SamuKata
スティル0880
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ヒトイヌストーリーズ サクラ号 下

次の土曜日は前田さんと共に研修。 例によって私は先にヒトイヌへと変えられる。 「え…サクラ号…?」 「新しいスーツですか?」 「めちゃくちゃかわいいっ…」 私の姿を見た前田さんにそう言われ、撫でまわされる。 2人で研修と言っても、私はする事は無い。 私はただヒトイヌでいることが、研修になる。 ヒトイヌのままボンヤリ過ごす。 前田さん忙しそうだなぁ…。 邪魔にならないように、広場に向かう。 新しいヒトイヌスーツだが、息苦しさも動けなさも、最初とあんまり変わっていない。 神田さんの話によると、これ以上は緩むことは無く、今の現状が一番革が柔らかくなった状態らしい。 ん…あの壁にあるのは…。 外にも張ってあったポスターか…。 ヒトイヌ広場のオープンを知らせるポスターだった。 あー…遂にココのオープンも来週かぁ…。 「ハ…」 来週!? そうか…もう来週にはオープンなんだ…。 ポスターにはサクラ号の写真が大きく掲載されており、サクラ号に会いに来てね!と書かれていた。 「フフ…」 私言ってないし…。 私…もといサクラ号はこの施設のマスコットキャラクターという訳だ。 ヒトイヌを体験する人がいっぱい来ると良いな…。 その為のサクラ号なんだし…。 ポテポテとゆっくりと歩いていく。 尻尾が揺れてアナルプラグに振動が来るのが気持ち良い。 あんまり早くは動けないし、早く動こうとすると汗をかくから。 これからの暑い時期はどうなっちゃうんだろう…。 「フス…フス…フス…」 木蔭でひと休み。 動かなければほどよく暖かい…。 股間以外は…。 その日は待ったりと広場で過ごした。 途中でかなり寝ていたみたい。 … 水曜日は雨だった。 しかし天気は関係無く、スーツに詰め込まれる。 流石に外には出されず、室内で過ごす。 … そしてオープン当日。 水曜日とはうってかわって晴天であった。 家の近くの掲示板にもあのポスターが掲示されていた。 町中の掲示板に貼ってあるのかな? 近付いて、改めてまじまじとポスターを見る。 この間はヒトイヌの低い目線から見たのでちゃんとは見れていなかったのだ。 サクラ号…見る人が見たら私ってわかるよね…? 目の回りが出ているので、知人であったらバレてしまいそうだ…。 施設に入ると水曜日までは無かった、料金や禁止事項等が書かれたパネルが壁に貼られていた。 そして建物内、広場の各所に鏡が置かれていた。 背が低く横に長い鏡…。 一目見たときに感づいたが、あれはヒトイヌ用の鏡だ…。 ヒトイヌにされた人が…自分がどんな状態に陥っているかを認識させるための鏡…。 曲がり角に置いてあってカーブミラーの役割をしているモノもあるけど…。 受付で最後の準備をしている神田さんへ、挨拶をし更衣室へ向かう。 ロッカーに荷物をしまう…といってもスマホと財布しかない。 躊躇せずに服を脱ぎ、全裸になる。 「はぁ…」 今日は何時間ヒトイヌで居るんだろう…。 とりあえず、18時まではロッカーが開かないように設定しロックをかける。 ピピッ… カチャ… 今日はサクラ号のスーツが置かれていなかった。 ストレッチをして神田さんを待つ。 ストレッチを終えたので、床に座って待つ。 すると神田さんがスーツを持ってやって来て、私の身体はあっという間にサクラ号スーツの中へと収められた。 最後の言葉を交わす暇も無くマスクを被せられ、首輪を巻かれ、南京錠で留められた。 尻尾も深々と挿入され、私はサクラ号にされた。 首輪にリードを付けられる。 リードを引かれ、広場の中央へと連れて行かれる。 広場の中央にも鏡があり、その近くの外灯のフックにリードがかけられた。 フックは私の遥か頭上でヒトイヌの状態では外せない。 ソコにリードかけられると、嫌でも自分の姿が目に入る。 ヒトイヌの状態で鏡を見るのは初めてだ…。 写真では見たことあったけど…。 ギチ…ギチ… 「フス…フス…」 なんて格好だろう…。 それは今まで何度も思ってきた事だが、改めてそれを認識する。 腕と脚を折り畳まれ、ほぼ全身を淡いピンク色の革で覆われている。 一番隠したい場所である股間と目元のみが露出している。 犬を模した全頭マスクには、ピンと立った耳が付いている。 口腔はマウスピースで占領されており喋れないし、鼻にはチューブが挿入されている。 お尻の穴にはアナルプラグが挿入されており、それに革製の尻尾が付いている。 スーツは極限まで身体を締め上げており、普段の状態よりも小柄に見える。 ゆっくりと歩く事しか出来ない。 それが今の私…。 今日はこれから、この姿を何人ものに晒すことになる。 その事実を私は受け入れるしか無い。 もう、逃げられない…。 時間は刻一刻と過ぎ、開園時間になった。 オープンしたてなので、当面の間は事前予約をした人だけが入園出来るらしい。 早速、2人の女性が前田さんの案内で広場の中央へやって来た。 「わ…これがヒトイヌ?カワイイ!」 「凄いわね…初めてみるわ…」 前田さんを含めた3人の女性に囲まれる。 