SamuKata
スティル0880
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脱出イリュージョン! 完全版

今日は通っている高校の開校記念日で学校が休みなので、その休みを使いあるショーを見に来た。 そのあるショーとはマジックショー。 もう何年も第一線で活躍しているマジシャンであり、ベテラン域に入りかかったマジシャン・奇術師・イリュージョニストである。 結構人気のショーなので駄目元で応募したが、運が良く当たったのだった。 テレビやDVDでその人のマジックショーを見たことは何度かあったが、実際に見るのは初めてだった。 朝早くから電車を乗り継ぎ都心部へと向かう。 私の住んでいる地域は直線距離的にはそこまで遠くは無いものの、路線的に少し遠回りをしないと都心部へ行けないのだ。 まぁそんな事は置いておいて…。 会場へは早く着いた。 先に自分の席の場所を確認しておく。 舞台に向かって右端の席。 最前列ではあるのだが端っこなので首が痛くなりそうだ。 まぁ仕方ない…。 あわよくば舞台袖の様子が見えるかも知れない。 ショーが開始する時間まで少し時間がある。 売店でパンフレットを書い、それから席に着く。 パンフレットをゆっくり読み時間を潰す。 段々と人が入ってくる。 開始時刻の10分前にお手洗いを済ませておく。 直前の方が良いけど、混むかもしれないからね…。 開始の時間となり、照明が暗くなるになる。 まぁ、会場の非常灯は点いたままなので真っ暗にはならない。 音楽が鳴り初め段々と大きく激しい曲調に変わっていく。 スタイルの良い女性のアシスタントさんが4人舞台に現れる。 マジックショーのアシスタントにふさわしい様な、ハイヒールに黒いタイツ、青い長袖のレオタード姿である。 良くあるコスチュームだが実際に見ると凄いボディラインが出る格好だよなぁ…。 タイツもレオタードもただの布っぽい感じでは無く、テカテカとしておりスポットライトの光を鋭く反射していた。 それぞれ2人がかりで仕切りを動かす。 下に車輪がついているので簡単に動き、かなりのスピードがでる。 ライトも目まぐるしく動き周り、ある意味トリップしそうな感じだ。 そして2枚の仕切りが舞台中央で重なり、通り過ぎるとそこにマジシャンが姿を表す。 マジシャンの登場の仕方ではありふれたパターンだが会場からは歓声と拍手が上がる。 『本日はショーに起こし頂きありがとうございます』 『これから時間の許す限り不思議な世界の一端を案内致します』 『どうぞ良しなに…』 会場からは拍手が上がる。 『では手始めに…』 そこから鳩を出したり、ウサギを出したり。 動物を出すマジックが始まる。 いつも動物系のマジックから始まる事が多い。 それはスタンバイしている動物達の負担を少しでも減らすためだと、雑誌で語っていた。 『さて…』 動物系のマジックが一通り終わり喋り出す。 『今日もいつものように脱出イリュージョンを行おうと思うのですが、本日は趣向をいつもと変えまして、来場された方の中からお手伝いをお願いしたいのですが、アシスタントをして頂けるという方はいらっしゃったりしますでしょうか?』 珍しい、観客を巻き込むイリュージョンか…。 脱出イリュージョンのアシスタントに壇上から選ばれる。 『うーん誰もおりませんか…では駄目元でこちらから選ばせて貰いますかね…』 『前列左端のお嬢さん』 「えっ…」 途端に視界が真っ白になり、暖かい光に包まれる。 立って無いのに立ち眩みかとも思ったが違う。 スポットライトが当てられたのだ。 すぐさま、女性のアシスタントさんが近付いてきてマイクを向けられた。 「わ…私ですか?」 視線が突き刺さる。 