『なるほどなるほど~。じゃっ、続きやってきますね~』
『んっ!』
今度は二体に増えた白い手が下半身を弄り始め、先生はまたも取り乱した声を上げてしまう。
『ふっ……んンぅうッ!』
さわさわと……見ているだけで鳥肌が立ってくる滑らかな指使いに、先生の瞳は落ち着きなく揺らぎ始め、きゅっと引き結んだ口元が緩み始めていく。
『くっ…はっ……ん゛ううぅぅうッ!』
最初はためらってたっぽいけど――
白い肌から汗が吹き出るにつれ、もう形振り構っていられないのか……。
先生は大きいお尻をくねくねと左右に振りながら、必死にくすぐったさを誤魔化そうとしている。
『ふっ……ふくっ……はっ…はっ…あぁっ』
くねくねと、誘惑の踊りのように揺れる大きなお尻。
ゆさゆさと、じっとり汗で濡れたブラ越しに震える豊満なおっぱい。
『んっ…ふぅっ! ふんぅうぅっ!』
――もう笑わなければどうだっていい……。
身体中を掻き乱していくこそばゆさに、少しずつ『我慢』のハードルを下げていく。
そんないつもは気高い、顔を赤らめ腰をくねらす先生の姿。
『これくらいだとぉ、まだ大体の子が我慢できるんですけどぉ――』
『はくっ…あぁんっ……んっんぅううっ!』
『いま、どんな感じですかぁ?』
小学生でも我慢できる程度。
そんなプレッシャーを与えながら――
『ふぅぅっ、ふううぅっ、んぅう゛ぅううぅっ!』
『あーれー? 聞こえてますー?』
『ちょっ…ちょっとぉ……っ! だまっ……ててぇ……っ!』
ほんの少しのはずみで、大笑いしてしまいそうな先生。
それをどうにか我慢する必死の集中力を、時折茶々を入れ乱そうとするお姉さん。
そんなことを数分間続けていると――
『はい、終了~、おつかれさまっした~』
『はんっ……あぁぁあぁ……っ!』
あまりにも短い……彩月先生にとっては短くないだろう……。
纏わりついていた白い手たちが、先生の身体からゆっくりと離れていく。
『ふっ……ふぅっ……ふぅうぅっ』
いつもの無表情の面影をなくし、誰がどう見てもほっとした表情を浮かべながら、ぐったりと強張った身体を弛緩させる先生。
だけど、ぼくは反対に――
「なんで……」
あと、ちょっとだったのに……。
『はぁ……ふぅ……』
あとちょっと長く、強く、白い手を一体でも増やせば……先生は絶対、くすぐりに負けて笑い狂ってたのに……。
『一通り終わった系なんですが、いかがでしたか~』
『た……たしかに……んぅっ』
先生は今更、そんな効いてませんでした風を装い、澄まし顔にがんばって戻しながら、ゆっくりと顔を上げる。
『たしかに……これは……小学生の子には……なかなか……ハードですね』
「………………嘘つき」
あとほんの一押しで、絶対笑い狂っていたくせに……。
小学生の女子じゃなくて、大人のくせにめちゃくちゃ効いてて、おっぱいぶるぶる揺らしながら、真っ赤な顔で必死に我慢していたくせに……。
誰がどう見ても、くすぐりめちゃくちゃ弱いくせに……。
……でも、もう……それを証明することは……分からせることは、できない……。
『んじゃ改めまして~、TTS治療実習体験、お疲れさまでした~っと』
――そう……これはエロいことじゃなくて、治療行為だから……。
そう自分に言い聞かせ、狂いそうなじれったさを誤魔化すように、ぼくはあたらめて最初から、動画を見返そうとしたところで……気付く――
「……ん?」
シークバー……動画の残り時間の多さに。
『あっ……やべっ』
「っ!?」
シークバを最後まで動かそうとしたところで、お姉さんの素っ頓狂な声にビクつき、思わず手を止める。
『すみませーん。なんか設定間違えてて~最弱のにしちゃってましたぁ。低学年の慣らし……つか、準備運動程度に使うやつ~』
『ふへっ!?』
安心と穏やかに満ちていた先生の表情がみるみると引き攣っていくのを見ながら、ぼくはまだよく状況が分からない。
だけどそんなものは待たれるはずもなく、小さなお姉さんは明日の天気でも言うような軽い口調のまま――
『じゃあ、さっきの倍くらいになる感じなんで~、よろしくお願いしま~す』
お姉さんの間延びした言葉を合図に、白い手が1…2…3……さっきよりも一つ多い4体、青い顔をした先生の周りにゆらゆらと近づいていく。
『ちょっ……まっ……まって!』
可哀そうなくらい困惑露わにしながらも、機械の白い手たちには届くはずもなく――