「そうです、こちらのヒトイヌが当園の看板ヒトイヌのサクラ号です」 「サクラ号…名前の通りの色をしているわね」 「サクラ号のヒトイヌスーツは特別製で身体に合わせてピッタリに作られているんです」 「へぇ」 「触って頂いて大丈夫ですよ」 「はい…えっと失礼します」 「触るわよ」  2人はしゃがみこんで恐る恐る手を伸ばして来る。 「ンンッ」 背中と頭を撫でられる。 革の表面を指先が撫でる。 くっくすぐったいっ…。 「実際に触って頂くと、どれだけスーツが身体にフィットしているかがわかると思います」 「ヒトイヌスーツってこんなにキツいモノなの?」 「体験の際に着用して頂くヒトイヌスーツはもう少し余裕があります」 「なるほど…」 「お客様皆さんの体型に完全に合わせるというのは難しいですし、慣れていない状態だと数分でもキツかったり苦しくなります」 「えっと…サクラ号さんは平気なんですか?」 「サクラ号は訓練を受けており慣れているので大丈夫なんですよ」 「ほぉ…」 「どうする?」 「え?」 「体験する?」 「そ…そうね…貴女はどうするの?」 「ど…どうしようかな…」 「まぁ、直ぐに決めて頂かなくとも大丈夫ですよ」 「サクラ号と触れあって頂いて、それから決めて頂いても大丈夫です」 「わかりました」 「はい」 「フス…フシュ…」 前田さんが説明している間も身体を撫で続けられる。 「体験は最短で30分コースから受け付けております」 「最長だとどうなります?」 「最長ですと3時間コースがあるのですが、初めてヒトイヌを体験される方は、1時間までとさせて頂いております」 「なるほど…」 「…そう…あの…お尻のこれって」 1人の女性が、私のお尻を覗き込んで来た。 あっ… 「サクラ号はこのように…」 尻尾を掴まれ持ち上げられる。 中でプラグがグリュンと動く。 「ンァッ…」 「スーツと尻尾が分離しており、尻尾付きのアナルプラグを挿入していますが、体験用のスーツは一体型で、スーツに尻尾が付いておりますので、挿入は行いません」 「なるほど…」 「へえ…」 「というか…丸出しなんですね…」 「ええ、排泄が自由に出来る様にですね」 「一番隠したい場所なのに…」 「「…」」 「少し歩かせてみましょう」 「「はい…」」 フックからリードが外され、前田さんに引かれる。 首が絞まらないように着いていく。 「フス…ンァ…フシュ…」 ギシ…ギシ… 「おぉ…歩いてる」 「凄い」 「肘と膝で歩く為、普通の四つん這いより難しいと言われています」 「もし体験される場合はサクラ号の歩き方のマネをしてください」 「フスゥッ…フスゥッ…フスゥッ…」 着いていくのがやっとな速度で引っ張られる。 「歩かせたら、少し止まりましょう」 「フスゥ…ンスゥ…フスゥ…」 「苦しそう…」 「ヒトイヌは1歩がとても狭いので、ゆっくりと歩かせある程度歩かせたら休ませてあげましょう」 「はい」 そのまま園内を一周させられ、最初の地点に戻ってきた。 「フスッ…フシュッ…フシュッ…」 前田さんにマウスピースの栓を外して貰い用意して貰った水を飲む。 「ング…ング…ング…」 「ハァ…」 「あの…」 「はい」 「2人とも…30分コースからお願い出来ますか?」 「かしこまりました、ご準備致しますのでこちらへ…」 2人の女性は前田さんに連れられて行った。 恐らくヒトイヌにされて戻って来るだろう。 … 20分程して前田さんが、2匹の茶色いヒトイヌを連れて戻って来た。 ギシ…ギシ… 「ハァ…ハァ…」 「ンアッ…アァ…」 2匹ともまだ歩きづらそうだ。 汎用型のヒトイヌスーツとはいえ、身体に合ったサイズのスーツを着せられている為、ダボ付きは感じられない。 「ンマッ…ウゥ…」 「オォ…ホン…」 ヨダレを垂らしながらヨチヨチと歩いている。 「それでは今から30分間の体験となります」 「ンン…」 「ンマ…」 2匹ともリードを、外された。 「30分後に終了の予定ですが、30分後に終了するか継続するかをお聞きします」 「ンァ…」 「ホァ…」 近くに2匹が来たので私も近づく。 「フスゥ…ンァ…」 「ング…」 「ハァァ…」 3匹のヒトイヌで身体を擦り付け合う。 気持ち良い…。 数分後 神田さんが別のお客さんの女性を連れて来た。 「わぁ…カワイイ…」 「ピンクのヒトイヌがサクラ号で、茶色のヒトイヌは本日の体験者さんです」 「へぇ!」 「体験者のヒトイヌも2匹ともお触りOKですので、触っても大丈夫ですよ」 「わかりました、ではサクラ号ちゃんから」 「よしよし…」 頭を撫でられる。 「フスゥ…」 身体も撫でられる。 大層くすぐったい。 「フスッ…フスッ…フスゥッ!」 それから2人のヒトイヌも私と同様に撫でまわされる。 やっぱり人の手で撫でられるとくすぐったいよね…。 2匹のヒトイヌも息を荒くしていた。 そんなこんなで、一日中来場者の対応を終えた。 あぁ疲れた…。 開園時間が終わり、更衣室へ連れて来られた。 「ング…ウゥ…」 私はその場に突っ伏した。 スーツを脱がせて貰えるのは前田さんが帰った後になるはずなので、私はもうしばらくスーツの中だ。 「ンァ…」 これが私の仕事…。 これが日常になって行くんだ…。 … その後、口コミ、SNS、テレビ、ネット番組の取材で取り上げられ、人気者となったサクラ号が高校を中退して全国行脚するのはまた別のお話…。 ヒトイヌストーリーズ 桜井未来=サクラ号  終わり


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