こういうのは仕込みやサクラのお客さんだと思ってたのに…。 『お手伝いをお願いできますか?』 「あ…はい」 『ではお嬢さん壇上にお願いします…』 「は…はい」 女性アシスタントの1人が私を誘導する。 少し震える足を何とか制し、段を踏み外さないように舞台へと上がる。 『お嬢さんこちらへ』 「は…はい」 舞台の中央に立たされる。 強烈なスポットライトに目が眩みそうになる。   『舞台に上がって来てくれてありがとう』 「いえ…」 『緊張してる?』 「あ…はい…それは緊張してます」 『そうだよね、改めて聞くんだけどアシスタントとしてお手伝いして貰いたいのだけど、お願い出来るかな?』 「あ…はい…」 『そう、ありがとう』 『本日はこちらの麗しき少女にアシスタントをして頂きます』 『皆様、勇気ある彼女に拍手を』 パチパチパチパチ… 「ん…」 『それでは、バックステージで準備をお願いします』 そう言われ、マジシャンさんが手で指し示した舞台袖の方を見る。 舞台袖ではスタッフの女性が小さく手を振っていた。 舞台袖に待機していた女性のスタッフに連れられ舞台袖からバックステージに移動する。 『今回はご協力ありがとうございます』 「いえ…ビックリしました、こういうのって仕込とかじゃないんですね…」 『そうですね…他の方がどうかはわかりかねますが、うちは大抵の場合観客の中から選ぶんです』 「そうなんですね…」 『先程説明にもありましたように脱出イリュージョンのお手伝いをして頂きたいのですが大丈夫ですか?』 「は…はい」 『ありがとうございます』 「でも…協力って何をすれば…」 『今までに脱出イリュージョンを見たことはありますか?』 「はい、この…マジシャンさんのも何度か」 ワー パチパチパチパチ… ステージではマジックが披露され続けているのだろう、歓声と拍手が聴こえてくる。 『その中で、アシスタントを拘束して箱に詰め一瞬で脱出するというモノを見たことは無いですか?』 「あ…あります」 『その、拘束されるアシスタント役をやって頂きたいのです』 「そういうこと…ですか…」 『大丈夫ですか?』 「はい、大丈夫です…」 拘束ってどんな拘束をされちゃうんだろう…。 内心、心臓はバクバクです。 『ではこちらがコスチュームになりますのでお着替えをお願いします』 「あ…えっ…」 紙袋を渡される。 「これは?」 渡された紙袋の中身を広げてみると黒いタイツと赤いレオタードだった。 「え…これを?」 『ヒールも合うサイズを用意致します、足の大きさを教えて頂けますか?』 「えっと…23.5です」 『了解です』 『では準備してきますのでこちらの部屋で着替えておいて下さい』 『汗をかきますので、下着も脱いでから着ることをおすすめします』 ガチャ… パチッ… そう言い残しスタッフさんはいなくなってしまった。 とりあえず部屋に入る。 6畳程のそれ程広くは無い空間。 ガチャン… いわゆる楽屋の様な部屋だがマジックの道具?であろうモノが壁際に立て掛けてある。 中央にある折り畳み式の机の上に紙袋を置き、中身を机に広げる。 紙袋の中身は黒い厚手のタイツと赤いレオタードだけ。 どちらにもテカテカとした、光沢がありスベスベとしている。 アシスタントさん達が着ている衣装の色違いだ。 赤いレオタードの方は手首までの長袖で首も詰まったような形状になっている。 「…」 これを着るの? そこまでは了承してないんだけど…。 こんなボディラインの出る服…。 「…」 キョロキョロ… 「着るしかない…か…」 スニーカーを脱ぐ。 着てきたワンピースと靴下も脱ぐ。 畳んで机の上に置く。 すっかり下着姿になる。 汗をかくから下着も脱いだ方が良いと行ってたけど…どうしよう。 言われた通りにするか…。 