと睡魔が襲ってくる。 「ウゥ…」 拭ききれてないはずのお尻を拭かなきゃなのに…。 開いた股間のジッパーすら閉めずに私は眠ってしまった。 泥のように眠った。 … 「ン…ンムぅ…」 股間がスースーする…。 あぁ…閉めてなかったんだ…。 閉じようと股間に近付けた右手が割れ目に当たる。 「ンッ…」 あ…今なら自慰が出来るじゃん…。 でも、色んな事が禁止されてるんだから、自慰何てしたら確実に懲罰だよなぁ…。 寝ぼけた頭ではそう考えていても、手は割れ目を弄り始めていた。 あぁ…きもちいい…。 ゴムに覆われた手の感触がとても気持ち良い。 抵抗が少ないので普段より快感が少ない。 かなり強めに指を動かさないと感じにくい。 でも、2日ぶりの自慰…。 私はまどろみの中、快楽を貪った。 貪ってしまったのだ…。 それが許されないと解っていながら…。 目の前の快楽に抗うことが出来なかった…。 … 次に意識が覚醒したときはまた独房には電気がついていなかった。 前後不覚になりながらも、自分がどこに居て、どの様な状況に置かれていて、昨日してしまった事を思い出した…。 身体が痛い…。 「ウゴゴ…」 単純に筋肉痛もあるし、コンクリートに寝ているので身体はガチガチになっている。 手探りでジッパーを閉じる。 ジジッ… 昨日の強制労働で失った体力を回復するために少しでも睡眠を取った方が良いのだが、懲罰の事を考えると全く眠れなくなってしまった。 自慰をしたことはバレてる…よね? 絶対懲罰になる…。 なんで昨日しちゃったんだろう…。 グルグルと思考を回すが、まどろみの中にあり我慢が出来なかったとしか言えない…。 それ以外に言いようが無い…。 答えの出ない問題…。 そう考えていると部屋の灯りが点く。 「!」 起き上がり、立ち上がる。 カシャッ… 確認窓が開く。 「27番…」 聴こえたのは平井刑務官の声だったが、その声に抑揚は無かった。 「囚人番号27番は昨夜独房内にて自慰行為をしたことが確認されました」 「グッ…」 「自慰行為は懲罰の対象となります」 や…やっぱり…。 ほ…ほんとに懲罰されちゃうの? 私はまだ、頭の片隅で体験なのだから懲罰まで受けることは無いのでは無いかと思っていた。 でも、最初の女性の刑務官…高橋刑務官の言葉がそのままだとすると、高橋刑務官以外は私が体験で来ているという事を知らされていないので、当然のように懲罰は行われてしまうのだろう…。 「ウブゥ…」 恐怖にうちひしがれた…。 「初犯ということではありますが重大な規律違反ということで5日間の懲罰房収容となります」 「よって懲役日数の停止と当刑務所での収容を5日間延長といたします」 「懲罰房での懲罰を受けたのちに移送となります」 え…5日間延長って? 今日が3日目だよね? 体験が終わるの今日だよね? え…え… ガチャン ガチャン ガチャン 扉が開くと制服の刑務官が数人独房へ入って来た。 「ンオッ!?」 「枷を一時的に外します、ラバースーツを脱いで下さい」 「ン」 首枷、手枷、足枷が一時的に外された。 ラバースーツを自ら脱ぐと、再び枷が嵌められました。 初日にここに入った時と同じ拘束です。 その時とは比べ物にならないぐらい汚れているけど…。 目隠しと耳栓が付けられ、感覚を遮断される。 両腕を横からガッチリと掴まれる。 そしてそのまま連れていかれる。 「ンッ…ンンッ…」 足がもつれて転びそうになるが、そのまま引き摺られて連れていかれる。 連れていかれるというか運ばれて行く。 かなり運ばれて、立たせられる。 アイマスクと耳栓が外された。 「ンッ…」 平井刑務官は既に居なくて、私を運んできた2人の刑務官も後ろの扉から出ていってしまった。 「こちらで懲罰房へ収容する前の検査をおこないます」 と目の前の男性が話し始めた。 「まず…髪が長すぎるので剃髪、剃毛」 「?」 え? 後ろに結んでいる髪の毛を掴まれる。 そして無理やり正座をさせられる。 ジョキ… 「ンオッ!?」 髪の毛にハサミが入れられる。 う…嘘…。 そんな…。 束ねられた髪の毛は簡単には切れない。 徐々に刃が入る。 ジョキ… ハサミが髪を断つ音、振動が頭に響く。 ジョキン… 「ウヴゥ…ヒグッ…ヒグッ…ズズッ…」 私の自慢の髪が…。 束ねられた髪が、ポトリと軽い音を立て目の前に落された。 あぁ…あれ程までにケアした髪の毛が…幾度と無く手櫛で鋤いた髪の毛が…。 それからも髪を鷲掴みにされ、その根元から切られていく。 パラパラと髪の毛が、身体に床に落ちていく。 「ムォ…グスッ…ズズッ…」 こんな頭じゃ…。 数日前のような日常には戻れない…。 結んでいるところを切られたぐらいなら、すっごい思いきってショートにしました…とでも出来たけど…。 どうやら私を坊主にするらしい。 「剃髪に防声具のベルトが邪魔になるので一時的に外すが、私語は厳禁」 そう言って防声具が外される。 「ンア…はぁ…ぐすっ…ずずっ…」 防声具が外されると、今度はバリカンで更に根元から刈られる。 次に頭にクリームが塗られ剃刀で剃られていく。 ゾリ…ゾリゾリ… 髪の毛のついでにまゆ毛も剃り落とされた。 「んぐ…」 股を開かされ股間にもクリームが塗られる。 股間の毛もしっかり剃り落とされる。 「膣、肛門、口腔共に異物無し」 「よっ…」 頭からバケツで水をかけられる。 「いぎぃっ!」 冷たいっ! 「はふっ…は…は…」 冷たすぎる。 「懲罰房への収容を許可します」 「本日の給餌は無し、即刻鞭打懲罰を執行します」 ビショビショのまま首枷の鎖を引かれて奥へと連れていかれる。 それから少し天井の高い、6畳程の部屋に連れてこられ、押し倒される。 足枷が少し上にずらされ、足首にベルトが巻かれた。 ベルトは天井から伸びているワイヤーに接続された。 ワイヤーが巻き上げられ足から身体が持ち上がっていく。 身体が完全に床から離れ、逆吊りになる。 頭に血が昇る。 「うぅ…」 手枷の南京錠が一旦外され、万歳をさせられる。 そして再び手枷同士が施錠された。 床に埋め込まれたリングと手枷がつなげられる。 更にワイヤーが巻き上げられ、私の身体は逆さまにピンと伸ばされた状態になった。
Comments
なんか終わっていない感じがしますね
坤
2022-12-08 17:15:10 +0000 UTC文字数制限?か分かりませんが、途中で途切れています
保科
2022-12-08 15:58:56 +0000 UTCあと少しというところで延長になる絶望感がいいですね。労働用ラバースーツは泥んこになっても水ですぐ流せて機能的だと思います。
極(kym10o)
2022-12-08 15:15:54 +0000 UTC