下着も脱ぎ全裸になる。 なんでこんな所で全裸になってんだろ…。 裸の時間はなるだけ短い方が良いので渡された衣装を着ていく。 まずは厚手の黒いタイツから。 パイプ椅子に腰をかける。 ギシッ… 「っ…」 冷ややかな座面とパイプ部分が直接お尻に触れて冷たさを感じる。 「よいしょ…」 「ん…」 新品か、かなり新し目のタイツのようでかなり圧迫感がある。 履いてみてもタイツの黒の濃さはあまり変わらない事からこのタイツのデニール数は130を軽く超えている事がわかった。 パツッ… 凄いピチピチ… ピッチリしていて締め付け感が気持ち良い。 タイツが履けたら次はレオタードを着ていく。 このレオタードも小さいな…。 でも伸びるよね? 形状というか、このレオタードがアシスタントの女性と同様のモノであれば、ジッパーが着いている方が背面なはず。 そのジッパーを下げる。 ヂーッ… 腰のところまで下げる、というかそこまでしか下がらない。 脚を片方づつ通して行く。 「よ…」 レオタードを引き上げるとお尻がすっぽりと納まる。 「あ…」 鼠径部が結構ギュッとなる…。 腰の前に垂れている上半身部分を広げ、片腕を通していく。 裏地もスベスベとした肌触りで、スルリと入る。 もう片方の腕も入れる。 レオタードには胸を納めるための膨らみがありその部分に乳房を合わせる。 そして、ジッパーを上げる。 ヂヂッ…ヂーッ… うなじの手前まで上げる。 レオタードはタートルネックで、喉元までを覆う。 苦しさは無いが、首まで締め付けを感じる。 「ふぅ…」 タイツもレオタードも全体的にピッチリとし過ぎていて、締め付け感が凄い。 「ん…」 動きが緩く阻害される感じが心地よい。 テカテカな生地に覆われた自分の身体を撫でてみるとスベスベとしていて気持ち良い。 「んん…」 それにしても…。 顔を上げ、姿見で自分の姿を確認する。 タイツもレオタードもちゃんと着れている。 なんでこんな格好してるんだろう…。 あ…乳首が立ってるのがわかっちゃう? これは生理現象なので仕方の無いことだが、硬くなった先端がレオタードの生地を押し上げていた。 「…」 テカテカでボディラインの出る、この格好は予想以上に恥ずかしい。 そう思うと更に硬くなる。 「はぁ…」 この格好で今から舞台に戻るんだよね…。 そう思うとゾワッとした。 コンコン… 「!」 『入りますね』 声はさっきのスタッフさんだった。 「はい…」 ガチャ… 『うん、ちゃんと着れているみたいですね』 「あの…この格好凄い恥ずかしいんですけど…」 『とても似合ってますよ』 「あ…」 『こちらハイヒールです』 「はい…」 『よっ…』 足元にハイヒールが並べられる。 スタッフさんが持ってきたハイヒールは1組では無かった。 『前後のサイズも持ってきたので、そちらもお試しください』 「はい…」 黒いエナメルのハイヒールを大きい方から試していく。 うん…大きい、ブカブカ。 これはスポッと入る。 お、こっちはある程度キツいけど一定の場所を超えるとスポッと納まる。 「あ…23の方が良さそうです」 『そうみたいですね?』 『少し歩いてみて確認してください』 「はい」 カツッカツッカツッカツッ… カツッカツッ… ハイヒールは履き馴れていないが、そこまでヒールが高い訳でもないし、取り敢えずは大丈夫そうだ。 「大丈夫そうです」 『はい、それでは準備完了ですね』 『舞台と連携を取り、時間になりましたらお呼び致しますので座って待機となります』 「はい…」 『では少々お待ち下さい』 「はい」 ガチャ… バタン… ギシッ… 椅子に座り、呼ばれるのを待つ。 あー…私どうなっちゃうんだろ…。 拘束されるのはそうなんだろうけど、どんな拘束をされるのかわからないし、どれぐらいの時間拘束されるのかもわからない。 ドキドキしてる…。 … ガチャ… 『お待たせしました、こちらへどうぞ』 「はい」 数分後、スタッフさんが呼びに来たので案内されるがままに着いていく。 カツッ…カツッ… 舞台袖に到着する。 マジシャンさんがこちらを一瞬見て私を確認する。 『さて、次は…先程の少女の準備が出来た様なので、彼女にお手伝い頂くイリュージョンをお見せしましょう』 『ではどうぞ、舞台の中央へ!』 いざ舞台へ出るとなると足がすくむが、とにかく動かして前へ進む。 カツッカツッ… そりゃあ注目を浴びる。 『コスチュームがとても似合ってますね』 「あ…ありがとうございます…?」 『それでは早速拘束へと移りたいと思います』 パチンッ… ガタガタガタッ… マジシャンさんが指を鳴らすと、アシスタントさんが上手から大きな白い箱を、下手からはテーブルを舞台の中央まで運んできた。 ガチャ… ガチャ… どちらもキャスター付きで、指定の位置に置かれるとキャスターにロックがかけられた。 まず、目につくのはテーブルの上に並べられた道具の数々。 それぞれの名称は良くわからないが、私を拘束するためのモノだろう。 それらがテーブルの上に所狭しと並べられている。 そして…この白い金属製の箱はなんだろう? キャスターの付いた金庫のような箱。 縦、横、奥行それぞれ60cm程度の立方体だ。 上の面の中央に丸い穴が空いてるけど…。 この箱の中にも拘束具が入ってるのかな? 『さて、ご用意いたしましたのは拘束具と拘束ボックスです』 拘束具と拘束ボックス…。 え…拘束ボックスって事はこの中に入れられちゃうの? 名前からそう思って改めて、箱を見ると人が入るには十分な大きさだし、上部の穴は首の太さ程の大きさだ。 『では、まず拘束ボックスを開きましょう』 パチンッ… マジシャンさんが再び指を鳴らすと、アシスタントさんが箱の側面と上部にある小さな穴に鍵を挿す。 ズズッ… ガチャ… ズッ… ズズッ… ガチャ… ズッ… … 系4ヶ所の鍵が解錠され、箱が前後に別れるように開く。 前面の下辺にある蝶番を支点に前半分が前へと開く。 「!」 箱の中には黒くて目の細かいスポンジが詰まっていた。 一部がまるで人の形にくり貫かれている。 あ…これに詰められちゃうんだ…。 そう、私は理解した。 しかも、上部の穴から頭だけを出した状態で…。 『これから彼女に拘束を施し、こちらの拘束ボックスへと詰め込みます』 『拘束の過程を見ていただくとお分かり頂けると思うのですが、脱出は不可能な拘束になります』 『ですが…そこから脱出出来たら凄いですよね?』 『それでは拘束を初めます』 『まずは拘束衣から!』 アシスタントさんの内2人がテーブルの上から白い服のようなモノを重たそうに持ち上げ広げる。 カチャカチャ… 回転して表裏を見せる。 いくつものベルトが付いている。 『こちらは拘束衣と言いまして、その昔犯罪者や精神病患者が暴れないようにするために着せられていたモノです』 『丈夫なキャンバス生地で出来ておりまず破けません』 アシスタントさん2人が互いに体重をかけて左右に引っ張る。 グイグイ引っ張っているが破れそうな気配はない。 そして、私の目の前に持って来られる。 カチャカチャ… 『それでは腕を前に突き出して下さい』 アシスタントさんにそう言われる。 「えぁ…はい…」 言われた通りに腕を前に出す。 出した腕が拘束衣の袖に入っていく。 拘束衣の生地は硬い。 時期に腕の付け根まで包まれる。 付け根まで覆われたという事は体幹部分もその殆どが覆われたという事だ。 袖には左右両方とも出口は無く、行き止まりになっている。 左手の袖の先は長いキャンバス生地のベルト、右手の袖の先はベルトを留めるためのバックルになっている。 身体に拘束衣を密着させる為に後から引っ張られる。 グィッ… 「んっ…」 ヒールという事もあり、思わずよろめいてしまうが何とか耐える。 首にまで分厚い生地が覆い、下が向きにくくなる。 すると後を向かされ、背中のベルトが締められていく。 ちゃんと拘束してますよ、というのを見せる為だろう。 カチャカチャ… シュルッ… スッ… カチャカチャ… シュルッ… スッ… 首の部分のベルトから順に下へとベルトが締められる。 身体へフィットしてくる。 でも…そこまで締め込まれないんだ…。 脱出させる為なのだろうか。 背中のベルトが最後まで締められる。 再び前へ向き直させられる。 カツッカツッ… 次に腕を動かされる。 拘束衣のお腹の部分にはループの様なベルトがあり、袖の先がそこに通される。 そのまま引っ張られ、前腕がお腹にくる。 左右の前腕がそのループ状のベルトに入れられる。 腕は束ねられた様になる。 少し低い位置で腕を組んでいるような状態だ。 左右の脇腹にもベルトループがあり、左の袖先は右の脇腹のベルトループに、右の袖先は左のベルトループにそれぞれ通され背面に出る。 すると再び後ろ向きにさせられる。 カカッ… 背面に出た袖の先同士が繋げられ、締められる。 ギュッ… 二の腕の高さを一周するベルトがありそれも締められる。 次に腰の前から垂れている2本のベルトが鼠径部沿って通り股を越え後で留められる。 カチャカチャ… 『このままでは緩いので増し締めをしていきます』 「!」 あ…結局強く締めるんだ…。 首の部分、首輪のようになっているベルトから更に締め込まれていく。 カチャカチャ… ギュッ… シュルッ… 締め込まれていくと拘束衣はより身体を締め付けてくる。 「ふぅ…ん」 袖の先のベルトも締め込まれる。 カチャカチャ… グイッ… ギュッ… シュルッ… 身体が揺れるほど締め込まれて留められた。  二の腕のベルトも同様だ。 股のベルトも身体が浮く程強烈に締め込まれた。 ベルトは鼠径部を圧迫し、お尻を割り開く様に締め込まれた。 余裕がある部分はどこにも無いが、絞まっているという部分も無い。 「ん…ふぅ…」 『どうかな、拘束衣を着せられた感想は?』 マジシャンさんにそう聞かれる。 「え…えっと…」 『脱出出来そうかな?』 「いや…それは無理…です…」 『それは良いね、簡単に脱げてしまったら、拘束衣の意味が無いからね』 アシスタントさんが作業を再開する。 『次に…』 ジャラジャラジャラ… 『鎖でがんじがらめにします…』 ジャラジャラ… ジャラジャラ… 明確にどこを拘束するという訳でもないが、拘束衣の上から鎖が巻き付けられる。 所々南京錠で留められる。 カチリ… カチリ… 鎖と南京錠の重さがずっしりと身体にかかる。 『それでは拘束ボックスの方へ…』 アシスタントさんに背中を押され、箱の方へ歩かされる。 カツッ…カツッ… 『ボックスに入る前にハイヒールを脱ぎましょう』 「は…はい…」 「あ…えっと脱ぐ?」 『はい』 ハイヒール同士を擦り合わせて、どうにか脱ぐ。 『それではボックスの中へ』 アシスタントさんに支えられながら箱の中へ乗る。 乗った所も固いがスポンジになっている。 『ではしゃがんで下さい』 「はい…」 倒れないように二の腕を掴まれながら、しゃがんで箱の中に座る。 『後にもたれかかって下さい』 「はい」 窪みになっているスポンジの部分に身体の後半分を合わせる。 あ…スポンジが思ったよりも硬質だ…。 拘束衣越しなので感覚は鈍いが、かなり硬めなスポンジだという事がわかった。 『脚を前に伸ばして』 「はい…」 『足枷を嵌めます』 「あ…はい」 カチャ… 金属製の楕円形の輪が左右の足首にそれぞれ嵌められる。 カチン… ガチャ… 厚さ5mm、幅3cm程の足枷。 それから足枷同士を南京錠で留められる。 カチリ… 『では膝を曲げて…』 言われたように膝を曲げ、体育座りのような姿勢になる。 キィ… 箱の前半分が閉じられる。 「ん…んっ!?」 身体が前後から押し潰されそうになる。 前後のスポンジに挟まれる。 アシスタントさんが1人づつ前後から箱を押さえ、もう1人のアシスタントさんが、箱を施錠する。 ズズッ… ガチャ… ズッ… ズズッ… ガチャ… ズッ… 箱の4ヶ所の錠が施錠された。 「はぁ…はぁ…」 私は白い箱から頭だけが出ている状態になった。 小さく詰められて身体を圧迫されているので、息が浅くなる。 潰れはしないが、余裕が無くて苦しい。 スポットライトの光でクラクラするし、熱で温められているので箱の中は蒸し風呂状態である。 一刻も早く出して欲しい。 『では顔面も拘束していきます』 「ぇぁ…」 やっぱりまだ拘束するんだ…。 チラッと見たテーブルの上にまだいくつか残っていたので、そうじゃないかと思っていた。 『次にハーネスボールギャグです』 目の前にハーネスボールギャグという代物が出される。 黒い革と金属のリングで構成され、赤いスーパーボールの様なボールが付いている。 『口を開けて下さい』 「ぁ…」 おずおずと口を開けると、口に赤い弾力のあるボールが押し込まれる。 「ンモッ!?」 グッ… 『しっかり咥えて下さい』 「ンッ!」 それからハーネスボールギャグのベルトが頭に張り巡らされ、増し締めまでされたので、どうやってもボールを吐き出せなくなった。 ギュッ… 「ンムゥ…」 ギチ… ハーネスボールギャグの増し締めはきつく、ベルトが肌に食い込む程だ。 ボールを吐き出そうとしても…。 キシッ… ギシッ… 革が僅かに軋む程度。 ボールを咥えている分、顎が下がっているので、さっきより上を向く事になる。 『次にアイマスクです』 ハーネスボールギャグの眉間の部分に柔らかなアイマスクが通される。 ギュッ… あれ程スポットライトで眩しかった視界が、暗闇へ包まれた。 『次に耳栓です』 『耳栓のあとにその上からイヤーマフを装着します』 「ンッ」 そして 『イヤーマフを装着したらスタートです、脱出頑張って下さい』 「?」 ギュッ… ギュッ… 耳栓を入れられる直前。 そう言われた。 「ンオッ!?」 脱出頑張って下さいってどういう意味? 拘束に耐えて待ってれば、脱出させて貰えるんじゃないの? カポッ… イヤーマフも着けられた。 「ンンッ!」 まさか…脱出出来る仕掛けがあるけど、スタッフさんの伝達不足で私には伝えられて無いとか? 「ウッ…ンウッ!」 ガタガタガタッ… 拘束ボックスごと左に移動させられる。 「ンッ!」 その疑惑を後押しするように、いつまで経っても拘束から解放されない。 「ンムッ…ンムゥッ…」 『耳栓にイヤーマフまでしているので彼女にはもう何も聴こえないでしょう』 「ウグゥ…」 『ここで他のお客様には説明しておきましょう』 『ショーのクライマックスまで彼女をココへ置いておきます』 『長時間、拘束下に置かれた少女がどんな反応をするのかをお楽しみ下さい』 『では、次のイリュージョンへ…』 拘束されてからもう10分は経っているはず…。 なのに一向に動きが無い…。 なんで? 「ンッ!…ウヴゥッ!?」 もし仮に仕掛けが有っても10分も脱出出来なければ失敗という事になり、解放されるだろうに…。 な…なんで…どうなってるの? 「ンハァ…ンッ!…グウッ!」 咥えさせられているボールを噛み締め、全身に力を込めてもがいてみる。 噛み締めると言っても、ボールの大半が歯より内側にあるので十分に噛み締める事は出来ない。 「ンッ!ンッ!」 「ングゥゥゥゥッ!」 「…ンハァ…ハァ…ハァ…」 暴れようとしても暴れられない。 身体は全くと言って良い程動かない。 「ンヴァ…ハァ…」 息が上がる。 よだれが口の端から垂れる。 これは…暴れちゃ駄目だ…。 体力を消耗するだけだ…。 暑い…。 「ング…ハァ…」 スポットライトの熱で、既に大量の汗をかいている。 呼吸も深く出来ない。 じっとして…といってもするしか無いのだが、ただただ待つ。 暖められているのでボーッとしてくる。 「ウー…」 「ンー…」 もがく事も出来ず、これは夢なのでは無いかと思い始めてしまう。 でも、こんなリアルな夢あったかなぁ。 いや、これは現実だ…。 マジックショーを見に来て、イリュージョンに参加することになって拘束されて今に至る。 … いつまで経っても解放されない。 「ンヴゥ…コプッ…」 唇で塞き止めていた唾液が耐えれずに溢れる。 顎がよだれまみれになる。 気持ち悪い…。 「ンブ…ホァ…」 私…どうなっちゃうの? どうしたら良いの? 「ンモォ…ホゥ…」 誰か…。 暑い…熱い…。 私は意味の解ら無さ、不快感、恐怖からアイマスクの下で泣いていた。 「オグッ…ヒッ…グスッ…」 ハーネスボールギャグの下でくぐもった声を出していた。 「オォ…ング…」 尿意も感じてきたしどうすれば良いのか解らない…。 … 『さて、ショーもクライマックスとなりまして、いよいよずっと放置していた彼女の脱出イリュージョンへと移ります』 『ボックスを中央へ』 ガタガタガタッ… 「ウッ!?」 『頭にも箱を被せます』 『布を掛けて、ワン、ツー、スリー!』 『どうなったでしょう?』 『外して見ましょう』 頭に被せた箱を外すと、そこにはアイマスク、ハーネスボールギャグ、耳栓、イヤーマフが落ちていた。 『おや、彼女はどこにいったのでしょうか』 ズズッ… ガチャ… ズッ… ズズッ… ガチャ… ズッ… 箱も開れる中見が見せられるがそこにも彼女の姿は無く、鎖が巻かれた拘束衣、足枷が落ちていた。 『彼女がどちらにいるかと言うと…』 『皆様の後です!』 スポットライトが会場の後方を照らし、そこに立っている女性のシルエットを照らす。 『見事脱出した彼女に盛大な拍手を!』 パチパチパチパチ 歓声と拍手が上がる。 『では皆様、又の機会に御逢いしましょう』 会場は暗転し、ショーは終わりを次げた。 会場の後方に現れたのは拘束された彼女ではない。 同様の格好をしたアシスタントさんである。 会場がそれなりに大きいので舞台に近い観客は後方に現れたアシスタントさんが見えにくいし、後方の観客は舞台の彼女をそもそも小さくしか見えないので、衣装が同じで似た身長であれば別人だとは思わない。 そういう仕組みのイリュージョンである。 彼女は今もなお拘束中で舞台裏に置かれている状態である。 ガタガタガタッ… ショーが終わりを迎えるとアシスタントさんの手によって舞台裏から控え室へ、拘束ボックスごと移動させられていく。 「ウッ…ウグッ…」 イヤーマフ、耳栓を外される。 「ウッ?」 『口枷とアイマスクも外しますよ、まぶしいですよ』 ハーネスボールギャグを外され、アイマスクも外された。 「あぅ…うあぁ…」 『お疲れ様でした』 「うう…」 顎や唇が痺れて上手く喋れないし、久々の光に目が眩む。 『すぐ出しますからね』 「あうぁ…」 目が光に慣れてきたので焦点を合わせて前を見ると、アシスタントさんが覗き込んでいた。 『それとももう少し入ってますか?』 「いあっ!」 『大丈夫です、すぐに出しますからね…』 『まずよだれを拭きましょう…』 「ん…」 よだれまみれの口元を拭かれる。 『あ…鍵があっちか…』 『少々お待ちくださいね』 「うぇ?」 ガチャ… バタン… そう言って控え室から出ていってしまった。 そうか…なんにせよ終わったんだ…。 「はぁ…んぐ…」 あ…あれ…。 目に入る場所に時計があったので時間を確認する。 2時間も経って無い? そっか…。 拘束されて居たからか、もっと長い様な気がしていた。 なんなら4時間ぐらいに感じていた。 数分もしないうちにアシスタントさんが戻ってきて箱の錠を解いて行く。 ズズッ… ガチャ… ズッ… ズズッ… ガチャ… ズッ… 4つの錠が解かれるとその瞬間に箱の合わせ目が少し浮く。 キィ… そのまま前に開かれる。 ずっと折り畳まれていた、脚を前に伸ばす。 血流が周り、ジーンと痺れる。 「はぁ…あ…アシスタントさん…お手洗いに行きたいです…」 『え…あっ…すぐに拘束を解きますね!』 『もう少し持ちます?』 「はい…」 カチャカチャ… まず足枷が外され、箱から立たされる。 カチャン… カチャン… ジャラジャラ… ジャラジャラ… いくつかの南京錠が外され、鎖が解かれる。 そして拘束衣のベルトも外されていく。 私の汗がぐっしょりと染み込んだ拘束衣が脱がされる。 「…」 こんなに汗でビチョビチョにしてしまって、不可抗力ではあるのだがなんだか申し訳ない気がした。 「お…お手洗い行ってきますね」 トイレに駆け込み、ドアを閉じる。 バタン… カチャ… そうだ、普通の服じゃないんだ…。 えーと… うなじにあるジッパーのスライダーを下げる。 ヂヂッ… ヂーッ… 「んっ…」 拘束衣が汗まみれという事は必然的にレオタードとタイツも汗まみれである。 絞れそうな程に湿ったレオタードとタイツを脱ぎ、便器の後方にある棚の様な場所へ置く。 そして便器に座り用を足す。 「ふぅ…」 用を足し終え、戻ろうとした時に気付く…。 あ…服がない…。 全裸で控え室まで向かうわけには行かないので、湿ったレオタードとタイツをまた着なければならない。 「…」 それしか選択肢が無いので冷たくなったタイツとレオタードを着る。 自分の物とはいえ、汗まみれの服を着るのは気持ち悪い。 ひぃ…冷たい…。 控え室に戻ると箱や拘束具はどこかへ片付けられていた。 『こちらのバスタオルで汗を拭いて頂いて、それから元の服へお着替え下さい』 「は…はい」 『それでは、外しますね』 ガチャ… バタン… 再びレオタードとタイツを脱ぐ。 身体をバスタオルで拭き、着てきた服に着替える。 レオタードとタイツ、タオルはこのまま机の上に置いたままで良いのだろうか? ガチャ… ドアを開け外に誰かいないか探す。 すると少し遠くにさっきのスタッフさんがいた。 「あの…タオルとかこのままで良いんですか?」 『はい!そのままにしておいて大丈夫ですよ』 「はい」 『着替え終わったらこちらへお越し下さい』 「はい」 スタッフさんに案内されるまま、別の控え室に通されると、そこにはマジシャンさんが居た。 『あぁ、身体は大丈夫ですか?』 「え…あぁ…はい」 『それは良かった、今回はご協力ありがとうございました』 と握手をした。 『貴女のおかげで素晴らしいショーにする事が出来ました』 『こちらお礼の品物とチケットです、どうぞ受け取って下さい』 そう言われ紙袋を渡された。 今日のマジックショーに協力してくれたのと、そのせいでほとんど見れなかったお詫びに、いつでも見れるというチケットとマジシャンのサイン色紙、グッズが入っていた。 会場を後にする。 そのチケットを一瞥し財布にしまう。 いつ見に行くかはまだ、決めていない。 今日は疲れた、帰って寝よう。 グッスリ眠れそうだ。 それにしてもこういうのって本当に観客の中から選ぶんだ…。 脱出イリュージョン! 終わり


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